篠田節子のレビュー一覧
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「幻の穀物危機」
都会から離れ、カントリーライフを送る主人公は同じく都会から来て「穀物危機が来る」と言っている岡田と知り合う。
ある日東京で大震災が発生し、その村に避難民がやってくる。
「やどかり」
万引きをした少年を引き取りにきたのは中学生の姉だった。教育センター研修員として働く男が、中学生の姉に勉強を教えようと考えたのは、学業に後れを取る子を見てやろうという熱意だった。
しかし、そのために男は恋人を失い、自身の社会的地位さえも失いかねない立場になる。
「操作手」
妻の介護の負担を軽くしようと導入されたのは、夫の会社で試作された介護ロボットだった。それでも全てをロボットに任せられないと思う妻 -
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ネタバレサービス業として「宗教」という商売を始める...という発想に深く興味をそそられてワクワクしなたら読み進めた。「心身のケアをサービスとして売る」ある意味正当な職業だ。それが宗教という枠に入った場合、世間との兼ね合いはどうなるのか。まともな職業でいられるわけがない。そういう事を念頭に置いて、どの様に、この物語は進んでいくか、ワクワクしながら読めた。
上巻を読んだとき、そのうちに来るであろう崩壊が読めた。よくあるマスコミの餌食にされてボロボロになるというパターンを想定した。けれども、この小説はそこから先があった。それが異常に面白かった。
エセ宗教から本物の信仰を見出した信者達。深い信仰を持った信 -
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ネタバレ上下まとめて感想
サービス業として「宗教」という商売を始める...という発想に深く興味をそそられてワクワクしなたら読み進めた。「心身のケアをサービスとして売る」ある意味正当な職業だ。それが宗教という枠に入った場合、世間との兼ね合いはどうなるのか。まともな職業でいられるわけがない。そういう事を念頭に置いて、どの様に、この物語は進んでいくか、ワクワクしながら読めた。
上巻を読んだとき、そのうちに来るであろう崩壊が読めた。よくあるマスコミの餌食にされてボロボロになるというパターンを想定した。けれども、この小説はそこから先があった。それが異常に面白かった。
エセ宗教から本物の信仰を見出した信者達 -
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この小説って一体なんなのか、どういう物語なのかっつーのが読後数日経った今でも捉えきれない。色んな事盛り込み過ぎなんだけど、かと言ってバラバラではない。日本ではカルバナも空っぽだったし、輝和も空っぽだった。ただ輝和が自分らしきものを手にした後半でカルバナがなんにも覚えていないってのはあまり歓迎できない展開だった。一連の神懸り的な出来事に関しては潔いまでになんの解説もないところが清々しい。教団の描写では仮想儀礼に連なるものを感じたし、過疎地での嫁取りついてはロズウェルなんか知らない、ネパールの情景では転生と後の作品の萌芽らしきものが垣間見え、それぞれ一作になるほどの数多くのテーマが含まれた作品。壮
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美人のピアノ演奏者として評判の主人公麗子。
その美しさは、彫刻的人工的でが、ハンバではない。
しかし、ハッと息をのむほど美しいのに、
人間的な温かみのなさがすぐにわかると見え、
誰も親密になろうとしない。
もともとは自分の容姿を悲観して
美容整形で手に入れた顔と美貌だったのだが、
元の自分を葬り去るつもりで、思い切った整形に挑んだため、
彼女自身も自分の顔がキライだった。
そんな彼女にある日突然、
謎の男性平田が「夢ではない」といいつつ、近づいてきた。
相手の身元も何もわからないまま、
麗子も彼を愛するが、彼が愛したのは実は麗子の表面だった・・・。
おぞましい結末がラストにあったが、
麗