あらすじ
「国家主義カースト制」によって超管理社会となった2075年の東京。政府から立ち退きを強制された斎藤家は、理不尽な転居命令に抵抗して日本国政府に宣戦布告する! 予言的なリアリスティック・ディストピア小説。《解説・ブレイディみかこ》
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Posted by ブクログ
2024年に某制度を国民に事実上強制した、「デジタル」といえば何でも許されると思っている、実力と乖離して意味不明に自信満々な、あの某世襲政治家が憧れていそうな超管理社会ディストピアを描いた小説。
抜群に面白い。
1997年に刊行されたとは思えないほど、いまの現実社会とこの社会が目指してるものを正確に皮肉り嘲笑っている
Posted by ブクログ
首都圏大地震や出血性激症性感染症の大流行、経済混乱による物不足を受けて、家族主義を単位とする国家主義が復権し、国民能力別総分類制度、反体制派からは、「国家主義カースト制度」が導入された2075年の日本が舞台。30年近く前の作品なのに、物語のいたるところに、〈今〉を思わせて、読んでいてなんだかとても怖くなる作品です。
階級制度が敷かれた日本で、特A級の市民である最高裁の裁判官だった斎藤総一郎は職を追われ、国家からは家族共々、現在住んでいる場所の移転を命じられる。やがて移転先で目にする光景に総一郎は――。
ということで、後半は壮大な戦いの物語にもなっているのですが、特に魅力的だなと思ったのが、総一郎の覚悟や決意を周囲が必ずしも〈良いこと〉とは思ってはおらず、斎藤一家を含めた登場人物たちの様々な感情が入り乱れる状況がとても魅力的だなと思いました。
Posted by ブクログ
いわゆる近未来を描いた多くの作品のように空飛ぶ車がでてきたりロボットと人が共存していたり…というものではなく、超管理社会となった2075年が舞台。技術的なことではなく、社会的に近未来を描いていてその世界観だけでもすごく新鮮だし面白かった。しかもこれが1997年に書かれたってのがまた面白い。
空想の世界ではなく、ある意味リアルに想像できてしまう世界なので、自分だったら……と考えながら楽しむ事ができました。
Posted by ブクログ
篠田さんの新刊と思って、手にしたこちら。読み始めてみると、なんだか違和感があって、調べてみると、なんと!1997年の作品。
舞台は、2075年の東京。
SFですよね。すごい世界。これを1997年に書いているのがスゴイ!衝撃的な作品。
人々はランク付けされ、住む場所も子供の数も決められてる。
斎藤さんは特Aランクの男。奥さんは・・・、悲惨だなぁ。
ワタシはもっと下ランクの男と結婚して自由に生きたいわ。
今って、すごい少子化が問題になっているけれど、結局少子化を解消して子供を増やすには、家長制度復活や母親の犠牲しかないのだろうか。
魅力的なキャラ巨大児 小夜子。最後は悲しい。
義母が活き活きしてくるのはいい。