篠田節子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジャーナリズムの世界に飛び込んだ主人公の寿美佳は、素人が発信する大量の低俗な情報と競いながらもなんとかフリーのジャーナリストとして生き残って来た。
ある日、発生生物学分野のクセナキス博士の妻と名乗る女性から、主人を救い出して欲しいとの依頼があった。
当時の保守政権下のアメリカ大統領から、博士が訴追される事態に追い込まれ、その直前に博士はオーストラリアに逃れた。
しかしオーストラリア政府はアメリカに忖度したのか、政治犯として博士を逮捕し、摂氏60度に達する砂漠の真っ只中に存在している悪名高い精錬所を併設している鉱山で、博士は強制労働に充てられているとの噂があった。
その地から夫を救ってくれと云う依頼だった。
寿美佳は前受け金と成功報酬に加え、鉱山の実態を世界に報じると云うジャーナリストとしての魅力によって依頼を命懸けで受けることにした。
オーストラリアに降り立った寿美佳は、緊張しながら鉱山の本社を訪れて取材の許可を申請すると、なんとあっさりと単独での取材を認められ、当地までの足を融通してくれた。
そしてあっさりと鉱山の現場に行きつき、博士にもすんなりと逢うことができた。
そして博士にここから脱出して帰国しようと伝えるのだが、即座にノーと断られる。
寿美佳としては博士の帰国を説得するために、暫くは鉱山に滞在することを決めたのだが⋯。 -
Posted by ブクログ
銀婚式というタイトルからイメージしていたストーリーと良い意味で違っていた。
男性が主人公なので、男性ぽい価値観や行動が印象的だった。が、作家さんは女性であり驚いた。
ジェンダーレスの時代を生きる男性が、この主人公の年齢になった時、共感するのはどんなところなんだろう。
そんなこと思う自体が間違っるのか…。
どんな時代になっても、人は必ず老いていく。
ひとりで生きていける強さも必要だけど、誰かと支え合うための強さと優しさも必要な気がする。
気づけば銀婚式だったという、時間の流れは尊く、そこに家族や愛おしい存在があることは本当に奇跡でしあわせなことかも。
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Posted by ブクログ
ネタバレリアリティのある文章。恋愛と結婚、男女関係、信仰、社会的地位、男社会の競争。欲のままに生きた等身大の男の人生と、どこか冷静でありながらも父の残像を追いかけ辿ろうとする次女の決意。他人事にはなれない物語がそこにはあって、引き込まれた。
康宏は紘子を青臭いと揶揄していたが、康弘こそ青二歳のままだったと思う。
結婚、家庭、孫という安定的で凡庸な幸せに満足せず、一時的な同情や情事に自分の存在意義を見出さそうとしていた。
四国遍路での結願を経て、漸く家族のもとへ戻ろうとした時に命を落とした。自分勝手に生きた代償なのか、
康弘を家族のもとへ帰ろうとさせた動機は、四国遍路の終了が主ではない、気がする。フェリー予約後に紘子の名前を検索し、紘子に感謝を述べる後輩たちがいることを知り、青二歳だと見下していた紘子が未来を担う後輩たちのために“役に立っている”姿を見て、ボランティアや四国遍路をしながら自分探しの旅をしている自分に恥じたのではないか。そこでやっと家族と向き合おうとしたのではないか。