篠田節子のレビュー一覧

  • 埼玉マンション物語

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    こんなに詳しくマンション管理について教えてくれる本はないってくらい詳細に書かれてた。
    マンションに住むって一戸建てに住むのとはまた違う悩みや問題が出てくるのだなと学びになった。

    あらゆるトラブルに直面し解決し、最後はほっこり終わらせてくれるお話がよい。
    幾つになっても人生は再スタートできる。

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    2026年07月29日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    登場する三人の40歳代となる長女たちは、高齢化社会の陰で責任を一身に背負い、過酷な状況に置かれた人達だった。
    男の兄弟や次女、三女たちは何気に苦境から逃げ切るかのような生き方が可能だが、責任を一身に背負ってしまう性格の長女にとっては、自由さえ遠い存在となる生き方を歩まなければならない。
    そんな生き方を選ばざるを得なかった三人の長女たちの中編からなる物語だ。
    ⚫︎家守娘
    認知症を患う母親の介護のため、キャリアと恋を諦めて自宅に縛り付けられる長女。
    自らの自由は求められないのか⋯
    ⚫︎ミッション
    自由な生き方を模索して生きてきた長女は、一人暮らしにした父親を孤独死させてしまう。
    その贖罪の念に悩む長女の心情が綴られる。
    ⚫︎ファーストレディ
    心情的に良好な関係ではなかった母親が、重度の糖尿病を患う。
    救うためには腎臓移植が唯一の術だが、母親に提供するべきか悩む長女。

    ここに登場した主人公の長女たちは、社会的に自立した人たちだ。
    自立した長女は、様々な問題を抱えることになると云う一面が宿命的にあるように思える。
    男女雇用機会均等法が1986年に施行された後、若い女性たちが口にしたのは「女性の自立って大変だから、私はいらない」と、笑いながらインタビューに応えていた報道を思い出す。
    昔は人生50年などと言われていたが、今や人生100年時代だから大変な問題なのは明らかだが、解決策は見当たらないのが実情だ。

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    2026年07月21日
  • インドクリスタル 下

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    インドと言えば、『近年目覚ましい経済発展と共に、優秀な人材が世界各国を席巻している』又は、『明るく笑えるボリウッド映画』というステレオタイプなイメージしか無かった。
    なんと無知だったかと思い知るとともに、世界各国の観光地でみられるインド人旅行者は、相当に恵まれた人々なのだと改めて感じた。
    この小説が初出版され、既に10年以上の時が経っている今も表面化しづらい形でカーストや差別が蔓延っている事を思うと歴史と文化が異なる日本人にとっては難解なのだと思った。
    本書はビジネスサスペンス?アドベンチャー?的要素の中にロサというインドの複雑なカーストに沼ってる才女の哲学的思考が複雑に絡まりとても興味深く、一気に読み切ってしまった。

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    2026年07月15日
  • 田舎のポルシェ

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    三話とも車のお話し。一難去ってまた一難のトラブルの中でいい人やいい話しと出会う。どれも最後は切なくなった。ところで、やっばり熊は怖いですね。

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    2026年07月09日
  • 銀婚式(新潮文庫)

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    銀婚式という題名からの私の予想からは、程遠い内容でした。エリートサラリーマンの優雅な家族の話かと思いきや、勤務先の証券会社の破綻や離婚など、波乱万丈の25年間の話でした。
    破綻の財務整理を最後迄行うなんて、人が良すぎるというか、責任感どころではない真面目すぎ、最後迄見届けたかったのかな。自分の鈍感さから?の課題に多々ぶつかって、でも課題は泥臭く解決できていくし、まあそんなにうまく人生進まないよねと思いながら、なんとなく最後はハッピーエンドの予感で終わる〜読みながら、主人公をずーっと応援できました。

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    2026年07月09日
  • インドクリスタル 上

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    インド??行った事のない国だが、コロナ前に行ったバリ島、そして前日行った奈良の観光旅行客で取り分け多いと感じたのがインド人だった。
    海外旅行にホイホイ行けるインド人って、やはりリッチなんだろうと漠然と思っていたが、この小説を読み始めて、格差、未だ残っていると思われるカースト、都市部と田舎の差が凄まじく、上巻をあっという間に読み終えてしまった。
    この先一体藤岡のビジネスはロサの将来はどうなるのかワクワクだ。

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    2026年07月07日
  • 青の純度

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    一気に読めた。
    ハワイまで有給で個人のお金で行くかなぁとか、日系人移民の苦労話とか、最後のハッピーエンドふうに、少しだけ違和感があった。
    でも結局絵画もブランドでしょう、というのに、確かにと思う。

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    2026年06月27日
  • 青の純度

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    ネタバレ

    実在の人物をイメージしてしまい、複雑な感情になりました。出てくる女性が、とことん嫌な人で嫌悪感しかない…。最後は、ちょっと救われたかなぁと。まさに「善良と無能」の人でした。

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    2026年05月30日
  • 青の純度

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    バブル時代の熱気と美術業界の空気が生々しく立ち上がる作品だった。
    画商や編集の世界の描写に強い説得力があり、フィクションでありながら実話やルポを読んでいるような感覚になった。
    印象的だったのは、編集部の女性たちの存在である。個々の立場や考え方は違いながらも、状況に応じて結束し、自分たちで考えて行動していく姿が力強かった。単なる連帯の美談ではなく、現実的な駆け引きや責任感も含めて描かれているため、働く女性たちの姿として読み応えがあった。

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    2026年05月25日
  • 青の純度

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    バブル末期に日本で大流行したハワイアンアートといえばラッセン…
    ジャン・ピエール・ヴァレーズは彼をモチーフにしたのかなと思うけれど、真実であったとしたら驚きの展開が描かれている。
    フィクションなのだろうけれど、半分くらいは真実なのかしら…と思わせるほど、後半は惹き込まれてしまった。

    ラッセンの絵は流行していた時期からギラギラとした不自然さを感じていた。ヴァレーズの絵も美術界には認められず、主人公の真由子も違和感を感じていたという設定。
    読み進めると、その違和感の正体が明らかになっていき、やけに納得してしまった。
    出版業界ではゴーストライターは当たり前のようだし、絵画の世界でもあり得るのだろう…
    ヴァレーズと同じかはわからないけれど、私が30年近く感じていたラッセン作品に対する気持ち悪さは、作品の製法にあるようだ。ラッセンの原画は違う印象かもしれないし、ラッセンのデッサンはどんな感じなんだろうと興味が湧いた。

    篠田節子さんの作品は初めて手にしたけれど、なんだか肝の据わった文章で、好感度はまずまず。

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    2026年05月17日
  • セカンドチャンス

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    51歳独身女性、体脂肪率40%超え、肩凝りがひどく腰痛も。そんな折、親友に肩を押され水泳教室に通う事に。イケボディだが真面目過ぎるコーチやクラスメイト達との交流を中心に、マスターズ出場を目指し身体も心も変わっていく女性を描いた。他人ファーストから自分ファーストへの一歩を踏み出す。読後が爽やかで気分が良い♪篠原先生、いつもながらお上手です!

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    2026年04月10日
  • 冬の光

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     父が四国遍路の旅を終えた直後、冬の海へ消えるというミステリアスな事実から物語が始まります。次女が父の跡を辿り、遍路の道中で未知の父の姿が徐々に浮かび上がり…多くを抱えた父の生き様が深く描かれます。

     仕事でも家庭でも恵まれ安定した人生と思われる男が、学生時代からの女性と長年関わり家族を裏切ります。次女の視点から切り替わり、父が人生に対して孤独と葛藤を抱えていたこと、被災地でのボランティア、実父の介護を経て、震災犠牲者のための鎮魂と祈りの旅に出たことが語られます。

     主人公の男の人生に感動も共感もできません。女性なら嫌悪感さえ覚えるかもしれません。しかし、高度成長期を支えた男の矜持や虚無感など、底知れぬほど深く淀んだ心の奥深さに引き摺り込まれそうになります。その死は悲しく痛ましいと心から思えます。

     悲しく痛ましいと思えるのは、おそらく人は多面的で見えない側面があり、誰もが割り切れず捉えどころのない部分をもっているからに他なりません。悲しいかな、本当の姿だとか真にその人を理解することなど土台無理な話でしょう。

     物語の背景に描かれる、この国の男女格差などのあり様がリアルで、女性作家と思えないほど人生の混沌の果てが表現されています。
     自分もそれなりの歳なのか、この男の孤独感、喪失感、虚無感が妙に強く伝わりました。人の生き様は、無理やり生きた意味を見い出さなくとも、冬の光のように後から昇華されるのかもしれません。なんとも言葉にし難いとても後を引く読後感でした。

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    2026年04月04日
  • カノン

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    古本屋の婆さんに勧められたシリーズ。

    今回は篠田節子さんを勧められ、、というかレジにどんどん積まれて10冊以上買わさ、買いました。

    記録媒体を介した、ホラーっぽいスタートは、まるでリン(以下略)

    忘れていた約束や諦めた夢と現実。

    誰の為の人生か、を凄く感じる1冊目でした。

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    2026年03月20日
  • インコは戻ってきたか

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    ネタバレ

    表題と内容のギャップ!!
    内戦の話かー、内戦は終わらせるのは難しいよな。私的なことを言うと、内戦にはイスラムが必ず関わっているよな。と、思う。
    なんなんだろう、良い人も沢山いると思うけど、偏見だけどとにかくロシアとイスラムは怖いわ。
    そんでジャーナリストとは。
    巻き込まれて亡くなった日本人の方もいるけど肩を持つような事はいえない。全て自己責任。重い話だったー。
    インコは戻ってきたのか知りたいわ。
    篠田節子さん、凄いよな。

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    2026年03月14日
  • 弥勒

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    パスキムを検索してしまった。
    もちろん何もないのだけど。
    凄くないか、ルポタージュのようにも感じた。最初は、あっ北朝鮮!って思った。
    何が善で何が悪なんだろう
    パスキムの今後は?大長編ではあるけど、読む手が止まらなかった。
    篠田節子さん、すごいな。
    でも、最後日本に帰ってどうなったかも知りたかった。大大長編にして欲しかった。
    これで帰国後のやつを1冊に!

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    2026年03月01日
  • 冬の光

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    登場人物一人一人の立場に自分を当てはめて読める、そんな内容だった。
    所謂不倫の話しではなかった。
    なんとも言えない読後感。

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    2026年02月27日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    下記3つのエピソードが収まった本。
    ・家守娘
    ・ミッション
    ・ファーストレディ

    私も長女だけど、ここに描かれてるような思い遣りや責任感や共感を母親に寄せたことはないなと感じた。
    ファーストレディで描かれる主人公が母親の行動の背景にある孤独に思いを馳せて、大きな決断をして寄り添う場面があるけど、私はどこまでいっても「とはいえ、選べたでしょう?その選択をしたのは貴方でしょう?」という眼差しを向けてしまうから。

    程度の差こそあれ、望んでない私に子供(孫)を求める感じとか、見たいものしか見ようとしない感じとか。
    作中に描かれてる母親と自分の母親が重なる部分がある気がして、気が重くなると同時に、本当にうまく描く作家さんだなぁと感じた。


    ミッション だけは毛色が少し違ったように感じた。
    どう生きてどう弱りどう死ぬか、みたいな
    文化や価値観だけでない経済状況やインフラみたいなことも含めて形成された死生観の異なる環境で、自分が思う正義や常識を持ち込む難しさがひしひしと伝わってきた。
    彼女が今後をどう生きるのか、続きを読んでみたい。

    全体を通して、重いけど、読んでよかった。
    言語化得意な友達がこの本読んでどう感じるのか聞いてみたいな。

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    2026年02月26日
  • ロブスター【電子版特典付き】

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    なんとなく手にしたけど
    めちゃくちゃ面白かった!!
    SFでしょうけど、そうでもなくて
    怖いような
    行ってみたいような
    面白いお話でした

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    2026年02月26日
  • 女たちのジハード

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    ネタバレ

    みんな成長してる!
    紀子にはあまり好感を持てなかった。
    やっぱり康子、独身で家を買うってかっこいいよな。
    沙織も成長中だし、みんなそれぞれ頑張ってるんだなあ。リサのネパール生活が気になるけど。凄く面白かった!

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    2026年02月18日
  • 青の純度

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    篠田節子さんの作品は、女たちのジハード、贋作師が大好きで、それ以来でしたが、アートを題材にしたもの、働く女性視点の物語は間違いないなぁと。本当に面白い。
    ちょうどマレーシア旅行から帰ってきたタイミングで読んだこともあり、海外の空気みたいなものも改めて作品の中で楽しめて、それも良かった。

    ストーリーとしては、一時期ブームになったある画家を巡る、ミステリー。
    込み入った事情が絡み合ってて、でも少しずつ明らかになっていく様がめちゃくちゃ面白かった。

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    2026年02月11日