篠田節子のレビュー一覧
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加茂川一正は、長年ゼネコンに勤め、インドネシアで現場の折衝にあたってきた。ある種、楽天的で行き当たりばったり、しかし、その性格は意外に「現場」には向いていた。ただ、インドネシア駐在後は本社には戻れず、出世の目がないことはわかりきっていた。彼はえいやっと早期退職して私立大の非常勤講師に転身した。結婚して間もない若い妻には一言の相談もしなかった。三度目の妻である彼女が黙って出て行ったのは無理のないところだろうが、彼にはまったくわけがわからなかった。
退社前、休暇として訪れたインドネシアの小さな島で、彼は「大発見」をしていた。
ボロブドゥールにも似た古代遺跡。しかもそれが海中にある。
この地域にこ -
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ネタバレ長い。
やっぱり篠田節子は私にはまだ早いのかな。
火事の遺体が別人だった、誰なのか。という謎を、施設の女性と記者の女性2人で解き明かしていくという筋立てなんだけれども、少しずつヒントを得て、仮説を立てていく流れで、どこまでが確定なのか分かりにくくて(2人ともオカルトに流される似たようなキャラだし)、最後にひっくり返されるのか?と疑いが拭えないまま(結局どんでん返しは別にない)読んでて終わってしまったので、最初から、ミステリーではなく人間ドラマ(半田明美物語)の頭で読めばもっと面白いのではないかと思う。
あと、余談だけれど、筆者の年齢を考えれば若い女性よく書いてると思うけど、どことなく「年配 -
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ネタバレある人物として長年過ごしてきた人が実は違う人だったということが判明し、その足跡を辿り来し方を紐解いてゆく…という、類型の1つといっても差し支えないパターンを踏みながら、そこはさすがの筆力でぐいっと読者を引っ張っていく。
"女性"を描くという点においては人後に落ちぬ著者であるが、今作においてもそれが遺憾なく発揮されている。
そしてこれは、同性である女性にしか書けない小説であろうとも、同時に思う。
また、アジアの猥雑な街をリアルに描写する技術もまた、多数の作品で感じられる著者一流のものであり、ひりつくようなマニラの熱気がぶわっと襲い掛かってくるようだ。
骨子たるプロットについ -
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けっこう努力して辛抱して読破しました。が、あまり報われた気がしない。
題材的にも心惹かれるものがあったのですが、冗長?すぎて。
あぁ、こうやって闇に消えていく本物の遺跡もあれば、
地元住民のメシの種にするため、デッチ上げに近いような遺跡もある。
その遺跡の発掘、保護にそれぞれの思惑で関わる3人の日本人。
出自や歴史もろもろで対立する地元の住民たち。
それぞれ魅力的な設定だし、エピソードなんだけど、なんか散漫なかんじで。
やっぱ主人公のカモヤンに、いまひとつ魅力を覚えないからかな。
スペック高いんだけど、どこか傲慢なカン違い野郎。
もうちょっと魅力的な人物に仕立てても良かったんじゃ、と思いま -
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ネタバレ失業者の正彦と矢口は金儲けのために教団「聖泉真法会」を立ち上げる。似非教祖側を描く小説はお初かも…面白いです。
ビジネスとして宗教をやる彼らの教団には悩める女性たちや生きづらい系の若者が集まってたけど、元役人の性なのか一歩引いてて教祖っぽい事を言いつつ内心ツッコんでる正彦とお人好しの矢口には「似非宗教」という自覚があるからか、「〇〇しないと地獄に堕ちる」等の脅しをしない。寧ろ信者がこの方向のこと言ってて、正彦と矢口は行政に繋いだりと冷静な対応しています。
そのうちに食品会社社長というビッグな信者が出来てトントン拍子か…と思ったら、宗教ビジネスにたかってくる面々できな臭くなってきてラスト遂に…!