篠田節子のレビュー一覧

  • コミュニティ

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    とてもよくできた短編集だと思う。
    短編小説らしいキリリとした作品ばかり。
    予想外にブラックな話が集まっていた。

    永久保存
    …お役所内部の嫌ーな人間関係の話。

    ポケットの中の晩餐
    …芸術家の故郷の思い出。


    …バブルと不倫と手切れ金の別荘。
    これは主人公、気付かないのは馬鹿すぎる 笑
    ただの都合のいい女。惚れた弱みで気付けないものなんだろうか。

    夜のジンファンデル
    …大人の恋愛小説。読み終わってジーンとした。解説もよかった。

    恨み祓い師
    …つましく暮らす老母子の話。怖い。ほんと妖怪じみてる。

    コミュニティ
    …さびれた団地の奇妙な共同体。これが一番ぞっとする話かな?
    でもこういう暮

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    2012年02月10日
  • 神鳥(イビス)

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    ホラーだったのか。こわかった・・・、すごく面白かったけど、ちょっと吐きそうだった。よくも悪くも朱鷺が印象深い鳥になった。そういえば、鳥って顔が怖いよね。くちばしも尖ってるし。普段は大人しいけれど、鳥って怖いな。考えたことなかったけれど、鳥って怖い。鳥は怖いな。読後悪かったらもっとよかった。

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    2012年01月17日
  • 聖域

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    週刊誌から文芸誌に異動したての編集者・実藤が、ある時偶然手にした未発表原稿「聖域」。物語が佳境にさしかかったところで、終わってしまっているこの作品のラストを読みたい一心で、実藤は無名の作者・水名川泉を捜し出すため、僅かに残された痕跡を頼りに東北へと向かう。

    ◆94年4月刊行された小説であるにもかかわらず(執筆はそれよりずっと前だと予想されるけど)、「新興宗教」が物語のひとつの軸として働いている。日本人にとっての「信仰」の問題。
    ◆東北地方の描写に、いつか車窓から見た風景を思い出し、記憶と描写を重ね合わせるように読まされた。
    ◆二重の「聖域」。『聖域』という本書の中で、「聖域」を扱っている二重

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    2012年01月09日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    圧倒的な現実感を伴なってストーリーが展開してゆく。常識ある主人公が回りに翻弄されながらどツボにはまってゆく様にリアリティーがある。さすが篠田節子。

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    2011年10月29日
  • 絹の変容

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     篠田節子の本で最初に読んだのはこの本だった気がします。

     バイオテクノロジーによって虹色に光る絹を紡ぎだす養蚕に成功しましたが、それが発端となり蚕に変化が起き、バイオハザードして恐慌をきたすパニック小説です。
     蚕ばかりでてくるので、あまりビジュアルを思い浮かべると気持ち悪くなりますので要注意。

     この小説の舞台は八王子ですが(著者は確か八王子市役所で働いていたんじゃなかろうか)自分も八王子の大学に通っていたので、どことなく、この場所ってここのことじゃないか、という描写が多くあり、とても身近な恐怖を感じました。

     もちろん八王子に縁も所縁もない人でも楽しめます。

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    2017年08月15日
  • ロズウェルなんか知らない

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    【要旨】
    温泉もない、名所があるわけでもない、嫁のきてもない。
    観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。
    青年クラブのメンバーたちは「ミステリー」と「オカルト」と「ホラー」で町を再生を計る!

    この「ミステリー」だとか「オカルト」だとか「ホラー」だとかが手が込んでいて、realityがあって面白い面白い。
    初めはしぶしぶだった村のお年寄り達も、観光客が徐々に増えていくうちにノッてきて頼んだ事以上の演出だのし始めちゃうところも、マスコミがエスカレートしていくところも面白い。
    計画が上向きなら乗るくせに、少し叩かれるとすぐ非難する側に回る。
    周りの人が二転三転簡単に趣旨換えしていっちゃうところも篠田さん

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    2011年05月16日
  • ハルモニア

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    チェロが趣味なので、やはり気持ちが入ってしまいますね。
    無伴奏チェロは、この小説と切り離しても、どこか特別な音楽だと感じます。

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    2011年02月17日
  • カノン

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    ネタバレ

    主要な登場人物は、学生時代にヴァイオリン、チェロ、ピアノでトリオを組んだ男女3人。 3人の内のヴァイオリンを弾いた1人は、後にバッハのカノンを演奏・録音しながら自殺するのですが 残された2人が形見として受け取ったカセットテープを再生すると、次々と奇怪なことが起こり始める…、 という、音楽を題材とした長編ホラー小説です。 文章力の高さゆえ、読んでいるうちにこちらまで「真夜中、月明かりを浴びたピアノの横に自殺したはずの男が立っている」 ような気がしてきて、結構怖かったのですが、全編を通して「音楽とは何か?」 ということを強く訴えていて、とても考えさせらる“音楽ホラー小説の傑作”でした。 ホラーが大

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    2011年01月20日
  • 死都 ホーラ

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    久しぶりの篠田節子さん。一気に読めた。やっぱり好きだ。篠田さん。ギリシャの小さな島に旅行で来た男女の物語。ホラーだけど怖くなく悲しくキレイな話。

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    2011年07月21日
  • カノン

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    クラシック音楽、楽器演奏者からみたその深淵。若くない人達がかつての青春に再び焼かれる。完璧人間の凋落と復活。
    僕が好きな色んな要素が入ってる。

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    2010年12月05日
  • 聖域

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    初めて読んだ篠田節子の作品。
    詳細も結末も詳しく覚えていないんだけど、とにかく引き込まれた記憶がある。
    読後はしばらく放心状態。
    何度も何度も肺水腫に陥るシーンがあるのって聖域だっけ?
    あのシーンが強烈で涙が出てきた。

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    2010年09月22日
  • 神鳥(イビス)

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    この後、篠田節子はずっとフォローしているけど、この頃の作品から受けた衝撃を超えていないような気がする。自分の感受性の問題もあると思うけど・・・

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    2010年08月22日
  • 神鳥(イビス)

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    この著者は『女達のジハード』とやら有名な本を出しているようだが、読んだことはない。
    一気に読み上げるほど面白かった。

    途中男の言うところの信仰とか。
    日本の土着?アニミズム信仰ってそういったものが多いと思った。

    「朱鷺飛来図」見てみたいと切に思った。











    朱鷺のまぬけな顔や丸い嘴を知っているからあまり怖いと思わなかった・想像できなかったと感想で書いている人がいたが、主人公達もそれを見て想像できないと言っていたのに、あのマヨイガ的空間で種を滅ぼされそうになるまえの攻撃をするあの姿とのギャップを描いた女史はすごいと思う。

    寝たら攻撃してくるところはフレディの助力があったのか

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    2010年06月08日
  • ロズウェルなんか知らない

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    これは面白かった。

    第一に、女性作家がこの着想で書いたということに、感嘆した。
    タイトルにロズウェルって。
    こんなの、いつまでも幼稚性を残したアホな男の専売特許の世界のはずなのに。

    設定、キャラクターなどに命を吹き込んでまずは読者の心をつかみ、そして途中までは主要登場人物たちの思惑通り事が運んで順風満帆。
    しかしある時点で重大な問題が巻き起こって読者はハラハラドキドキ、しかし最後にはなんだかホッとするような大団円…、という、古き佳き邦画や連続ドラマのごとく、正しき起承転結を踏まえたストーリーだが、「そう上手くいくかい」と突っ込みたくなるような、お約束の展開だと分かっていてもまったく飽きさせ

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    2009年12月23日
  • コンタクト・ゾーン(上)

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    篠田作品のいくつかの系統があるうちの一系統の代表的な作品。
    読むべし。


    #同じように複数の女性が主人公になっても,桐野作品とこうも違うものかと興味深い。篠田作品は,根底に社会的背景が一本太い筋として必ずあるのに対して,桐野作品は個人的特性と人間関係をねっとりと描写するのを主眼としているので,両方を読むといろいろ面白くて二倍お得な感じ。

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    2009年10月23日
  • 秋の花火

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    篠田節子の小説には、いろいろな世界があるけれど、それを凝縮させた一冊という印象の短編集。
    どの話の中にも「人生の秋」が根底に流れている。
    諦めや寂しさ。やがてくる冬への漠然とした不安と嫌悪。
    そんな感情が静かに語られている。
    モテないまま中年を迎えた男とオンナ。天性の才能を持つものとそうでないものの心情。
    篠田節子独特のホラーやミステリーをちりばめたストーリーはもちろん素晴らしいのだが、ラストに収められている表題作「秋の花火」が不思議な余韻を心に残した。

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    2009年10月04日
  • 神鳥(イビス)

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    篠田節子の傑作だと思っています。
    朱鷺の美しくも恐ろしい姿が目前に迫る作品です。
    鉛色の空、薄紅色の鳥、真っ白な雪を染まる鮮血、牡丹ではなく…地獄絵図。
    まさに恐怖を実写化した物語だと思いました。

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    2009年10月07日
  • 聖域

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    女たちのジハードで語られたような、シンプルで無駄のない地の文体に、文中小説(とはいっても引用と概要ではあるが)が挟まる、最初の展開。


    その文中小説が秀逸。
    文章も練られていて、それだけで十分に読みごたえを感じるような素晴らしいプロット。もったいない!
    このままできればきちんと読みたい、そう思わされるほどの出来栄え。


    しかし作者の展開するストーリーの肝は、そこにはない。
    その作者の数奇な運命?才能?能力を軸に、担当者、同じ賞をとった老作家、そして主人公と3人の人生が絡まりあいほつれていく。
    最後の結末は・・・


    人は失われたものを求めずにはいられない。


    なくしたものの輝きを美化し

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    2009年10月04日
  • コンタクト・ゾーン(上)

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    どちらかというと負け組の女性3人が、南の島のサバイバルや地元の人との暮らしの中で強く成長していきます。彼女たちが生き延びられるのか、どういう選択をするのか、ハラハラしながら一気に読みました。
    女性なら共感しながら読めると思います。
    また、世界の貧富の差や、武力、私たちが取るべき行動について非常に考えさせられる作品でもあります。

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    2009年10月04日
  • ハルモニア

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    ネタバレ

    新規購入ではなく、積読状態のもの。 恐らく2001年2月の発売直後に購入。
    2020/2/21〜2/25

    恐らく19年ものの長期熟成本。
    脳に器質的障害を受けた由希にチェロの手ほどきをする東野。何もできないと思われた由希が超人的な音楽的才能を発揮するにつれ起こる不思議な現象。購入した頃、まだ本格的にクラシックギターを弾いていなかったので、熟成して良かったんだろう。音楽とは何かを非常にいろいろ考えさせられる快作。

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    2020年02月28日