篠田節子のレビュー一覧

  • 聖域

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    期待通り。深いところに連れてってくれるなー。グイグイ読ましてくれるのに、文体は麗しい。ツルツルと喉越しのいいおうどんを食べてる気分。変な例え。ひっかからないというか、止まらずに最後まで読ませてくれますなー。

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    2015年09月19日
  • 神鳥(イビス)

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    後半おどろおどろしい描写はあって、ひたひたと迫って来る恐怖は感じたけど、そこまで怖くなかったかな?
    イラストレーターの葉子と、バイオレンスとエロが売り物の流行作家美鈴のコンビが面白かった。
    葉子は金髪ヴィクトリア風のイラストが売りなのに、逞しくてクール、一方の美鈴は大きな身体なのにちょっとお調子者で情けなくて、この2人のやり取りがユーモラスだったから、怖さが薄れたのかな。

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    2015年08月11日
  • 神の座 ゴサインタン

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    最後まで一気。ほんとにすごい小説家。

    とはいえ、95年10月からの連載で、問題意識が掴みづらかった。
    確かにオウム事件などが起きた直後なので、そこへの考察はあると思うが、端的に主人公は悲惨だし、宗教はクズが集まることがよくわかった。

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    2015年05月22日
  • 百年の恋

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    一気に読むよう持っていかれる。やっぱり筆力がすごい。
    主に男性視点から書いているけど、これって性別を逆にしても成り立つ、というか、むしろそうやって炙りだしている面があって、やっぱ上手だな、と思う。
    著者の主張や、自身の体験からの感傷などが廃されているのが、やっぱりいい。男じゃ書けないと思う。

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    2015年04月07日
  • 神の座 ゴサインタン

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    ネパール人の妻を持った地主の男性が、妻の不思議な能力を気味悪がる。しかし次第にその能力に翻弄され、財産を失い、裸一貫になり、掴んだものとは。地下鉄サリン事件後に発表された本作は、人心掌握する宗教の側面と、それにとどまらない物質主義からの脱却を提起しているようにも読み取れる。今のアジアは経済的に豊かになる反面、精神面も変化が起きてもおかしくない。おそらくこれからアジアが直面するであろう、精神の再生を描いている。

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    2015年03月23日
  • ロズウェルなんか知らない

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    町起こしの話。途中から一気に読める。
    青年団とともに一喜一憂しながら、考えさせられるとこも多々あり、読み応えある質の高い小説。
    途中、少し中だるみになるぶん☆減らす。

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    2015年03月19日
  • ハルモニア

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    篠田節子の大好きな(?)オカルト物。人智を超えたレベルの音楽の才能と念力という2つの超能力を持った少女をめぐるいろいろ。

    同じようなテーマで「カノン」という作品があり、いずれもチェロが題材になっているので、おそらく著者は以前にチェロをやっていたのだろうということが推測される。「カノン」に比べると、チェロにまつわる文やバッハの曲などのウンチクが、明らかに必要以上に多いし、その一つ一つにトゲがあって厭味ったらしいので星一つ減点。

    また、オカルト系によくある話だが、障害者や脳に対して、夢を持ち過ぎである。その辺はオカルトということで流すが。

    全体には一筋通っていて、読みやすいしのめり込める作品となっている。主人公が読者を何度か裏切る辺りもスリリングで良い。同じく長編の「カノン」で気になった、訳の分からないイベント(不倫など)も無く、適当なボリュームであった。

    ところで、女性作家の作品って、まず事後の情景を描いて、途中や最後でそこに到達するという作品が多いのだけど、小説の書き方教室みたいなのって有るの?この作品では、その部分が蛇足という感じしかしなかったのだけど。

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    2015年03月07日
  • 美神解体

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    ネタバレ

    賞賛されるための美を求めて得られない女と、究極の美を求める男の狂気の物語。
    整形手術を受けて人形のような容貌を手に入れたが、自分を人形として愛してくれる存在は拒絶するというジレンマがとてもいい。

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    2014年12月18日
  • 廃院のミカエル

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    なかなか読み進めることができなかった。
    ボリューム、世界観。
    自分が着地するのに時間がかかって。
    いかん。
    感受性が緩んでる。

    最後はゾクゾクと。

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    2014年12月15日
  • ロズウェルなんか知らない

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    面白かった〜
    初めのほうは田舎の頭の固い親父やら寂れた田舎の陰鬱とした描写やらで中々読み進めなかったけど、途中からはスピーディーな展開で一気に読んでしまった
    こういう物事が上手く展開していく小説って好きだ

    最後はどんな結末になるのかと心配しながら読んだが、納得出来るオチが付きつつ、読後感の良い終わり方になっていた

    これで村おこしが成功してもカンブリア宮殿は取材に来てはくれないだろうな 笑

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    2014年11月29日
  • ロズウェルなんか知らない

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    寂れた田舎の村が、UFOをでっち上げて村おこしをやろうとする話。
    2ちゃんねるでいう膿家的な思考パターンが、篠田節子お得意のコメディ&ちょっと怖いタッチで書かれている。
    同じ著者の「仮想儀礼」と合わせて読むと面白いかも。

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    2014年11月16日
  • 家鳴り

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    短編集
    裏表紙には「暴力と恐怖」と書いてあるが、どちらかというと「世にも奇妙な物語」風のじわじわ来る怖さが多め。
    福祉の現場に関しては、ややツッコミ不足な点もあるが、面白かった。

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    2014年10月27日
  • はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか

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    4作とも不思議な小説だったが、現代社会の様子や問題をデフォルメした感じで、きみ悪くも共感する場面が多々あった。
    ただ、こういう想像を絶するような話は結構読んでいて疲れると気がついた。

    しかしその中で「はぐれ…」は藍子と金森さんとの恋がうまくいきそうな結末でこの非日常的な話の中でほっこりした気分にもなれてよかった。

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    2014年10月06日
  • コンタクト・ゾーン(下)

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    上下巻の長編小説にも関わらず、先の展開が気になり、すごい勢いで読んでしまいました。ふー。すごい話だったよ。
    3人の独身女性がバカンス先で内乱に巻き込まれてしまう話で。虐殺とかあったり壮絶ではあるんだけど、村での生活はのどかだったり。でもこんな中、生き延びれるわけないような状況をかいくぐっていくのはハラハラドキドキの連続です。ゲリラなのかテロなのか、誰が敵で誰と戦っているのかどんどんわからなくなっていきます。
    あり得ない設定のようでリアリティがあるのは筆者のすご腕。イスラム過激派とかって内情はこんな感じなのかもなぁと思わせます。
    3人の主人公、最初は頭の軽いバカな女たちと思ったけど、どんどんたくましく賢くなっていきます。最後にそれぞれが選択した人生もまた清々しさを感じるエンディングでした。
    かなり読み応えのある1冊。

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    2014年09月11日
  • はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか

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    4篇収録のSF中短篇集。各作品のタイトルが有名作品の捩りになっているんだね。どの作品も密度が濃く、現代社会の抱える問題点にしっかりと根ざしているあたりに、この作者らしさを感じる。それにしても守備範囲が広いなあ。お気に入りは「エデン」かな。

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    2014年08月04日
  • 家鳴り

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    「幻の穀物危機」
    都会から離れ、カントリーライフを送る主人公は同じく都会から来て「穀物危機が来る」と言っている岡田と知り合う。
    ある日東京で大震災が発生し、その村に避難民がやってくる。
    「やどかり」
    万引きをした少年を引き取りにきたのは中学生の姉だった。教育センター研修員として働く男が、中学生の姉に勉強を教えようと考えたのは、学業に後れを取る子を見てやろうという熱意だった。
    しかし、そのために男は恋人を失い、自身の社会的地位さえも失いかねない立場になる。
    「操作手」
    妻の介護の負担を軽くしようと導入されたのは、夫の会社で試作された介護ロボットだった。それでも全てをロボットに任せられないと思う妻だったが。
    「春の便り」
    脳梗塞で入院していた老女が、外国に住む娘の手配で老人病院に移ってきた。娘の手により、老女の家は処分され、大切にしていた愛犬も失われた。
    「家鳴り」
    妻がスナック菓子しか食べなくなったのは、愛犬が死んだことが契機だった。妻の健康を案じた夫は、料理を作って妻に食べさせる事に喜びを感じるようになる。
    「水球」
    証券会社に勤める夫は、課内の女性と付き合っていた。
    妻は入院中の母の面倒を見ている。妻に不服がある訳ではない。家庭を壊すつもりはない。ただ恋をしてみたかっただけだ。
    夫の会社の業績が悪く、家のローンが重くのしかかってきた事。母の病気が悪化したかもしれない事。少しずつ均衡が崩れていく。
    「青らむ空のうつろのなかに」
    母親のDV,父親の無関心のなかで育ってきた男児がやってきたのは広大な農場だった。
    誰にも心を開かない少年が心を許したのは、その農場で育てられる豚だった。

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    2014年07月26日
  • 沈黙の画布(新潮文庫)

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    2017.7.14ー51
    地方で埋れたまま死んだ画家の妻の執念と、絵画に値がつく裏側との双方から楽しめる。

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    2014年07月14日
  • 家鳴り

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    舞台は現代日本、登場人物も特に変わった人というわけではなく、実際いそうな感じの人々である。そんな実際ありそうな状況からちょっとずつ歯車が狂っていき、背筋を凍らせる結末へ向かう。
    「幻の穀物危機」がよかった。

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    2014年06月12日
  • コミュニティ

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    ネタバレ

    ほんの少しの間違いでそれが故意かどうかはわからなくても、日常には常に闇が隣り合せになっている。その間違いが闇に転落する可能性はたぶん私が思っている以上に高い。
    殺人も他人ごとではない。当事者なのか被害者なのか。紙一重。

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    2014年05月11日
  • 神鳥(イビス)

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    コレこわッ!朱鷺と鶴なら赤江瀑に植えつけられた鶴に軍配なんだけれども、ひたすら怖い。ホラーとは思わず読みすすめて拍子抜けはしていたものの、ぐいぐい引き込まれてあっという間の1時間。折しも雪で断絶された(頑張れば帰れるけれど)集落にいるのである。このリアリティのある怖さが、やっぱりうまいなあと感心。ヘタな人が書いたらスプラッターの出来そこないで、コメディにもなってしまいそうなのだが。どこに着地するか全くわからなかったから、まさか朱鷺が襲ってくるとは。

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    2014年02月16日