【感想・ネタバレ】神鳥(イビス)のレビュー

あらすじ

夭逝した明治の日本画家・河野珠枝の「朱鷺飛来図」。死の直前に描かれたこの幻想画の、妖しい魅力に魅せられた女性イラストレーターとバイオレンス作家の男女コンビ。画に隠された謎を探りだそうと珠枝の足跡を追って佐渡から奥多摩へ。そして、ふたりが山中で遭遇したのは時空を超えた異形の恐怖世界だった。異色のホラー長編小説。

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ネタバレ

八王子に勤務していたことのある地元作品と言えるかもしれない。

芸術作品から始まる物語。
芸術家が遭遇した事実を追体験する二人。

それまで越せなかった川を、共体験を支えに超える。
それまで斜めに構えてきた人生が前を向く時が来る。

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2013年04月06日

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ホラーだったのか。こわかった・・・、すごく面白かったけど、ちょっと吐きそうだった。よくも悪くも朱鷺が印象深い鳥になった。そういえば、鳥って顔が怖いよね。くちばしも尖ってるし。普段は大人しいけれど、鳥って怖いな。考えたことなかったけれど、鳥って怖い。鳥は怖いな。読後悪かったらもっとよかった。

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2012年01月17日

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この後、篠田節子はずっとフォローしているけど、この頃の作品から受けた衝撃を超えていないような気がする。自分の感受性の問題もあると思うけど・・・

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2010年08月22日

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この著者は『女達のジハード』とやら有名な本を出しているようだが、読んだことはない。
一気に読み上げるほど面白かった。

途中男の言うところの信仰とか。
日本の土着?アニミズム信仰ってそういったものが多いと思った。

「朱鷺飛来図」見てみたいと切に思った。











朱鷺のまぬけな顔や丸い嘴を知っているからあまり怖いと思わなかった・想像できなかったと感想で書いている人がいたが、主人公達もそれを見て想像できないと言っていたのに、あのマヨイガ的空間で種を滅ぼされそうになるまえの攻撃をするあの姿とのギャップを描いた女史はすごいと思う。

寝たら攻撃してくるところはフレディの助力があったのか?
いや、ま、その理由もあげられてはいます。作中で

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2010年06月08日

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篠田節子の傑作だと思っています。
朱鷺の美しくも恐ろしい姿が目前に迫る作品です。
鉛色の空、薄紅色の鳥、真っ白な雪を染まる鮮血、牡丹ではなく…地獄絵図。
まさに恐怖を実写化した物語だと思いました。

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2009年10月07日

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篠田節子さんのベスト一冊です。とにかく怖い。読んでる最中に何度後ろを振り返ったことか(怖すぎて・・・・)。

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2009年10月07日

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佐渡島に行くことになって、以前読んだこの本を思い出した。
内容はよく覚えてなかったが、美しくも妖しい朱鷺の飛ぶ姿が心に残っていた。
実際に島で見た朱鷺は美しく愛らしい鳥だったが、この小説の朱鷺は怪奇で恐ろしい。
100年前に夭逝した日本画家珠枝の絵に描かれた「朱鷺飛来図」は恐ろしい絵だった。
珠枝の小説を書こうとする作家と表紙を頼まれたイラストレーター葉子は佐渡から奥多摩へと調査し、恐怖の体験をする。

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2024年05月16日

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読み終わったもの備忘録。

確かに朱鷺って、天然記念物で絶滅したばかりに悲劇の鳥になっているけれど、赤い脚はちょっと迫力あるよね。

というところから、繰り広げられるミステリー。

篠田節っちゃんお得意の怖さ。

今ならCG使って、かなり怖い映画化ができそう(期待)

男性に素直になれない主人公と、ガサツだけど優しい男の展開が少し古臭く感じるけど、そこがまたいい。

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2022年06月14日

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後半おどろおどろしい描写はあって、ひたひたと迫って来る恐怖は感じたけど、そこまで怖くなかったかな?
イラストレーターの葉子と、バイオレンスとエロが売り物の流行作家美鈴のコンビが面白かった。
葉子は金髪ヴィクトリア風のイラストが売りなのに、逞しくてクール、一方の美鈴は大きな身体なのにちょっとお調子者で情けなくて、この2人のやり取りがユーモラスだったから、怖さが薄れたのかな。

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2015年08月11日

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コレこわッ!朱鷺と鶴なら赤江瀑に植えつけられた鶴に軍配なんだけれども、ひたすら怖い。ホラーとは思わず読みすすめて拍子抜けはしていたものの、ぐいぐい引き込まれてあっという間の1時間。折しも雪で断絶された(頑張れば帰れるけれど)集落にいるのである。このリアリティのある怖さが、やっぱりうまいなあと感心。ヘタな人が書いたらスプラッターの出来そこないで、コメディにもなってしまいそうなのだが。どこに着地するか全くわからなかったから、まさか朱鷺が襲ってくるとは。

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2014年02月16日

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先日遡行した奥多摩の巳ノ戸谷あたりが舞台だと言うので読んでみた。凄く良くできたホラーで一気に読んだ。主人公2人の掛け合いもテンポ良くなかなか面白く、予感を残しつつ終わるラストも良かった。満足。トキの事少し詳しくなった。

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2013年08月12日

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この作品と、赤江瀑の「禽獣の門」を続けて読むとちょっとした大型鳥類恐怖症ができあがるのではないかと(笑)

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2012年11月04日

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タイトルに覚えがあるから読んだはずなのに、しばらく頭の中でイビスという単語がぐるぐるしていた記憶もあるのに、あまり覚えてないなぁ。

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2011年11月10日

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「朱鷺飛来図」が描かれた理由と珠枝の謎の死と
映画監督の不審死の原因を探るために奥多摩に向かう主人公二人。
ここまでなら、よくある好みの展開だったりするが
奥多摩の山中に足を踏み入れた途端に迷い込む魔境。
何かがいる気配ではなく、いない気配。ここで既に怖い。
これは種そのものを絶滅に追いやられた朱鷺の怨念ですよ。
散りばめられた伏線を回収するかのごとく収束に向かい、
謎が解明された時、更なる恐怖が主人公たちを襲う。
ページを捲る手を止められなくて一気に読んだわ。
主人公の1人がヘタレだってことにイラっとしたけど
面白かったからいいでしょう。

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2011年08月13日

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相変わらず篠田節子の作品は面白い。ちょっと強引かと思う展開もあったものの、ぐいぐいと引きこまれていく。朱鷺の生態を含めて無知だったので、合わせて写真を見たり百科事典で調べたりして勉強になった。

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2011年03月23日

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朱鷺が人を襲う、その発想がまず凄い。
近年の彼女の秀作たちに比べると、正直中身には少々古臭さを感じるし、キャラクター設定や彼らが交わすやりとりの描写なんかはそれほど巧いとは思わないが、それでも読者を捉まえて離さない、抜群の読みやすさを誇る筆致はさすが。

文庫版巻末の解説になっていない解説はちょっとひどかったなあ。

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2009年12月23日

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篠田節子の作品から1冊選ぶとするとこれ。弥勒とかゴサインタンとか重厚な作品もいいけど、この短い作品に一番引き込まれた。そして怖かった。

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2009年10月04日

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とにかく怖い。
本を読んで震えるくらい怖いのはいつぶりかわからないくらい。読み終えた後も恐怖は終わらない。解決してない気もするが、たまにはこういう結末もあって良いのかも。

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2009年10月04日

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「絶滅した種の怨念」を人間が芸術として表現する・・・。そのためには健全な肉体と正常な精神を犠牲にしてまで。
生きとし生けるもの、すべてには「種の保存」という本能がある。それを他の力で押さえつけられ滅ぼされたとき、すさまじい怨念が残っても不思議はないかもしれない。だとしたら、今の地球上にはどれだけの怨念が渦巻いているんだろう・・・と背筋が寒くなった。

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2009年10月04日

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ネタバレ

神鳥イビスは、タイトル通り神に近い鳥イビス=朱鷺をめぐる物語です。
古代から神聖視された鳥であり、日本では1981年に純粋な野生種が絶滅した「喪われた鳥」としても象徴的な存在。その意味でもタイトルにふさわしいと感じました。

物語の核となるのは、夭折した明治の女流画家が残した「朱鷺飛来図」。
その絵に魅せられたイラストレーターの女性と、バイオレンス色の強い作家の男性が、絵に秘められた謎に導かれ、幻想の“滅びの村”へ迷い込んでいきます。

一見は吉祥画の体裁をとりながら、実は地獄絵図が仕込まれている―この設定がとても魅力的でした。吉祥と凶事の二面性を持った絵は、所有する者・見た者を破滅へと引きずり込んでいきます。

ストーリー自体は惹き込まれるのですが、主人公コンビのやり取りがどうも落ち着かず、ホラーとしてはややしっくりこなかったのが残念です。

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2025年08月28日

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この作家の作品を読んだことが無く、何の予備知識も持たず表紙から歴史小説と思って読んだらホラー小説だった。
結構怖かった・・・

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2014年01月13日

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トントン拍子で話は進んでいく。主人公というものはなんて運がいい生き物なのだろうか。
ホラー小説とは思わず現代的な謎解き小説だと思って読み始めたのでいきなりマジカル的で心霊的な要素が出てきてびっくりした。
最後には全部ぴったりはまってウーンなるほどなあと納得

クライマックスの描写もリアルで生々しく少々恐怖を感じ、それなりによかった
一気に読んでしまった
全体的に幻想的で陰気
どれくらい陰気かというと私の性格ぐらい陰気だ


全然関係ないけどつり橋効果でリアルにくっつくカップルはどれくらいいるんだろう。
☆は3にしておいたけれども実際3.5ぐらい
佐渡島に行ってみたい。

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2012年11月26日

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本の雑誌を読んでいて衝動的に買って読んでみました。絶滅したトキにまつわるホラー小説。少々主人公の男女のキャラが土曜ワイド的なのはご愛嬌ですが、中盤から終盤にかけてはじわじわとホラー度が増してきて心拍数が上昇しました。
小松左京氏の短編にもトキの絶滅をモチーフとしたホラーがありました。ちなみにニッポニアニッポンという学名はこの短編で知りました。

PS:キャラの一人美鈴慶一郎という名前が本の雑誌でよく見る鈴木輝一郎に見えてしまう。

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2012年10月08日

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ネタバレ

篠田さんの作品って、婚期を逃していると自分で思い込んでいる女性がよく登場しますね・・・。
時代からか、私から見たら「全然OKじゃない?」と思える年齢なのだけれど、時代の流れでしょうか・・。
そしてこの女性の家族もあからさまに結婚してくれることを願っていて、早とちりしてるところが面白かったり。
ホラーなんですが、所々笑えてしまうのが、今まで読んだ篠田作品とは異なるかな・・。

このバイオレンス作家の男、美鈴慶一郎の人間性が面白いです。
バイオレンスとは程遠い、おっとりした感じの冴えない男に見えるんだけど、話が進むうちに駄目な部分まで許せる気分になります。
きっと彼が自分に正直で、そんな自分もさらけ出しているからだと思うんですが・・。
そして主人公の谷口葉子は失恋してから化粧気のないお仕事人間になってしまって、男性を寄せ付けない頑なさがあり、仕事ゆえの熱心さから一番いけ好かないタイプのバイオレンス作家と仕事で組むことになるんですが、この二人のやり取りがまたちょっと笑える。


雪を耳に詰め込み、頭を石で打ちつけて失神し凍死した河野珠枝。河野珠枝の生涯を映画化した女性監督もまた謎の自殺を遂げていた。
河野珠枝の描いた「朱鷺飛来図」には怖ろしいもう一つの絵が隠れていて、それに気がついた二人はますますこの絵に関する情報を集めようとする。
そして踏み込んではならない場所へ入って行き・・・
異次元空間に迷い込んだ彼らを襲う、神鳥・・・

それは人によって絶滅の道に追いやられた朱鷺の怨念の世界・・
巨大な鋭い嘴は迷い込んだ二人を狙う。

後半になると、神鳥との戦いや逃避が怖ろしく迫ってきますが、本当の恐怖はその後からなんだな・・と。
精神までも蝕まれそうになる二人がとった方法、それは上手く行くか分からないままに物語は終わります。
気になるラストですが、きっと彼らなら自分たちの問題も含めて、逞しく乗り越えていけるような気がします。

最初は何故河野珠枝が悲惨な死に方をしたのか、映画監督までが何故自殺したのか謎ですが、ラストに近づくと分かってきます。

怖いんだけど、ちょっと面白い場面もありで娯楽性があるのかしらん。
なので、閉塞感はラストまではあまり感じませんでした・・。

きっと良いほうに向くんだろうなと思えるラスト、お互いが支えあえているうちは・・ね。

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2012年10月05日

Posted by ブクログ

彼等が見た物は、本当に現代で起こったことだったんだろうか?

絵が、絵が!としか言えない。ラストは意外でした。

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2010年07月17日

Posted by ブクログ

夭逝した明治の女性画家が死の直前に描いた「朱鷺飛来図」。
この画の妖しい魅力に魅せられたイラストレーターと作家の男女。
この画に隠された謎を探ろうと2人は画家の足跡を追う。
2人が奥多摩の山中で遭遇したのは時空を超えた恐怖の世界。
ヒッチコックを思わせるような鳥をモチーフにしたホラー作品。
画家の謎を追う展開や生きざまには引き付けられるが,
真相とラストが単純なパニックホラーで少し残念。
ただ,迫り来る鳥の描写はうまく,恐怖を演出している。

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2009年10月04日

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朱鷺飛来図に隠された真の意味を探る話。
本来のイメージと大きくかけ離れた描写に恐怖を感じた。
怖さというよりも,気味の悪さを感じさせる本だった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ホラーです。
この本を読み終えたらすぐにネットで登場する鳥を探してみました。
その姿を改めてみた時ブルブルと震えがきました。
目が怖い!色も怖い!鳥怖い!あのくちばしでトントンと・・。
しかし、主人公の相棒がどうしても気に食わない。
二人がコンビを組む事になる経緯も不自然。強引過ぎ。
相棒のキャラ設定もうちょっとどうにかしてほしかったです。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

ホラーです。間違いなく鳥が怖くなります。物語の鳥が、絶滅した朱鷺であって本当によかった。これがもっと身近に出会う可能性のある鳥だったら、外を歩くのも嫌になるかもしれない。物語の核となる奥多摩で出来事はホントにぞっとするのですが、昔の女流画家のある傑作の謎、それを追う現代の二人それぞれの制作に対する情熱は本当に逼迫したものがあり、感動させられます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

トキが肉食である、ということをこの本で初めて知りました。朱鷺色、ニッポニア・ニッポンという学名、様々な美しいイメージを見事にぶち壊してくれる本です。ヒッチコックの「鳥」も怖い映画でしたが…これを映画化したら、もっと怖いだろうと思います。互いに限界を感じている女性イラストレーターと流行小説家が迷い込んだ、白昼の悪夢世界。「食えるものは怖くない」というヒロインの呟きは、大したもんです。

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2009年10月04日

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