篠田節子のレビュー一覧
-
篠田節子さんの本を読みあさって何冊目か。チベット辺りの宗教的な内容と、何もかも失って行く、追いつめられて行くような定型パターン。
「弥勒」と似ている感じもするし、「仮装儀礼」にも似ている気がする。
そして私は今回の物語は最終的には純愛じゃないかなと解釈した。
ちょっと違うパターンも読んでみたいもの...続きを読むPosted by ブクログ -
『死神』につづき篠田節子の短編がなかなかか良い。最後の短編『レクイエム』で戦争体験者の老人が語る言葉に「戦友会なんてやって思い出を語れる連中は地獄を見ていない」とある。この老人が語りだす体験談が凄まじいの一言、世の中、数ある恐怖、ホラー小説はあれど史実にはかなわない。Posted by ブクログ
-
農家の跡取り息子がネパール人の妻を娶ったことから始まる人生の転換を、宗教や異文化への理解を通して描く物語です。
主人公が没個性的であるため、読者が世界を見る媒体としての役回りと割り切るまでは読み進めることに苦労しました。
全体として細部の取材が行き届いていることから確かな現実感あり、主人公が経験...続きを読むPosted by ブクログ -
生まれ育った八王子を、何度も潰した小説家として紹介されていた篠田節子に興味を持ち、読んだ小説が家鳴りだった。幻の穀物危機は何とも気味が悪く、投げ出そうとしたが、読み進むうちにこれまで読んできたものとの異質さを覚えて逆に新鮮な気持ちで読み進むことができた。Posted by ブクログ
-
内容(「BOOK」データベースより)
“究極のハイクラス・リゾート東地中海の真珠キプロス島”女性誌の編集部員響子の海外取材は、このキャッチコピーのようにいくはずだった。だが実際は限られた予算と日程をやりくりする、カメラマンとの二人旅。そして風光明媚で文化遺産に恵まれた島は、民族と文化が複雑に交錯す...続きを読むPosted by ブクログ -
エセ宗教家の末路がこれでよいのか、あの法の華三法行の福永法源などは娑婆に出てきて、性懲りもなく活動再開しているらしいし、大悪人の麻原なんて刑務所で日々脱糞しながら瞑想(迷走)している・・・小説に登場するエセ宗教家は悪人になり切れず、かといって自分がつくった宗教から逃げ出すことができずに自滅するのだ...続きを読むPosted by ブクログ
-
禍々しい宗教家の誕生秘話ではない。突然、神の声を聞き教祖になったという話ではなく、普通の人がビジネスで宗教を起こして成功するという小説である。普通といっても元ゲーム作家というところが現代っぽい(笑Posted by ブクログ
-
いわゆるドラマティックな大仕掛けがあるわけでなく、
わりと静かに淡々とハザードが進行していく。
これが妙にリアルで怖い。
ほんとに蚊に刺されると一瞬ドキッと
したりしなかったり。
なんか盛り上がんないな~
と思ってた前半が嘘のよう。Posted by ブクログ -
地方で埋もれた画家があるエッセイがきっかけで注目されるようになる。
でも、遺された画家の妻智子はその作品の一部を「偽物」と言い張り画集に掲載するのも、展覧会で展示するのも認めない。
妻の言動が段々と常軌を逸してきて、途中から「これはホラーじゃないよね?」と、困ったお婆ちゃんだと思いながら読んだ。
妻...続きを読むPosted by ブクログ