あらすじ
妻が際限なく太っていく─。失業中の健志を尻目に、趣味で始めた手芸が世間の注目を集め、人気アーティストとなった治美。夫婦の関係が微妙に変化するなか、ストレスとプレッシャーで弱った妻のために健志が作り始めた料理は、次第に手が込み、その量を増やして…(「家鳴り」)。些細な出来事をきっかけに、突如として膨れ上がる暴力と恐怖を描いたホラー短篇集。表題作を含む7篇を収録。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
やどかり、の中学生、智恵のずる賢いところ、用意周到なところ、吐き気がする。
青らむ空のうつろのなかに
これが1番よかった。400万円で厄介払いされた子どもの行方。
真梨幸子のイヤミスとは違う、深い見えない底のあるイヤミス。
篠田節子って、こういうものも書くのね。
Posted by ブクログ
家鳴り
若く結婚して男性不妊により子供は諦めた夫とレスを気に病んでいる妻。夫は無職になり妻の趣味の成功からの報酬で養われ、ゲーム三昧で妻は完璧に家事もこなし収入も妻のみ。現実だったらこの辺りでポイされそうな夫。。なんだけど。妻が太っていく様がゾッとする。
高卒証券マン、というより株屋がバブル崩壊での倒産、不倫相手の逆襲、妻に子供に見放されなにもかも失う話。
虐待をうけた少年が農場施設に預けられ、心を開くかと思いきや、とんでもない方向に。
その他、お化け系ではない、ヒューマン ホラー。
Posted by ブクログ
忘れられない作品は誰にでもあると思う。私の場合はこれの表題作だ。中学生か高校生くらいに読んで、ショッキングで影響を与えた作品。タイトルを失念してしまい、覚えている内容を頼りに探していたのだが、ようやく見つけることができた。
昔はただ漠然とした気持ち悪さを感じていただけだが、大人になって読み返すと作者の皮肉と現代社会の問題示唆が見える。全て1990年代に発表された作品だが、今読んでも時代感というか、まったく古さを感じないのが凄い。
あと、篠田節子の作品を読むたびに感じ入るのが、メタファーの巧みさ。
【幻の穀物危機】
パニックホラー
東京に大震災が起きる。首都圏は壊滅。伝染病が蔓延り、避難民があぶれる。同情し、案じながらひとつのショーとして眺めていた地元の人間達だが他人事ではなくなってゆく。
実際に経験しないと共感できないから、衆目を気にしてうわべでは同情するが他人事だという皮肉を言っている。実際、東北ではまだ復興できていないところもあるのに今では話題にすらあがらない。
ホタルゴケのカニバリズムの話を思い出す。極限状態になると、モラルなんて言っていられなくなる。食糧のためなら人も殺すカオスを淡々と書いているのが恐怖を煽る。
《東京という町が、砂漠の中に作られた人工のドームか、更に言えば宇宙ステーションのようなところだった、ということを私はようやく理解した。》
という一文が都心の惰弱性を的確に表していると思う。
【やどかり】
文部省の役人である哲史はネグレクトされている女子高生と思いがけず身体の関係を持ってしまう。強かな少女の策略かと、主人公も読者である私も思い込んだが、少女は純粋に恋をしていたことが最後にわかる。
穿って見れば最期のも演技で自分の現状に嫌気がさして親妹弟に身を呈して広い家を遺したのかもしれないが。
哲史は最後に《自分はやどかりだ》と思う。前半に少女達がやどかりを食べていたが、哲史も食い尽くされる暗示だったのだろうか。
【操作手】
単なる介護の話ではない幻想小説。
介護する嫁と介護される姑。交互に視点が変わる。
嫁は介護に疲れきっている。姑は嫁をいらっしゃいませとひたすら繰り返す機械に譬ている。お荷物として祖母を見殺しにしようとした孫が怖い。
家族はおばあちゃんが自分達の言葉を理解しないと思い込んでいるが、実際は億劫で閉じてしまっているだけなのが姑のモノローグから窺える。
どうなるのかなって思っていたらまさかの近未来もの?である。10年以上経った今でも、実際に人工知能の組み込まれた介護ロボットは実用化されているのだろうか?
姑が死ぬことを待っている一家は不気味。介護に疲れた家族はこういうものなんだろうか。
姑は介護ロボットに幻想を見る。人間が機械に見えて機械が人間にみえるなんて皮肉。
ロボットが本当に意思を持ったように見えるラストはとんでもない展開になる。
好きな表現がたくさんある。
《バラの香料が、緩慢な死の腐臭を覆ってきつく立ち上る》
それにしても骨格の美しい中高の顔ほど、こうなると廃鶏を思わせるきつく荒んだ表情になるのはなぜだろう。
《仮面などではない。鉄色の顔だ。硬く冷たく光沢を放つ顔の上下がぱっくり分かれ、何か軋むような音を立てた。喋っているのだ。壊れたラジオの音で。》
【春の便り】
こちらも介護されている老女の話だが、明るくて幻想的。毒があまりない。今まで救いがなかったので箸休めだろうか。
【家鳴り】
ずっと忘れられなかった作品。昔読んだときは好きではなかったのに、ストーリーを細部まで覚えていた。
子供はおらず、セックスレスの夫婦の可愛がっていた犬が死んでしまう。妻は拒食症になる。
夫は肉欲を伴わない愛を崇拝していて、潔癖症に見える。料理を作り、妻に食べさせることを愛だと思い込む。愛が暴走していく。脂肪の塊になった妻を狂気じみた愛情で甘やかすのが怖い。共依存の関係になって、お互いの重さに(体重的にも)耐え切れず死んでしまう。
しかし悲惨さはない。幸福の中で二人は死ぬ。
そこはやどかりと少し似ているかもしれない。
そしてストーリーを覚えていても、何度でも衝撃を受けてしまう。そんな作品。
【水球】
水球の中の魚のように小さな世界で停滞していた中沢。ずっと続くと思っていた幸せは不意に崩壊する。
二兎追うものは一兎も得ずな結果に。
【青らむ空のうつろのなかに】
まずタイトルが好き。
虐待されて心を閉ざした少年が豚と心を通わせる話と聞けば聞こえはいいが、豚以外には心を開かない。命を奪って食べることを拒否し、最後には豚と一緒にどこかに消えてしまう。よくある話なら、少年の心の傷は癒されるのだが、光は頑なに変わろうとしない。一度形成された自我は変わらないということを書いているのだろうか。
自分の家族を食べるとき、光はせめて自分がと思い、すべての豚カツを食い尽くしたと思うとせつない。
Posted by ブクログ
真面目な筒井康隆
という感想を持った。
パニック小説から恋愛ホラー、近未来SF、他、何のジャンルに入れて良いか判断できない作品。
どの作品も構成があり、小説として面白い。特に冒頭のパニック小説「幻の穀物危機」はリアリティーがあり、情景が迫って来る。戦中の食糧危機を体験したのだろうか。
・幻の穀物危機
東京直下型地震で大量の難民が山梨に向かう。地元住民と避難民の間で食料争奪戦が起きる。移住者の主人公は微妙な立場で様子を見るが…。
・やどかり
教師が女子生徒と関係を持って破滅する話。
・操作手
ボケた母親がロボットの介護士に恋をする話。
・春の便り
・家鳴り
病んだ妻が病的に太る話。
・水球
・青らむ空のうつろのなかに
虐待されて育った少年が、擁護施設で豚の世話をするうちに斜め上の成長をしてしまう話。
Posted by ブクログ
途中で何度も辞めようと思うくらい怖かった。
7つの短編集。
どれも普通に生活していれば出くわすであろう内容。
少し誇張されているような描写も感じられたが、
そこに入り込んでいくと、どんどん深みにはまっていく。
打開策や希望もない。
ありえないことかもしれないけど、あったら嫌だなぁとひどく思わせる内容のものばかりだった。
しばらく怖い小説はいいかなと思わせてくれた小説でした。
Posted by ブクログ
久しぶりにホラー小説でも読んでみようと思った。
「家鳴り(やなり)」という耳慣れない言葉。この本の5番目の短編のタイトルだ。
ホラーといっても、悪人の魂が入り込んだ人形が人を殺しまくることもなく、街中にたくさんのゾンビが徘徊するわけだもない。夢の中で殺人鬼に殺される恐怖も、巨大な隕石が地球に衝突する事態もない。
惰性で7年付き合った恋人のように新鮮味に欠ける言い方だけど、そんな世の中で一番恐ろしいのは結局人間だということなのか。
読み終わったあとにゾクっとする話あり、ページをめくるたびに息苦しくなる話あり、
かと思えば、全て無くしたと思われる人生の中で微かな希望を持とうとする意外な結末もあり。
若い作家には書くことが出来ない、歳を重ねたからこそ書けるストーリーがこの本にはある。
淡々とした文章が、その朧げな輪郭の恐怖を浮き彫りにする力強い作品集だ。
面白かった。
この著者の本を読むのは初めてで、後で調べてからあの「女たちのジハード」を書いた人だと知った。
読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
じわじわと怖さがくる7編の短編集。
凶悪な人が出てくるというわけではないけど、
ゾッとする話と不思議な話。
『青らむ空のうつろのなかに』は実の母親からのDVを受け、父親に施設にあずけられ、施設でも誰にも心を開かない孤独な光
唯一心を許せるもの、守られるものが養豚場で育てている豚だった…
切ないお話でした。
Posted by ブクログ
短編集
裏表紙には「暴力と恐怖」と書いてあるが、どちらかというと「世にも奇妙な物語」風のじわじわ来る怖さが多め。
福祉の現場に関しては、ややツッコミ不足な点もあるが、面白かった。
Posted by ブクログ
「幻の穀物危機」
都会から離れ、カントリーライフを送る主人公は同じく都会から来て「穀物危機が来る」と言っている岡田と知り合う。
ある日東京で大震災が発生し、その村に避難民がやってくる。
「やどかり」
万引きをした少年を引き取りにきたのは中学生の姉だった。教育センター研修員として働く男が、中学生の姉に勉強を教えようと考えたのは、学業に後れを取る子を見てやろうという熱意だった。
しかし、そのために男は恋人を失い、自身の社会的地位さえも失いかねない立場になる。
「操作手」
妻の介護の負担を軽くしようと導入されたのは、夫の会社で試作された介護ロボットだった。それでも全てをロボットに任せられないと思う妻だったが。
「春の便り」
脳梗塞で入院していた老女が、外国に住む娘の手配で老人病院に移ってきた。娘の手により、老女の家は処分され、大切にしていた愛犬も失われた。
「家鳴り」
妻がスナック菓子しか食べなくなったのは、愛犬が死んだことが契機だった。妻の健康を案じた夫は、料理を作って妻に食べさせる事に喜びを感じるようになる。
「水球」
証券会社に勤める夫は、課内の女性と付き合っていた。
妻は入院中の母の面倒を見ている。妻に不服がある訳ではない。家庭を壊すつもりはない。ただ恋をしてみたかっただけだ。
夫の会社の業績が悪く、家のローンが重くのしかかってきた事。母の病気が悪化したかもしれない事。少しずつ均衡が崩れていく。
「青らむ空のうつろのなかに」
母親のDV,父親の無関心のなかで育ってきた男児がやってきたのは広大な農場だった。
誰にも心を開かない少年が心を許したのは、その農場で育てられる豚だった。
Posted by ブクログ
舞台は現代日本、登場人物も特に変わった人というわけではなく、実際いそうな感じの人々である。そんな実際ありそうな状況からちょっとずつ歯車が狂っていき、背筋を凍らせる結末へ向かう。
「幻の穀物危機」がよかった。
Posted by ブクログ
篠田節子せんせ、相変わらず文章が上手いよね。描写も上手すぎて怖さが増す。お話に暖かさが一切感じられず冷徹。女流作家の方が ホラーに甘さがなくて怖い。さすが。
Posted by ブクログ
日常生活が、ふとしたことからズレていく。ずれは思いもかけない方向に進み加速度を増す。気がつくとまったく違ってしまった自分と家族と日常になってしまっている。そんな静かな恐怖を描いた短編7作。
中でも「幻の穀物危機」が鋭い。幼い子と妻と3人、脱サラをして山梨のペンション村に引っ越して喫茶店を営む主人公。周りには穀物危機が来ると信じて疑わない同じ脱サラ組の農業者もいる。そんある日東京西部で大きな地震が起き続々と東京から難民がやってくる。生活機能がマヒし食糧が手に入らなくなったのだ。それは東京のみならず県都の甲府でも起きていた。そして田舎にいながら農地を持たない主人公も食べ物が底をつく。穀物危機は外因ではなく地震による内因でも起きたのだ。そして食べ物を求めて主人公がとった行動は・・・
初出は1999年と今から10数年前だが、3.11の放射能による原発からの人々の移動がまだなまなましい今、ものすごくリアルである。周りの状況で思ってもみない行動が日常になってしまう様に背筋に冷気が走る。
そのほか表題の「家鳴り」は、夫の望む行動をしてどうしようもなく太ってしまった妻。ギルバートグレイプのお母さんを思い起こす。
「やどかり」保護施設に国から出向している哲史。保護対象の少女と一夜を過ごしてしまう。じわじわと哲史の生活に入り込んでくる少女のやどかりの貝になってしまう。
「操作手」高齢の母のために買った介護ロボット。母とロボットは心をかよわせていく。
「春の便り」老人病棟のベッドで外国ぐらしの娘を思いつつ折ったティッシュペーパーの犬が夜になると・・
「水球」家族のために働いてきたと思っていた夫。だが妻と子供は会社の倒産とともに去って行った。残された水球に入った金魚を残し。
「青らむ空のうつろのなかに」親に見放され400万で施設にやってきた少年。唯一心を通わせたのはぶただったが・・
1996新潮社刊。2002新潮文庫。2012集英社文庫。単行本発行当時に読んでいるはずだが表題と青らむ~のほかは筋を忘れてしまっていた。今回、幻の穀物危機に一番グッときたのは3.11で多数の避難者を受け入れた経験からか。
Posted by ブクログ
篠田さんお得意の人間ホラー短編集。
『幻の穀物危機』
東京西部で大地震が発生し、生き残ろうとする人々が理性を失っていく様子を描いたパニック小説。
主人公は地震前に東京を離れ、別荘地(長野あたり?)でパン屋を営む男。
極端な話だと笑えないのが恐ろしい。
でも集団パニックを防ぐ方法ってないよなと途方に暮れてしまう。。
『やどかり』
教育センターで相談員を務める男が、家庭に問題のある少女と関わりを持ったことで破滅に進んでいく話。
主人公は愚かだけれど、だんだん追い詰められていく過程が恐ろしい。
オチはもっと最悪のものを想像していたから少々意外な形だった。
『操作手』
姑の介護をする主人公のもとに介護ロボットがやってくる。
ロボットと姑の関係はSF的展開をたどるものの、介護する側とされる側、家族の関係など人間ドラマの要素もたっぷり。
ただこういう種類の話は読んでいて重い気分になってしまう。
『春の便り』
老人病院を舞台としたファンタジックな話。
10ページ程度のショートストーリー。
『家鳴り』
精神的な問題から摂食障害を起こし、どんどん太っていく妻を描いているけれど、主人公である夫の病質的人格を想像したほうが恐ろしい。
食べ物、料理、食べる、綿密な描写が穏やかだけど怖い。
『水球』
不倫とリストラの人間ホラー。
最初から崩壊が見えている話ではあるものの、収録されている7篇の中で唯一かすかにでも灯りが見える物語。
『青らむ空のうつろのなかに』
家庭などに問題のある子供たちを集め共同生活を送らせる農場に、ネグレクトにより心を閉ざした少年がやってきたところから物語がはじまる。
家族の問題、いじめの問題などディープに描いている。
養豚場の豚と少年の関係など、途中からファンタジー的展開になっていくのがとても篠田節子だなと思った。
私は少々苦手な部類。
どの作品もとてもクリアでヴィヴィッドである。
その分逃げ場がなくて、読むとどっと疲れる。
面白い本だけど、ハッピーにはなれない。
Posted by ブクログ
1999(平成11)年に単行本化。
初めて読む作家。裏表紙に「ホラー短篇集」とあったので買ってみて、また気晴らしのつもりで読み始めたのだが、これは「ホラー短篇集」とは言えない。巻頭の「幻の穀物危機」と「家鳴り」あたりはややホラーっぽいと言えなくもないが、ほかのはちょっと「世にも奇妙な物語」のようなテイストではあっても、ホラーのカテゴリにはまるものではなかった。「恐怖」が主眼ではないからだ。
が、どうもこれらの作品は後味が悪いようで、どこか「イヤな気持ち」にさせられた。イヤミスなる言葉は最近あるようだが、ミステリではないから該当しない。イヤ小説集であることは確かだ。
こうした後味の悪さ、胸に何かが残るようなキレの悪さは、ホラー映画ではよくあるテイストなので、その点に限ればホラーっぽいとも言えるかもしれない。
何だか妙な味の短編を書く作家ではある。あまり良い気持ちのする読書ではなかったが、なんとなく気になるようでもあるので、また違う小説を読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
とても面白く読めました。
短編はあっさりしていて物足りなく感じることが多く苦手なのだけど、なかなかに考えさせられるストーリーが多かったです。
1話目『幻の穀物危機』の旦那の頼りなさには笑えました。
一人で駆け回る割には、毎回何も収穫ないし。
いずれくるであろう首都直下型地震の後、こんな日本になってしまうのかと考えさせられる話でした。
3話目の『操作手』もよかったです。
自分が介護される歳になったら、こんなロボットが実用化されていたらいいな〜
篠田さんの書くお話は女性が強いんですよね。
だからなのか、男性がほんと頼りなくて…
Posted by ブクログ
篠田さんのホラーは突発的な怖さではなく、こころの底にある恐怖をじわじわと突きつけられてくるような不気味さを伴う。
幻の穀物危機、やどかり、操作手、春の便り、家鳴り、水球、青らむ空のうつろのなかに、の8編が収録されている短編集だか、どれも全く違う方向から視線を当てられていることに驚く。中でも気になったのは表題作の家鳴りだ。
妻が際限なく太っていくー。失業中の男性は、愛犬をなくしたことで拒食となった妻に食事を作るようになる。延々と食べ続け、丸々と太っていく妻。凝った食事を作り続ける男性。徐々に変化していく関係と異存。ほんの少しの興味と気味の悪さを感じながらも、二人の結末にしわあせなものを感じてぞくりとなった。
Posted by ブクログ
生まれ育った八王子を、何度も潰した小説家として紹介されていた篠田節子に興味を持ち、読んだ小説が家鳴りだった。幻の穀物危機は何とも気味が悪く、投げ出そうとしたが、読み進むうちにこれまで読んできたものとの異質さを覚えて逆に新鮮な気持ちで読み進むことができた。
Posted by ブクログ
何気無い日常から狂気に堕ちていく短編集。実際に起こり得そうなものも多く、自分がこんな事態になったらと思うと冷や汗をかいた話もいくつか。
短編集と言うことでテンポよく、人間の恐ろしさや、狂気、人生の無情等様々な物語が読めて飽きませんでした。
ただ読んでいて、登場する男性の情けなさ過ぎるのではないかと。男性のイメージってこんなものなんだすかね笑