篠田節子のレビュー一覧

  • 四つの白昼夢

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    4話の短編集
    篠田節子の長編SFミステリーの様な緻密さや深さは有りませんでしたが、サクッと読めてまぁまぁ楽しめました。後半2話は篠田節子らしい不思議物語でした。

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    2024年10月07日
  • 四つの白昼夢

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    四つの物語からなるお話。
    そのうちの二つは植物についても詳しく描かれており、植物が好きな私はとても楽しめた。

    『多肉』はアガベが主役(?)で、
    確かにアガベってこのお話のような不気味さを感じます。うちの近くの国道沿いに巨大なアガベがあって、去年ぐーんと茎を伸ばして花を咲かせました。花が終わったあと、あっという間に枯死して、怖い感じがしたのを思い出しました。

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    2024年09月11日
  • 四つの白昼夢

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    日常と隣り合わせの非現実とも言える世界を描く四つの物語。

    理想の家屋根裏に潜む何かの正体‥‥「屋根裏の散歩者」
    置き忘れた遺骨を巡る風景‥‥「妻をめとらば才たけて」
    経営破綻したレストラン店主がはまった沼‥‥「多肉」
    亡くなった義母と一緒に写った男の正体‥‥「遺影」

    どれもちょっと非現実的な物語。
    それでも「妻を‥‥」はいい話だった。人の幸不幸は側から見ている者にはわからないということ。他人は見えている風景から勝手な想像を働かせるけれど。
    二人の遺骨はどうなったのかな?共に葬られたらいいなと思うけど、そうならなくても二人の魂は共にあるような気がする読後。

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    2024年09月07日
  • 四つの白昼夢

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    ネタバレ

    白昼夢って何だっけ?ああ、非現実的な体験のことなのか。確かに4つの短編いずれも、不思議な話だった。怖いような不思議なような印象を持った。

    屋根裏で音がするので気になって調べたところ、音の発生源は意外にも亀という話は、どこか非現実的だがあり得なくもない。亀が歩くときはゆっくりだが地を這うような音がする。正体が分からないとこんなにも不気味なものなんだな。亀は昔から好きで可愛いし、人に懐くケースも知っている。飼っていた亀を手放したくない気持ちは分かるが、この先どうなるんだろう。親類とは言えほとんど他人の男が、自分たちの家の屋根裏に無断で入っているというだけで結構気味が悪い。ただ、私も主人公同様、すぐに亀を追い出す気にはならないと思う。

    亡くなった義母の遺影に一緒に写っていた者の正体は…という話は、そんなことがあるのかと思う結末ではあるが、話としては好きだった。
    人の思念が遺影の写真を作ったのか、それともニホンザルの思いが写り込んだのか。人間と動物の間には、人の理解を超えた情のようなものがあってほしい。

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    2024年08月24日
  • 四つの白昼夢

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    ネタバレ

    妻をめとらば…
    は骨壷を電車の中に置いて帰ってしまった初老の男性に乗客の女性が駅員に届ける所から始まり、男性の過去が徐々に明らかになる。
    思い込みで誤解が発生し、本人がしゃべらないと誤解が誤解を生むという説明の大切さと思い込みはいけないなぁと教訓
    あと三つも面白く読めた。

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    2024年08月12日
  • 四つの白昼夢

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    世界がコロナ禍に飲み込まれた時代を背景にした4篇の短篇集。冒頭に置かれた「屋根裏の散歩者」にはそれらしき描写はないが、初出は2021年なので、作家がその影響下にあったことは間違いない。
    それが原因か知らないが、今回の篠田さんはホラー寄りである。読んでいると背筋がぞくぞくする系だ。モダンホラーは平気だが、和風のどろどろは苦手なんだよな……。とはいえさほど怖い話ではなく、コロナで破壊された日常に生きる人々を描いた巧さが光る。
    異常が当たり前なら、この暑さも普通になっていくのかな。そのうち“酷暑小説”も登場するのかもしれない。

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    2024年08月10日
  • 四つの白昼夢

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    物語を二面的に描く白昼夢のような4つの短編集。
    コロナ禍の不自由な生活も影響もあり、悔しいものもある。(妻をめとらば才たけて)。
    「遺影」が心温まって結構好きだった。

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    2024年07月27日
  • ドゥルガーの島

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    篠田さんのお得意の宗教がらみのファンタジー。
    今回はインドネシアの架空の島が舞台。
    遺跡の謎を追いながら世界で起きている宗教問題を絡めている

    自分ではミソジニーであることに全く気付いていない中年男性と、独身の文化人類学者の女性が良い塩梅で対比されている。

    ちょっと長かったが、書きたいことを全部書いたらこの長さになるのは理解できる。

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    2024年07月20日
  • 百年の恋

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    これは読み手が男か女かでだいぶ感想変わりそう…。
    出てくる女性陣が強すぎるのか勘違い主人公が屑すぎるのか。
    あとがきでぶっちゃける篠田さん良き。解説にも激しく首肯

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    2024年07月10日
  • 廃院のミカエル

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    苦手な海外の宗教ものを、また選んでしまった…
    もっと軽めのものかと思っていたら、そうでもなくて、読むの時間かかってしまった。

    ミステリーといっても誰かが、亡くなりはするけど殺されはしない。
    かといってオカルト一色でもなく、なんというか、強い印象なく終わってしまった。

    ただギリシャの宗教に触れるのは初めてだったので、そこは新鮮でした。

    勢いよく、一気に読んだほうがいいかもしれない。

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    2024年07月07日
  • ドゥルガーの島

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    加茂川一正は、長年ゼネコンに勤め、インドネシアで現場の折衝にあたってきた。ある種、楽天的で行き当たりばったり、しかし、その性格は意外に「現場」には向いていた。ただ、インドネシア駐在後は本社には戻れず、出世の目がないことはわかりきっていた。彼はえいやっと早期退職して私立大の非常勤講師に転身した。結婚して間もない若い妻には一言の相談もしなかった。三度目の妻である彼女が黙って出て行ったのは無理のないところだろうが、彼にはまったくわけがわからなかった。

    退社前、休暇として訪れたインドネシアの小さな島で、彼は「大発見」をしていた。
    ボロブドゥールにも似た古代遺跡。しかもそれが海中にある。
    この地域にこんな遺跡があるとは。歴史上の大発見ではないのか。
    興奮した彼だが、現地住民もインドネシア政府当局も研究者も彼の「発見」には冷たかった。
    曰く、そんなに古いものであるはずがない。曰く、観光客を目当てにした捏造建造物である。曰く、以前やってきて同じものを「発見」した研究者たちも誰一人真面目に追求しなかった。
    しかし、加茂川は素人ながら自分が見つけたのは価値あるものだと信じていた。
    この歴史遺産の発見者として歴史に名を刻みたい。
    会社を早期退職したのも、この夢を追うためでもあった。

    持ち前の調子のよさから研究者グループの調査の一員に加わり、島への再訪は叶うが、事態は遅々として進まない。
    島の人々は町のものからは首狩り族として蔑まれている。島民らはヒンドゥー教を信じ、海のある場所にいたずらに近づくと女神(ドゥルガー)の怒りを買うと信じている。村の女たちは呪術めいた儀式も執り行い、どうやら彼女たちの使う酒や薬には怪しい成分が混じっているようだ。
    一方でインドネシアはイスラム大国である。イスラム教徒の中には先祖がアラビアから来たと信じているものもいる。そうした人々が土着宗教に向ける目は冷たい。
    金のために開発を進めようとする金持ちのスルタンの思惑もある。
    近年ではイスラム過激派の暗躍もあるようだ。
    そんな中、島は火山の噴火に見舞われる。加茂川の「夢」の行方は。

    出版社による作品紹介ページの「圧巻の」「エンタテインメント!」は若干ミスリードで、これは一般的に「手に汗握る冒険小説」の部類に入る作品ではないだろう。
    とにもかくにも、話はなかなか進まない。
    さまざまな勢力のさまざまな思惑が絡み合い、一筋縄ではいかない混沌が続く。
    加茂川が主人公として魅力的な人物とは言いにくいのだが、しかし、彼のある種、空気が読めない鈍感さが、良くも悪くもこのプロジェクトの推進には必要だったということかもしれない。
    先が読めないダラダラとした展開は、実際、インドネシアの複雑な社会状況を反映しているようでもあり、そういう意味では「現実的な」「冒険」小説とはいえるだろう。

    物語の終盤には、ややスペクタクルなクライマックスがある。ここでカタルシスが得られるかどうかは読者によるだろうが、着地点としては悪くないのではないか。
    登場人物の中では、個人的には、島民のエダがよかった。この逞しさ、この生命力。彼女はあるいは、母のマヒシャとともに、「ドゥルガー」の化身なのかもしれない。

    バツ3の加茂川には、その後、どうもマドンナは現れないようなのだが、実はこれは結構幸せな人生なのではないだろうか。

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    2024年05月27日
  • 鏡の背面

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    ネタバレ

    長い。
    やっぱり篠田節子は私にはまだ早いのかな。

    火事の遺体が別人だった、誰なのか。という謎を、施設の女性と記者の女性2人で解き明かしていくという筋立てなんだけれども、少しずつヒントを得て、仮説を立てていく流れで、どこまでが確定なのか分かりにくくて(2人ともオカルトに流される似たようなキャラだし)、最後にひっくり返されるのか?と疑いが拭えないまま(結局どんでん返しは別にない)読んでて終わってしまったので、最初から、ミステリーではなく人間ドラマ(半田明美物語)の頭で読めばもっと面白いのではないかと思う。

    あと、余談だけれど、筆者の年齢を考えれば若い女性よく書いてると思うけど、どことなく「年配の方が若い女性を理解して描いた」という感じがしていて、気になった真ん中世代です。
    小説って、自分の等身大で書く一作が1番面白いのかもしれないね……。

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    2024年05月15日
  • ドゥルガーの島

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    ひたすら、一正の性格が好きになれず…。楽観的というか、学ばないというか、懲りないというか…何か事件が起きる度に少しイライラしてしまう。海底の古代遺跡をめぐってテロや宗教対立などがあって話の内容は大作に相応しく盛りだくさんでしたが、なにせ主人公が好きになれなかった分、読後疲れてしまいました。

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    2024年05月04日
  • ドゥルガーの島

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    ネタバレ

    インドネシア架空の小島の古代遺跡を巡るスペクタクル小説。

    主人公以外の日本人の学者は魅力的だったのに、主人公だけは性格も行動も受容れられなかったのが残念。
    古代信仰のドキドキ感やイスラム原理主義への嫌悪感はうまく感じさせるのはさすがでした。
    自分の知識不足で建築物の説明から情景を思い浮かべられなかったのがもったいなかったかも。

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    2024年05月03日
  • ドゥルガーの島

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    ある人にとっては重要であっても、そこに住む人たちにとってはさほど重要ではない。生活の中に存在しているだけ。特別なものにしなくても、地元の意向を重視するのがいいのでは。

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    2024年05月03日
  • 鏡の背面

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    ネタバレ

    ある人物として長年過ごしてきた人が実は違う人だったということが判明し、その足跡を辿り来し方を紐解いてゆく…という、類型の1つといっても差し支えないパターンを踏みながら、そこはさすがの筆力でぐいっと読者を引っ張っていく。
    "女性"を描くという点においては人後に落ちぬ著者であるが、今作においてもそれが遺憾なく発揮されている。
    そしてこれは、同性である女性にしか書けない小説であろうとも、同時に思う。
    また、アジアの猥雑な街をリアルに描写する技術もまた、多数の作品で感じられる著者一流のものであり、ひりつくようなマニラの熱気がぶわっと襲い掛かってくるようだ。

    骨子たるプロットについては、読み手の予測の範疇を大きく超えるものではなく、良心の呵責に苛まれて改心するのと自我が崩壊して取り込まれてしまうのとでは、どう違うのだろう…? とすんなり腑に落ちず、結末に至る過程から瞠目させられるほどのカタルシスを得られなかったのは、ひとえに私の読解力不足か?

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    2024年04月23日
  • ドゥルガーの島

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    難しい。

    後半までは同じ内容を繰り返していて
    読んでも読んでも進まない感覚が辛かった。
    何度も、やめようかと思いながらやっと後半になり、
    こんなに難しい題材をいくつも秘めていたのか‥‥‥と。
    最後はドキュメンタリー映画を見ているようでした。

    難しい問題提起をされたような作品でした。

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    2024年03月18日
  • ドゥルガーの島

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    宗教的なことも地質も歴史にも疎い身には難しかった。ただ文明とは思えない風習や信仰にも他所の誰にも評価を下すべきではないこと、誠実であることは人種を超えて通じるのだなぁということは、強く思った

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    2024年03月12日
  • 冬の光

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    以前どこかの本屋さんのPOPを見て気になっていた本。

    人の行動にはそれぞれの理由があって、理解できることも理解できないこともある。

    物語ではどうしても登場人物には光というか、正義を求めがちだけど、必ずしも感情移入させたりせず、淡々と人間って綺麗なところや理屈で説明つくところだけじゃないよねというのが書かれている気がした。

    最後は救われるところもあってよかったです。

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    2024年02月29日
  • ドゥルガーの島

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    けっこう努力して辛抱して読破しました。が、あまり報われた気がしない。

    題材的にも心惹かれるものがあったのですが、冗長?すぎて。
    あぁ、こうやって闇に消えていく本物の遺跡もあれば、
    地元住民のメシの種にするため、デッチ上げに近いような遺跡もある。
    その遺跡の発掘、保護にそれぞれの思惑で関わる3人の日本人。
    出自や歴史もろもろで対立する地元の住民たち。
    それぞれ魅力的な設定だし、エピソードなんだけど、なんか散漫なかんじで。

    やっぱ主人公のカモヤンに、いまひとつ魅力を覚えないからかな。
    スペック高いんだけど、どこか傲慢なカン違い野郎。
    もうちょっと魅力的な人物に仕立てても良かったんじゃ、と思います。

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    2024年01月20日