篠田節子のレビュー一覧

  • 家鳴り

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    「幻の穀物危機」
    都会から離れ、カントリーライフを送る主人公は同じく都会から来て「穀物危機が来る」と言っている岡田と知り合う。
    ある日東京で大震災が発生し、その村に避難民がやってくる。
    「やどかり」
    万引きをした少年を引き取りにきたのは中学生の姉だった。教育センター研修員として働く男が、中学生の姉に勉強を教えようと考えたのは、学業に後れを取る子を見てやろうという熱意だった。
    しかし、そのために男は恋人を失い、自身の社会的地位さえも失いかねない立場になる。
    「操作手」
    妻の介護の負担を軽くしようと導入されたのは、夫の会社で試作された介護ロボットだった。それでも全てをロボットに任せられないと思う妻

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    2014年07月26日
  • 沈黙の画布(新潮文庫)

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    2017.7.14ー51
    地方で埋れたまま死んだ画家の妻の執念と、絵画に値がつく裏側との双方から楽しめる。

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    2014年07月14日
  • 家鳴り

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    舞台は現代日本、登場人物も特に変わった人というわけではなく、実際いそうな感じの人々である。そんな実際ありそうな状況からちょっとずつ歯車が狂っていき、背筋を凍らせる結末へ向かう。
    「幻の穀物危機」がよかった。

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    2014年06月12日
  • コミュニティ

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    ネタバレ

    ほんの少しの間違いでそれが故意かどうかはわからなくても、日常には常に闇が隣り合せになっている。その間違いが闇に転落する可能性はたぶん私が思っている以上に高い。
    殺人も他人ごとではない。当事者なのか被害者なのか。紙一重。

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    2014年05月11日
  • 神鳥(イビス)

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    コレこわッ!朱鷺と鶴なら赤江瀑に植えつけられた鶴に軍配なんだけれども、ひたすら怖い。ホラーとは思わず読みすすめて拍子抜けはしていたものの、ぐいぐい引き込まれてあっという間の1時間。折しも雪で断絶された(頑張れば帰れるけれど)集落にいるのである。このリアリティのある怖さが、やっぱりうまいなあと感心。ヘタな人が書いたらスプラッターの出来そこないで、コメディにもなってしまいそうなのだが。どこに着地するか全くわからなかったから、まさか朱鷺が襲ってくるとは。

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    2014年02月16日
  • 聖域

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    弥勒が好みではあったので、温泉でダラダラするのに持って行ったが、弥勒よりも好みな展開で、一気に読んでしまった。この「救い」がテーマなのであって、最後「聖域」の結末が、僧慈明による般若心経というのは、割とそこへ落ち着くしかない、というのは途中から読めてしまうのではあるが、そこへたどり着く苦悩や絶望が、何だか真に迫って、途中でちょっと涙ぐんだ。

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    2014年02月13日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    サービス業として「宗教」という商売を始める...という発想に深く興味をそそられてワクワクしなたら読み進めた。「心身のケアをサービスとして売る」ある意味正当な職業だ。それが宗教という枠に入った場合、世間との兼ね合いはどうなるのか。まともな職業でいられるわけがない。そういう事を念頭に置いて、どの様に、この物語は進んでいくか、ワクワクしながら読めた。

    上巻を読んだとき、そのうちに来るであろう崩壊が読めた。よくあるマスコミの餌食にされてボロボロになるというパターンを想定した。けれども、この小説はそこから先があった。それが異常に面白かった。

    エセ宗教から本物の信仰を見出した信者達。深い信仰を持った信

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    2013年12月08日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    上下まとめて感想

    サービス業として「宗教」という商売を始める...という発想に深く興味をそそられてワクワクしなたら読み進めた。「心身のケアをサービスとして売る」ある意味正当な職業だ。それが宗教という枠に入った場合、世間との兼ね合いはどうなるのか。まともな職業でいられるわけがない。そういう事を念頭に置いて、どの様に、この物語は進んでいくか、ワクワクしながら読めた。

    上巻を読んだとき、そのうちに来るであろう崩壊が読めた。よくあるマスコミの餌食にされてボロボロになるというパターンを想定した。けれども、この小説はそこから先があった。それが異常に面白かった。

    エセ宗教から本物の信仰を見出した信者達

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    2013年12月08日
  • 神の座 ゴサインタン

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    この小説って一体なんなのか、どういう物語なのかっつーのが読後数日経った今でも捉えきれない。色んな事盛り込み過ぎなんだけど、かと言ってバラバラではない。日本ではカルバナも空っぽだったし、輝和も空っぽだった。ただ輝和が自分らしきものを手にした後半でカルバナがなんにも覚えていないってのはあまり歓迎できない展開だった。一連の神懸り的な出来事に関しては潔いまでになんの解説もないところが清々しい。教団の描写では仮想儀礼に連なるものを感じたし、過疎地での嫁取りついてはロズウェルなんか知らない、ネパールの情景では転生と後の作品の萌芽らしきものが垣間見え、それぞれ一作になるほどの数多くのテーマが含まれた作品。壮

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    2013年09月11日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    宗教を題材にしてるけど起業ものと捉えて読んでいたので失墜以降の展開は不本意。破滅させるしか無かったのは、宗教をビジネスとして扱ったことに対する報いなのか。ラストに希望を感じさせる終わり方だけどハッピーエンド至上主義の俺としては物足りない。でっち上げたはずの宗教に狂信的とも言える信者が生まれるあたりに宗教とは一体何かという姿を垣間見た。

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    2013年08月29日
  • 転生

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    実に深刻なチベット弾圧の状況を描いているけど、荒唐無稽で可笑しい。うまい。ただ内容的には作者がチベットを描きたいってのが先行してて人物や設定はそのおまけって印象も否定できないかな。

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    2013年08月27日
  • ロズウェルなんか知らない

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    軽妙な中に結構リアルなんだろうっつー地方のシリアスな状況を織り交ぜてて面白く読めた。鏑木がまんまForgetting Sarah MarshallのRussell Brand。

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    2013年08月27日
  • 神鳥(イビス)

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    先日遡行した奥多摩の巳ノ戸谷あたりが舞台だと言うので読んでみた。凄く良くできたホラーで一気に読んだ。主人公2人の掛け合いもテンポ良くなかなか面白く、予感を残しつつ終わるラストも良かった。満足。トキの事少し詳しくなった。

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    2013年08月12日
  • 絹の変容

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    昔からとてもきれいな繭はとれるが、そこに立ち入った人は変な形で死んでしまうといった場所。
    禁断の場所から禁断の種を持ち出し、培養し、世の中の人たちが死んでいく。
    SF的な話だが、おかいこさんってどうも気持ち悪いので、それがうじゃうじゃでると想像するとさらに怖い。これが映画になったらホラーになるなあと思いつつ読み終わった。
    何をやっても続かない3代目、資金を貸してくれる事業家、研究に没頭する女性、その周りの人々。とてもシンプルな構成で、読みやすい本でもあった

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    2013年08月07日
  • 死神

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    生活保護を受ける人と、それを受給させる人たち、またその人たちの仕事空間でのやりとりをうまく描いている作品。
    落ちていく人たち。それを見ている人たち。さまざまな人の視点を入れて短編小説をうまくつなげて書いてある作品

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    2013年08月05日
  • カノン

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    2人の男性と1人の女性の音楽を軸にしたお話。本当にどういう生き方がしたかったのかを振り返り、再度考えるきっかけを作ってくれた彼。彼の言いたかったことを理解するために何度もあった葛藤。

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    2013年08月04日
  • 家鳴り

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    篠田節子せんせ、相変わらず文章が上手いよね。描写も上手すぎて怖さが増す。お話に暖かさが一切感じられず冷徹。女流作家の方が ホラーに甘さがなくて怖い。さすが。

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    2013年06月03日
  • 静かな黄昏の国

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    個人的には、楽器ものが好き。「陽炎」「エレジー」いいです。凄いのは、やはり表題作、震災あとではとてもフィクションとして笑えない怖さ。。。。。

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    2013年05月28日
  • 静かな黄昏の国

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    老後の生活を考える年代になって読むとちょっと切ない。でも篠田節子さんは初めて読んだ『絹の変容』からのファンです。

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    2013年05月26日
  • 美神解体

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    美人のピアノ演奏者として評判の主人公麗子。
    その美しさは、彫刻的人工的でが、ハンバではない。
    しかし、ハッと息をのむほど美しいのに、
    人間的な温かみのなさがすぐにわかると見え、
    誰も親密になろうとしない。

    もともとは自分の容姿を悲観して
    美容整形で手に入れた顔と美貌だったのだが、
    元の自分を葬り去るつもりで、思い切った整形に挑んだため、
    彼女自身も自分の顔がキライだった。

    そんな彼女にある日突然、
    謎の男性平田が「夢ではない」といいつつ、近づいてきた。
    相手の身元も何もわからないまま、
    麗子も彼を愛するが、彼が愛したのは実は麗子の表面だった・・・。

    おぞましい結末がラストにあったが、

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    2017年11月09日