篠田節子のレビュー一覧
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スキー場があった頃には人が来ていたのだが・・・。
東京から近いわけではなく遠い所でもない駒木野町。
高速道路は、隣の町に入り口があり鉄道の駅もバスで30分以上の所にあって交通の便も悪い。
温泉が出るわけではなく、歴史があるわけどもなく名所が無い。
スキー場が撤退して観光客が途絶えた過疎の町、駒木野町。
青年クラブの面々は、町を再生しようとしている。
「獅子座流星群を見に行こう」ツアーを旅行会社に頼んで観光客を呼ぶことには成功した。
青年クラブは、このツアーを成功させようと頑張るのだったが、結果は散々だった。
用意した料理は、途中で無くなり食べられない人がでる。
夜になると星 -
Posted by ブクログ
音楽教師の瑞穂は、夫と一人の子供と毎日を忙しく過ごしていた。ある日、瑞穂に一本の電話がかかってきた。大学時代からの付き合いがある正寛からで「香西が死んだ・・」と・・・。
自殺した葛西康臣は、瑞穂が大学時代に出合った人だった。
康臣との出会いは、大学時代のサークルの集まりのオーケストラの合宿だった。あまり腕のいいオーケストラでなく不甲斐ない演奏をしたため、揉め事が起きた。その時突然流れたバイオリンの調べ・・。それが康臣との出会いだった。当時チェロを弾いて、プロになろうとしてた瑞穂は、康臣の演奏に魅了された。そして、アンサンブルをしようと言われオーケストラを抜け出し二人は、会うようになった。 -
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世の中って、キビしいよなあ・・この小説を読んでつくづくそう思った。
「ケースワーカー」とは、福祉事務所において生活保護を受けている人に対して、様々な働きかけをする職員のことを呼ぶそうだ。
この小説の舞台は新宿に近い「稲荷町」という町の福祉事務所。
そして8つの短編に、この福祉事務所に勤めているケースワーカーがそれぞれ登場する。
ドメスティックバイオレンス、幼児虐待、アルコール依存症に精神分裂症...
ケースには様々な事情がある。それを理解して、この仕事を貫いていく精神は並大抵のことではない。
しかし同情するだけでは仕事にならない。
社会的弱者たるケースに福祉の手を差し伸べるこ -
Posted by ブクログ
この作品を読んでから、チェロの音が好きになった・・・。
しかし、超人的な才能は、やはり社会に適合するための何かを犠牲にしないと持ち得ないものなのか。そして、そうやって持つことのできた才能でも、他をコピーすることだけに長けていたり、音を聞き分けることだけに長けていたり、と極端に偏っていたりする。
私自身、子供の頃には音楽的才能があるとまわりにもてはやされ、ハタチ過ぎればただの人。それなりに自分の得意なこと不得意なこともわかり、才能の限界と挫折をイヤというほど味わった。
そのせいかこの作品は、「怖かった」「面白かった」というより、「せつなかった」。