大森望のレビュー一覧
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2024年になっても新鮮な読み心地と生々しい迫力を備えている。時代を超えて読み継がれるとともに、実現可能な時代になりつつあることの恐怖も沸き起こる短編集。以下は個々の作品の備忘録
・トータルリコール
経験の記憶を販売する会社で記憶の植え付け施術失敗と思いきや、政府の要人というか機密を持っている重要参考人的な立場だった人の話。映画も見てみたい
・地球防衛軍
人類が始めた戦争を、人類が作ったAIで代理戦争をさせるも人間より遥か上の知能を持ったAIによって管理下に置かれていたことに気が付く愚かな人間の話。
・訪問者
核戦争後、人間が住めなくなった地球で生き延びるために細々と息をしている様を描 -
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ネタバレ『地火』
なんとか映像化してほしい作品。
中盤からもう絶対大変なことになるんだろうな…と思ったら想像以上に大変なことになって興奮した。地火が爆発した時の表現がおそろしくて良かった。
劉慈欣作品はやらかしたキャラクターが必要以上にしっかり報いを受ける傾向にある。三体の程心をのぞいて。
『郷村教師』
解説にもあったが、藤子・F・不二雄のSF短編集を彷彿とさせた。なんか終盤やけに宇宙人が地球の美しさに感動してて地球ホルホルか?と思った。
『カオスの蝶』
カオス理論はSFの切り口としてはかなりベタなんだろうけど、目まぐるしく変わる舞台とスリリングな会話の緊張感で楽しく読めた。“著者付記”が誠実で良 -
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いやいや、表題作「変種第二号」が傑作過ぎ。久々にやられましたわ。これだからディック読みはやめられないのよ。
「戦争」をテーマとした作品をまとめた、日本オリジナル短編集。戦争テーマと言ってもかなり広義に捉えられていて、収録作はそれなりにバリエーションがあって読み応えがあります。(ただし、本邦初訳らしい「戦利船」だけは取扱注意!ディックにしては珍しい、超絶バカSFです(笑))
数多くの短編を書き残したディック作品の中でも屈指の傑作と言っても良い「変種第二号」は、ディックが永遠のテーマとしていた「人間と人間じゃないものの境界は何か?」という問題意識をストレートに表現しつつ、サスペンスフルな一級の -
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買ってはみたものの、SFが苦手な自分を省みると
『もしかしたら読む事はないかも』と思って積んどいた本。
DUNE*3冊+DUNE MESSIAH*2冊を読み終わった時
『円を読むなら今しかないんじゃね?』と読み始め、
想像を遥かにこえて楽しく読めた。
短編集にありがちな『何故か入ってる面白くない作品』がひとつもない。
『メッセンジャー』は唯一ほのぼのとしてる作品だった。
未来の彼からの言葉は、創造だとわかっていても胸を撫で下ろす。
どの作品もドキドキしながら読み進められる。
SFと言えば未来を思いがち、最後の円で『秦の始皇帝』の時代に遡られたのはやられた感。
やってる事はめちゃ現代。
こ -
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本書はフィリップ・K・ディック短編傑作集ですが、有名なところではトータル・リコール、そしてマイノリティ・レポートが掲載されています。もちろんこれらの有名な話も面白いですが、私はむしろそれ以外の短編を堪能しました。
ネタバレになりますので深く書きませんが、「地球防衛軍」「訪問者」は立場の逆転という視点を、「世界をわが手に」はいまでいうシミュレーション仮説につながる話です。「ミスター・スペースシップ」はBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)、「フード・メーカー」は、デジタル監視社会といった形で、むしろ2023年に読むほうが、リアリティを増しているという作品もあると思います。私は個人的に「世 -
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前半は、この世にいない方々へのインタビュー集があり、後半は、カート・ヴォネガットさんとリー・ストリンガーさんとの対談が掲載されている。
私は、対談を書籍にしたものはあえて読まないようにしてきた。なぜかだろう?読みにくいと感じたことがあったり、対談であればライブで聴くべきものだと思っているからかもしれない。そんな私の思い込みを一掃するのにふさわしい対談であった。
リー・ストリンガーさんの作品である『グランドセントラル駅・冬』と、カート・ヴォネガットさんの作品『タイムクエイク』の一部朗読があり、作家同志の書くことについての考察や、対象物との距離感についてなど、聴くことができる(実際は読むことなのだ -
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理系の友人が、エンジニアは世界を変えていけると言っていた。 この短編集は、劉慈欣が、エンジニアとしての知識をフルに活かして、さまざまな世界を、そこにあるかのように生み出してくれる。一緒に旅する世界は、過去から未来、宇宙、そこに住む人々、ありとあらゆる世界だ。私たちの想像力は、羽を持っているように、導かれて広がっていく。
一方で、人間たちへの優しさが、細やかな表現を通して、伝わってくる。自然もまた、テクノロジーとの対比で描かれていると同時に、その世界を包むように、さりげなく美しく表現されている。
久しぶりのSF、これがSFなのだなあ、と思う。
そしてこのお話を生かしているのは、見事な -
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☆4.5
結構シリアスな展開な作品なので確かに読むのは疲れるけども、じゃあそこで読むのやめられるかってんだ。
だって希望が欲しいじゃないか。
その希望をくれるのがコニー・ウィリスじゃないか。
二つの時代で起こる感染症。
14世紀はメカニズムが判明していない故に、21世紀は世界が発展してるが故に、感染は広がる。
特に21世紀パートはコロナを経験した今、事実に即してると思えるほどの描写。
トイレットペーパーのくだりとかも、笑っちゃうけどフィンチは真剣そのもの。
貧乏くじな彼、結構好き。
下巻は特に第三部に入るともう怒涛の展開。
優しい人も、嫌いな人も、聡明な人も、人の話聞かない人も、尊敬する -
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フィリップ・K・ディックは20世紀中盤に活躍したSF作家で、この短編集は、有名な二つの映画化作品をベースに、21世紀に入って日本で再編されたもの。
いずれも切れ味抜群の結末と個性ある世界観で、「傑作短編集」の名に恥じないものばかり。
同じ作家の少し難解な長編「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」に比べて、ずいぶんと解りやすく、読みやすかった。
映画化された「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」はもちろん、他の作品もいずれも印象深い。
「訪問者」は、驕慢であった人類の地球上での最後の姿が垣間見える。
「吊るされたよそ者」のあとは、街中を走り回る自分の姿を夢に見そう。
「フード・メーカ