大森望のレビュー一覧
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ネタバレ読みごたえのある作品集だった。こんな一冊にはなかなか出会えないんじゃないかと思うくらいひとつひとつの作品が濃密で、いくらでも深く掘り下げることができる。テーマと読者への問いかけがしっかりしていて、完成度が高い。どれも短編・中編とは思えないくらい、作品の世界に没頭させてくれる。
作品を通してここまで何度も考えさせられる体験は他ではあまり味わえないものだった。前作よりも断然こちらが好みだ。
どれも凄い、けれど特に印象的だったのは「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」だろうか。AIの育成がテーマだが、失敗を重ねて悩み、意見が分かれながらも、現状をよりよくしようとする人間たちのリアルな歩みを見 -
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「三体」、「円」(短編集)ともにとても面白かったので、新年最初に手に取った本
面白かった!
この本でも、ミクロ視点とマクロ視点の切り替えが毎回実に鮮やか
ホラーが苦手なので、タイトルからしておどろおどろしい「呪い5.0」は読み始めるのに心構えが必要だったんだけど、ホラーどころかコメディ…?で面白かった!…と書きたいけど書けないような…
突然の九州シリーズ創始者のひとりがモデルになってる登場人物とか、やっぱり面白いといえば面白いかな
(九州シリーズは、ドラマ「九州縹緲録」と「斛珠夫人」視聴済)
1番好きなのはこれ!って即答できないくらいどれも面白かったけど、あえて選ぶなら中国太陽…いやミクロ紀元 -
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ネタバレ我らが大劉こと劉慈欣、バカSF炸裂。
いやもう、読みながら「バリントン・J・ベイリーみたいだな・・・」と、我ながらちょっと極端だなぁと思える感想を抱きながら読んだんですけど、あとがきで大森望氏が正にその通りのことを書いていて、決して極端な感想ではなかったのだな、と安堵しましたヽ( ´ー`)ノ
とにかく針の振り切れまくった作品ばかりで、その振り切れ具合に大笑いさせられつつも、根底に重厚なハードSFの骨格があり、そのどこかに豊かな詩情とペーソスを感じるのが、さすがの大劉節です。
・・・とまとめたいのに、それを妨げる「呪い5.0」の破壊力といったら(笑)作中に「SF作家の劉慈欣」が登場してSF超大 -
購入済み
頑張って読む価値はある
これほどの世界観を作者1人の頭の中で作り上げたというのが尋常ではない。
自分はNetflixの映像作品から入ったけどやっぱり原作は読まなきゃダメだなと感じた。 -
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フィリップ・ディックはいくつか長編を読んだことありますが短編は初めてです。長編は面白いんだけどよくわからないことも多いのですが、短編では言いたいことが直接的に書かれて分かりやすいです。
なにかの本のあとがきでフィリップ・ディックが小説を書く理由として「この世界では生きられない自分の愛する人たちが生きられる世界を作る。本来なら自分を現実に合わせるが自分はそれができない。それがSFを書くっていうこと」といっていたのと、自身の生活やら小説テーマが社会に抵抗するところもあるので、反抗的な印象があったのですが、この短編を読むと平和や人間の自由をのぞみ、やりすぎた管理を批判する当たり前の感覚でした。。
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当代随一のSF作家、テッドチャンの2冊目。前作は心に残るけれど難しい、と思ったんだけど、今作は泣けた。
もう1作目の「商人と錬金術師の門」から文字通り泣いたもんね。事実は変えられないタイムマシンで亡くなった妻に会いに行く夫。泣くしかない。悲しいんじゃなくてよかったよねって。
「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」は心に残った。アナとデレク、どっちの決断を自分なら支持するだろうか…デレクがかわいそうじゃん、みんな結局自分が可愛いんじゃん、と思っちゃったけど。
「不安は自由のめまい」はタイトルが美しすぎて。自由意志ってないかもだけど、だけどその時自分がした決断に意味がないってことはないよ! -
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目次
・老神介護
・扶養人類
・白亜紀往事
・彼女の眼を連れて
・地球大砲
劉慈欣の書くSFのテーマって、どことなく懐かしさを感じるのはなぜだろう。
『老神介護』は、最初こそ神様のみすぼらしさと情けなさに、にやにやしながら読んでいたのだけど、最後まで読むと『三体』と地続きのテーマであることが分かった。
続編と言える『扶養人類』に至っては、まんま『黒暗森林』なのである。
ところで、以前から私は、中国における神様の存在について知りたいと思っていた。
日本だと、日本古来の神様のほかに外国からやってきた神様も、えらい人間または恐ろしいことをしそうな人間も亡くなると神様になる。
たまには生き神様ま -
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ネタバレテッド・チャン作品がハードSFでありながら広く受け入れられている理由は、映画化のタイトルに象徴されるように「メッセージ」が明快で、美しいことにあると思う。ハードSFらしい現実離れした世界観やアイデアがありながら、詩的で流麗な筆致が読者を引き込み、力強いメッセージを胸に刻んでいく。本当に稀代の作家だと思う。
様々な価値観、背景を持った人間たちが「運命」(世界の運命かもしれないし、自分の運命かもしれない)に直面した時、何を考え、どう振る舞うのかを徹底的に突き詰めていく作品が多い。ここまで多様な価値観を一人で想像できるのか、と驚かされる。
著者は死ぬほど頭が良く、人間の知性を強く信じてもいるので -
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ネタバレ目次
・流浪地球
・ミクロ紀元
・呑食者
・呪い5・0
・中国太陽
・山
『三体』シリーズで壮大な世界を見せてくれた劉慈欣の短編集。
『三体』のなかでも、歴史小説風、ゲームの世界風、恋愛小説風等、様々なテイストがありましたが、短篇集はそれをもっと純度を高くしたような感じでした。
『流浪地球』は、ぜひ萩尾望都のマンガでも読みたい。繊細な心理描写と、茫漠たる世界。
断片的だけど萩尾望都の絵が脳内に浮かんでくるの。
『ミクロ紀元』は、フレドリック・ブラウンをマンガ化した波津彰子かなあ、坂田靖子かなあ。
現実を淡々と受け入れるか、飄々と受け入れるかで、読者の受け取り方も変わってきそう。
『呑食 -
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良作ぞろい。素晴らしいSFアンソロジー。
「社員たち」★★★☆☆
- 短いジョークSF。会社が地中に沈んだから掘る。
「忘却の侵略」★★★★★
- 理屈っぽい僕の妄想おバカSFかと思いきや、しっかりガチめのSF設定で満足。
- 地球はいま異星人に侵略されている。しかし、その侵略者は誰にも観測されていない。姿を消すことができる?否、記憶を消すことができる。そんな異星人との戦い。
「エンゼルフレンチ」★★★★★
- ロマンチック宇宙SF。探査機に意識をコピーした後死んでしまった彼。
「七歩跳んだ男」★★★★★
- 史上初の月面殺人事件。月面基地に旅行に来た有名作家が殺された。
- ハードS -
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恐竜と蟻のSF。恐竜好きなので表紙に惹かれた。『三体』は勇気がいるので、その前にこの本が読みたかった。
白亜紀末期、恐竜と蟻が互いに協力し、高度な文明を発達させていたとしたら…。
ティラノサウルスの歯に詰まった肉をたまたま蟻たちが掃除したことからはじまる。
こういうとんでもない発想大好きだー。
竜蟻サミットの様子を想像すると可愛い。
次第に両者に亀裂が生じていく。
読み進めていくうちに、「あれ?これってもしかして⁉」となる。
エピローグも良かった。
これからは蟻を見る目が変わるかも笑
やっぱりSF好きだー。
次は『三体』にもチャレンジしたい!
Audibleにて。