大森望のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
時間が経つほど理解が深まって、良さと凄さをジワジワと感じる作品。
黒暗森林状態から話をどう広げるのかと思ったら、
予想の遥か上の内容と結末で、まさに三体の集大成と言える作品でした。
下巻は、程心が雲天明と再会時に、語られた物語から始まる。物語は面白いんだけど、三体との関連や意図が分からなくて。
でも本編を読み終わってから、この物語を読むと伝えたい事がちゃんと理解できる内容になってるの!メッセージ性と構成力がそれをまた別の物語として生み出した作者は本当天才。
掩体計画のために奮闘してきたのに、誰が予想できる!?となるような内容ばかり。
物理法則の固定概念を根本的に覆して、物語に組込むのが上手すぎる。低光速や低次元なんて考えたこともないもの。
そして副題である死神永生。
どんな人生を辿っても最後は必ず死ぬ、つまり死は不滅で、生死は永遠に循環すると言う意味らしい。確かにどんな人生を歩んでも、死だけは生を受けた瞬間から決まってるもんな。人間は他の生物より欲が多くて、満たしたいと思うあまり、強制終了の死を恐れるのだろう。でも死は不滅だから争わずに受け入れてべきなんだろうね。
sfという枠を超えた素晴らしい作品でした、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全体的に理解しやすいのに十分な厚みのある話ばかりで超面白かった!!
「トータル・リコール」
願望が経験に基づくという無意識と意識の連続性が上手く描かれていて面白かった。私の願望も実は実体験から来ているのかも……?
「出口はどこかへの入口」
自分は日常生活の中でいくつの物、人、仕組みに"服従"しているのだろうか。
最後のシーンは結局服従してしまう主人公を描いているのか…?
「地球防衛軍」
論理的、合理的に考えれば戦争をする意味などなく人間の感情を納得させるためだけに行なっている、といのに納得の嵐。これを自分たちで気付くのではなく人間が作り出したロボットに教えられるというのは最高の皮肉というか屈辱というか。戦争をしている世界のトップたちはこの話を読んで恥ずかしいと思ってくれ…
「訪問者」
人間の傲慢さを今一度認識させられた。自分たちが変え、もはや自分たちは生活できなくなった世界をまだ自分たちのものだと思っている。地球は人間の所有物ではない。
「地球防衛軍」と同じく、放射線の影響力がどれほど大きいかが描かれていて、人間はもっと慎重に利用すべきじゃないかなあ…と改めて思った。
「世界をわが手に」
この世界も世界球だったということ…?神にとっての世界球みたいなものということか…?
人間の欲求はどのような形にせよ満たされるまで消えることはない、ということを考えさせられた。
「ミスター・スペースシップ」
アダムとイブからやり直すということか…最初からやり直したい、というよくある願望をここまでの規模観にする発送が面白い。
人間の脳を中枢機関として使用するのはPSYCHO-PASSを思い出したな…
ここでも戦争は単なる習慣であることが述べられている。
「非O」
何事も極端すぎるといいことないな……
宇宙を一つのものに還元したいという欲望は非合理的ではないのか??
「フード・メーカー」
思考を読み取れるというディープの性質を逆に利用した最後の展開が面白い。
異なる性質を持っていてもそれが優劣につながるわけではないというのはしっかり認識しておくべきことだな。
子孫を残すって長い目で見ると生物にとって重要なことなんだな、というかどれだけハイスペックな種でも一世代で終わってしまったら生物的には弱いんだな〜と思った。
「吊されたよそ者」
ゾクゾクする終わり方!!好きだ!
「マイノリティ・リポート」
超面白い!!!!!!
PSYCHO-PASSとタイムパラドックスを掛け合わせた感じか〜と思ってたらパラドックスではなかったというなかなか見ない方向の衝撃。
最終的に全部合っていた、という結末がシンプルなのに考え付かなくて悔しい笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集で読みやすく、わくわく展開でおもしろかった
発想力が本当にすばらしいなと
トータルリコールと地球防衛軍と吊るされたよそ者と世界を我が手にのラストが好き
マイノリティーリポートは映画版と少し違うみたいなので映画も見たい
火星に行きたいと願う男性の本当の記憶(トータルリコール)
人間は地下で生活し、戦争はロボットに任せる世界、人間が戦争をやめるには(地球防衛軍)
放射能で汚染された地球で人間が地下から出てきて仲間を探す、人間は地球の訪問者となる(訪問者)
謎の宇宙昆虫に少しずつ地球が侵略されていると気づいた男の話、吊るされた理由が衝撃(吊るされたよそ者)
頭の中がのぞかれるようになった世界の話(フードメーカー)
地球のミニ版世界球のある世界、それは果たして本当の世界なのか?(世界をわが手に)
宇宙を非O化するためにぶちこわしていく話、頭がおかしすぎる(非O)
ハンバーガー屋で大学入学当選、正直大学側がずるい(出口はどこかへの入口)
宇宙船が老人の脳で動く話(ミスタースペースシップ)
予知夢で犯罪を予防する世界の話(マイノリティリポート) -
Posted by ブクログ
ネタバレ『三体』三部作、完結。読み終えてまず感じるのは、頭が遠くなるような「スケールの歪み」だ。
1. 魔法の正体は「四次元」だった
冒頭、1453年のコンスタンティノープルで描かれた「聖女の魔法」。心臓を抜き取る、鍵を奪うといった非現実的な描写が、実は宇宙に漂う「四次元の破片」による物理現象だったという設定には脱帽した。この「上位次元からは三次元の密室など存在しない」というルールが、後に太陽系を襲う「二次元化攻撃」の絶望感へと直結している。歴史の転換点と宇宙の物理法則を繋げる筆力に圧倒された。
2. 狂気の「階梯計画」から始まったすれ違い
かつての同級生、雲天明の脳を宇宙へ放り出すという「階梯計画」。あんなにも非人道的な計画から始まった二人の関係が、物語の最後であれほどまでに美しい、そして残酷な結末を迎えるとは予想だにしなかった。雲天明は程心を救うために三体文明の中で孤独に戦い、彼女のために「小宇宙」という最高の隠れ家まで用意した。
3. 相対性理論という名の壁
しかし、宇宙の物理法則は非情だ。1600万年という、イメージも湧かないほどの歳月が二人を永遠に引き裂く。再会を誓った遊園地のような星で、結局は別の男(関一帆)と余生を過ごすことになる程心の姿には、言葉にならない切なさを感じる。個人の愛がいかに深くとも、光速の遅延や次元の崩壊という大きな流れの前では、ただ流されるしかない。
総評:
難解な物理学の解説も、読み終えて点と点が繋がった瞬間に快感へと変わる。人類は滅び、故郷も失われたが、最後に彼らが選んだ「質量の返却」という決断に、わずかな希望を見出したい。SFとしての壮大な仕掛けと、あまりに切ない「すれ違い」の物語。間違いなく、一生忘れられない読書体験になった。 -
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ネタバレ面壁計画の裏で同時進行していた三体艦隊にスパイを送る”階梯計画”の発案者である程心が本作の主人公。羅輯の後継者として執剣者に選ばれた程心。
程心が就任直後、つまり羅輯からの脅威が消えた瞬間に三体世界は地球への侵略開始し、占領下に。
そんな中、宇宙を彷徨っていた万有引力が三体系の座標を公開したことで地球より撤退。でもそれは同時に全宇宙に向けて、地球の座標も公開したことを意味し、その3年後に三体世界は破壊された。脅威の渦中、階梯計画の任務遂行者の雲天明と程心が再開した場面で後半は終わる。思ってた通り、地球が黒暗森林状態に。やっぱり三体世界は地球侵略の機会をずっと伺ってた。
羅輯が自分達に危険だから、友好関係を築く事で油断させ、危険がないと判断したら一気に攻める。まぁだよねって感じ。
でも人類を守りたい母性心や人を殺したくないと言った程心の優しさの結果が地球侵略の元凶だなんてあまりにも可哀想。でもそれがこの世の摂理で現実なんだろう。
IIIは、IIのサイドストーリーからのメインストーリーって感じの構成が面白かった!後半が楽しみ! -
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ネタバレ再読はしないけど、良い本だった。
ディックらしいというか、、、神話やSFや仕事やいろんなものがごちゃ混ぜになっている一冊。
頭が良く気が強い妻と別れて、惹かれたマリと別れることになっても妙にあっさりしていて、彼女の故郷(星)に行けばワンチャンまた魅力的な女性と出会えるかもと思ったり、失業してるのに主人公は情けなくて俗っぽい。
マリは主人公のこと、全然好きじゃないんだろうなと思う。主人公も、マリのことは外見しか好きじゃないんだと思う。薄っぺらくて惨めだけど、リアル。
最後、多足なんとか生物の形をした地球外知的生命体と対話するシーンは
去年を待ちながらのラストを想起した。
群像劇的な要素もあり、ユービックや宇宙の眼のような雰囲気もある作品。
面白いっちゃ面白いけど、後半に向けた収束?失速?はなんだかなぁ・・と思いつつ
ラストシーンがあまりに良く、星4つに。
運命に抗ってみたら、何かが変わるかもしれないし、変わらなくても抗ったという事実があるんだから、抗わない選択をした自分とは違うんだという点に前向きさを感じる。
安寧が約束されているであろう集団なら抜け出し、不安定ながらも個であることを選択した主人公にはとても共感する。
全体のパーツとしてではなく、個でありたい。それが孤独であっても。 -
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IIは400年後の三体襲来に人類が足掻く話です。
Iは未知世界の探索みたいな高揚感が常にある感じで、IIも未来の地球危機に現代人がどう足掻く様子が書かれててどちらも最高に面白いです。
本作のキーワードは面壁者。三体人は脳波で直接意思疎通するから思考が筒抜けで、人間では当たり前の隠すって言う概念がない。その性質を使って考え出した策が面壁者。
選出された4人の策略が闘争本能、敗北主義、現実逃避とよく考えられててこれがまた面白い。
地球の運命がたった4人の頭の中だけに託されるって、一見異常だけど、それぐらい混乱しても仕方ない話だなと。
その重圧の中での行動や思惑がいかにも人間味溢れてて、見どころだと思う。
2巻目も内容濃くて1巻目の話が遠い過去のようだけど、葉文潔から話はちゃんと繋がってて、その象徴が本巻の主人公でもある羅輯なんだと思う。作者には感嘆しかないです。さてはて地球の行方は!?下巻へ続く、、!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ簡単に読み通せるSFではないし、全てを理解できたかと言われたらできていない部分は多い。しかしながら核融合エンジンの炎の色や恒星X…の惑星の色の記述に代表されるように色彩感あふれる世界観がリアルさを醸し出しているように感じられた。色彩の描写しかり、4次元空間や2次元空間の描写などが本当に見てきたかのような臨場感であり著者の頭の中を見てみたいほどであるが、これらを破綻なく訳出した訳者らに心から賛辞を贈らせていただきたい。最後に恋愛小説のエッセンスが垣間見られたのも象徴的で、これだけ壮大な宇宙の物語であっても種の存続というファクターは無視できないという本質的な事実に改めて気付いた。足掛け数年掛けて読んだが、三体世界のロスを感じている。