篠田節子のレビュー一覧

  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    金目当てでエセ宗教を立ち上げる二人の男のいわば栄枯盛衰。世の中をこういうアングルから見た事はなかったので新鮮、かつ、宗教というものが一部の人間の心の闇に巣食う過程が実にリアルで恐ろしい。
    ある意味ミイラ取りがミイラになる・・・最後まで緻密で読ませる怖いサスペンス。主人公が最後まで「普通の人間」であり続けるのが救いか。

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    2013年02月28日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この本は鏡リュウジ (占星術研究家)さんが推薦していた本なのですが、下巻を読むと「なるほどなぁ」と納得します。


    一つの歯車が狂い出すと、やがて全ての機能が狂い出していく・・。
    なのにその動きは停止することなく、最初に動かした者も手には負えない。
    それは読者にも想像できそうにない、あらぬ方向へ暴走し始めていく・・。

    虚業、ゲーム本から作り上げられた宗教ビジネスが、似非教祖の手の及ばないところにまで変貌し、制御不可能になって怖れをなした教祖自身がその中にズブズブと飲み込まれてゆく・・逃げることも許されず。

    とても怖いですし、異質なものが一旦社会で採り上げられてしまうと、もう社会(

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    2012年10月05日
  • ハルモニア

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    読むのは2度めだが、やっぱり面白い。ぐいぐい引き込まれてしまう。

    一番は、自分の平凡な日常を崩していく音楽家ののめり込み方。それぞれの人間がみにくい部分を持っている点もハマる。女の子の現象も、超能力とかポルターガイスト的なことだとって感じない。
    単純に面白い。

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    2012年05月04日
  • アクアリウム

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    篠田作品の中でも最も印象に残る小説の一つ。表現力がすごいためなのか、洞窟の中にまるで自分も入ったような不思議な体験をしてしまった。(篠田作品からそういう影響を良く受けるのだが…) 自分勝手に動いていく主人公の狂気にも吸い込まれて一気に読める。
    好みの作品です。

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    2012年04月21日
  • コミュニティ

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    とてもよくできた短編集だと思う。
    短編小説らしいキリリとした作品ばかり。
    予想外にブラックな話が集まっていた。

    永久保存
    …お役所内部の嫌ーな人間関係の話。

    ポケットの中の晩餐
    …芸術家の故郷の思い出。


    …バブルと不倫と手切れ金の別荘。
    これは主人公、気付かないのは馬鹿すぎる 笑
    ただの都合のいい女。惚れた弱みで気付けないものなんだろうか。

    夜のジンファンデル
    …大人の恋愛小説。読み終わってジーンとした。解説もよかった。

    恨み祓い師
    …つましく暮らす老母子の話。怖い。ほんと妖怪じみてる。

    コミュニティ
    …さびれた団地の奇妙な共同体。これが一番ぞっとする話かな?
    でもこういう暮

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    2012年02月10日
  • 神鳥(イビス)

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    ホラーだったのか。こわかった・・・、すごく面白かったけど、ちょっと吐きそうだった。よくも悪くも朱鷺が印象深い鳥になった。そういえば、鳥って顔が怖いよね。くちばしも尖ってるし。普段は大人しいけれど、鳥って怖いな。考えたことなかったけれど、鳥って怖い。鳥は怖いな。読後悪かったらもっとよかった。

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    2012年01月17日
  • 聖域

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    週刊誌から文芸誌に異動したての編集者・実藤が、ある時偶然手にした未発表原稿「聖域」。物語が佳境にさしかかったところで、終わってしまっているこの作品のラストを読みたい一心で、実藤は無名の作者・水名川泉を捜し出すため、僅かに残された痕跡を頼りに東北へと向かう。

    ◆94年4月刊行された小説であるにもかかわらず(執筆はそれよりずっと前だと予想されるけど)、「新興宗教」が物語のひとつの軸として働いている。日本人にとっての「信仰」の問題。
    ◆東北地方の描写に、いつか車窓から見た風景を思い出し、記憶と描写を重ね合わせるように読まされた。
    ◆二重の「聖域」。『聖域』という本書の中で、「聖域」を扱っている二重

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    2012年01月09日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    圧倒的な現実感を伴なってストーリーが展開してゆく。常識ある主人公が回りに翻弄されながらどツボにはまってゆく様にリアリティーがある。さすが篠田節子。

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    2011年10月29日
  • 絹の変容

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     篠田節子の本で最初に読んだのはこの本だった気がします。

     バイオテクノロジーによって虹色に光る絹を紡ぎだす養蚕に成功しましたが、それが発端となり蚕に変化が起き、バイオハザードして恐慌をきたすパニック小説です。
     蚕ばかりでてくるので、あまりビジュアルを思い浮かべると気持ち悪くなりますので要注意。

     この小説の舞台は八王子ですが(著者は確か八王子市役所で働いていたんじゃなかろうか)自分も八王子の大学に通っていたので、どことなく、この場所ってここのことじゃないか、という描写が多くあり、とても身近な恐怖を感じました。

     もちろん八王子に縁も所縁もない人でも楽しめます。

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    2017年08月15日
  • ロズウェルなんか知らない

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    【要旨】
    温泉もない、名所があるわけでもない、嫁のきてもない。
    観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。
    青年クラブのメンバーたちは「ミステリー」と「オカルト」と「ホラー」で町を再生を計る!

    この「ミステリー」だとか「オカルト」だとか「ホラー」だとかが手が込んでいて、realityがあって面白い面白い。
    初めはしぶしぶだった村のお年寄り達も、観光客が徐々に増えていくうちにノッてきて頼んだ事以上の演出だのし始めちゃうところも、マスコミがエスカレートしていくところも面白い。
    計画が上向きなら乗るくせに、少し叩かれるとすぐ非難する側に回る。
    周りの人が二転三転簡単に趣旨換えしていっちゃうところも篠田さん

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    2011年05月16日
  • ハルモニア

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    チェロが趣味なので、やはり気持ちが入ってしまいますね。
    無伴奏チェロは、この小説と切り離しても、どこか特別な音楽だと感じます。

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    2011年02月17日
  • カノン

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    ネタバレ

    主要な登場人物は、学生時代にヴァイオリン、チェロ、ピアノでトリオを組んだ男女3人。 3人の内のヴァイオリンを弾いた1人は、後にバッハのカノンを演奏・録音しながら自殺するのですが 残された2人が形見として受け取ったカセットテープを再生すると、次々と奇怪なことが起こり始める…、 という、音楽を題材とした長編ホラー小説です。 文章力の高さゆえ、読んでいるうちにこちらまで「真夜中、月明かりを浴びたピアノの横に自殺したはずの男が立っている」 ような気がしてきて、結構怖かったのですが、全編を通して「音楽とは何か?」 ということを強く訴えていて、とても考えさせらる“音楽ホラー小説の傑作”でした。 ホラーが大

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    2011年01月20日
  • 死都 ホーラ

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    久しぶりの篠田節子さん。一気に読めた。やっぱり好きだ。篠田さん。ギリシャの小さな島に旅行で来た男女の物語。ホラーだけど怖くなく悲しくキレイな話。

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    2011年07月21日
  • カノン

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    クラシック音楽、楽器演奏者からみたその深淵。若くない人達がかつての青春に再び焼かれる。完璧人間の凋落と復活。
    僕が好きな色んな要素が入ってる。

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    2010年12月05日
  • 聖域

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    初めて読んだ篠田節子の作品。
    詳細も結末も詳しく覚えていないんだけど、とにかく引き込まれた記憶がある。
    読後はしばらく放心状態。
    何度も何度も肺水腫に陥るシーンがあるのって聖域だっけ?
    あのシーンが強烈で涙が出てきた。

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    2010年09月22日
  • 神鳥(イビス)

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    この後、篠田節子はずっとフォローしているけど、この頃の作品から受けた衝撃を超えていないような気がする。自分の感受性の問題もあると思うけど・・・

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    2010年08月22日
  • 神鳥(イビス)

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    この著者は『女達のジハード』とやら有名な本を出しているようだが、読んだことはない。
    一気に読み上げるほど面白かった。

    途中男の言うところの信仰とか。
    日本の土着?アニミズム信仰ってそういったものが多いと思った。

    「朱鷺飛来図」見てみたいと切に思った。











    朱鷺のまぬけな顔や丸い嘴を知っているからあまり怖いと思わなかった・想像できなかったと感想で書いている人がいたが、主人公達もそれを見て想像できないと言っていたのに、あのマヨイガ的空間で種を滅ぼされそうになるまえの攻撃をするあの姿とのギャップを描いた女史はすごいと思う。

    寝たら攻撃してくるところはフレディの助力があったのか

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    2010年06月08日
  • ロズウェルなんか知らない

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    これは面白かった。

    第一に、女性作家がこの着想で書いたということに、感嘆した。
    タイトルにロズウェルって。
    こんなの、いつまでも幼稚性を残したアホな男の専売特許の世界のはずなのに。

    設定、キャラクターなどに命を吹き込んでまずは読者の心をつかみ、そして途中までは主要登場人物たちの思惑通り事が運んで順風満帆。
    しかしある時点で重大な問題が巻き起こって読者はハラハラドキドキ、しかし最後にはなんだかホッとするような大団円…、という、古き佳き邦画や連続ドラマのごとく、正しき起承転結を踏まえたストーリーだが、「そう上手くいくかい」と突っ込みたくなるような、お約束の展開だと分かっていてもまったく飽きさせ

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    2009年12月23日
  • コンタクト・ゾーン(上)

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    篠田作品のいくつかの系統があるうちの一系統の代表的な作品。
    読むべし。


    #同じように複数の女性が主人公になっても,桐野作品とこうも違うものかと興味深い。篠田作品は,根底に社会的背景が一本太い筋として必ずあるのに対して,桐野作品は個人的特性と人間関係をねっとりと描写するのを主眼としているので,両方を読むといろいろ面白くて二倍お得な感じ。

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    2009年10月23日
  • 秋の花火

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    篠田節子の小説には、いろいろな世界があるけれど、それを凝縮させた一冊という印象の短編集。
    どの話の中にも「人生の秋」が根底に流れている。
    諦めや寂しさ。やがてくる冬への漠然とした不安と嫌悪。
    そんな感情が静かに語られている。
    モテないまま中年を迎えた男とオンナ。天性の才能を持つものとそうでないものの心情。
    篠田節子独特のホラーやミステリーをちりばめたストーリーはもちろん素晴らしいのだが、ラストに収められている表題作「秋の花火」が不思議な余韻を心に残した。

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    2009年10月04日