篠田節子のレビュー一覧

  • 贋作師

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    この方の作品は何作か積んであり、今作が初の篠田作品。
    絵画の裏方、修復師の女性が主人公の話。
    絵画の知識に乏しく、修復師が何をする人なのかも良く知らなかったけれど、物凄くのめり込んで読んでしまった。
    私は絵心がなく、細かな作業も苦手。
    なので正反対の主人公の行動を読んでいるのが面白かった。

    篠田節子、好きな作家さんになりそうです。

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    2019年04月05日
  • 蒼猫のいる家(新潮文庫)

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    短編集。少し恐ろしくて、かなり皮肉で、そして少し愉快な物語が多いです。さまざまな形で異形のものといえるようなものが登場する点も魅力的。
    お気に入りは「クラウディア」。これが一番笑える物語かも。犬にいいように扱われる主人公の姿は情けなくって滑稽なのだけれど、それも最後には清々しく温かな物語になってしまうのが不思議なような。
    しかし猫派な私としては、やはり表題作「蒼猫のいる家」が気になるところ。こっちの猫はどうも困りもので、可愛いという感じがまーったくないのですが。それでも嫌いにはなれないし。魅力のようなものは感じてしまいます。猫ってそんなものかもね。

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    2019年03月07日
  • 銀婚式(新潮文庫)

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    同年代で損保業界の話もあり、手に取ってみた。
    読み進めるうちに親の介護、看取り、子供の受験といった欠かせないことがあり、我がことを振り返りながら、読み終えました。

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    2018年12月24日
  • コンタクト・ゾーン(下)

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    面白かった!!
    ここでいう「コンタクト・ゾーン」とは異文化接触地点。
    30代後半にさしかかった独身女性3人は、半年に一度の海外旅行で贅沢に遊び買い物をすることでうっぷんを晴らしていた。
    今回の旅行は政情不安定な地、東南アジアのバヤン島。
    内乱に巻き込まれ、ゲリラの手に落ちた島で、彼女たちは生き残れるのか・・・。

    どんな状況でもたくましく、したたかに生き抜く彼女たち。
    ラストの彼女たちの選択に思うところは多々あるが、日本における女性の地位からして仕方ないことかと思う。

    架空の島 バヤン島はバリ島がモデルのようだ。

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    2018年12月15日
  • 夏の災厄

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    ひさびさの篠田さんの小説読んだ。
    予防接種に関する様々な考えを取り込んだお話で、緻密な描写、だんだん広がってしまう不幸、面白かった。
    ありえないけど、ありえそうというところが篠田さんの文章ですね。

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    2018年09月25日
  • 夏の災厄

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    看護師である房代が勤めるの夜間診療所に、

    光をまぶしく感じ、花のにおいを感じ、熱に浮かされ、

    痙攣を起こしながら倒れる。。。という患者がやってきた。

    その時は、日本脳炎と診断されたのだが、

    徐々に、同じ症状の患者が増え、死者も増え始める。



    撲滅されたはずの伝染病が、なぜ今頃蔓延するのか?

    疑問を持った房代たちは調査を始め、恐ろしい事実に突き当たる。


    一体、原因は何なのか、なかなか解決しない物語に、

    もどかしさを感じつつも、夢中させてくれる物語でした。



    蚊により、伝染していくというのが、なんだか、現実にありそうで、

    この本を読んでいる数日間は、蚊に神経をとがらせてしまいました。

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    2018年08月31日
  • コミュニティ

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    6つの不思議な短編。
    「夜のジンファンデル」は大人の切ない恋愛の話。
    それ以外は、ゾワゾワする怖い話。
    「コミュニティ」は人間関係が濃厚な団地の話。一番ゾワゾワしたかな

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    2018年08月10日
  • 聖域

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    以前この著者の本で「仮想儀礼」というのを読んだことがあるが、それも宗教がテーマのお話だった。この本も「宗教」や「信仰」にかかわてくる。かわったテーマでなかなか面白かった。

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    2018年06月03日
  • 死都 ホーラ

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    二人の関係がどう決着するのか見ものだった
    女性の方も死ぬかと思ったがそうではなかったので悲惨さはない

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    2018年05月17日
  • コミュニティ

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    篠田節子 著「コミュニティ」、2009.7発行。短編6話。じわじわっと襲ってきます。怖いです!「永久保存」「コミュニティ」、永く記憶に残りそうです(^-^)

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    2018年04月04日
  • 百年の恋

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    ネタバレ

    面白かった。電車で読みながらめちゃくちゃニヤニヤしてしまった。
    明らかにやばい雰囲気の漂う梨香子に真一が舞い上がる様子、梨香子のあまりにも酷過ぎる生活能力、同業者仲間に軽んじられて当然と思わされる真一のコミュニケーション能力のまずさ加減。
    篠田さんは書くことが極端過ぎるがそれでこちらが冷めることが無くむしろもっとやれと思わせる独特な魅力がある。
    しかし梨香子はなんで真一と結婚したのだろう。子供が欲しかったから主夫をやってくれそうな男を探していたのだろうか。それにしてももうちょっとまともな男が他にいる気がする。
    知性があり稼ぎと男らしさの無い男が理想だったとか?最後に「あなたのここが好きで結婚したのよ」的な素敵な種明かしがあるかと期待していたがそんなものを期待した私が馬鹿だった。
    途中に挟まれる育児日記だが、これを書いた人は要領が悪過ぎると感じた。確かに子育ては大変だけれど食事のたびに掃除をする必要は無い。

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    2018年02月28日
  • インドクリスタル 下

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    ネタバレ

    精密通信機起用の水晶発振子の水晶の種終章を求め、インド奥地まで行く社長の藤岡。そこでロサというインド人の女性に周りは振り回されながらもコヨドリ村から出る不純物の無い水晶を求めて滑動をする。現地の地主と村長、共産主義ゲリラと警察との深い争いに巻き込まれながら、なんとか、かなりの数を入手壽他ものの、直ぐ反乱が起き、藤岡は命からがら生還する。 村の水晶鉱山はウラン鉱山と交差しており、掘り起こす事で放射能がまき散らされ、死の待ちとかする事を食い止めたいロサが共産主義勢力を先導して、地主や藤岡らから事業を断念させようとした。最後は事業は失敗、水晶は最初二期多分だけとなったが、なんとか技術革新は進み種水晶が無くとも質の良い水晶が出来る技術が出来た事で会社としては良かったが藤岡は足を無くしたロサをNGOのフェアトレードで見つけロサに日本に来るように説得して話しは終わる。結構今回の本はインドの闇と裏を語るものとして重い話しが多かった。ただ日本のような人種差別の無いところでは考えられない重い課題のあるインドで今度どう向かえって行くか考えさせる一冊だと思う。よかった。 

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    2018年02月04日
  • インドクリスタル 上

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    水晶発振子のために必要な種水晶を探しにインドまで行く水晶屋の社長の話。ただインドの暗黒部分について語っているが、やはり深い。物語は水晶の単結晶の不純物のない塊をいかに集めるかにかかっている。藤岡社長はインドの中に突き進む。結構波乱もあり、面白いため下巻に直ぐ突入!

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    2018年02月03日
  • インドクリスタル 下

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    篠田節子『インドクリスタル 下』角川文庫。

    大作ではあるが、不満の残る作品だった。インドの辺境の村で採掘される高品質天然水晶の謎がそういうことで良いのか、そういうことをエンターテイメント作品の材料にして良かったのだろうか。東日本大震災の被災者で、現在は福島県民となった自分としては疑問を感じた。

    上巻までは不可思議系の冒険小説と思いながら、夢中になって読めたのだが、天然水晶の謎が判明したくだりで一気に冷めてしまったのだ。

    良質の天然水晶を原料に高純度人工水晶開発に取り組む中小企業も方向転換、不思議な少女・ロサもアッサリと流行りのサイコパスで片付けられ、何とも無難な大団円。

    読んでみる価値はあるが、大作を読んだ努力に対しての満足感は少ないと思う。

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    2018年02月01日
  • インドクリスタル 上

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    篠田節子『インドクリスタル 上』角川文庫。

    不可思議系の冒険小説といったところだろうか。インドの高品質天然水晶を探す日本人社長と、苛酷な運命を背負った不思議な少女との二つの軸で物語は展開する。日本とは全く異なる文化・風習を持つインドという国の奥深さを描きつつ、ミステリー、ホラー、サスペンス、アドベンチャーの要素を兼ね備えた作品。

    良質の天然水晶を原料に高純度人工水晶開発に取り組む中小企業の社長・藤岡はインドのとある町から産出された高品質の水晶を求めて現地に向かう。取引相手の経営する宿泊施設で娼婦として遣わされた不思議な少女・ロサの類い稀なる知力を知った藤岡は…

    果たして結末は?下巻が気になる。

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    2018年01月31日
  • 仮想儀礼(上)(新潮文庫)

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    下巻と合わせ、とにかく長い、長い本。続きが気になり、だがあっという間に読んでしまった。
    新興宗教がテーマだが、人間、人生、欲望、組織。。。そんなことについての普遍的な何かが綴られている。正しいことをやっていれば共感が得られるわけではないのだ。組織に悩むビジネスマンが読んでも大いに共感するだろう。
    皆、何かにすがりたくて仕方ない。だが、自分以外にすがったところで恒久的な安定は得られない。
    結局は、自分と常に向き合うしかないのだと思った。

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    2018年01月20日
  • 銀婚式(新潮文庫)

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    高澤修平が証券会社、損保会社、大学と職場を変える中で様々な奮闘を詳細に記載した物語だが、最後の大学編が面白かった。学部長などからの圧力に歯向かう形で学生たちとの交流を深める中で、多くの成果が上がる。鷹右左とのもどかしい感じの付き合いもよかったが、離婚した妻の由貴子と息子の翔とのやり取りが現実の問題として誰にでも起こりそうな形で述べられているのが素晴らしい。

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    2017年12月17日
  • レクイエム

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    タイトル通り、「死」をテーマにした短編集。最初の作品は純文学と言った部類だが、その他の作品は篠田節子らしい怪談じみた話。怖い話ってわけでもないけど。

    夫の死、伯父の死などの死を契機に、様々な出来事がフラッシュバックするというようなところが6本それぞれの共通点か。中間部はバブル経済とその崩壊、最後は大戦の終戦間際という、動乱を軸にしているところが篠田節子らしいっちゃあらしい。

    6本サラリと読んで、どれが好きかと言われると、結構どれも好きな作品である。バブル前にお告げを受け、バブル後にまた同じ救いを求める女性、貧してもトラサルディのスーツは譲れない不動産屋など、心機一転できそうなのに、枠組に縛られて動けず朽ちていく悲哀を描いていくさまは秀逸である。

    6本のうち、ある意味核になっているのに浮いている「コヨーテ」は、SFである。SFホラーにしようとして、完全にはできなかった作品だが、それを純文学に逃げなかったことは高く評価されて良い。ただ、切れが悪いところはイマイチなんだけどね。

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    2017年10月26日
  • 絹の変容

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    生物災害もの(バイオハザードっていうとジョヴォヴィッチ思っちゃうよね)

    しばらく芋虫系が怖くなる

    その災害をもたらす蚕を生み出す元になったのが、繊維メーカーの若旦那(といっても中年男だが)
    もっとも、開発した芳乃は少しマッドサイエンティストのケはある

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    2017年10月21日
  • 廃院のミカエル

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    日本の輸入会社で働いていた美貴は、男女関係のトラブルでレバノンに飛ばされ、何とかビジネスをモノにしようとするも内戦でベイルートから脱出、アテネに逃げ込んだ。そんな中たまたま巡り合った白い蜂蜜をビジネスチャンスにできないかと生産地の村を訪れた美貴だったが、廃院となったメサポタモス修道院の壁に描かれたミカエルの絵を見てからというもの、不思議な現象が起こり始めるー。

    冬のギリシャの鬱屈とした感じの中に閉じ込められそうになるけど、出てくるギリシャ人がみんなすごくギリシャ的にいい人たちでほっこりする。アトス山については村上春樹の雨天炎天で読んでいたので、より想像ができて良かった。

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    2017年08月28日