大森望のレビュー一覧

  • 流浪地球

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    「三体」、「円」(短編集)ともにとても面白かったので、新年最初に手に取った本
    面白かった!
    この本でも、ミクロ視点とマクロ視点の切り替えが毎回実に鮮やか
    ホラーが苦手なので、タイトルからしておどろおどろしい「呪い5.0」は読み始めるのに心構えが必要だったんだけど、ホラーどころかコメディ…?で面白かった!…と書きたいけど書けないような…
    突然の九州シリーズ創始者のひとりがモデルになってる登場人物とか、やっぱり面白いといえば面白いかな
    (九州シリーズは、ドラマ「九州縹緲録」と「斛珠夫人」視聴済)
    1番好きなのはこれ!って即答できないくらいどれも面白かったけど、あえて選ぶなら中国太陽…いやミクロ紀元…やっぱり選べない!

    解説もとても良かった

    次は「老神介護」を読む
    こちらも楽しみ

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    2025年01月10日
  • 流浪地球

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    ネタバレ

    我らが大劉こと劉慈欣、バカSF炸裂。
    いやもう、読みながら「バリントン・J・ベイリーみたいだな・・・」と、我ながらちょっと極端だなぁと思える感想を抱きながら読んだんですけど、あとがきで大森望氏が正にその通りのことを書いていて、決して極端な感想ではなかったのだな、と安堵しましたヽ( ´ー`)ノ

    とにかく針の振り切れまくった作品ばかりで、その振り切れ具合に大笑いさせられつつも、根底に重厚なハードSFの骨格があり、そのどこかに豊かな詩情とペーソスを感じるのが、さすがの大劉節です。
    ・・・とまとめたいのに、それを妨げる「呪い5.0」の破壊力といったら(笑)作中に「SF作家の劉慈欣」が登場してSF超大作「三千体」を刊行する、という、どこからどう突っ込んでいいのかわからなくなるほどのはっちゃけっぷり。でも、ちゃんとSFしてるんですよー皆さん。置いていかれないように注意しましょうねー。

    「三体」シリーズとは別の意味で、ぶっ飛ばしてる短編集です。同時に角川文庫で発売された「老神介護」も超楽しみ!

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    2025年01月09日
  • トータル・リコール

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    どの話も面白い マリノリティ・リポート(映画版も見た。映画も負けず劣らず面白い)、訪問者、ミスター・スペースシップ、吊るされたよそ者あたりがよかった ミスター・スペースシップはこの中だとファン人気が低いらしいけど、ロマンティックで美しい余韻がある

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    2025年01月05日
  • 変種第二号

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    ディックは短編は見つけたらみんな読んでるはず。でも新装してから読み直す根性はないなぁ。どれか一冊買ったはず。これかな?

    長編はユービックとか電気羊とか。高い城の男は読んだっけかな。

    しかし、読む側から忘れてしまう脳なのでさっぱり覚えてないのであった

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    2024年12月11日
  • 三体

    購入済み

    頑張って読む価値はある

    これほどの世界観を作者1人の頭の中で作り上げたというのが尋常ではない。
    自分はNetflixの映像作品から入ったけどやっぱり原作は読まなきゃダメだなと感じた。

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    2024年11月26日
  • トータル・リコール

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    フィリップ・ディックはいくつか長編を読んだことありますが短編は初めてです。長編は面白いんだけどよくわからないことも多いのですが、短編では言いたいことが直接的に書かれて分かりやすいです。
    なにかの本のあとがきでフィリップ・ディックが小説を書く理由として「この世界では生きられない自分の愛する人たちが生きられる世界を作る。本来なら自分を現実に合わせるが自分はそれができない。それがSFを書くっていうこと」といっていたのと、自身の生活やら小説テーマが社会に抵抗するところもあるので、反抗的な印象があったのですが、この短編を読むと平和や人間の自由をのぞみ、やりすぎた管理を批判する当たり前の感覚でした。。

    『トータル・リコール』
    気弱で平凡なクウェールは、毎晩火星へ行く夢を見ていた。自分は火星特別秘密捜査官なんだ!…という妄想が膨れすぎているようだ。
    この物語では、人の脳に記憶を植え付けることができる。そこでクウェールは記憶植え付けを請け負うリコール社に行って、火星旅行の記憶を入れてもらうことにした。平凡でつまらない人生のほんのちょっとした刺激だ。
    しかしリコール社の植え付けは失敗した。それどころかクウェールの深層心理から、隠されていた記憶を呼び戻してしまった。
    呼び戻された記憶によると、クウェールは本当に火星特別秘密捜査官で暗殺業なども手掛けていたのだ!
    クウェールがが記憶を戻したことは捜査官たちに知られて、殺し屋を差し向けてくる。
    追手から逃げる方法は体が覚えていた。クウェールは「争いはやめよう。もう一度俺に記憶を植え付けて、火星のことは忘れさせてくれないか」と提案する。
    そしてまたリコール社に行くと…。
    ==シュワルツェネッガーの映画は昔見たことあり、この後火星に行ってアクションします。原作はある意味中二病が全部叶った!って感じが楽しかったです 笑

    『出口はどこかへの入口』
    平凡なサラリーマン生活を送るバイブルマンは、宇宙最高の大学への入学をスカウトされた。(大学の名前は「大学」。唯一無二のThe大学って感じか)
    ここに入れば就職は引く手あまた。自分の送ってきた学ぶ機会もなくつまらない人生を変えられるのか。
    入学者たちは「大学」の初日に極秘情報の守秘義務に付いて聞かされる。それはあるエネルギー開発システムだった。
    バイブルマンは、たまたま自分が受けた退屈な講義の中に、そのエネルギー開発に関わる設計図を見つけてしまう。
    バイブルマンは手に入れた設計図を追う扱うかを逡巡する。「大学」にいるためには機密事項を守らなければならない。しかしこのエネルギー設計図は公表すれば多くの人たちが助かり、このまま秘密にしていたら一部の人たちの富を独占を許すことになる。
     社会のために公表するか?しかしその場合自分は逮捕されるだろう。
     お金のためにどこかの企業に売る?それもすぐに自分だとバレるだろう。
     素直に大学に差し出すか?
    決断の時が迫る。
    ==フィリップ・ディックだったらやらないだろうなーという決断だった。

    『地球防衛軍』
    8年前のアメリカとロシアの戦争で地表は放射能まみれになり、人々は地下に潜った。地上の戦争や放射線除去は、ロボットたちが地下からの人間の指示に従って行っている。
    人間は地下で戦争を指示し、ロボットたちが地上で代理戦争をしているということ。いびつだ(-_-;)
    しかし最近ロボットの様子がおかしい。もしかして地上ではもう放射能の影響は無くなっているのではないか?
    ==地上の様子の美しいこと。読んでいても嬉しくなる。しかしそんな地上の様子を見て「では今こそ戦争を進めて敵を壊滅させるチャンス!!」と決意する人間にはがっくり。
    ロボットが自分で判断し、人間の予測不能なことをしたら?というのはSFのお約束ごとですが、大体は人間をロボットが支配するような方向になります。しかしこちらのロボットはなんと素晴らしい!人間からの命令の範囲で、人間を傷つけず、自分たちロボットが何をするのが一番人間の未来に良いのかを計算し、それを実行する。
    素晴らしい!!
    だが人間は…。
    しかしラストでは、ちゃんと正しい方向に向かおうとする人間の姿も書かれます。
    なんといういのかですね、人間はロボットに恥ずかしくない存在でいられるのかな。

    『訪問者』
    人類の大戦争で地球は放射能に汚染された。その当時の生物は姿を消した。人間は地下に潜り、酸素や食料を生み出す機械に頼って生きている。
    だが地上に残った生物たちは、放射能に対応できるように、人間と動物の特徴を持つ姿へと変えて生き延びた。
    複眼と触覚を持つ「アリンコ」、カンガルーのような「イダテン」、目がなくて穴を掘る「ミミズ」、ゴツゴツの高身長の「トカゲ」、水性生物「イルカ」
    地下でほそぼそと生き延びる人間は、もうこの地球では過去の遺物なのか。このまま消え去るしかないのか。
    ==もう地球に人間の居場所はない。いつか地表の生物たちは訪問者となった人類を迎えてくれるのか。人間が生き延びる道は見つかったが、故郷は失った。物悲しさの残るお話。

    『世界をわが手に』
    科学は発達し、宇宙探索は進み、人類の寿命は果てしなく長くなった。
    だが宇宙には、人類が友好関係を結べるような生命体を見つけられなかった。長い退屈の生活を余儀なくされた人類は、地球そっくりの惑星で、生命体を進化させる生きた球体「世界球(ワールドクラフト・バブル)」に夢中になっていた。何十年も掛けて、生命の発達を細かく設定し、最高の文明を作り上げる。
    だが人類はそれにも飽きかけていた。何十年も手塩にかけ最高の「世界球(ワールドクラフト・バブル)」を叩き壊して狂乱のパーティを繰り広げる。世界球の神である作り手の気まぐれから、絶滅する球のなかの生命たち。
    だがそれは、この地球もそうなのではないだろうか…。

    『ミスター・スペースシップ』
    人類は、他の星の生命体との戦争の連続だった。人類生き残りとしてエンジニアのクレイマーが立てた計画が採用される。それは宇宙船に優れた人間の脳を移植するということだった。その人間の自我はなくなる。だがプログラムでは測れない人間の経験や反射、直感により的の宇宙船の攻撃を交わし、相手を攻撃することができるだろう。
    移植する脳の候補として元教授で余命僅かな老人トマスが挙がる。トマス元教授は説明を聞き、設計図をみて、ついには了解した。
    トマスの脳は宇宙線に移植される。だが宇宙線は地球からの制御を振り切る。どうやらトマス老教授が移植前にプログラムを書き換えていたのだ。教授の自我を持った最高性能の宇宙船(オールドマン)は何を目論んでいるのか…。
    ==戦争なんかやめようよ。最初の世代は苦労しかしなくても、何代も掛ければそれを共通認識とする集団ができるよきっと、という、テーマは平和と希望を持ったお話。

    『非O(なるおー)』
    人間の感情を全く持たない「非O(ナルオー)」と呼ばれる特徴を持つ人間がいる。彼らは、この宇宙のすべてのモノ(オブジェクト)には意味がなく、すべてを統一してエネルギー化する運動「非O理論」を実施することにした。(このあたりは、科学的な説明がされていたがよく分からず(^_^;)
    でもさすがに感情のある人間は黙っちゃいないよ。完全に理論的なナルオー計画は、知性よりも感情を爆発させる獣ような大衆によって破壊されるのでした、ちゃんちゃん。

    『フード・メーカー』
    やましいことがないなら頭の中を覗かれることに抵抗するなんておかしいだろう。
    ある地域の事故の後に突如生まれ出した精神感応者(テレパス)たちは、政府に雇われ、不満分子たちをあぶり出していた。だがそんなテレパスたちに抵抗する人達もいる。中心にいるのは、精神を読まれなくする頭環(フード)を作る「フードメーカー」と呼ばれる伝説のような人物。
    だが厳しい捜査により、フードメーカーもテレパスに捕まってしまった。抵抗一味が根こそぎになりそうな時に、フードメーカーは自分が知った重大な秘密を暴露する。
    それは政府に多大な権力を与えられた精神感応者たちを絶望させるには十分な情報だったのだ。

    『吊されたよそ者』
    地下室の作業を終えたロイスは、街路樹に吊るされた死体を見つけて仰天する。
    しかし近所の人達は誰もその死体に反応しない。それどころかロイスは騒動を起こしたとして警察に連行される。違和感を覚えたロイスは危うくパトカーから飛び降りる。
    そして市庁舎で目撃してしまったのだ。町の人々が、人間の姿から不気味な昆虫の姿に変わっていく様子を。どうやら自分が地下室にいた間に、この町はエイリアンに乗っ取られてしまったらしい…。
    ==この冒頭、SF映画の冒頭のようでないか!しかしこれは短編だよ、どう始末するの?…と思ったら、まあ短編ならこうなるよね…な結果に。
    これを原作に長編映画作ったらこの短編の終盤から全く違った展開に持っていけそうだなあ。

    『マイノリティ・リポート』
    未来に起きる犯罪を3人の予知能力者(プレコグ)により予知させて、まだ犯していない罪で犯人予定者を収容所にいれる。このシステムが確立され30年、殺人はなくなった。
    だがある日、システム考案者で司法省長官のアンダートンは目を疑った。殺人者として自分の名前が予告されたのだ。被害者は会ったこともない人物だ。
    誰かが自分をはめようとしているのか?それとも自分が構築した犯罪予防システムは間違いだったのか?
    ==未来が分かったことにより、人々の行動が変わったら、その未来はなかったことになるのか?
    複数の未来統治者が見た未来が違ったら、どれを採用する?
    SFジレンマというか哲学、そして考案者の初老の男が割と頑張るアクション的なものもありました。

    トム・クルーズの映画は見ました。映画では殺人容疑を掛けられるのは若者なのでアクションしたり組織悪を暴露する物語でした。
    こちらの原作では、殺人容疑をかけられるのがシステム考案者で責任者の初老の男なので、結末は全く逆でしたね。その初老の男が自分の作ったシステムに固執しながらも、体を張ってアクションとか銃撃とかする原作も十分面白かったです。
    …しかし未来余地の矛盾に関する科学的・哲学的考察はちょいと理解できず(^_^;)(映画ではこのあたりが「組織悪」のように単純化されていた)

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    2024年11月13日
  • 老神介護

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    「流浪地球」と1セットの劉慈欣の短編集。「三体」以前の作品だが、そこここに「三体」の芽が見受けられる。

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    2024年10月28日
  • 三体2 黒暗森林 上

    購入済み

    おもしろい

    SFでとっかかりにくいこともあるけど、なんだかんだハマってしまった。続刊が楽しみです。実写観るなら本がおすすめ

    #ドキドキハラハラ

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    2024年08月19日
  • 老神介護

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    目次
    ・老神介護
    ・扶養人類
    ・白亜紀往事
    ・彼女の眼を連れて
    ・地球大砲

    劉慈欣の書くSFのテーマって、どことなく懐かしさを感じるのはなぜだろう。

    『老神介護』は、最初こそ神様のみすぼらしさと情けなさに、にやにやしながら読んでいたのだけど、最後まで読むと『三体』と地続きのテーマであることが分かった。
    続編と言える『扶養人類』に至っては、まんま『黒暗森林』なのである。

    ところで、以前から私は、中国における神様の存在について知りたいと思っていた。
    日本だと、日本古来の神様のほかに外国からやってきた神様も、えらい人間または恐ろしいことをしそうな人間も亡くなると神様になる。
    たまには生き神様までいる。
    悟りを開いて生き仏になる人もいるが、仏様も神様に内包されることがあるので、たいていのすごい存在は神様足りうると考えられる。

    しかし中国の神様って、よくわからない。
    神仙と言って、神様と仙人がいて、厳密には違う存在らしいのだけど、文献によって神様だったり仙人だったりするから混乱する。
    西王母ですら、女神・女仙って書かれてるんだもの、

    で、『老神介護』を読んで、やっぱり中国の神様って、万物を創設したとて、たいして尊敬されてないんだなあと思った、という話。

    好きなのは『彼女の眼を連れて』。
    読みながら、高校生の時に好きだった森下一仁のSFを思い出して、ジーンと胸が熱くなったのに、本人は書きたくて描いた作品ではないと後日語ったそうで、ちょっとがっかり。

    『地球大砲』もまた、『彼女の眼を連れて』の続編。
    劉慈欣は、エピソードを、硬軟硬軟と続けていく傾向があるのだなあ。
    どちらも好きだが、やわらかいエピソードにSF味を感じると、なんか嬉しい。

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    2024年07月30日
  • クロストーク 下

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    わー!!
    とてもとても面白かった。お見事でした。
    物語を俯瞰して見ている私は、もう少し善意でいろいろを捉えて信じることができるけれど、物語の中で私の思ったことも全てスッキリとして良かったです!
    コニーウィリスさん素晴らしいな。全部読みたい。

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    2024年07月02日
  • クロストーク 上

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    ネタバレ

    頭の中で思い描くだけで伝えたい時伝わるコミュニケーションツールEED。
    それが混戦してしまって「おおお…、泣」というお話。
    面白かったです。
    劇場での描写はとても苦しく、どうなるのかと思ったけど、CBのことがどんどん気になって仕方なくなってきた。
    吊り橋効果って読者にもあるのだな。
    ブリディもそのまわりを囲む人々もどうなるのだろう…気になりすぎる。

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    2024年06月30日
  • 流浪地球

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    ネタバレ

    目次
    ・流浪地球
    ・ミクロ紀元
    ・呑食者
    ・呪い5・0
    ・中国太陽
    ・山

    『三体』シリーズで壮大な世界を見せてくれた劉慈欣の短編集。
    『三体』のなかでも、歴史小説風、ゲームの世界風、恋愛小説風等、様々なテイストがありましたが、短篇集はそれをもっと純度を高くしたような感じでした。

    『流浪地球』は、ぜひ萩尾望都のマンガでも読みたい。繊細な心理描写と、茫漠たる世界。
    断片的だけど萩尾望都の絵が脳内に浮かんでくるの。

    『ミクロ紀元』は、フレドリック・ブラウンをマンガ化した波津彰子かなあ、坂田靖子かなあ。
    現実を淡々と受け入れるか、飄々と受け入れるかで、読者の受け取り方も変わってきそう。

    『呑食者』の、こういう展開は初めて読んだような気がする。
    そうか、こう来るのか。
    『ミクロ紀元』といい、これからの世界は、小さいことはいいことだ(省エネだ)になりそうだ。

    もしかするとユーモアSFなのかもしれないけれど、一番怖かったのは『呪い5.0』。
    世界中がインターネットで繋がれ、データがクラウド上に置かれ、AIがプログラムを自動生成できる時代…って今じゃん!
    悪意を持った誰かが巧妙にその悪意をプログラミングすれば、あとは自動的に悪夢が増殖していく。
    怖すぎる。

    ”いまの車はすべて自動運転で、インターネットが運転手だ。乗客はタクシーに乗るときにクレジットカードを読み取らせる。このとき、「呪い」2.0の新機能は、クレジットカードから乗客の名前を読み取る。(中略)殺す方法は枚挙にいとまがない。もっとも簡単なのは、タクシーを建物に衝突させたり、橋から転落させたりすることだ。”
    これで2.0。

    4.0になると、医療データを改ざんして、違う薬を(何なら毒を)処方する。
    または治療しない。
    メンタルを刺激して、自ら命を絶つ後押しをする。
    そして5.0は…怖い!
    逃げ場なしです。

    『中国太陽』は、『三体』のエピソードに組み込まれてもおかしくないね。
    中国の片田舎で、ろくに学校にも行けなかった青年が、徐々に活躍する場を広げていく話。

    人生の目標その1――まずくない水を飲み、金を稼ぐ
    人生の目標その2――もっと明るく、もっと水がうまい街に行って、もっと金を稼ぐ
    人生の目標その3――もっと大きな街に行き、もっと大きな世界を見て、もっと金を稼ぐ
    人生の目標その4――北京人になる
    人生の目標その5――宇宙に飛んで太陽を拭く
    人生の目標その6――星海を航行し、人類の目を再び深宇宙に向けさせる

    主人公の水蛙(シュイワー)と一緒に、わくわくしながら世界の広がりを楽しんだ。
    この話、好きだなあ。

    『山』は、一番SFの魂を持った作品と思いました。
    高みを目指すことなく、発展はない、と言われると、高所恐怖症の私としては人類の皆さんに「ごめんなさい」というしかないけど。
    でも、「知りたい」「見てみたい」という欲が、科学や技術や文明を進歩させてきたということには同感です。
    だからといって、山には登りません。

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    2024年06月20日
  • 老神介護

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    やはり、劉慈欣の本は面白い。白亜紀往事が、とても面白かった。蟻と恐竜の共存世界。想像だけでもわくわくする。

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    2024年05月25日
  • NOVA1【完全版】

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    良作ぞろい。素晴らしいSFアンソロジー。

    「社員たち」★★★☆☆
    - 短いジョークSF。会社が地中に沈んだから掘る。

    「忘却の侵略」★★★★★
    - 理屈っぽい僕の妄想おバカSFかと思いきや、しっかりガチめのSF設定で満足。
    - 地球はいま異星人に侵略されている。しかし、その侵略者は誰にも観測されていない。姿を消すことができる?否、記憶を消すことができる。そんな異星人との戦い。

    「エンゼルフレンチ」★★★★★
    - ロマンチック宇宙SF。探査機に意識をコピーした後死んでしまった彼。

    「七歩跳んだ男」★★★★★
    - 史上初の月面殺人事件。月面基地に旅行に来た有名作家が殺された。
    - ハードSFであり、都市伝説や陰謀論に騙されやすい作家が月面には大気があるというデマに騙されて基地から飛び出して死亡した…とみせかけた殺人事件。しっかりとミステリーになってて最高。

    「ガラスの地球を救え」★★★★☆
    - おばかSF。宇宙に浮かぶSCI-FIランド。展示物のひとつである実物大の戦艦ヤマトで、地球に襲い掛かる地球外生命体に波動砲をお見舞いする。

    「隣人」★★★★☆
    - 奇妙系グロSF。隣に引っ越してきた隣人は家で家畜を飼い始める。迷惑隣人は人間の姿をした怪物?徐々に狂っていく周りの人々と自分。

    「ゴルコンダ」 ★★★★☆
    - 不幸の手紙をパロディーしたライトなSFコメディ
    - 不幸の漢字が下手だったために「梓」になってしまい、先輩の奥さんの梓が増殖する。

    「Beaver Weaver」
    - 難解につき、スキップ。円城塔はいつだって難解。

    「自生の夢」
    - 既読

    「屍者の帝国」
    - 既読

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    2024年05月04日
  • 白亜紀往事

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    恐竜と蟻のSF。恐竜好きなので表紙に惹かれた。『三体』は勇気がいるので、その前にこの本が読みたかった。

    白亜紀末期、恐竜と蟻が互いに協力し、高度な文明を発達させていたとしたら…。
    ティラノサウルスの歯に詰まった肉をたまたま蟻たちが掃除したことからはじまる。

    こういうとんでもない発想大好きだー。
    竜蟻サミットの様子を想像すると可愛い。

    次第に両者に亀裂が生じていく。
    読み進めていくうちに、「あれ?これってもしかして⁉」となる。

    エピローグも良かった。
    これからは蟻を見る目が変わるかも笑
    やっぱりSF好きだー。
    次は『三体』にもチャレンジしたい!
    Audibleにて。

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    2024年05月03日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    ネタバレ

    ずっと気にしていた『三体』の作者の短編集ということで、一目見るなり購入し、家で順番待ちしている本をかなり飛ばして読みはじめた。

    訳者のあとがきによると、本書は原著となる短編集は存在しないものの、収録作品は著者側で選考したものだそうだ。
    そのため、訳者や日本の編集者の意向は含まれておらず著者の趣向に近い作品集になっているようだ。
    1999年掲載の処女作から2014年発表の表題作『円』まで13篇を掲載年代順に載せている。

    1つ目の作品は「ぼちぼちだな」と思った程度だったが、
    2つ目の短編を読み終えた時点で「あぁ、これ只者ではないわ」と感嘆した。
    SFだけでなく、作家としての文章が優れている。翻訳の上手さももちろんあるのだろうが、それを差し引いても臨場感が素晴らしかった。あとがきを読むと、この『地火』には著者の生い立ちが多分に含まれているようだが、筆致の凄まじさに納得するとともにそれでも著者の力量を感じられた。

    途中までは「地球上の狭い地域での出来事を現代科学のちょっと先の技術で」というテイストの話が多かったが『詩雲』では激変。
    それまでとは大きく異なり、現代とは遠く離れたレベル、未来のSF設定と中国古代の漢詩を合わせる。それだけでも面白い発想だが、すべての組み合わせを試し全ての詩、最高の詩を科学で作るという試みも面白い。「これは傑作だ」と思った。
    この『詩雲』以降は再び地球上での物語が続くが、扱うテーマが全球的な問題へとスケールアップしており、物語内での時間変化も大きくなり、作品の時空間的な厚みがグッと増している感じがした。
    また、後半の作品群では、別の作品で是とされたものが次の作品では否定的に扱われること(ex. 『円円のシャボン玉』と『月の光』の太陽光発電技術)もあり、一つの技術に対しても多面的な設定の検討をしているようで面白かった。

    表題作の『円』は最後に収録されている。
    荊軻による始皇帝の暗殺未遂をモチーフに、コンピュータ(電子計算機)の原理を融合させるという非常に驚かされるアイディアの作品だった。
    この『円』もそうだが、後半(2000年代後半以降)の作品達は、前半(2000年代前半発表)の作品群で使われたSF的アイディアを複合させたりブラッシュアップさせたりという部分が見られ、より洗練された感じがする。これはネタ切れというより、荒削りで実験的であった初期のアイディアを上手く扱えるようになっている感触で、好意的に受け止められた。

    個人的には4作目の『繊維』の設定が面白く、印象的だった。この作品を読んだせいで、各作品間でSF設定が相矛盾しても何も感じないどころか「遠い"繊維叢"なんだな」と納得する始末で、劉慈欣作品ならどんな設定が来ても楽しめそうである。

    本書を読んでいて漢字の文化圏で良かったと思うことが何度もあった。
    周の文王(: 儒教でよく目標にされる聖人の一人、太公望を見出した人物)や、李白、荊軻、始皇帝といった固有名詞だけでなく、『詩雲』で読み上げられる有名な漢詩を知っていることと、その味わいも(ネイティブには遠く及ばずとも)感じることが出来る。
    同じ内容でも英語で書かれていたら絶対に同じ感覚は味わえないと思う。漢詩の形態のシンプルで規則的な美しさも、ごく短い文字数に極めて情緒豊かな表現を組み込めることへの驚きも、1つ1つの漢字(:表意文字)から浮かぶイメージや読んだ際の韻も、漢字を日常的に使っているからこその味わいだろうなと思った。

    SF的な仕掛けは、著者がコンピュータ技術者ということもあり、機械工学、物理学的なものが多いが、環境工学、バイオサイエンス的なものもあり多彩。
    物語の作りも含めて、13篇を読んで「またこれかぁ・・」と思うものはない。

    「登場人物が(神の目線では)正しいことを懸命に行うも、志果たせず、報われず。しかし、個人としては上手くいかなかったけれど大勢には一定以上(ともすれば英雄的な)の影響を与える」という形態の話が多い。主人公の悲劇的な扱いは、なんとなく日本の近代文学を思い起こしたのだが、これは著者の作風なのだろうか?それともこの短編集の選考によるものなのか?
    ・・と思って読んでいたのだが、文庫版に収録された著者のインタビューで個から宇宙へつながる関係を物語として描こうと意識している旨が記されていた。
    後半の作品では、個としてのバッドエンドは弱まった印象があるが、他の作品はどうなのだろうか。『カオスの蝶』などは物語中盤以降の主人公の境遇が気の毒すぎてページをめくるのがつらくなったので、全体としてはグッドエンドでも個別のキャラクターが不幸になりすぎる物語ばかりだとちょっとイヤだなと思っている。

    巻末の『訳者あとがき』は著者の来歴が記されている点も良いが、作品に対する愛や感動が込められている文章も良かった。

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    2024年05月01日
  • 老神介護

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    三体作者による短編SF集。
    5つの短編が入っていたけどどれも面白かったし、要素要素に三体と通ずるものがあった。
    特に好きだったのが扶養人類と彼女の眼を連れて、の二篇。

    老神介護→地球文明を作った20億柱の神が宇宙船に乗って地球にやってきた。目的は地球人とともに地球で老後を過ごすこと。全世界で神を扶養するための法律が制定され各家庭で1柱の神と同居することになるが、両者の関係は徐々に悪化していく。

    扶養人類→老神介護の続編。神がいなくなって三年。神が作った地球型文明の兄、第一地球の人類が地球へ移住にやってきた。
    そんな中滑空という殺し屋は社会的資産液化委員会という世界の大富豪で構成された委員会の人間に3人の人間の暗殺を依頼される。

    白亜紀往事→6500万年前の白亜紀には高度な文明を持った恐竜文明と蟻文明があり、双方は相互補完関係にあった。だが恐竜同士の対立から恐竜文明vs蟻文明に発展。そして白亜紀が終わるまで。

    彼女の眼を連れて→宇宙空間での生活が当たり前になった時代。休暇を地球で過ごす為にとある女性の目(センサーグラス)をつけてタクラマカン砂漠へいく主人公。

    地球大砲→人工冬眠から目覚めた沈は、地球環境を破壊した「南極裏庭化計画」の責任をとれと理由もわからないまま奈落の底へ落とされる。
    彼女の眼を連れて、とクロスオーバーしている?作品。

    ・感想
    老神介護→ひとだけでなく文明、恒星、宇宙ですらいずれ滅び(死)へと向かっていく。それは神ですら逃れられない真実。
    創造主という意味での神ではあるけど、よくある万能の存在ではなくSF的捉え方での「神」の存在が面白かった。
    あと兄文明である第一〜第三人類文明の辿った経緯は完全に黒暗森林理論で三体の要素を感じた。

    扶養人類→神が警告した第一地球文明の宇宙船に乗っていた人類は第一地球から逃げてきた人々だったという真相が面白かった。たった一人の富裕層、世界が一人の人間のものになってしまったディストピアもの。
    その理由も技術の発展に伴う富の集中、加速する格差という「なんだかあり得そう」なところが怖く感じたり。
    滑空という暗殺者のキャラクターも良かった。

    白亜紀往事→抑止力の必要性は理解してるけどエスカレートしていくのではないかという恐怖はある。
    文明が発展していくためには「好奇心」や「欲」が必要ではあるけど、欲がエスカレートし暴走、制御できなくなってしまうことの危険性などを描いた作品なのかな。

    彼女の眼を連れて→読後感が切なくてすごく良かったー。この話が1番好きだった。宇宙の果てではなく地球の中心に取り残された一人の女性の物語。
    もし自分がこんな環境に置かれたら当然発狂してしまうわ…

    地球大砲→まさかこの話で落日6号(彼女の〜の女性が乗っている地層探査船)が出てくるとは…!そこに繋がるとは!!
    ただ一人地球の中心に残された女性の孤独も少しは慰められてたのかな。

    人工冬眠から目覚めた主人公の沈が、中国から南極を貫くトンネルに落とされながら真実を語られるっていう設定が面白い。
    でもどの被害者も逆恨みなんじゃないか?って感じがした。
    確かに最初の事故の被害者が沈淵を恨むのは理解できるけど…。
    沈淵が晩年トンネルを行き来しながら娘に語りかけてたっていうのがまた切なかったな。

    どの話も面白かったし、作者の他の短編集も読んでみよう。

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    2024年04月23日
  • 三体

    購入済み

    すごい

    圧倒的なスケール。SF初心者でもグイグイ。翻訳も良く、とても読みやすい。おすすめです。今からもう一度読みます。

    #アガる #ダーク #怖い

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    2024年04月10日
  • 円 劉慈欣短篇集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『三体』で著名な劉慈欣のSF短編集。
    風刺とユーモアに溢れた作品群で、作品によっては辛辣なところもあるけれど、それらの底には、人間の営みや知性、芸術への憧れが流れていると感じさせる。
    『郷村教師』『詩雲』などは特に、良い意味でロマンティックな作品だとさえ思う。

    『三体』は未読なので、そちらも今後読んでみたい。

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    2024年03月19日
  • 円 劉慈欣短篇集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    地火
    業務用スーパーの社長が地熱発電やってるけど大丈夫??

    郷村教師
    最後の最後で救われた。
    「今は理解出来なくても暗記しとけ」

    詩雲
    太陽系を潰してまで作った詠詞データベース。取り出し方がわからないってそんなの作る前から予想つくでしょ!? 呑食帝国が気の毒。

    栄光と夢
    泣けた…

    人生
    記憶の遺伝

    円
    「三体」で1番好きなエピソード。
    荊軻のラスト、「チ。」を思い出した。

    こういう短編集、もっと読みたい。

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    2024年03月08日