篠田節子のレビュー一覧

  • 夏の災厄
    新型日本脳炎ウィルスによるパンデミックを描いた25年前の作品です。今現在の新型コロナのパンデミックを短期間に凝縮して描いた様な予言書的な話で、随分昔のフィクションでありながら、今現在の状況と、この先の経過を描いている様で複雑な気持ちになりました。
    やはり人類を滅ぼすのは目に見えないウィルスなのでしょ...続きを読む
  • 銀婚式(新潮文庫)
    タイトルから想像した内容とは違ったけれどラストにそのタイトルが染み込むように納得してしまった。真面目なエリート男性の人生中盤からの物語で世代的にははまるけど、目線が男親だから共感よりも、そんなものか、うちの旦那もそうかもな、などと思ってしまった。人生うまくいかない、真面目にやってもどうにもならない時...続きを読む
  • 女たちのジハード
    中堅保険会社に勤める5人の女性たちの生き様を描いた小説。
    500ページを超える分厚い本ではあるが、それぞれの女性を主人公とした短編仕立てになっているので、それほどボリュームは感じさせない。

    1997年に直木賞を受賞。
    その頃の日本は、会社に勤める女性は「女の子」と呼ばれ、オフィスの机で、男性だけが...続きを読む
  • 夏の災厄
    ある地方都市で日本脳炎と思われる感染者が発生した。
    その原因となったものは何なのか?

    今年のコロナ渦で話題になったのと、前から読もうと思っていたが、電子版しか入手困難だったのが文庫版が再販されたので、購入。

    期待していた程、ショッキングな内容ではなかった。
    それにしても、一部地域での自殺者の増加...続きを読む
  • 夏の災厄
    ★★★
    今月2冊目。
    これはまさにいまんとこコロナと戦っているが、この本は98年に書かれた物で現代と似ている。
    ネタバレだが、ウイルスを研究していた病院から悪徳産廃業者に注射器などが渡り、山の中に産廃から貝にウイルスが取り込まれ、貝を鳥が食べ、鳥の血液を蚊が吸う、その蚊が人間に刺し日本脳炎が発祥。ち...続きを読む
  • 銀婚式(新潮文庫)
    少し世代の上の話だが会社、老いてゆく両親など身近に感じながら読んだ。人の気持ちは自身の熟成度と共に変わって行くものだな、と感じた。
  • 秋の花火
    内容(「BOOK」データベースより)
    彼の抱えた悲しみが、今、私の皮膚に伝わり、体の奥深くに染み込んできた―。人生の秋を迎えた中年の男と女が、生と死を見すえつつ、深く静かに心を通わせる。閉塞した日常に訪れる転機を、繊細な筆致で描く短篇集。表題作のほか、「観覧車」「ソリスト」「灯油の尽きるとき」「戦争...続きを読む
  • 女たちのジハード
    内容(「BOOK」データベースより)
    中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子。有能なOLでありながら会社を辞めざるをえなくなったみどり。自分の城を持つことに邁進するいきおくれの康子。そして得意の英語で自立をめざす紗織。男性優位社会の中...続きを読む
  • 仮想儀礼(下)(新潮文庫)
    宗教の立ち上がりから信者の暴徒化まで。
    途中から少し飽きてしまい、個人的にはあまり得意ではない話だった。
  • 介護のうしろから「がん」が来た!
    認知症の母の介護をしつつ、作家活動にも勤しんでいた著者に、あるとき、乳がんが見つかる。
    満身創痍、四面楚歌、絶体絶命。
    だが作家は落ち込んだり、悲観したりはしない。きわめて冷静に、腹を据えて客観的に判断し、しかし時には羽目を外し、いくぶんかのユーモアを道連れに、事態を乗り切っていく。
    介護部分よりは...続きを読む
  • カノン
    内容(「BOOK」データベースより)
    学生時代の恋人が自殺する瞬間迄弾いていたバッハのカノン。そのテープを手にした夜から、音楽教師・瑞穂の周りで奇怪な事件がくり返し起こり、日常生活が軋み始める。失われた二十年の歳月を超えて託された彼の死のメッセージとは?幻の旋律は瑞穂を何処へ導くのか。「音」が紡ぎ出...続きを読む
  • 絹の変容
    「アクアリウム」「夏の厄災」ほどの重厚感はなかったが篠田節子お得意の有り得る近未来のミステリー。デビュー作と考えると、話に引き込む筆力は流石だと感じた。
  • 聖域
    読み始めから
    グイグイ引き込まれました。
    先はとんな展開になるのか
    見つけられるのか・・・
    完成できるのか・・・
  • 冬の光
    ザックリに言うと、団塊の世代に生きた男性の過去の恋愛や結婚、男の性を書いた1冊。
    正直この手の話は少し苦手で。
    学生運動だ、バブルだと言われても今一ピンとこない。
    余り期待せず読んだのだけれど、意外にも楽しめた。

    主人公の男性目線で読み進めると哀愁を伴う切なさがあるけれど、
    妻、家族側にピントを合...続きを読む
  • 夏の災厄
    8月-13。3.0点。
    埼玉県のある市で、日本脳炎に似た症状が。
    爆発的に増え、診療所や役所では問題に。
    感染、死亡が増えるが、対策は分からず。

    危機感がじわじわ伝わるが、スピード感はあまり無いかな。
    ラスト近くの100頁は、展開早し。
  • 女たちのジハード
    篠田節子作品 第117回 直木賞受賞作
    この作家さんは「肖像彫刻家」に続き2作目
    1997年に直木賞をとっているということで、読んでみた。
    篠田節子のWikipediaを読むと ホラー・SFと出てくるのだが、

    この作品はお年頃のOL 女性5人(メインは康子とリサと紗織)の生き様が興味深い
    それぞれ...続きを読む
  • 百年の恋
    8月-10。3.0点。
    翻訳者の男と、銀行エリートの女。インタビューで意気投合し、一気に結婚へ。妻は「片付けられない」女。また、意に沿わないと夜叉の顔になり、当たり散らす。
    妊娠するが、子育てはいかに。。

    一気読み。コメディタッチかと思いきや、意外と重厚なストーリー。ラストは良かった。
  • 冬の光
    8月-6。3.0点。
    震災後、四国遍路をして、帰宅途中で自ら命を絶った父親。
    長年の浮気の果て、家族からは放置される存在に。

    本人の視点と、父親の足跡をたどる次女の視点で進む。
    うーん、父親の行動にイマイチ共感できない。
  • 沈黙の画布(新潮文庫)
    7月-14。3.0点。
    新潟県出身の画家。無名で亡くなったが、ある雑誌の編集者の手で紹介され、一躍有名に。価格も高騰。
    しかし、作家の妻が一部の絵は、夫の絵ではないとクレームを。

    7月-14。3.0点。
    新潟県出身の画家。無名で亡くなったが、ある雑誌の編集者の手で紹介され、一躍有名に。価格も高騰。...続きを読む
  • ハルモニア
    7月-13。3.0点。
    障害者施設でチェロを教える主人公。
    ある自閉症の少女に教えると、驚くほどの才能が。
    ある黒人チェロ奏者のコピーを完璧に。

    少し現実離れしすぎ。筆力あるので読ませるが。