篠田節子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとにかく長い。上下巻をあわせると1200ページを超える長編である。
長いの飽きさせない。ページ数の多さに負けない中身の濃い物語だった。
失業しこれといった夢もなくなった二人の男が軽い気持ちで立ち上げた「宗教」。
教義のもとになったのは、正彦が書いていたゲームブック。
その場しのぎの対応を続けた結果、いくつものトラブルに巻き込まれることになる。
宗教にハマったことがないので、雅子たちが暴走していく心情がよくわからなかった。
それなりの理由はもちろん理解できるのだけれど。
何でも一番いいのは「ほどほど」なのかもしれない。
絶対的な存在としての「教義」。
雅子たちの狂気は、やがて偽宗教家の正彦をも喰 -
Posted by ブクログ
福祉事務所のケースワーカーを題材にした短編集。各作品で様々な役職の職員を主人公に、人生の悲哀を描くのだが、そこは篠田節子だけあって、ウェットに絡みつくような憎悪や恐怖を混ぜ込んでくる。
最初の作品の書き出しから、「死体を見るのも慣れっこ」という感じで始まるが、全体にそういうシーンはないので問題なし。
とはいえ、必ず自分の人生に巻き込まれてくる焦燥感と恐怖が、それぞれの作品にコンパクトに収められている。また、出てくる人物のキャラクター付けもしっかりなされているので、人物の混乱もほぼ無い。
難を言えば、「弱い女性」「横暴な男性」「ふらふらしている水商売の女性」みたいな、ステレオタイプの社会観