大森望のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレとうとう読み終わってしまった。
本当に面白い三部作だった。
空間的にも時間的にも圧倒的なスケール。
人類を虫ケラに思わせるほど発展した三体文明も、さらに超高度文明にとってみれば変わりない。
そんなわけで一瞬で滅ぼされてしまった。
しかも実行者はその文明内ではヒエラルキーの下位に位置する者らしい。
恒星を破壊する活動は誰でもできるお仕事として扱われている。
物語中、程心にのしかかる責任は半端なく大きい。
太陽系を救うこと、滅亡を受け入れて遺すこと、生き残ること、宇宙を消滅から救うこと。
どれも想像がつかないほどの重みだった。
物語には教訓がつきものだったりするが、三体のスケールはそんなもの -
Posted by ブクログ
ついに手を出してしまった。三体。とんでもないスケールのSF。中国文革の凄惨さから始まり、科学者達を襲う謎の現象。VRゲーム三体の残酷で不思議な世界。文庫版で600ページ超の大長編だけど、面白くって一気読み。あとがきにこれが壮大なプロローグって書いてあって、ワクワクが止まらない。宇宙、11次元、素粒子、多元宇宙、個人的にものすごく興味のあった分野のてんこ盛りで、かなりエキサイティングだった。このあと三体Ⅱ 三体Ⅲ 三体0 とまだまだ続くのが嬉しい。
このストーリーが始まる根底には、人間の愚かさとか、残酷さとかへの絶望があって、その気持ちもわからなくはない。今後人間がどうなっていくのかも、個人的 -
Posted by ブクログ
ネタバレSF × 哲学の魅力
単なるSFではなく、哲学的な問いや人間の根源的な悩みと自然につながっている点が素晴らしかった。高度な設定を土台にしながらも、難解さより「人間の感情」に重心があり、読んでいて心に残る。自分はSFに身構えていたけれど、むしろ哲学小説として楽しめた。
短編集ならではの多様さ
長編のように構えて読む必要がなく、それぞれの物語に個性があってリズムよく読めた。とくに冒頭とラストは印象が強く、最短の「予期される未来」にも思想の鋭さがあり、「短さ=軽さ」ではないことを痛感した。一方で「デイシー式の進化論」は難解すぎて、自分にはまだ理解が追いつかなかった。再読したら違う景色が見えるのかも