篠田節子のレビュー一覧
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ビジネスとして立ち上げた新興宗教。あくまでも虚実でしかなかったはずのそれが、底なし沼のように主人公を呑み込んでいく。
主人公は一般人としての常識や良心、倫理観を持ったまま、宗教の狂気をまざまざと見せ付けられる。
宗教とは、救いとは何なのか。
傑作。Posted by ブクログ -
泡のような夢のために仕事も過程も失った男が、ビジネスとして新興宗教を立ち上げる。
主人公は善人ではないが、悪人とまではいかない。あくまでビジネスではじめたはずの『宗教』という虚実に引き摺られ、足を取られて破滅へと転がっていく。Posted by ブクログ -
ゴサインタンとはネパール語で「神の座」の意味で、チベットでいうところのシシャパンマ峰のことである。
私は、シシャパンマはベースキャンプまで行ったことがあるので、そう言う意味ではとても気になる小説だった。
日本の農業(とその嫁問題)、宗教感などに踏みこんだとても重い作品となっている。Posted by ブクログ -
この著者は『女たちのジハード』で直木賞を受賞している。
『女たちのジハード』は同僚が次々と寿退社していく中での売れ残ってたOL5人の生き様を連作長編小説の形式で描いた作品で、女だというだけで男の身勝手さの中で生きていかなければならない逞しさが描かれて元気を貰えるような小説だった。
本作『コンタクト・...続きを読むPosted by ブクログ -
篠田氏らしい、途中からグイグイと引き込まれて最後まで一気に読める話で面白かったです。最後も何だかすっきり。
主人公の最後の「開き直り」がいい。
それと旅館「きぬたや」の女将さんがいいキャラをしてました。Posted by ブクログ -
スキー場があった頃には人が来ていたのだが・・・。
東京から近いわけではなく遠い所でもない駒木野町。
高速道路は、隣の町に入り口があり鉄道の駅もバスで30分以上の所にあって交通の便も悪い。
温泉が出るわけではなく、歴史があるわけどもなく名所が無い。
スキー場が撤退して観光客が途絶えた過疎の町...続きを読むPosted by ブクログ