篠田節子のレビュー一覧
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現代の日本人が抱える高齢者介護の問題を考えさせられました。親子の関係性が密だと言われる現代。その先にある問題でもあるように感じました。
3つの物語で構成されている作品ですが、介護に答えがあるとしたら、真ん中の作品の中に見出せるのではないかと、考えさせられました。世界には、死を日常の一部として捉える…...続きを読むPosted by ブクログ -
太平洋ではないが、そこにある島の地元民に教えてもらったことを思い出した。たしかイブキ島とかいう意味の名前で呼ばれていた。イボク島とも言うんですよとその島の異名を教えてもらったりもした。小説の舞台となった太平洋の小島のように周辺の海流の流れは少し海岸線から離れるとすごく早い。また季節と月の位置による潮...続きを読む
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「生きているような、魂がこもった彫刻」を作れる彫刻家のとほほな体験談。
「魂がこもった」というのが比喩的なものではなくて。生きていた時よりもリアルに心の裏側までも語り出す。
50代の彫刻家のそれまでのアーティスト人生や家族との関係がとてもリアル。
篠田節子さんの小説は大作が好きで今まで読んできた...続きを読むPosted by ブクログ -
架空の国の多民族が割拠する南方の島での物語.作者の篠田節子は昔からすごい!と思っている.何十年か前のことだが東京に住む知人と喫茶店で翌日の打ち合わせというか雑談をしているときに篠田節子はスゴイと盛り上がったことを思いだした.その当時もコンタクト・ゾーンは出版されていたような気がするが,最近ロシアによ...続きを読む
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もうひと波乱、何かが起きることを期待したまま終わってしまった焦れったさが、「後を引く面白さ」とか「余韻」とかいうものなんだろうと思う。
レオニダスとニケも、田んぼの中できっと何やら呟いているに違いない。Posted by ブクログ -
主人公の高山正道は、イタリアで著名な彫刻家の下で長年修行し、実績を積んで帰国したにも関わらず、日本では全くもって仕事の見通しが立たず、怖い姉から「オラッ!あんたは何してんのよ!」と叱責されっぱなしの情けない生活を続けていた。正道は素直でお人好しなのだが、世間に疎過ぎるのが欠点。そんな正道が忍びなかっ...続きを読むPosted by ブクログ