【感想・ネタバレ】美神解体のレビュー

あらすじ

目を上げると鏡の中の見知らぬ女が、自分をみつめている――。美容整形で、彫刻的美貌を手に入れた麗子。しかし葬り去ったはずの容貌は、心まで飼い馴らすことはできなかった。愛されることを渇望し、満たされない日々を生きる女の心に、ある日ともった恋心。想いを募らせ追いかけていった先の山荘で目にした衝撃の情景とは!? ともに一つになって闇の底に転落していこうとする男と女の倒錯した愛の形を描く、異色の恋愛小説。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

整形手術をしたピアニスト。
人形を愛するデザイナ。

2人の出会いと関わりを綴るなかで、
音楽という時間軸の美と
デザインという空間軸の美の
交差点が出会い。

解決することがない美の追究。
論理的な破綻。

解説を平山夢明が書いている。
「江戸川乱歩を彷彿とさせる仕掛けもある」

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2013年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

賞賛されるための美を求めて得られない女と、究極の美を求める男の狂気の物語。
整形手術を受けて人形のような容貌を手に入れたが、自分を人形として愛してくれる存在は拒絶するというジレンマがとてもいい。

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2014年12月18日

Posted by ブクログ

美人のピアノ演奏者として評判の主人公麗子。
その美しさは、彫刻的人工的でが、ハンバではない。
しかし、ハッと息をのむほど美しいのに、
人間的な温かみのなさがすぐにわかると見え、
誰も親密になろうとしない。

もともとは自分の容姿を悲観して
美容整形で手に入れた顔と美貌だったのだが、
元の自分を葬り去るつもりで、思い切った整形に挑んだため、
彼女自身も自分の顔がキライだった。

そんな彼女にある日突然、
謎の男性平田が「夢ではない」といいつつ、近づいてきた。
相手の身元も何もわからないまま、
麗子も彼を愛するが、彼が愛したのは実は麗子の表面だった・・・。

おぞましい結末がラストにあったが、
麗子を通して美貌にあこがれる女性心理と
その結末になるほどと思った。
そして男性の平田、
彼のねじ曲がった「美」への執着心に男性の本心を観たような気がした。

全体的になんだかどこかで読んだような感じのホラーだと思ったら、
最後の解説を読んでわかった。
「美」という魔物に取りつかれた男女の恋愛物語と
その悲惨なおそろしい結末は、
江戸川乱歩の小説に近いものだったのだ。

引き込まれるように読める面白い小説だが、
読書後は、本来の「美意識」や美人を見る目が変わりそうで、
なんだか後味がすっきりしない恐ろしい小説だと思う。

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2017年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

平田さんは
あれで、良かったんだよ。

愛する人形と一緒になれたんだから。

主人公も
きっと幸せになれる。

そんな感じがしました。

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2013年05月27日

Posted by ブクログ

整形手術を受けた女性が、
商業デザイナーと出会う。
均整のとれたものを美と考える。
生きているものに対する美しさを
感じないことに、不思議さを漂わせる。

篠田節子にしては、
少しもの足らない作品であった。

「コンピュータは、
思考の省略をすることはできない。」
という意見が面白い。

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2012年10月25日

Posted by ブクログ

元々はホラー文庫だったのですね。精神的にキます・・。
自分の顔を徹底的に造りなおすこともそうですが、人形の変わりに愛されるということ。などなど。
美しさについて、考えちゃいますね。。。
この作品に出てくる人形は、フィレンツェのラ・スペコラ博物館にあるという
「解体のウェヌス」のことなのでしょうか?
村上喜代子さんの短編集を読んだときにも出てきたのですが、(もし同じものがモデルなら、ですが)人形の顔の描写が随分違うのですね。
確か村上さんの方では、ボッティチェリのヴィーナスと瓜二つ、みたいな
御顔だったと思うのですが。
ここでもまた、人によって違う美の受け取り方があるのでしょうか。

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2012年08月27日

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