篠田節子のレビュー一覧
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タイトルからの勝手な想像で、ユーモアとかペーソスとかを期待していたが、読んでみると切実さとアイロニーに満ちていた。
本作における「長女キャラ」とはどういうものか。どうやら、真面目で有能だがあまり要領良く生きられない人たちらしい。我慢強いが、それが裏目に出てしまうことも度々。
それ故か本作の長女たちは皆三十代後半〜四十代後半で独身、そしておそらくは独身であるがために、近親者への献身と近親者からの搾取の境界線上で揺れている。認知症介護・独居老人・依存症・生活習慣病・臓器提供といった一筋縄ではいかない家族問題の「担当者」という役回りを周囲から期待され、圧力をかけられもする。
その背後にあるの -
Posted by ブクログ
面白かった!
ロサが思ったより登場せず、水晶ビジネスにボリュームが割かれていたのが、ちょっと意外でした。
甲州商人、インドで大奮闘です。
インド人ののらりくらりとした交渉術、全くどうしたらいいやら読んでいるこっちまで頭抱えました(笑)
生き神として讃えられてきた少女ロサとインドとクリスタル。
科学では証明できない不思議な世界に誘われるのかと思いきや、海外で戦う日本のビジネスマンの苦労や、自然災害の影響で経営に四苦八苦する現実的な様が描かれていて、読んでいるものを飽きさせません。
最後は藤岡社長が、ただのウザイおじさんに見えてきたのですが、どうなんでしょうか。
表情が乏しく何を考えている -
Posted by ブクログ
篠田節子さんに魅せられての二冊目です。
大いに笑わせて考えさせられた、一冊目『百年の恋』とは、対照的な物語をリアリティでグイグイ引っ張てくれる読み応えのある傑作です。
篠田節子さんに更に惚れました。
高澤修平の順調と思えた人生に、離婚、何度かの転職、息子の受験の失敗、新たな恋の難しさ、介護、と荒波が次々と押し寄せる。
だが、この男性、仕事に、人に、実直でいて誠実なので、無職になっても、鬱になっても、葛藤の中、助けてくれる人が不思議と現れる。 そんなシーンに何度も涙する。
そして、彼のような誠実なサラリーマンがこの世の中を支えているのだと、また胸が熱くなる。
高澤たちの『男の本文は -
ネタバレ 購入済み
ロズウェルその後を知りませんか
連載時にはまってしまい翌月号が待ち遠しかった。もうあの頃とずいぶん日本はかわったような気分で読んだ。しかし地方は都会のように巨大な建築物ができることもない。ただ廃村寸前の村という存在そのものがもうアキラレてしまったような気がするし、・・・と一軒家というようなフレーズが日常会話にでるくらいだから、田舎の村や集落の価値がもう失くなってしまったのかなとテレビを見ながら思う。UFOやアルミ箔の宇宙人を仕掛けた主人公グループのひとりが午前4時に目覚めて帳場のパソコンでメールを読むと、批判や中傷のメッセージに混じって著名人から応援のメールがあったりという場面は、地方にいてちょっと目立った活動をした経験のあ
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Posted by ブクログ
面白かった〜。
特に、真一が本来は母親がやるべきことと
思いつつ、きちんと育児をこなしてるところ。
女だからって、初めから
育児ができるわけじゃない。
本読んだり、人の話聞いたり
色んなヒト、モノやコトに助けてもらいながら、
試行錯誤して育児してる。
それで、少しずつ親になっていく。
産めるか産めないかの違いはあるけど、
育てられるかどうかに男女の違いはないよね。
男が働き女が家を守るだなんて、
ほんとに誰が決めたのか、
古臭い価値観だとあらためて思う。
得意な方が引き受ければ良いし、
得意というほどでなければ、
半々でいいんじゃないかって思う。
「百年の恋」と来たら、
「冷める」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ篠田節子さんの小説は、初です。 まずは読みやすそうな作品をと、『百年の恋』を選んで正解でした。
とにかく、痛快。
何度も何度も笑わせて、ときに考えさせられ、思わぬところで泣かされて・・・ファンにならざるおえない、さすがです。
さえないライター家業の真一の3歳年上のスーパーエリートの妻・梨香子への" 声にはならない悪態 " が、コミカルに描かれていて、面白い。
妻と母の長年の確執におろおろ、エリート元カレ⁈との仲を邪推して嫉妬、次々と叩き込むエピロードに、揺れ動く真一の心。 ついには諦めの境地か。
『お茶は裏千家、お花は嵯峨御流、煎茶道も一通りはできる。それで -
Posted by ブクログ
コロナ禍の今、この作品を読むと、これが25年近くも前に書かれていたことに驚く。
かたや新型インフルエンザ、かたや新型日本脳炎という違いはあれど、役所の縦割り、前例主義、事なかれ主義、利益重視の医療機関、ワクチン開発の闇、デマに踊らされる人々、自殺の増加、挙げればキリがないほどの類似性に、篠田節子の社会を見る目の確かさを思う。
現場で人がどんどん死んでいるのに、新しい法律を作るべきか今までの法律でいくべきかを悠長に議論している国とか、専門家会議の人選を専門性を優先しないで人事的な観点で決める厚生省とか、今もこの手のことが私たちの見えない所で山ほど起こっているんだろうな〜と思わせるリアリティは、 -
購入済み
自分の中では、篠田作品No.1
もう初版が出た時に読んでますから、20年以上は経ってますよね。
紙媒体(ハードも文庫も)だって持ってるのに、いつでも読める様にしておきたいが為に電子にて購入しました。
内容については、他の方のレビューで沢山書いてあるので、そちらをご覧くださいw。
とにかく、自分の中では篠田節子さんの作品で断トツのNo.1だと、力強く言い切れる大傑作です。
物語の殆どが、頭の中に映像化されて保存されていて、こんなに物語に没入して頭から離れない作品はそうそう有りません。
それぐらいの圧倒的な興奮、感動を喚ぶ、極めて優れた娯楽小説です。作中作の方すら書籍化して欲しいぐらいです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「家族だからできる」と言われていることは、家族だからこそできない。きっと、家族だから、より残酷で、逃げ場がなく、追い詰められていく。最後の一言を何度も呑み込みながら、耐えながら。
3編の主人公は、このままでは逃げ出すしか救われない。そんな気がする。介護退職なんてもっての外、どうやって生活するの?看取った後、どうするの? そんなことを考えてしまう。
親と対峙する必要があるのかもしれないけど、「家族だから」できない。絶対に、ヘルパー、介護システムを頼るべきだと思う。令和の時代だから。
高齢化が進むことによって、健康寿命以降の過ごし方が問題になってきている。特に、介護する側に。「ミッション」で描 -
Posted by ブクログ
はぁ〜‼︎ やっぱり篠田節子さんの小説は、大人のお話なのだ。というか、歳をとってから読む方が、この味わいがわかる気がするのです。読んで良かった。
四国遍路を終えた帰路、冬の海に消えた父、康宏。企業戦士として家庭人として恵まれた人生、のはずだったが…。死の間際、父の胸に去来したのは、20年間、愛し続けた女性のことか、それとも? 足跡を辿った次女、碧が見た冬の光とは…。
こんな短い紹介文では表現しきれない、464ページでした。
読んでる間ずーっと感じていたのは『人生は長く、人は強いけれど弱い。一生、清廉潔白な人などいるだろうか?』ということ。
紹介文では20年間愛し続けた、とあるけど、それだ