大森望のレビュー一覧

  • ドゥームズデイ・ブック(上)

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    まず、一言。
    ハヤカワさん、この表紙は手に取りにくいです(汗)
    少女マンガ?

    コニー・ウィリスの仕掛けるタイムパラドクスシリーズの第一弾、
    今作ですが、プロットといい、ストーリー展開といい、
    作品の裏に流れる思想といい、
    あらゆる点で秀逸の作品です。

    時は未来。
    その時代、考古学の研究は、
    時間をさかのぼり、その時代に実際に赴き、
    現場で調査をする方法へと進化しています。

    オックスフォード大学の女学生キブリンは、
    中世のイギリスへと調査に出るのですが、
    その直後、エンジニアが高熱に倒れ、
    キブリン自身も到着した中世の世界で、
    高熱に倒れます。
    果たして彼女は、現代へと帰ってこれるのか!

    という、タイムパラドクスでありがちな始まりなんですが、
    いやいや、それがそんなに浅くないんです。
    「なにが浅くないのか」を言ってしまうと、
    ほぼネタバレとなってしまうので、
    気になった方は、読んでみることをお勧めします。
    決して損はさせません。

    芯が強く、決してあきらめないキブリンも魅力的なんですが、
    キブリンを現代に戻す手立てを必死に探しまわるダンワージー教授も、
    とても魅力的な人物です。
    コニー・ウィリス自身は、ダンワージーは、
    ハリソン・フォードを思い描きながら書いたと言ってましたが、
    そうやって想像して読むと、またこれがうまくはまるんです(笑)

    ぜひぜひ一読を。

    それにしても、当たり前のことですが、
    中世イギリスで話されていた英語と、
    現代の英語はまったく違うんですねぇ。

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    2009年12月20日
  • ドゥームズデイ・ブック(上)

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    時間旅行が可能になった未来。
    大学の研究者で、中世に遡る実習をするヒロイン。
    ところが、時間軸がずれ、ペストが流行する時代についてしまう。
    しかも、未来でも問題が起こり…
    迫力があります。

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    2009年10月11日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    タイムトラベルが可能になっている未来から、19世紀へ。
    犬と猫を連れてのてんやわんやのテムズ川の旅。
    若い二人の研究者のロマンス。
    「ボートの三人男」へのオマージュも。

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    2009年10月11日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    この本が2冊以上の別の本を読むきっかけを作ってくれたことに感謝したい。
    →ボートの3人男
    →スターファイター
    →コニー・ウィリスの別の本
    ヴィクトリアンなお友達がたいへんかわいらしい。
    詩も読もうかな。

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    2009年10月04日
  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    内容(「BOOK」データベースより)
    21世紀のオックスフォードから14世紀へと時をさかのぼっていった女子学生キヴリン。だが、彼女が無事に目的地にたどりついたかどうか確認する前に、時間遡行を担当した技術者が正体不明のウイルスに感染し、人事不省の重体に陥ってしまった。彼女の非公式の指導教授ジェイムズ・ダンワージーは、キヴリンのために、新たな技術者を探そうと東奔西走するが!?英語圏SFの三大タイトルを独占したコニー・ウィリスの作。

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    2009年10月04日
  • ドゥームズデイ・ブック(上)

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    内容(「BOOK」データベースより)
    歴史研究者の長年の夢がついに実現した。過去への時間旅行が可能となり、研究者は専門とする時代を直接観察することができるようになったのだ。オックスフォード大学史学部の女子学生キヴリンは、実習の一環として前人未踏の14世紀に送られた。だが、彼女は中世に到着すると同時に病に倒れてしまった…はたして彼女は未来に無事に帰還できるのか?ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞した、タイムトラベルSF。

    読後感は物凄い。

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    2009年10月04日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    売れている理由がよく分かりました。面白い。
    文学賞そのものの紹介とか斬ってるとかよりも、文学界の批評や、本の感想(解説というよりも)が面白いかな。
    結構私と同意見の感想などもあり、かなり共感できました。

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    2009年10月07日
  • ドゥームズデイ・ブック(上)

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    ネタバレ

    とにかくせつない。ラストの焦らしに心が潰されそうになり、最後に涙腺決壊です。
    中世にタイムスリップした近未来の女子大生が、ペストの大流行に巻き込まれ、時を同じくして、大学でも伝染病が発生する。人が死にまくる系なので、かなり暗いんですが、コニー・ウィリスはどこか書き方にユーモアというか、軽い希望を感じますね。
    リアルな不潔で汚い中世も存分に拝めます。あと師弟愛に萌え萌えしてください。

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    2011年05月01日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    今リターンズ(続編)読みかけなんですが、やっぱすんげーおもろい。そして、為になる気にさせてくれるいい本だ。
    日本の主な文学賞についてと、文学賞受賞作について、著者二人がバッサバッサと歯に衣着せず斬りまくっていくブックレビュー?プライズレビュー本?
    恐ろしい読書量で(章の下読みとか・・・)的確に評価を下していくので、非常に信頼がおける。これ読んで、手を出してみた本がいっぱい。またリターンズで薦められてるのも、いろいろ読もー。
    そしてキモは有名文学賞選考委員の皆様、特にジュンちゃん(渡辺淳一)、テルちゃん(宮本輝)をいじる辺りが最高っす!!
    このノリが好きな人は絶対クラシック評論の評論家鈴木淳史さんも好きだろう。と勝手に薦めておく。

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    2009年10月04日
  • ドゥームズデイ・ブック(上)

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    おもしろかった〜〜〜。タイムトラベルとかきくと、げげっと思うほどSFは苦手なのに、ぜんぜん違和感がなく、すごく楽しめた。歴史家がタイムトラベルで過去に行って研究するのが普通になっている未来の話。前半までは、ユーモアたっぷりに描かれる未来と、情緒的な中世をのほほんと楽しみ、でも、後半からはタイムトラベルで向かった中世の、疫病の、恐怖をたっぷり味わって。本当にこわかった。ラストに近づくにつれてどんどん人が死に、すさまじい場面に読むのがつらかった。でも、どうなるんだろう、と読むのをやめられない。そして、そんな地獄のなかにひとすじの光を見るような、なんというか、すがすがしさ、高貴さ、を感じるような。作者の、希望を捨てちゃいけない。あきらめちゃいけない。っていう、そんな人生観のようなものが感じられて。コニ・ウィリス、大好きかもしれない、と思いました。

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    2011年09月18日
  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    おりしも、送り出した側の現代イギリスでもインフルエンザが爆発的に流行し、重要人物も倒れていく。キヴリンの指導教官と亡くなった女医さんの甥っ子はどうする。

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    2009年10月04日
  • ドゥームズデイ・ブック(上)

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    かわいい女の子の絵にだまされてはいけない(^^; 難解だった?コニー・ウィリスのはらはら・ドキドキ、劇的な作品。映画みたい。
    歴史を学ぶ女学生キヴリンは、中世イギリスに旅立つ。しかし、様子がおかしい。注意して避けたはずのペスト流行のさなかに到着してしまったのだ。

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    2009年10月04日
  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    どんな時代であれ、生があり、死があり、その時代に生きる人々のささやかな喜びや悲しみがある。タイムトラベル先の14世紀のイングランドの片田舎で、ペストの蔓延により、知己が次々と倒れていくなか、キンバリーは身をもってそのことを思い知らされたのでは。歴史とは、後世に名を残すこともなく生き、死んでいったこの人の、あの人の人生の集まりなのだと。

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    2010年03月14日
  • 三体2 黒暗森林 下

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    未来描写が良い。
    技術の発展と言うより人類の退化を補う為の発展と取れるところが安心できなくて良い。
    近年、表情や言葉の含みを読み取ったり、自ら発信する能力が衰えていると言う話しを聞いた後だったので、感情を分かりやすく表示するディスプレイ付きの服は背中が冷んやりした。

    話しそのものは、かなりキレイに終わったけど…続くの?

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    2026年10月04日
  • 三体2 黒暗森林 上

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    1よりカナリ面白い。
    ウォールブレイカー達の登場が漫画すぎてニヤニヤしたが、いざ動き出したら只者ではなかった。
    読み解けるんじゃないかとウォールフェイサーが何してたか読み返したけど、私はウォールブレイカーにはなれなさそうです。
    あとルオ・ジーは控えめに言ってもキモい。

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    2026年09月23日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    『三体』の著者の短編集です。 13編の作品が収録されています。どれも粒揃いで、読み応えのある作品ばかりです。
    わたしが気に入ったのは、「円円のシャボン玉」です。

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    2026年09月18日
  • 三体2 黒暗森林 下

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    ネタバレ

    冬眠から覚醒した羅輯たちが三体世界と戦うお話であった。恵子が破壁人であったり、精神印章の使い道だったりといろんなトリックもありつつ、宇宙社会の公理から導かれた羅輯の呪文によって三体からの侵略を止めることができた。
    水滴が平和の象徴と思いきや地球艦隊を次々滅ぼしていく様子や生き残った艦隊が滅ぼし合うシーンは正直救いがないと感じた。しかし羅輯の星の位置を知らせるという呪文を材料に三体世界との交渉が成功して地球は滅びずに済んだが、この仕掛けがすごく面白いと感じた。
    三体からの侵略からは守られたがまだ三巻に続くようなのでこの続きがさらに楽しみ。

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    2026年09月16日
  • 三体

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    いまさらだけど、読んだ〜!
    シリーズで5冊、しかも結構分厚い、だが面白くてページをめくる手が止まらない!ってことで、時間が取れる時でないと、と思ってたら、いまさらになりました。

    SF小説は大好きで、初っ端の文化大革命の歴史小説ぽさで、ちょっと?となりましたが、そこからの怒涛の展開に、まさに手が止まりませんでした。

    史強が良いですね。天才科学者が多く出てきますが、結局この人は本当の意味で賢く強いと思わされました。地に足をつけて自分の目で見て耳で聞き、自分の頭で考えて行動する。その行動を経験として全て血肉に変えていける人です。

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    2026年09月14日
  • カエアンの聖衣〔新訳版〕

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    ネタバレ

    人の意識に作用する植物の繊維。身に着けるもので人格が変わる点に着目したのは面白い。確かに人間は不思議。スーツは戦闘服、神職の衣服は特権階級。身に着けるもので自分自身をも変容したように「錯覚」させ、他人を欺く効能がある。
    一皮むけば、ただの無力な無毛動物なのに。
    カエアン製の衣類、一枚欲しくなること間違いなし。

    主人公にいまいち感情移入できなかったけど、能動的な支配欲で身を滅ぼすのは結局人間なのね、と妙に納得した。

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    2026年09月12日
  • トータル・リコール

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    映画化された「トータル・リコール」と「マイノリティ・リポート」を含む短編集。全10篇。

    目次と原題のタイトル、翻訳者名は下記のとおりになっている。

    ■トータル・リコール(We Can Remember It for You Wholesale)(深町眞理子/訳)
    ■出口はどこかへの入口(The Exit Door Leads In)(浅倉久志/訳)
    ■地球防衛軍(The Defenders)(浅倉久志/訳)
    ■訪問者(Planet for Transients)(浅倉久志/訳)
    ■世界をわが手に(The Trouble with Bubbles)(大森望/訳)
    ■ミスター・スペースシップ(Mr. Spaceship)(大森望/訳)
    ■非O(ナルオー)(Null-O)(大森望/訳)
    ■フード・メーカー(The Hood Maker)(大森望/訳)
    ■吊されたよそ者(The Hanging Stranger)(大森望/訳)
    ■マイノリティ・リポート(The Minority Report)(浅倉久志/訳)
    ■編者あとがき/大森望

    「マイノリティ・リポート」が一番ボリュームがある。73ページの量だ。「トータル・リコール」は、47ページである。
    両作品とも映画とはだいぶ違う。映画版は、原作のアイデアを借用したという程度で、ストーリーの大筋も違う。「マイノリティ・リポート」の主人公は映画と違い犯罪予防局の「長官」で、息子も出てこない。
    「トータル・リコール」は、まるっきり違うといってもいい。映画版との違いを楽しめるという点で、全く同じよりはいいのかもしれない。

    これら2作のほかは、「訪問者」が良かった。31ページと短いながらも、納得の結末までうまく構成されている。

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    2026年09月10日