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環境悪化と人口増加のため、政府はやむなく“時間移民”を決断。全世界に建設された200棟の冷凍倉庫に眠る合計8000万人の移民を率いて、大使は未来へと旅立つ……。表題作「時間移民」のほか、宇宙からやってきた“音楽家”が国連本部前のコンサートに飛び入り参加して太陽を奏でる「歓喜の歌」、『三体』でも活躍した天才物理学者・丁儀がクォーク分割に挑む「ミクロの果て」、すべてを見通しているかのような男に警察が翻弄される銀河賞受賞作「鏡」、太陽系の果てへとひとり漂流する少女を全人類がネット経由で見守る「フィールズ・オブ・ゴールド」など全13篇を収録する、劉慈欣の傑作短篇集。
【収録作品】
時間移民
思索者
夢の海
歓喜の歌
ミクロの果て
宇宙収縮
朝(あした)に道を聞かば
共存できない二つの祝日
全帯域電波妨害
天使時代
運命
鏡
フィールズ・オブ・ゴールド
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
・時間移民
・思索者
・夢の海
・歓喜の歌
・ミクロの果て
・宇宙収縮
・朝(あした)に道を聞かなば
・共存できない二つの祝日
・全帯域電波妨害
・天使時代
・運命
・鏡
・フィールズ・オブ・ゴールド
劉慈欣の小説を読むと、中国の文芸らしい「壮大なほら話」さが満載で、楽しい。
「一日千秋」とか「白髪三千丈」とか、とにかく表現のスケールがでかいやつね。
素粒子から無限の宇宙まで、私達の世界はこんなにも可能性を秘めていた。
作者は丁儀が好きなのね。
と言っても名前が同じだけで、同じ世界に住んでいる人ではないけれど。
反転する宇宙を体験する丁儀や素粒子になってしまった丁儀。
ぽんぽんと立て続けに丁儀が出る短い作品が三作。
ここ、楽しかったゾーン。
『時間移民』を読んで、フレドリック・ブラウンの『血』を思い起こしてしまった。
もし最後のオチが「私達は、あなた達の言葉で言うところの、カブから進化した植物人です」なんて言うセリフだったらどうしようって…。
もしそんな落ちならパクリ以外の何物でもないが、当然『時間移民』のオチは、もっと哲学的なものだった。
『朝に道を聞かば』は、科学者とは…と突き詰めたときの、一つの答えなのだろう。
でも私は、QuizKnockの須貝さんの「すべての真理を知っても誰にも伝えられないのなら、知らなくていい。自分の研究が次の世代に繋がって真理に続いていくのなら、自分がその結果を知らなくてもいい。科学ってそうやって進歩してきたのだから」という言葉に感銘を受けたので、丁儀には一歩立ち止まって考えてみてほしかった。
そしてスティーヴン・ホーキングだけが排除されたことの意味。
そういえば『歓喜の歌』にはリチャード・クレイダーマンが出てきたので、脳内で『渚のアデリーヌ』が止まらん。
『全帯域電波妨害』は、ミノフスキー粒子のせいでレーダーがし使えなくなったガンダムの世界のように、電波を使えない世界での戦争を描く。
結局は白兵戦なのね。
『フィールド・オブ・ゴールド』はケン・リュウが好きそうな話だなあと思って読んだのだけど、アメリカでは彼が翻訳したものがアンソロジーで紹介されたらしい。
直接この本を読んでの感想ではないけれど、ケン・リュウの『紙の動物園』や劉慈欣の『フィールド・オブ・ゴールド』を読んだとき、自分の命が尽きた後にも何かを繋いで残していこうという気持ちの強さが、したたかな中国という国と重なった気がした。
最近のアメリカや日本のように目先の得ばかりを考えるのは、実は脆弱な思考なのではないかと思っている今日この頃。
自分ではない人たちに、何を残せるのか。
Posted by ブクログ
Netflixドラマにもなった「三体」の劉慈欣先生の短篇集。
「時間移民」「思索者」「夢の海」「歓喜の歌」「ミクロの果て」「宇宙収縮」「朝に道を聞かば」「共存できない二つの祝日」「全帯域電波妨害」「天使時代」「運命」「鏡」「フィールズ・オブ・ゴールド」の13作品を収録。
SF×哲学の「時間移民」「共存できない二つの祝日」「朝に道を聞かば」
SF×戦争の「全帯域電波妨害」「天使時代」
SF×科学の「宇宙収縮」「思索者」「ミクロの果て」
三体を感じる「夢の海」「歓喜の歌」
・・・などなどSFといってもいろんなタイプの作品があり、1つ1つの作品で違った世界観に一気に引き込んでくれるものばかりで、どの作品もSFの醍醐味でもある未知の世界との接触のようなワクワク感があり本当に楽しめました。短篇集1の【円】を読めていなかったので読みます。
個人的には「共存できない二つの祝日」「思索者」「宇宙収縮」「フィールズ・オブ・ゴールド」あたりが好きでした。
本当におすすめです。
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