篠田節子のレビュー一覧

  • カノン
    学校を出て会社に入り、家庭を作って必死に暮らしている中。
    突然あらわれる空虚感。
    自分の人生、これでいいのか?これで終わるのか?
    と思うような時があるはず。
    そのキッカケに友人の死があったりなど。

    そんな多くの人が通る通過点を、篠田節子がお得意の音楽とホラーミステリーで描いた作品だと思います。

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  • 神鳥(イビス)
    読み終わったもの備忘録。

    確かに朱鷺って、天然記念物で絶滅したばかりに悲劇の鳥になっているけれど、赤い脚はちょっと迫力あるよね。

    というところから、繰り広げられるミステリー。

    篠田節っちゃんお得意の怖さ。

    今ならCG使って、かなり怖い映画化ができそう(期待)

    男性に素直になれない主人公と、...続きを読む
  • 聖域
    異動先の編集部で、偶然目にした未発表の原稿『聖域』。なぜ途中で終わっているのか。なぜこんなに力のある作家が世に出ていないのか。過去を辿っていくと、この原稿に関わったものは、みな破滅の道へと進んでいる。口々に警告されるが、でも続きを読みたい、結末を知りたい。憑かれたように実藤は、失踪した作家、水名川泉...続きを読む
  • 竜と流木
    ミクロ・タタに生息するイモリもしくはオタマジャクシのような容貌を持つウアブの可愛らしさにハマり、ウアブの研究者呼ばれるまでになったジョージは、島のインフラ開発計画でウアブ存続の危機に直面する。そこでウアブ保護クラブを立ち上げ、メンバーらとどうやってウアブを守るか議論を重ねていく。そして、メガロ・タタ...続きを読む
  • 失われた岬
    な、長かった。そして重かったです、物理的にも、内容的にも。

    ほんの十数年先の近未来から戦時下まで。時間軸も長くて、なかなか歯応えのあるお話でしたが、倦まずに読破できました。ただね、読んでて楽しくなる内容ではなくて。落ちぶれて、近隣諸国からカツアゲ的に略奪されまくっている日本が日常の世界なんですよね...続きを読む
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)
    新興宗教を立ち上げた主人公が、関わる人々に翻弄されていくお話。関係者が亡くなっていき、悲しい….。人を操る力が無ければ、逆に操られて破滅してしまう、という怖いお話でした。
  • 失われた岬
    嫌な未来がいっぱい描かれていて
    暗い気持ちになったが。
    物語自体は謎が多く、冒険心がくすぐられ
    楽しく、グイグイ読めた。

    苦痛を取ろうとしたら人間性も
    失わなければならないとしたら……
    難しい選択やなー。
  • 鏡の背面
    久々の篠田先生。
    ごめんなさい、多分、『女たちのジハード』以来です。
    キャラが光ってて良かった。面白かったです。
  • 長女たち(新潮文庫)
    なかなか恐ろしい内容だった。

    以前親しかった学生時代の次女の友人が
    『長女って僻みっぽいから〜』が口癖だった。

    理由はその子の姉がよくその子に説教をすると。
    『親から家を買う資金をもらったとき、姉が説教してきた。羨ましいなら自分も貰えばいいじゃーんね!』と言っていた。

    彼女にかかると『いいなぁ...続きを読む
  • 失われた岬
    前半は「これは宗教にハマっちゃう話だ」と思わせるのだけれど、読み進めていくとそんな単純ではなくて「いったいどんな結末が?」という感じで惹きこまれていくお話でした。

    あらゆる欲が消えて悟りの境地に達するのが幸せか、はたまた、いろいろなものを抱えながらもそれを一つでも乗り越えることに小さな達成感を得る...続きを読む
  • 失われた岬
    薬草の方薬をトリガーとして、大東亜戦争前から2040年代までの時間を行き来しながら、人の生き方を問い直した作品。
    訴求力に欠ける。いかんせん長すぎる作品。

    (内容紹介)
     以前から美都子が夫婦ぐるみで付き合ってきた、憧れの存在である友人・清花。だが近年、清花夫妻の暮らしぶりが以前とは異なる漂泊感を...続きを読む
  • 失われた岬
    北海道の謎の岬へ向かう人々。
    消えた友人の娘と彼女を探す美都子の章。
    肉体も精神も損傷して、AIロボットとだけ心を通わせた岡村陽の章。
    それぞれが探し求めた肇子とは?
    近未来の日本では今危惧される隣国との関係を悪化させていた。その中で岬の謎を追う相沢は何を見つけたのか。人間の求める欲は自然界に何を及...続きを読む
  • 失われた岬
    いつものことながら篠田先生は取材力がすごいなと感心してしまう。
    読みながら「これってノンフィクション?」と思う。この事実が実際にあったのではないかと疑ってしまう。
    嘘くさい部分が全くない。
    本を読み終わると、自分の中で新しい知識の扉が開くような感じがする。賢くなったような気がする。自分が感じたことを...続きを読む
  • 失われた岬
    北海道の日本海に面した小さな岬。ハイマツに陸路を絶たれたその場所へと消えていった者たち。
    その岬を巡って、2007年の夫婦失踪から始まり、終戦間近から2029年の近未来までを描く壮大な物語。

    600ページに届こうかというその物語は、それぞれのエピソードが散発的で半ば中弛みしかけていたところ、終盤に...続きを読む
  • 失われた岬
    第1章から第3章までは一話完結の連作のようだが、そこから先はシームレスに話が続く。共通して描かれるのは何らかの理由で失踪した人々と、背後に見え隠れする“なにか”だ。それは宗教なのか、あるいは別のものなのか。
    物語が進むうちに、設定が近未来であることがわかってくる。世界は現在よりも不穏で、まるで終末期...続きを読む
  • 失われた岬
    今までこだわっていた身の回りのものをどんどん手放し、やがて北海道の借家に引っ越して、時がくれば岬へと消える。
    彼女らの言う、理想の生き方ができる場所とはなんなのか。
    謎を追ううち、物語は2029年の未来が舞台になる。未来の日本を書くなんて勇気があるなと思ったけど、最後まで読んで、これは予言書なのだと...続きを読む
  • 冬の光
    主人公の人生も奥行きが深く描かれているが女友達の紘子の人生も共感できるというわけだはないが不器用で応援したくなる気持ちもあった。
    ただ実際に身近にいると距離を取りたくなるような人物ではあるが。
    最後は切なくなる終わり方だ。
  • 失われた岬
    古くからの友人が、少しずつ生活の質を変えていっていることに気づく…。
    そのうち連絡も途絶えてしまう。

    そこから始まる謎の岬の様子。
    不可解な失踪。

    これは、人生をどのように過ごすのか…と問われているような気がした。

    さまざまな欲望を捨てて生きるのが正解だとは思えないのだが。
    無欲に粛々と…自分...続きを読む
  • 失われた岬
    親しくしてた友達夫婦が急に質素な暮らしを始め、そして行方不明になった。ノーベル文学賞を受賞した作家が授賞式直前に行方不明になった。調べてみると、北海道の人里離れた所に鍵があるらしい。

    スピリチュアル小説なような、現代に充分に起こり得る予言的小説のような。面白いと思う人とつまらないと思う人が両極端に...続きを読む
  • 長女たち(新潮文庫)
    今の自分が読むべきものだったような色々と考えさせられる内容だった。巻末の解説を読んでも自分の感じたことがそのまま代弁してあるように思えた。高齢化社会と介護の問題は益々誰もが直面することのなっているので共感する場面も多い。いつの日か自分の娘にも読んでもらいたいけれど。。。