篠田節子のレビュー一覧

  • 百年の恋

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    ネタバレ

    売れないライターのタクシンは、美人のキャリアウーマン梨香子と出会い結婚。
    梨香子は、全く家事のできない女で、離婚を決意したとたん、妊娠が発覚し・・

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    2016年06月02日
  • 夏の災厄

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    埼玉郊外で新種の日本脳炎から起きたパンデミック小説。

    パニックものというより原因究明の方が比重が高い。
    解明しようと奮闘する医師が、アメリカの生物兵器の持ち出しという推測がでてきたときにはかなり冷めたが、そこで着地しなくてよかった。
    長かったけれど楽しんで読めた。

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    2016年04月12日
  • 神の座 ゴサインタン

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    ストーリとは関係ないけど、
    心に病を持った人、浮浪者のような生活をしている人、人生に疲れた人、そういう人たちを受け入れる質素な生活を行う集団いいと思う。それで、そこで暮らしていく中で贅沢な暮らしがしたくなったり、新たな目的を持って生きていきたくなったりした人はそこを出ていく、というようなコミュニティ面白いとおもう。

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    2016年02月26日
  • 死神

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    福祉事務所のケースワーカーを題材にした短編集。各作品で様々な役職の職員を主人公に、人生の悲哀を描くのだが、そこは篠田節子だけあって、ウェットに絡みつくような憎悪や恐怖を混ぜ込んでくる。

    最初の作品の書き出しから、「死体を見るのも慣れっこ」という感じで始まるが、全体にそういうシーンはないので問題なし。

    とはいえ、必ず自分の人生に巻き込まれてくる焦燥感と恐怖が、それぞれの作品にコンパクトに収められている。また、出てくる人物のキャラクター付けもしっかりなされているので、人物の混乱もほぼ無い。

    難を言えば、「弱い女性」「横暴な男性」「ふらふらしている水商売の女性」みたいな、ステレオタイプの社会観

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    2016年01月15日
  • 聖域

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    期待通り。深いところに連れてってくれるなー。グイグイ読ましてくれるのに、文体は麗しい。ツルツルと喉越しのいいおうどんを食べてる気分。変な例え。ひっかからないというか、止まらずに最後まで読ませてくれますなー。

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    2015年09月19日
  • 神鳥(イビス)

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    後半おどろおどろしい描写はあって、ひたひたと迫って来る恐怖は感じたけど、そこまで怖くなかったかな?
    イラストレーターの葉子と、バイオレンスとエロが売り物の流行作家美鈴のコンビが面白かった。
    葉子は金髪ヴィクトリア風のイラストが売りなのに、逞しくてクール、一方の美鈴は大きな身体なのにちょっとお調子者で情けなくて、この2人のやり取りがユーモラスだったから、怖さが薄れたのかな。

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    2015年08月11日
  • 神の座 ゴサインタン

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    最後まで一気。ほんとにすごい小説家。

    とはいえ、95年10月からの連載で、問題意識が掴みづらかった。
    確かにオウム事件などが起きた直後なので、そこへの考察はあると思うが、端的に主人公は悲惨だし、宗教はクズが集まることがよくわかった。

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    2015年05月22日
  • 百年の恋

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    一気に読むよう持っていかれる。やっぱり筆力がすごい。
    主に男性視点から書いているけど、これって性別を逆にしても成り立つ、というか、むしろそうやって炙りだしている面があって、やっぱ上手だな、と思う。
    著者の主張や、自身の体験からの感傷などが廃されているのが、やっぱりいい。男じゃ書けないと思う。

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    2015年04月07日
  • 神の座 ゴサインタン

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    ネパール人の妻を持った地主の男性が、妻の不思議な能力を気味悪がる。しかし次第にその能力に翻弄され、財産を失い、裸一貫になり、掴んだものとは。地下鉄サリン事件後に発表された本作は、人心掌握する宗教の側面と、それにとどまらない物質主義からの脱却を提起しているようにも読み取れる。今のアジアは経済的に豊かになる反面、精神面も変化が起きてもおかしくない。おそらくこれからアジアが直面するであろう、精神の再生を描いている。

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    2015年03月23日
  • ロズウェルなんか知らない

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    町起こしの話。途中から一気に読める。
    青年団とともに一喜一憂しながら、考えさせられるとこも多々あり、読み応えある質の高い小説。
    途中、少し中だるみになるぶん☆減らす。

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    2015年03月19日
  • ハルモニア

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    篠田節子の大好きな(?)オカルト物。人智を超えたレベルの音楽の才能と念力という2つの超能力を持った少女をめぐるいろいろ。

    同じようなテーマで「カノン」という作品があり、いずれもチェロが題材になっているので、おそらく著者は以前にチェロをやっていたのだろうということが推測される。「カノン」に比べると、チェロにまつわる文やバッハの曲などのウンチクが、明らかに必要以上に多いし、その一つ一つにトゲがあって厭味ったらしいので星一つ減点。

    また、オカルト系によくある話だが、障害者や脳に対して、夢を持ち過ぎである。その辺はオカルトということで流すが。

    全体には一筋通っていて、読みやすいしのめり込める作品

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    2015年03月07日
  • 秋の花火

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    久しぶりに篠田さんの作品読みましたが、やっぱりいいですね!閉塞した日常にあらわれた転機が表現されています。
    5つの短編集ですが、後味のいい「観覧車」の話が一番好きです。篠田さんの作品が好きな方は是非!

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    2015年01月09日
  • 美神解体

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    ネタバレ

    賞賛されるための美を求めて得られない女と、究極の美を求める男の狂気の物語。
    整形手術を受けて人形のような容貌を手に入れたが、自分を人形として愛してくれる存在は拒絶するというジレンマがとてもいい。

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    2014年12月18日
  • 廃院のミカエル

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    なかなか読み進めることができなかった。
    ボリューム、世界観。
    自分が着地するのに時間がかかって。
    いかん。
    感受性が緩んでる。

    最後はゾクゾクと。

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    2014年12月15日
  • ロズウェルなんか知らない

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    面白かった〜
    初めのほうは田舎の頭の固い親父やら寂れた田舎の陰鬱とした描写やらで中々読み進めなかったけど、途中からはスピーディーな展開で一気に読んでしまった
    こういう物事が上手く展開していく小説って好きだ

    最後はどんな結末になるのかと心配しながら読んだが、納得出来るオチが付きつつ、読後感の良い終わり方になっていた

    これで村おこしが成功してもカンブリア宮殿は取材に来てはくれないだろうな 笑

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    2014年11月29日
  • ロズウェルなんか知らない

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    寂れた田舎の村が、UFOをでっち上げて村おこしをやろうとする話。
    2ちゃんねるでいう膿家的な思考パターンが、篠田節子お得意のコメディ&ちょっと怖いタッチで書かれている。
    同じ著者の「仮想儀礼」と合わせて読むと面白いかも。

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    2014年11月16日
  • 家鳴り

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    短編集
    裏表紙には「暴力と恐怖」と書いてあるが、どちらかというと「世にも奇妙な物語」風のじわじわ来る怖さが多め。
    福祉の現場に関しては、ややツッコミ不足な点もあるが、面白かった。

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    2014年10月27日
  • はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか

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    4作とも不思議な小説だったが、現代社会の様子や問題をデフォルメした感じで、きみ悪くも共感する場面が多々あった。
    ただ、こういう想像を絶するような話は結構読んでいて疲れると気がついた。

    しかしその中で「はぐれ…」は藍子と金森さんとの恋がうまくいきそうな結末でこの非日常的な話の中でほっこりした気分にもなれてよかった。

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    2014年10月06日
  • コンタクト・ゾーン(下)

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    上下巻の長編小説にも関わらず、先の展開が気になり、すごい勢いで読んでしまいました。ふー。すごい話だったよ。
    3人の独身女性がバカンス先で内乱に巻き込まれてしまう話で。虐殺とかあったり壮絶ではあるんだけど、村での生活はのどかだったり。でもこんな中、生き延びれるわけないような状況をかいくぐっていくのはハラハラドキドキの連続です。ゲリラなのかテロなのか、誰が敵で誰と戦っているのかどんどんわからなくなっていきます。
    あり得ない設定のようでリアリティがあるのは筆者のすご腕。イスラム過激派とかって内情はこんな感じなのかもなぁと思わせます。
    3人の主人公、最初は頭の軽いバカな女たちと思ったけど、どんどんたく

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    2014年09月11日
  • はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか

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    4篇収録のSF中短篇集。各作品のタイトルが有名作品の捩りになっているんだね。どの作品も密度が濃く、現代社会の抱える問題点にしっかりと根ざしているあたりに、この作者らしさを感じる。それにしても守備範囲が広いなあ。お気に入りは「エデン」かな。

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    2014年08月04日