篠田節子のレビュー一覧
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インドが舞台のビジネス冒険小説。冒頭の地図にある都市のプリーまでは行ったことがあるし、日本の水晶機器メーカーにも何回か訪問したことがあるので、インドや水晶デバイスのことを少しは知っているつもりでいたが、なんとも奥が深く勉強になることばかりだ。多様な価値観がぶつかる場面では、自分の常識が普遍的ではない...続きを読むPosted by ブクログ
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短編3つのうちの「ファーストレディー」に関して。
私は母は子供のころは世界で一番好きな人であり、大切な人だった。
しかし成長するにつれその思いは老いて理性を失い奔放になっていく母を疎ましく思うように変わってくるのだが根底にはやはり母を好きという気持ちがあることには変わりない。
だから主人公の気持ちの...続きを読むPosted by ブクログ -
まるで現在の状況を予言したかのような小説、と聞いて読んでみましたが、あまりにも現実とリンクしていて驚きました。だいぶ前に書かれたお話なのに古さはあまり感じられず、一気読みでした。少し専門用語が難しいところもありましたが、今こそ読むべき一冊だと思います。
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地方の水晶振動子メーカーの社長が、インドで高品質の水晶を買い付けようとする話だが、主人公はインドでのビジネスに四苦八苦するだけではなく、そこで知り合った不思議な力を持った先住民部族の少女に翻弄されていく。
カースト制、男女差別、部族差別などの外国人には理解し難いインド社会の構造まで深く掘り下げており...続きを読むPosted by ブクログ -
地方の水晶振動子メーカーの社長が、インドで高品質の水晶を買い付けようとする話だが、主人公はインドでのビジネスに四苦八苦するだけではなく、そこで知り合った不思議な力を持った先住民部族の少女に翻弄されていく。
カースト制、男女差別、部族差別などの外国人には理解し難いインド社会の構造まで深く掘り下げており...続きを読むPosted by ブクログ -
介護問題は現在の日本の一番のホラーであると思う。
三作からなる本作の二話目の村に酷く共感した。
一、三話は我が家の状態(祖母(セコンド妹)vs母,私)に似ていて腹が立ち冷静には読めなかった。
年長者が若年者の重石になっているこの国は歪んでいる。
それをさも当然でそのために子供を作った、というようなこ...続きを読むPosted by ブクログ -
素晴らしい作品。話はこう展開するだろうという予想を何度も覆され、話は2転3転。最後の展開は素晴らしかったが、4分の3ぐらい読んだところで、再読だったことに気付いた。どうやら一度目は、ななめ読みしていたようだ。Posted by ブクログ
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身につまされる話
家守娘の母娘の会話はリアル
いつの時代も、いや 今の時代だからこそ核家族になり突きつけられる現実。
他人ではないから甘えがあり、思い出があり、切なさとの葛藤を抱えながら行き着く思い。親子でなければ行き着かない結果だと思う。Posted by ブクログ -
篠田節子ブームの中で読んだ、たぶん初の長編。
長いけど、一気に読めます。
読んでから、だいぶ時間経ってるので、登場人物名とか
キレイさっぱり忘れちゃってますが。
地方の農村の旧家の跡取りが、発展途上国(ネパール?)から
嫁さんを「買って」くるところから始まる、
なんだろう、破壊と再生...続きを読むPosted by ブクログ -
恐ろしい本だと思った。3編の短編小説はいずれも長女が主人公だが、現代の深い問題をえぐりだすような内容となっている。解説者の言葉を借りれば、「老人が尊厳をもって天寿をまっとうすることと、数が少なくなった若者が幸福で充実した人生を送ることと、両立が困難だということ」がテーマになっているように思われる。第...続きを読むPosted by ブクログ