大森望のレビュー一覧

  • 超新星紀元

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    三体シリーズ並みの期待値で読むべからず。デビュー作ということで粗削り感は否めないですが劉慈欣パワーやこの後の作品への進化は感じ取れるので読んで良かった。

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    2023年07月23日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    とんでもない大ボラ話を、破綻させずに描き切る腕力がある。ストーリーテリングの巧みさもなかなか。

    「郷村教師」での地と天の落差!感動的な話であると同時に、この上なくバカげた話であるという離れ業。「詩雲」もワイルドな想像力を発揮している。

    「月の光」や「メッセンジャー」みたいな小品もあざやか。

    中国の作家だけあって、「カオスの蝶」や「栄光と夢」など、アメリカに爆撃されたり経済制裁されたりの側から描いている。「地火」や「円円のシャボン玉」も中国人作家ならでは。

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    2023年07月15日
  • 小さな黒い箱 ディック短篇傑作選

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    小さな黒い箱
    「アンドロイドは…」に出てくるエンパシーボックスが宗教として駆け出しの頃の話。まだ信者も少なく、小さなカルトでしか無いが、「アンドロイドは…」では太陽系全域に信者を持つ大宗教になっている(キリスト教かよ)。
    「アンドロイドは…」では謎の老人は売れない役者だと暴かれていたが(メディアの嘘かもしれんが)、それよりも着目すべきは箱を送りつけてる組織だろう。
    共感中の怪我まで「共感」できる道具を家庭用品から作れるとあるが、これはどんな宗教への入信も自分の家からできますよって感じのメタファーかな?

    輪廻の車
    やったんだろ?17歳の子と。やらせてもらったんだろ?抗生物質だけじゃなくて、やらせてもらったんだろ?このスケベ!!

    ラウタヴァーラ事件
    臨死体験中に見る悪夢ってマジ最悪だね。怖すぎだし救いもないし。かわいそう。

    待機員
    人が真面目に生きてない世界で、大事な事は機械が決めて人はそれに従う。そうなれば優秀な人材は機械から離れた位置で仕事をする。だからバックアップ大統領選をアホの田舎者に選出したのかな?優秀な人材をバックアップとして持っているのは勿体無いもんね。

    ラグランド・パークをどうする?
    歌った事が現実になる能力、ドラえもんの「ウソ800」に少し似てるけど、それよりすごい。
    神の力にも匹敵する力だけど、それほどの力を1人の人間が握るのは怖いね。自分の能力に自覚してたら本当に神になれたのに、自己をもっと上手く認識研究する事ができたらよかったのにね。

    聖なる戦い
    ドラえもんの「バイバイン」がかけられたガムが自販機で売られる。それに気づいたスパコンが核攻撃を試みる、事に気づいた人間が止める。止めてる間に攻撃の根拠をスパコンに聞くが要領を得ない←ココが人類敗北の原因やろ。スパコンとのコミュニケーションをしっかりしとけば負けなかった。何事にもおいてもコミュニケーションを怠ると負けると言う教訓。

    運のないゲーム
    マッチポンプ詐欺師サーカス団。小さいロボに働かせた方が生産性高くないんか?罠で捕まえたロボは回収すんのかな?

    傍観者
    好きに生きさせてくれ、人に迷惑かけない限り。生き方を強制しないで。学校の校則とかも生き方の強制だよね。

    ジェイムズPクロウ
    人だけの社会になったらまたどうせ戦争するんでしょ?共生できないのが人間っぽいよね。

    水蜘蛛計画
    面白い。SF作家が予知能力者だと誤解して誘拐するとか。しかも後々作家はみんな処刑されるのかいな。作者自身の作品名も出てくるし、少し複雑だった。過去を変えたせいで今が変わったが、変わったのは人の記憶だけなのかな?最後のメモはオークションでフィリップが落札して、この話を執筆したって感じかな?

    時間飛行士へのささやかな贈り物
    永遠の命なんてささやかでもなんでもねえ!つらすぎる!

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    2023年07月20日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    作品紹介・あらすじ

    北京五輪の開会式を彼女と見たあの日から、世界はあまりにも変わってしまった――『三体X』の著者・宝樹が、中国の歴史とある男女の運命を重ね合わせた表題作、『三体』の劉慈欣が描く環境SFの佳品「月の光」、春節シーズンに突如消えた列車の謎を追う「折りたたみ北京」著者の郝景芳による「正月列車」など、14作家による中国SF16篇を収録。ケン・リュウ編による綺羅星のごときアンソロジー第2弾。解説/立原透耶 本書は新☆ハヤカワ・SF・シリーズ『月の光 現代中国SFアンソロジー』を改題・文庫化したものです。
    〈収録作品〉
    序文
    ケン・リュウ
    夏笳(シアジア)「おやすみなさい、メランコリー」
    劉慈欣(リウ・ツーシン)「月の光」
    糖匪(タンフェイ)「壊れた星」
    韓松(ハン・ソン)「潜水艇」「サリンジャーと朝鮮人」
    程婧波(チョン・ジンボー)「さかさまの空」
    宝樹(バオシュー)「金色昔日」
    郝景芳(ハオ・ジンファン)「正月列車」
    飛氘(フェイダオ)「ほら吹きロボット」
    張冉(ジャン・ラン)「晋陽の雪」
    吴霜(アンナ・ウー)「宇宙の果てのレストラン――臘八粥」
    馬伯庸(マー・ボーヨン)「始皇帝の休日」
    顧適(グー・シー)「鏡」
    王侃瑜(レジーナ・カンユー・ワン)「ブレインボックス」
    陳楸帆(チェン・チウファン)「開光」「未来病史」
    エッセイ 王侃瑜/宋明煒(ソン・ミンウェイ)/飛氘

    *****

    中国SF短篇集で「折りたたみ北京」に続く第2弾とのこと。
    色々なタイプの作品が収められているので玉石混交なのだけれど、僕にとっては玉の方が多かった。
    「折りたたみ北京」は積読状態だし「三体」は長編過ぎて読むのを躊躇しているのだけれど、俄然読みたくなってきた。
    ただ700頁を超える文庫なので、上下巻に分けても良かったような気がする。
    読んでいてちょっと手が疲れてしまった(体力付けろ! ってことだろうか)。

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    2023年07月05日
  • SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録

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    SF小説を創作する人向けの講座を書籍にしたもの。SFを読むためにSFの創作方法を知りたいと思い、読んでみた。作品のあらすじである梗概(こうがい)をいかに書くのかが読ませる作品を執筆するうえで重要だと受け止めた。梗概にはあらすじだけではなく、何が面白いのかを人に伝える企画書のような役目もある。確かに梗概をきちんと書けば作品は半分くらいできたようなものだ。著名な作品の梗概を読んでみたくなった。作品を深く読み込むのに役立つのではないだろうか。梗概集とから出してもらえないかなあ。

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    2023年06月08日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    暴君の上司にこき使われて休む暇のない主人公が、ひょんなことから現代に持ち帰られてしまった猫ちゃんをヴィクトリア朝時代に戻しに行ったけど…という話。

    題名からもわかる通り、「ボートの3人男」が話に絡んでくる。私はこの話が大好きなので、じゃあ読まねばならん!ということで購入。読み始めはそんなに「3人男」は出てこないし、「3人男」みたいに笑えるわけでもないし、個人的に主人公のように(は言い過ぎか)仕事がハードだったりして、そんなに読み進められなかったけど、後半、ある貴族の家を訪ねたあたりから笑いも出てきて楽しく読めた。と同時に、猫が持ち帰られたことで起きそうになっている歴史の齟齬はこの後どうなるのか、暴君上司からの無理難題の品は果たして見つけられるのか、そして主人公は休めるのか、などなど、後半に向けて楽しみなところも出てきた。続きも読みます。

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    2023年04月23日
  • 50代からのアイドル入門

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    昔本屋でチラ見した時はう〜ん…と生暖かい感情だったのに、今読んだら共感多数になっているところが、人生何があるか分からない。作者がオタクだからか愛情と冷静な分析が同居する文がとても良かったです。本書で紹介されてた、朝井リョウ「武道館」は早速読みたい!

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    2023年04月22日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    『金色昔日』は良かった。
    この手法で読ませるストーリーになっている。
    『月の光』もありそうな未来で面白かった。

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    2023年02月19日
  • トータル・リコール

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    やはりディックはいい。どれもすれた雰囲気がただよう作品ばかりではあるが、単なるオールドSFではなく、どの時代でも通じる社会の根本的、根源的なものの皮肉などがきゅっとコンパクトに畳み込まれている感じがして良い。
    そして、短編集のなかでは、トータル・リコールとマイノリティ・リポートのできが頭ひとつ飛び抜けているが、フード・メーカーも良かった。

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    2023年01月25日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    全体的に見てやや分かりにくい作品が多い印象。『折りたたみ北京』の方が分かりやすく面白い。だからマストバイとは言いにくいのだけど、糖匪(タンフェイ)「壊れた星」の一編だけは怪奇SFとして至極の出来なのでぜひ読んで欲しい。お気に入りは「壊れた星」「金色昔日」「開光」。

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    2022年12月20日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    時間をテーマにした作品が目立つのが興味深かった。時の進み方は相対的なんだよ、と諭されてるようで。また、多次元宇宙というのは昨今の流行りなのかな。

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    2022年12月11日
  • ブラック・フォン

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    映画『ブラックフォン』が面白かったので原作も読んでみた。
    こちらは短編なので映画よりあっさり。後日談が収録されていたけれど、映画のラストのほうが好き。
    ホラーだけでなく、純文学系のストーリーもいくつか収録されていて、なかなか読み応えがあった。

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    2022年10月15日
  • クロストーク 下

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    自己中心的・独善的おしゃべりで押しの強い登場人物たちが
    倍増させるテレパシーをからめたドタバタ劇
    新型携帯電話(スマートフォン)開発競争をめぐる産業スパイモノ
    そしてほのかに漂い続けるロマンスの香りとそれを打ち消さんとする疑惑
    SF,ミステリー,ラブコメ が最終盤に向けて一気にクロストーク
    ポルシェ男は終始ガッカリくんで何で女性主人公が彼と繋がろうと思ったのか
    当初からさっぱりわからなかったが最後までわからなかった
    CBが終始好漢、ヒーロー過ぎて それを疑う女性主人公の思考を疑ったくらい
    カラッと明るく最終的にハッピーなSFチックコメディーエンターテインメント

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    2022年09月19日
  • 変種第二号

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    本を読んだ時の印象はその時の自分の置かれている状況や精神状態で変わるから面白い。
    組織に所属していて人間関係に悩んでいれば、信じられる人は誰なのか?といったことが常に気に掛かっているかと思えば、自然の中で働いていたり遊んだリしているときはその迫力に圧倒されて人間関係の悩みなんかは小さなものに思えてしまう。
    今は自然の中で働いているから、自然の迫力に圧倒されていてフィクションが作りもの染みて見えて魅力半減となるタイミングだ。そんな時にディックを読んでしまったから、かなり偏った感想にもなる。さすがのディックの問題提起も心に響きにくかったけれど、これは本の感想というより自己診断テストの結果だな。これもある意味ディック的か。
    また別の機会に読み返してみよう。

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    2022年09月02日
  • クロストーク 上

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    感想は後半を読み終えてから
    ただ・・・他人の言うことを聞かず場や事情を無視
    狭まった視野で自分の言いたいことだけワーワー
    そういう人たちが多いのは他の作品と一緒

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    2022年08月11日
  • 小さな黒い箱 ディック短篇傑作選

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    不肖鴨、毎年春先はいつもディックを読んでいるような気がするヽ( ´ー`)ノ

    数多あるディックの短編の中でも、政治/社会/宗教をテーマにした作品を集めた短編集・・・と、なかなか重たそうですが、実際に読んでみるとメッセージ性が明快な作品が多く、後期のディック作品にしては比較的わかりやすい印象です。
    テーマの重さを中和するためか、ユーモラスで軽妙な筆致で描かれている作品が多いことも、特徴の一つ。実は守備範囲の広い”通俗”作家だったディックの一面が垣間見れます。登場人物がどいつもこいつも頭のネジが一本抜けている感じなのも、親近感アップに一役買ってますね。

    しかし、ラストの一作、「時間飛行士へのささやかな贈物」、これは心底重い・・・。
    重さの理由が、外的要因ではなく、ただひたすらに主人公の内的要因によるという救いようのなさが、また極めてディック的。生身のディック自身がリアルに感じていた、当時のアメリカ社会の閉塞感が反映されているのでしょうか。この重たさがねぇ、ディック作品を読み慣れると癖になっちゃうんですよねー。
    ディックの短編集はまだまだたくさんありますので、少しづつ読み進めたいと思います。春先に。

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    2022年04月05日
  • クロストーク 下

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    ネタバレ

    一気に読ませる描写は秀逸です。もうずっとハラハラさせられっぱなしです。
    最後はメイヴがいかに天才かがわかり、数年後にはテレパシー能力者が頭を悩ませていたことを全て解決してくれることでしょう。
    できたらその後のおまけ出来ないものがあったら嬉しいなぁと思うくらいすっきり終わってしまったのが少し残念です。

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    2022年03月02日
  • クロストーク 上

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    海外のイメージは自立していて過干渉のイメージがなかったのですが、ここまで親族が毎日のように関わってくるものなんでしょうか。家には普通に入りときには職場にも連絡し押しかけもし、プライバシーもへったくれもないです。会社のひとたちもパパラッチのようで生きづらい。そんな中周りの声が聴こえるようになって地獄の日々が増し増しに。さらに主人公がかわいそうになってきました。CBは根気強く寄り添ってくれて恋人より恋人らしいですね。下巻でどう落ち着くのか読むのは楽しみです。

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    2022年02月26日
  • 人みな眠りて

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    好きだったのは「ジェニー」と「ミスターZ」「ペテン師たち」かな。短編集であること、初期の作品の為か難解さもなく、素直な感じ。なんとなくカート・ヴォネガットって皮肉っぽいイメージがあったんだけど、そんなこともなく読みやすくて良かった

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    2022年02月24日
  • トータル・リコール

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    フィリップ・K・ディックの作品は映画原作が多い。
    「トータルリコール」火星を夢見る主人公が仮想記憶会社で旅行体験するが何故か不都合が。
    「マイノリティ・リポート」犯罪予知システムによる管理社会。

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    2022年11月14日