大森望のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
三体が面白すぎたので、劉慈欣短編集も読んでみた。全13遍漏れなく面白かったけど、印象深かったの作品は以下の通り。三体のモチーフにもなってる作品もあるから、好きな人は是非読んでほしい一冊。
郷村教師…あとがきでも触れてたけど、広大な宇宙と小さな個体の描き方がえぐい。2つが交わった瞬間は痺れた。
カオスの蝶…バラフライ効果の意味は知ってたけど、それが物語になるとこんなに面白いのかと。
詩雲…これがダントツ好き。テクノロジーが芸術を超越することはないというのがよく分かって痛烈。
栄光と夢…2国間オリンピック。ありそうで怖い笑
月の光…何度も歴史が動いたようで結局何も起きてないのが面白い。1エンジニア -
Posted by ブクログ
三体IIのラストで白けてしまい続きを読むか迷いました。でも三体IIIではNetflixで気になっていたラダー計画について語られていて、諦めずに読んでよかった。
人類が集団や社会として描かれていて、ソードホルダー、智子に対する評価が状況次第でころころ変化し、絶望の中で救ってくれる存在を渇望するところなど、人類はどんなに時が経って技術が発達しても、本質がまったく変わらない。
宇宙船が4次元空間に入っていく場面を、文章で表現できるところが、作者さん翻訳者さんともにすごすぎます。読んでいて想像力が暴走して、本を閉じても、3次元にいながら脳が作り出す無限大のイメージに溺れます。
宇宙は11次元あるらしい -
Posted by ブクログ
ネタバレ中国の方である劉慈欣が描くSF短編集。『三体』も文庫化されたらすぐ書いたいと思う。「鯨歌」「詩雲」「円」が特に面白かった。
「鯨歌」鯨にチップを埋め込むことにより外部からの制御ができるようになった世界。その技術を利用して薬物の密輸をするマフィアとその技術者。密輸自体は成功したものの密猟者たちによって鯨が狩られて2人とも死んでしまうというもの。新旧の価値観の皮肉が描かれていた。
「地火」石炭労働をメインとした話。技術革新により炭鉱夫の仕事が楽になるはずであったが、技術を過信しすぎたために自然にやられてしまう。父親と局長の言葉が刺さった。
「郷村教師」中国の農村地で一生を終えようとしている老 -
Posted by ブクログ
劉慈欣『三体0 球状閃電』ハヤカワ文庫。
『三体』シリーズの前日譚。『三体』の3部作同様に面白い。
突然発生し、あらゆる物質を透過し、突如として爆発的なエネルギーを放出する球電。何故、球状の中に電磁波が閉じ込められているのか。そんな謎に満ちた球電の正体を追う科学者たち。
ストーリーの中で語られる哲学や科学アプローチの方法は十分に現代の仕事に活用出来る考え方であり、決して創作と軽んじてはいけないと思った。
今の自分の存在が事実であるのか否か。そんな疑問が渦巻くような結末。
本作の中で興味深かったのは球電を発生させるためのパラメータと計算式のシミュレーションを行う過程であった。確かに大昔 -
Posted by ブクログ
本屋では毎回ハヤカワSF文庫の棚を凝視している自分ですが、ちょっと厚めの本作「息吹」は毎回視界に入って印象に残って、しかし購入はしないというパターンが続いてました。
決して軽くはないボリュームですが、2日で一気に読んでしまいました。
SF小説の最高峰とネットのあちこちで書かれていますが、読んで納得。SF小説に求めるものが全部入っていると思います。
私がとりわけ感銘を受けたのは作品のラストを飾る中篇「不安は自由のめまい」です。
人生の選択によって分岐した別並行世界と通信できる装置が、この中篇の中心的なギミックです。誰しも思い描いたことのある「あの時こうしていれば自分の人生はこうなったんじゃな -
Posted by ブクログ
ネタバレ時間をかけて読み終わりました。
SF作品の中でも、特に人間の感情に訴えかけるものが思いの外多く、現代にも地続きに通じるような考え方に心を打たれました。
タイムトラベルから始まり、遠い宇宙の違う種族、自由意志など存在しなくなった世界、AI等等、短編ごとにSFのテーマが全く変わっていて全体を通して読み応えのある作品でした。
特に「予期される未来」は5ページほどで終わってしまう非常に短い短編なのですが、負の時間遅延が実装された事によって自由意志が存在しないという証明になる事実に繋がること、それを知った上で我々がこの先どう生きれば良いのか、これをたった5ページで表現しており、良い読後感を受け取りま