篠田節子のレビュー一覧

  • 沈黙の画布(新潮文庫)

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    素晴らしい作品。話はこう展開するだろうという予想を何度も覆され、話は2転3転。最後の展開は素晴らしかったが、4分の3ぐらい読んだところで、再読だったことに気付いた。どうやら一度目は、ななめ読みしていたようだ。

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    2018年12月02日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    身につまされる話
    家守娘の母娘の会話はリアル
    いつの時代も、いや 今の時代だからこそ核家族になり突きつけられる現実。
    他人ではないから甘えがあり、思い出があり、切なさとの葛藤を抱えながら行き着く思い。親子でなければ行き着かない結果だと思う。

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    2018年11月13日
  • 神の座 ゴサインタン

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    ネタバレ

    篠田節子ブームの中で読んだ、たぶん初の長編。

    長いけど、一気に読めます。
    読んでから、だいぶ時間経ってるので、登場人物名とか
    キレイさっぱり忘れちゃってますが。

    地方の農村の旧家の跡取りが、発展途上国(ネパール?)から
    嫁さんを「買って」くるところから始まる、
    なんだろう、破壊と再生の物語なのかな。

    この買われてきた嫁さんが、この旧家を滅ぼしていくんですよ、
    なんか、神がかり的な力を得て。

    「買った」はずの姑や旧家の次男(長男は海外在住で家督放棄)が
    次第に従属する立場になり、ついに土地家屋財産全て擲って
    帰国した嫁を追って、ネパール?に行っちゃう。

    この文庫

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    2018年06月13日
  • インドクリスタル 下

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    いやー面白かった! 故・船戸与一を彷彿とさせる、女性作家とは思えない骨太なストーリー展開。 ロサの幸せを願わずにはいられない。

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    2018年04月30日
  • 銀婚式(新潮文庫)

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    50代の元エリートサラリーマンの半生。

    エリート証券マンが、ニューヨーク在住中に離婚、その後会社は破綻し、損保会社に再就職するも、鬱を患い退職。仙台の無名私立大学の非常勤講師として再々就職。
    何とも波乱万丈な主人公高澤。
    それでも、誠実で仕事に対しても熱意があり、品行方正なため、周りからの評価は常に高く、好感が持てます。
    大学での功績は高く、やる気のなかった学生達が、きちんとした大人になることが出来るよう、下地を作ったのは彼でした。
    元妻、息子との距離感は、かなり近いもので、タイトルからもしかしてと想像しながら読み進めていました。

    浪人して国立大学に進学した息子にひと安心するも、最後までそ

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    2018年04月09日
  • 長女たち(新潮文庫)

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    恐ろしい本だと思った。3編の短編小説はいずれも長女が主人公だが、現代の深い問題をえぐりだすような内容となっている。解説者の言葉を借りれば、「老人が尊厳をもって天寿をまっとうすることと、数が少なくなった若者が幸福で充実した人生を送ることと、両立が困難だということ」がテーマになっているように思われる。第二話の「ミッション」ではヒマラヤの山奥の村を舞台にしているが、長女の側面はほとんどなく、現代の日本人にない彼らの生死感にはハッとさせられ、価値観を激しく揺さぶられる。

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    2020年10月26日
  • ハルモニア

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    ハルモニア。
    それはまるで世界をすべる黄金率にも似た調べ。
    神聖で崇高な侵しがたい神の旋律。
    凡庸なチェリスト東野は音楽療法のスタッフとして通った高原の精神医療施設で、凄まじい才能を数奇な運命を秘めた一人の浅羽由希と出会う。
    東野は彼女の秘めたる才能を引き出そうと悪戦苦闘の個人レッスンを開始するが……

    超感覚ホラー。
    サスペンス。
    人間ドラマ。
    この小説を飾る言葉はあまたあれど、一番しっくりくるのはやっぱり音楽小説だろう。
    そう言うととかく高尚なものを思い浮かべがちだが、登場人物の苦悩や懊悩、葛藤が非常に生々しくリアルに迫ってくるせいで、どっぷりのめりこんでしまう。
    血肉が通った饒舌でありな

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    2017年08月24日
  • 銀婚式(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読み終えたとき、高澤と共に長い人生を歩んだ気がした。
    …いやいや、それでは私が主人公と銀婚式(笑)

    確かに、NY赴任時に仕事を理由に妻の不調に寄り添わず、離婚に至ってしまったところまでは、彼を「仕事は有能だが、家庭人としては失格」というような眼で見ていた。

    しかし、会社が倒産し、次々に同僚が新しい職場探しに奔走して退職していく中、最後まで敗戦処理として会社に残る姿は、退却するしんがり武将のようであった。
    その後も、何故かめぐり会う仕事はことごとく「尻拭い」「敗戦処理」
    あ~、なんて運の悪い人なんだろうと思うと同時に、何があっても投げ出さない姿勢に感心する。
    そして水面下で…ちゃんと見ている

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    2017年06月09日
  • インコは戻ってきたか

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    ネタバレ

    女性雑誌の編集者がキプロスで取材するだけの話かとおもいきや、内戦状態にある現状や巻き込まれていく様が描かれていて興味深かった。戦争には縁遠い日本人を良く表していた。

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    2017年03月12日
  • 神の座 ゴサインタン

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    大きな農家の長男が、ネパールの女性と結婚します。
    この男、最悪です。仕事と周りとの付き合いなどはこなしますが…妻の出身地ネパールがどこにあるのかも分からず、妻の気持ちなど考えず腹が立つこと間違いなし。
    彼女がそうなったのは、素質もあったのでしょうが、追い詰められたからだと思います。

    この話はどこにむかってるんだろう?どうするつもりだろう?と思いつつ読んでいきました。
    最高は、どこにあるのかも分からなかった地。

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    2016年07月02日
  • 聖域

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    篠田節子さんの著作は「女たちのジハード」に続き、2作目。「女たちの」も面白かったが、こちらはもっと迫力がある。先がどうしようもなく気になり、一気に読んでしまった。案外評価が低いようで、驚いている。
    個人的にこういった不気味な話が大好物である。日本(特に地方)固有の暗さ・怖さがある。ストーリーは、出版社に勤める主人公が書きかけの小説を見つけ、その先が読みたくなり、舞台となった東北地方に行方不明の著者を探しに行く、というもの。ジャンルとしてはミステリーだが、単なる謎解きや犯人探しではなく、宗教を通して人生の意味を問いかけるようなものになっている(こう書くと陳腐に聞こえてしまうが)。
    少し難解な箇所

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    2015年12月11日
  • ロズウェルなんか知らない

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    ネタバレ

    や~っぱおもしろいなぁ~。
    登場人物の面々が、(ほとんどがおっさんか老人たちかばかりなのですが)それぞれ持ち味を存分に発揮してくれてます。こんな小説好きなんだよなぁ~。
    普段小説の読み返しなんかめったにしない自分が、忘れた頃合を見計らってまた何度でも再読したくなってしまうほどです。

    そしてまたこの、読後感が何とも言えず良い。人生、勝負を仕掛けるのに遅すぎるなんて事はないもんだ!て事を、読み返す度に改めて認識させてくれます。すごく勇気になる。
    そしてそしてこんなメッセージも・・・
    “未来も金もプライドも何もない。失う物がないんだから、何でもできるんだ。やってみようよ。”

    とにかく。自分の人生

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    2017年02月18日
  • はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか

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    SF短編集。商売人のたくましさににやりとさせられる「深海のEEL」と「豚と人骨」は長いものが苦手な人は要注意。理系男子って奴は、な表題作。「エデン」は深遠なテーマの中編。いずれおとらぬ傑作ぞろい。

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    2014年10月13日
  • 転生

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    面白かった!!
    笑って、ドキドキして、怒って、ホッとして、考えさせられて、ちょっぴり涙した!!
    手塚治虫さんが生きてたら描くのではないかという題材。パンチェンラマ10世のミイラが生き返るというとんでもない話なのだが、現実におきている中国のチベット侵略を批判している。

    こんな救世主が現れなくてならないほど、どうしょうもない危機的状況なのかも今の地球。

    中国の横暴、日本のテレビ局の情けなさ、放射能問題、食品の安全。
    今、しのださんが考えているであろう様々な問題がちりばめられていた。軽い小説の形をした重い内容のおはなしでした。

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    2015年09月06日
  • はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか

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    篠田節子といえば、重厚な長編の『聖域』を心から楽しく、また感動して読んだ。
    そんな印象があったので、この変わったタイトルの短編集を手にしたとき、さて、どんなものだろう、と、まずはわくわく感から入った。
    あらたまったフルコースをいただいたレストランで、ふとカジュアルなランチコースを見つけたような。あ、ちょっと試してみようかなあ、というような。

    タイトルがまず、そそられる。これはSF好きなら必ずぴんとくる、SFの古典的名作で、映画『ブレードランナー』の原作ともなった、『アンドロイドは電子羊の夢を見るか?』から発想を得たのは間違いないであろう。あ、このひと、結構、SF好きなのかな?とおもってしまう

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    2014年08月10日
  • 神の座 ゴサインタン

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    ネタバレ

    豪農の跡取り息子40歳が見合いするも話がまとまらず、アジア人の若い女を妻にしようと実行するところから始まる、
    よくあるアジア人嫁の話かと思ったら、
    嫁はネパールのさらに北のはずれ
    (ゴサインタンという山の麓の村)から来た、言葉も通じない、食べ物や風習も全く違う、工場で働くとだまされて連れてこられた女性だった
    そして農家の姑と夫にいじめられて心折れて逃げ帰るかと思ったら、
    神がかりになり、教祖になり、夫から財産のすべてを奪い、(奪うというか、捨てるしか救われる道はないと説く)
    怪しい新興宗教と思われる比喩も登場し、
    宗教の行きつく先、人生の救いとか幸福とか、人間の生きていく上での価値観を

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    2014年03月06日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    失業し、奥さんや不倫相手も去っていったどん底状態の正彦&矢口。この2人がビジネスとしての新興宗教を立ち上げるところから物語が始まります。
    食うや食わずの貧乏時代を経て、森田社長を信者として獲得したあたりから宗教団体は大きくなり、宗教ビジネスは軌道に乗っていくのですが、、、というところまでが上巻です。

    正彦が元都庁職員の知識と経験を生かして信者を獲得していくところは結構リアルで、こんなにうまく行くわけないやんな〜と思いつつも引き込まれていきました。教団は順調に大きくなっていくのですが、なんとなく破滅への影もチラチラ見えてきて、「この辺でやめといたほうがええんちゃう??」とドキドキ。
    正彦&矢口

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    2014年01月03日
  • 家鳴り

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    忘れられない作品は誰にでもあると思う。私の場合はこれの表題作だ。中学生か高校生くらいに読んで、ショッキングで影響を与えた作品。タイトルを失念してしまい、覚えている内容を頼りに探していたのだが、ようやく見つけることができた。
    昔はただ漠然とした気持ち悪さを感じていただけだが、大人になって読み返すと作者の皮肉と現代社会の問題示唆が見える。全て1990年代に発表された作品だが、今読んでも時代感というか、まったく古さを感じないのが凄い。
    あと、篠田節子の作品を読むたびに感じ入るのが、メタファーの巧みさ。


    【幻の穀物危機】

    パニックホラー
    東京に大震災が起きる。首都圏は壊滅。伝染病が蔓延り、避難民

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    2013年11月10日
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    すげえ力技の小説。
    勿論、力だけではなく上手い小説でもあるんだけど、読み終わった後の疲労感が「オモロかった」より「読み遂げたぁ」という感想になるあたりが、力でガツんとホームラン打たれた感がするのである。

    新興宗教をテーマにしている小説。宗教観については個人的な見解も色々だろうし、そこをなんやかやというつもりはない。宗教とか救済とかその手の事についてどう書いてあるか気になる人は、この作品を読んで自身の感想をもてばよいと思う。

    「絶対信じる」と言うた側はそこで思考停止する言い訳をしてるのであって、またそれを受け入れた側が思考停止を認めた段階で相手を人間として扱っていないことになる。

    マスコミ

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    2013年09月16日
  • ハルモニア

    購入済み

    面白かった。

    電子ブックは思った以上に読みやすいですね。

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    2013年07月14日