篠田節子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私は作者の小説を読むのは初めてだと思う。かつての作品『女たちのジハード(聖戦)』で受賞歴があるとの事だ。
ところでこの作品は、あの時代(1990年代)を生きた者なら、誰もが知っている、そして、そのある意味不明瞭な?販売方法?で、その後全く取り上げられなくなったハワイ在住とされた画家、クリスチャン・リース・ラッセン、を題材とした作品の様である。もちろん作中ではそのような事には一切触れていないが、誰もが(あの時代を生きた者なら)その作品の売られ方、を含めた存在を思い浮かべながら、読み進めることができるであろう。
そもそもミステリー仕立てであるようだ、主人公はある意味男らしい、女性編集者、彼女がその画家の氏素性、を調べるところからストーリーは深まっていく…、ミステリーであろうからこの先は書かずにいようと思う。普段、ミステリーを読まない私でも、十分に楽しんで読み進めることができた。多分、日数にして3日ほどで読み終えたのではないだろうか?
同じ美術作品と作家、を題材として、その作品の発祥を後日他人が調べる過程のストーリー、と言う意味では、原田マハ著、リボルバー、に似ている所もあろうかと思う。
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Posted by ブクログ
海やイルカなどのマリンアートの絵で
1990年代に一大ブームを巻き起こした
画家ヴァレーズ。ヴァレーズに関する
本を書くため、編集者の有沢真由子が
ハワイに取材に行き、その中で意外な
事実を知る事になる‥というストーリー。
物語は面白いといえば面白いのだが、
前半はやや退屈。後半から徐々に面白く
なっていく。新倉海玲(ヴァレーズの妻)の
悪役っぷりがなかなか面白い。
クリスチャン・ラッセンを思わせる画家、
ヴァレーズ。著者の篠田さんが、ラッセンの
モデル小説ではないと述べているらしいが、
他の方も言われるように、どうみても、
クリスチャン・ラッセンの絵が頭に浮かん
できてしかたがなかった(調べてみた) -
Posted by ブクログ
途中まで読むのしんどかった
真相が見え始めてからいっきに読み進めることができた。たぶんバブル当時の空気とかその商法を知っている人は楽しく読めるのでしょう。
ラッセンの絵を、子どもの頃すてきな絵だなと思ったことはある。でも大人になってからはなぜか恥ずかしくて好きとは到底言えないし、カレンダーでも飾るなんてムリだった。なぜだろう、人気があったから余計に?
「ゴッホよりふつうにラッセンが好き」
このギャグが深い言葉のように思えてきた。
篠田先生がラッセン(のような絵)のそういう微妙さを言語化しているのはすごいなあと思った。そう、悪くはないんだ、悪くないけど、受け入れがたい、と思いながらスマホの画像を何度も呼び出しながら読みました。
あと、原田マハさんのようなアートミステリーを想像して読むとちょっと期待してたのと違うな、となると思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレ神鳥イビスは、タイトル通り神に近い鳥イビス=朱鷺をめぐる物語です。
古代から神聖視された鳥であり、日本では1981年に純粋な野生種が絶滅した「喪われた鳥」としても象徴的な存在。その意味でもタイトルにふさわしいと感じました。
物語の核となるのは、夭折した明治の女流画家が残した「朱鷺飛来図」。
その絵に魅せられたイラストレーターの女性と、バイオレンス色の強い作家の男性が、絵に秘められた謎に導かれ、幻想の“滅びの村”へ迷い込んでいきます。
一見は吉祥画の体裁をとりながら、実は地獄絵図が仕込まれている―この設定がとても魅力的でした。吉祥と凶事の二面性を持った絵は、所有する者・見た者を破滅へと引きずり込んでいきます。
ストーリー自体は惹き込まれるのですが、主人公コンビのやり取りがどうも落ち着かず、ホラーとしてはややしっくりこなかったのが残念です。 -
Posted by ブクログ
ちょっと怖いような不思議な四つの話。
いい大人が何かのきっかけで一つのことに心を絡め取られてしまい、深みにはまっていく。それが「白昼夢」なのか。
自分より長生きする亀と共に生きる人生、社会とも一線を引いて亀だけと生きる人生、恐ろしい。そしてその長寿の亀を自分のまだ形もない子どもに託そうとする大人にも空恐ろしくなる。
アガベに心を絡め取られて何もかも無くしてしまう男性、その堕ちていく様子は怖いのに目が離せず一気に読んでしまった。
のめり込めばのめり込むほど周りは離れていく。人が離れていけば、余計に目の前の自分を裏切らないだろう植物に傾倒していく。恐ろしい循環だ。
みんな、気がついた時にはもう元に戻れなくなっているのだ。
どれもこれもあのコロナ禍の時を経ている。
思い返せば本当に怖い一時期だった。人の心も異常にしてしまう状況だったのだ。
もう二度とあんな時代がやって来ないことを祈りたい。