大森望のレビュー一覧

  • オール・クリア1

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    第二次世界大戦下のイギリスの様子を観察するためにタイムトラベルしたオックスフォード大学史学部生たちを巡る冒険を描いたシリーズ第2巻。

    前作『ブラック・アウト』で謎だった部分が徐々に明らかになっていき、ぐんと面白さを増してきた。はたして学生たちは無事、2060年に帰還できるのか? 最終巻『オール・クリア2』が本当に楽しみだ。

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    2013年05月19日
  • オール・クリア1

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    ネタバレ

    待ちに待ったブラックアウトの続編,というか,もともとニコイチなので,後編というべきか? いや,「オール・クリア”1”」なので,後編の前編だ.
    時々関係がない(ように思える)エピソードが挟まっていたんだけど,それも段々繋がってきて,あと残すは3つぐらいか? でも,名前が違うから確証がないんだよなあ.2が出版される6月が待ちきれません.
    431ページ上段左から6行目はアイリーンじゃなくてポリーですね.

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    2013年04月26日
  • ブラックアウト

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    オックスフォード大学史学部タイムトラベル・シリーズの第三長編(の前編)。
    であることを、解説を読んで初めて知った。
    (コニー・ウィリスをはじめて手に取った)

    2060年のオックスフォード。タイムトラベル技術を駆使して、過去の出来事を実地観察する「航時史学生」たちが主人公。

    本作は第二次世界大戦下のイギリスを観察するために、3人の主人公がそれぞれの時期、それぞれの場所に赴く。
    規則として、滞在期間を厳密に決定したうえで過去に赴き、定期的に報告のために現代に戻らないといけないし、仮に設定期間を過ぎて戻らない場合は、回収部隊がやってきて強制的に連れ戻されるという基本ルールがある。にも関わらず何か

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    2013年03月21日
  • ブラックアウト

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    ネタバレ

    読む前から「オールクリア」という続編が未刊であることを知ってはいたが..... ああ,でも止まらない.止められない.
    「犬は勘定に入れません」の前半はとても読みにくかったが(とは言っても,それが作者の狙いでもあるのだが),あっという間に読み終えてしまった.ロンドンの中の話が多いので,何となく通りや駅の位置関係がわかる,って言うのも理由かも.一見ハイティーン向けのようにも思えるんだけど,全然安っぽくないんだよね.ポリーの気がかりは一体何なのか? 53章で登場したのは誰なのか? 「オールクリア」,本当に4月に出るんでしょうな? じゃないと怒るよ,ホントに.

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    2013年01月10日
  • ブラックアウト

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    ダンワージー教授と航時史学生(ヒストリアン)が今回向かうのは第二次世界大戦。
    750ページのボリュームが期待感をあおる!

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    2012年11月25日
  • 新編 SF翻訳講座

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    単純に、面白かった。SF<翻訳だし、出てくる作家は半分近く知らなかったが、じゅうぶんに楽しませてもらった。
    翻訳論としてはSFにかぎらず一般論として通じると思うし、なによりもしっかり読み物になっているところが立派。最近、いくつかお堅いものを読まざるをえない状況だったせいか、余計にのめり込んだ気がする。
    業界の話しかり、いずれ本の一冊でもと思っている人間には、丁寧かつエンターテインメントなガイドブックであったといえる。もっと小説を読まないと。

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    2012年11月24日
  • 新編 SF翻訳講座

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    he/sheの訳し方で悪訳を見分ける方法にはすごく影響を受けた。これをSFマガジンの連載で見て以後うん十年、小説を読んでいて彼/彼女という単語が出てくると、気になってしょうがない。

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    2012年11月07日
  • 新編 SF翻訳講座

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    目から鱗な翻訳技術はもちろん翻訳界やSF界の裏話まで、頷いたり唸ったり抱腹絶倒したり寝るのを忘れたりしながら読める本。
    翻訳家を目指さない(資質も無いので目指せない)私にとっても今後SF翻訳小説を読むのが更に楽しくなりそうなヒントが詰まっていてイイ。

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    2012年10月16日
  • 新編 SF翻訳講座

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    ネタバレ

    「翻訳なんて、要は英文和訳でしょ」と思っている人には是非読んでほしい。翻訳と英文和訳は似て非なるモノであることがわかるはずだ。

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    2012年10月09日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    タイムスリップでヴィクトリア朝ドタバタ下巻。映画化を希望。パラドックスのややこしいところは簡略できなくはないし、犬のシリルのおちゃめぶりだとか、フィンチのジーヴズっぷりだとか、きっと映える。じゃじゃ馬ならしで恋に落ちたトシーに爆笑、規則は破るためにあるレディに爆笑、翻訳小説でこれだけ爆笑するのも珍しい。ローカス・ヒューゴーダブル受賞はやっぱり伊達じゃない。

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    2012年10月07日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    SFで題名がコレというので確実にコメディと敬遠していた自分が馬鹿らしい。何故か執事役やってる未来人のフィンチが完璧にジーヴスだし、思った通りジェロームのボートの三人男だし!犬は勘定にいれませんし!キャラクターが生き生きして、大笑いしながら、ヴィクトリア朝風に自分でもあれこれ仰々しい引用を思い浮かべながら読むとさらにベター。

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    2012年10月06日
  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    ネタバレ

    タイムトラベルが歴史研究目的で行われるようになった21世紀中盤。
    オックスフォード大学史学部の学生、キヴリンは14世紀の農村に実習で赴いた。しかし、到着直後、彼女は病に倒れてしまう。一方21世紀でも謎のウイルスが蔓延し始めた。二つの時代を席捲する病。キヴリンもまた、「ドゥームズデイ」(世界の終わり)というべき悲劇に直面する……

    「犬は勘定に入れません」のほうを先に知っていて、この本に興味を持ち読みました。すばらしい物語でした。
     
    この物語のタイムトラベルシステム、「ネット」はタイムパラドックスを許容しません。歴史家たちは個々の人間に関わることはできても、歴史の大きな流れを変えることはできま

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    2012年09月06日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    出だしは設定がわかりづらくて本当に読みにくいが、テンポがよくてよしもと新喜劇みてるような可笑しさがある。

    舞台はタイムトラベルが可能となった未来からタイムトラベルした第二次大戦のさなかやヴィクトリア時代の過去。話の随所に出て来る英文学の古典がドタバタ加減にいっそうの可笑しさを醸し出している。そちらの知識があったらもっと面白かったのに。

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    2012年10月13日
  • アジャストメント ディック短篇傑作選

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    ディック好きなら迷わず買うべし。内容は既に他の短編集におさめられたものもあるが、小品「さよなら、ヴィンセント」や、講演の原稿でありかなりヤバい内容の「人間とアンドロイドと機械」など、ファンとしては押さえておきたいものが収録されている。「人間とアンドロイドと機械」はディックが「アンドロイド」をどんな視点で見ていたのか分かる一方、彼自身を少しずつ蝕みつつある狂気も垣間見えて興味深い。

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    2012年05月04日
  • アジャストメント ディック短篇傑作選

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    近未来・異世界の描き方ではディックは随一である。キングとディックで描かれる歪んだ、変節した日常以外に他の作家はいったいどれだけのオリジナリティを発揮できるのか。

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    2012年04月29日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    上巻に引き続きタイムトラベルしまくりの下巻である。主人公達の思惑通りにはことが進まずにあわや歴史は変わってしまうのか?と思いきやそんなことは無くきっちり丸く収まり“主教の鳥株”は見つかる。結局時間の流れは変化を嫌い、自ら修正しようともするわけである。作中で述べられている通りの職業の人物が犯人か?と思いきや実は意外な人物が犯人でしたというパターンでミステリとしても秀逸。タイムトラベルSFであり、歴史小説であり、ミステリであり、恋愛小説であり、コメディであり、あらゆる要素を含んだエンタメ大作である。登場人物(犬1匹と猫1匹含む)も皆愛着の持てるコミカルな造形で魅力的である。上巻前半の読みにくい部分

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    2011年11月13日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    時は2057年。いくつか制約があるもののタイムトラベルが可能となった時代。オックスフォード大学はコヴェントリー大聖堂の復建に協力している。同大学史学部の院生である主人公のネッドは復建に必要な”主教の鳥株”をみつけるように命じられ過去と現在を行ったり来たりするのだが疲労困憊で倒れてしまった。ちょっとした休暇をとるために19世紀ヴィクトリア朝に軽い任務とともに派遣されたものの任務を忘れたままで行動していたら時空連続体の存亡をかけて奮闘することに……。

    主軸はタイムトラベルSFであるがミステリであり恋愛小説であり歴史小説でありユーモア小説でもある。下巻のレビューで改めて感想を述べます。

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    2011年10月18日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    タイムトラベルものにパラドックスはつきものだが、それがこの物語では必要不可欠で一番の魅力。なんだかバタバタと不親切極まりないスタートで無事に読み終えれるか不安であったが上巻途中から目が離せなくなって、下巻に至っては一気読み。イングランドの歴史や文学をもっと知ってたらもっと楽しめたんだろうな。

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    2011年10月08日
  • アジャストメント ディック短篇傑作選

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     今回この短編集を購入したのは表題作である「アジャストメント」を読むためではなく(同作ももちろん面白いのですが)、巻末に収録されたディックの講演原稿「人間とアンドロイドと機械」を読むためです。
    「人間とアンドロイドと機械」は、遺作となったヴァリス三部作の執筆中にディックがイギリスで行う予定だった講演の原稿に加筆したもの。体調不良のためディックが渡英を中止したためこの原稿が残された唯一のものとなりました。
     ディックが終生作品のテーマとして持ち続けた「アンドロイド」という概念が一体何を意味しているのか。またディックの作品に共通してみられる記憶の改変、真実の隠蔽といったモチーフについてもディック自

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    2011年07月25日
  • ドゥームズデイ・ブック(上)

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    ネタバレ

    ダンワージー教授シリーズにはシリアスとコメディがあって
    コメディには『犬は勘定に入れません』があり、
    シリアスではこれ! らしいです。
    でも上巻は割と『犬は~』のノリで読めちゃう。

    携帯電話とウォシュレットの無い世界は
    斯くも過酷であった。

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    2011年06月29日