篠田節子のレビュー一覧
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ネタバレ上下まとめて感想
サービス業として「宗教」という商売を始める...という発想に深く興味をそそられてワクワクしなたら読み進めた。「心身のケアをサービスとして売る」ある意味正当な職業だ。それが宗教という枠に入った場合、世間との兼ね合いはどうなるのか。まともな職業でいられるわけがない。そういう事を念頭に置いて、どの様に、この物語は進んでいくか、ワクワクしながら読めた。
上巻を読んだとき、そのうちに来るであろう崩壊が読めた。よくあるマスコミの餌食にされてボロボロになるというパターンを想定した。けれども、この小説はそこから先があった。それが異常に面白かった。
エセ宗教から本物の信仰を見出した信者達 -
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この小説って一体なんなのか、どういう物語なのかっつーのが読後数日経った今でも捉えきれない。色んな事盛り込み過ぎなんだけど、かと言ってバラバラではない。日本ではカルバナも空っぽだったし、輝和も空っぽだった。ただ輝和が自分らしきものを手にした後半でカルバナがなんにも覚えていないってのはあまり歓迎できない展開だった。一連の神懸り的な出来事に関しては潔いまでになんの解説もないところが清々しい。教団の描写では仮想儀礼に連なるものを感じたし、過疎地での嫁取りついてはロズウェルなんか知らない、ネパールの情景では転生と後の作品の萌芽らしきものが垣間見え、それぞれ一作になるほどの数多くのテーマが含まれた作品。壮
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美人のピアノ演奏者として評判の主人公麗子。
その美しさは、彫刻的人工的でが、ハンバではない。
しかし、ハッと息をのむほど美しいのに、
人間的な温かみのなさがすぐにわかると見え、
誰も親密になろうとしない。
もともとは自分の容姿を悲観して
美容整形で手に入れた顔と美貌だったのだが、
元の自分を葬り去るつもりで、思い切った整形に挑んだため、
彼女自身も自分の顔がキライだった。
そんな彼女にある日突然、
謎の男性平田が「夢ではない」といいつつ、近づいてきた。
相手の身元も何もわからないまま、
麗子も彼を愛するが、彼が愛したのは実は麗子の表面だった・・・。
おぞましい結末がラストにあったが、
麗 -
Posted by ブクログ
これが篠田節子の原点かと思うと、「意外」と「さもありなん」が交錯する。
前半と後半で、まったく別の物語になってしまう展開を「破綻している」と見るか「ダイナミック」と見るかで評価は変わるだろうが、一つだけはっきり言えるのは、これは確信犯的なストーリー展開であり、そこに異様なまでの迫力が存在しているという事だろう。「美へのこだわり」や「自然の尊厳」といった、後の篠田作品で扱われる様々なテーマの萌芽が見えるのも面白い。
こうしてみると「絹の変容」とはなんと卓越したタイトルであることか。まさしく篠田節子はという作家は、一作ごとに「変容」して来ているのである。 -
Posted by ブクログ
上巻では、トントン拍子に成長していく教団の姿が書かれていましたが、下巻では一転。ドンドン転落していきます。
適当にでっち上げた宗教。
それが次第に一人歩きし始め、そして教祖・慧海の手には負えなくなって行く様子が見事ですね~。
宗教って、信仰って何なんだろう?と考えさせられます。
教祖以上に教えを信じ込む女性信者たち・・・
信じる者は強く・恐ろしい。
とにかく下巻は圧巻でした。
暴走する信者・それを客観的に眺める教祖・世間からはカルト教団の烙印を押され弾圧される・押しかける信者の関係者。
すごく怖いです。
やはり下手なホラーよりも一番怖いのは人間だ、と再認識させられる怖さ。
そして暴走す