大森望のレビュー一覧

  • 超新星紀元

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    『三体』の劉慈欣の第一作目の長編が翻訳されるということで、以前から楽しみにしていた。

    地球に超新星爆発による放射線が降り注ぎ、14歳以上の「大人」がすべていなくなり、子どもだけの「超新星紀元」の時代を迎える、と、設定を見ると少し「十五少年漂流記」を思いだした。

    大人たちが全滅するとわかってから子ども世界に向けた準備期間や子ども世界になってからわずかな期間におきた紆余曲折の歴史を描くものとなっており、
    歴史のリアルタイム感を感じられるSFになっていた。

    やっぱり劉慈欣はおもしろい。

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    2023年10月13日
  • 超新星紀元

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    風呂敷ではなく魔法の絨毯だ

     こどもたちだけの世界になる。潤沢な生活が送れる日常からゲームへ、戦争へ。ここまでは多少の眉唾を感じながらも、「こども」の理解が深いことに驚きながら読み進めることができた。「エンダーのゲーム」を思い起こしながら。

     そこからの展開が、まさに風雲急だった。少しダレてきた感じの戦争ゲーム終結からの展開は、風呂敷ならぬ絨毯をひろげたものだった。これには驚いたなぁ。

     その狙いや効果についてあまり理解が追い付かなかったのは事実なんだけれど、着眼点というかゲームの延長としての発想に、純日本人である私は驚愕したわけだな。地や血が知を上回るという島国感情かなぁ。

     ラスト

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    2023年09月30日
  • 超新星紀元

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    ネタバレ

    ようやく読めました、劉慈欣の長編一作目!やはり一作目なので荒削りで、最初の盛り上がりから、途中でお?となり、おお?となって、なんか終わった笑という感じでした。
    14歳未満の子供たち以外が死滅するという設定は超面白いし、それまでに大人たちが必死に子どもたちに何かを残そうとした最初のパートはお涙頂戴のエンタメとしてはぐぐっと読ませる面白さがあった。ただその後の展開としては、超スーパーコンピューター最初だけしか登場しないじゃん…?とか、いくら子供でも戦争途中で止めるんじゃない?とか、こういうことしているうちに大人になっていくわけで、そうしたらやっぱり《西暦時代》と同じような習慣になるんではないか?と

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    2023年09月21日
  • キヴォーキアン先生、あなたに神のお恵みを

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    「わたしはあなたと物の感じかたも考えかたもおなじだ。たとえおおぜいの人は知らん顔でも、あなたが大切に思っていることを、わたしは大切に思っている。あなたはひとりではない」これは、小説を、物語を読む動機の一つだと思う。自分みたいな考えや感じかたを持つ他人が、何を感じ、どう生きているのかに興味がある。

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    2023年09月03日
  • 超新星紀元

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    子どもと大人の違いとは?遊びとはなんだろうか?というテーマがSFの大きなスケールで展開される。親になる自分にとっても楽しめた。

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    2023年08月13日
  • 超新星紀元

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    ネタバレ

    三体シリーズ並みの期待値で読むべからず。デビュー作ということで粗削り感は否めないですが劉慈欣パワーやこの後の作品への進化は感じ取れるので読んで良かった。

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    2023年07月23日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    ネタバレ

    とんでもない大ボラ話を、破綻させずに描き切る腕力がある。ストーリーテリングの巧みさもなかなか。

    「郷村教師」での地と天の落差!感動的な話であると同時に、この上なくバカげた話であるという離れ業。「詩雲」もワイルドな想像力を発揮している。

    「月の光」や「メッセンジャー」みたいな小品もあざやか。

    中国の作家だけあって、「カオスの蝶」や「栄光と夢」など、アメリカに爆撃されたり経済制裁されたりの側から描いている。「地火」や「円円のシャボン玉」も中国人作家ならでは。

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    2023年07月15日
  • 小さな黒い箱 ディック短篇傑作選

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    ネタバレ

    小さな黒い箱
    「アンドロイドは…」に出てくるエンパシーボックスが宗教として駆け出しの頃の話。まだ信者も少なく、小さなカルトでしか無いが、「アンドロイドは…」では太陽系全域に信者を持つ大宗教になっている(キリスト教かよ)。
    「アンドロイドは…」では謎の老人は売れない役者だと暴かれていたが(メディアの嘘かもしれんが)、それよりも着目すべきは箱を送りつけてる組織だろう。
    共感中の怪我まで「共感」できる道具を家庭用品から作れるとあるが、これはどんな宗教への入信も自分の家からできますよって感じのメタファーかな?

    輪廻の車
    やったんだろ?17歳の子と。やらせてもらったんだろ?抗生物質だけじゃなくて、やら

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    2023年07月20日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    作品紹介・あらすじ

    北京五輪の開会式を彼女と見たあの日から、世界はあまりにも変わってしまった――『三体X』の著者・宝樹が、中国の歴史とある男女の運命を重ね合わせた表題作、『三体』の劉慈欣が描く環境SFの佳品「月の光」、春節シーズンに突如消えた列車の謎を追う「折りたたみ北京」著者の郝景芳による「正月列車」など、14作家による中国SF16篇を収録。ケン・リュウ編による綺羅星のごときアンソロジー第2弾。解説/立原透耶 本書は新☆ハヤカワ・SF・シリーズ『月の光 現代中国SFアンソロジー』を改題・文庫化したものです。
    〈収録作品〉
    序文
    ケン・リュウ
    夏笳(シアジア)「おやすみなさい、メランコリー」

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    2023年07月05日
  • SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録

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    SF小説を創作する人向けの講座を書籍にしたもの。SFを読むためにSFの創作方法を知りたいと思い、読んでみた。作品のあらすじである梗概(こうがい)をいかに書くのかが読ませる作品を執筆するうえで重要だと受け止めた。梗概にはあらすじだけではなく、何が面白いのかを人に伝える企画書のような役目もある。確かに梗概をきちんと書けば作品は半分くらいできたようなものだ。著名な作品の梗概を読んでみたくなった。作品を深く読み込むのに役立つのではないだろうか。梗概集とから出してもらえないかなあ。

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    2023年06月08日
  • 円 劉慈欣短篇集

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    おっと、これはなかなか…つい一気読みしてしまった。
    何処となく過去の名作SFのエッセンスが感じられるSF短編集。
    それもクラークから藤子F不二雄、野尻抱介や小川一水、イーガンまでと幅広い。
    テクノロジーを推し進めた結果、見慣れた風景を、世界の在り方を(良くも悪くも)まるっきり別物に変えてしまうというSFならではの楽しさを味わえる。

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    2023年05月15日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    暴君の上司にこき使われて休む暇のない主人公が、ひょんなことから現代に持ち帰られてしまった猫ちゃんをヴィクトリア朝時代に戻しに行ったけど…という話。

    題名からもわかる通り、「ボートの3人男」が話に絡んでくる。私はこの話が大好きなので、じゃあ読まねばならん!ということで購入。読み始めはそんなに「3人男」は出てこないし、「3人男」みたいに笑えるわけでもないし、個人的に主人公のように(は言い過ぎか)仕事がハードだったりして、そんなに読み進められなかったけど、後半、ある貴族の家を訪ねたあたりから笑いも出てきて楽しく読めた。と同時に、猫が持ち帰られたことで起きそうになっている歴史の齟齬はこの後どうなるの

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    2023年04月23日
  • 50代からのアイドル入門

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    昔本屋でチラ見した時はう〜ん…と生暖かい感情だったのに、今読んだら共感多数になっているところが、人生何があるか分からない。作者がオタクだからか愛情と冷静な分析が同居する文がとても良かったです。本書で紹介されてた、朝井リョウ「武道館」は早速読みたい!

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    2023年04月22日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    『金色昔日』は良かった。
    この手法で読ませるストーリーになっている。
    『月の光』もありそうな未来で面白かった。

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    2023年02月19日
  • トータル・リコール

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    やはりディックはいい。どれもすれた雰囲気がただよう作品ばかりではあるが、単なるオールドSFではなく、どの時代でも通じる社会の根本的、根源的なものの皮肉などがきゅっとコンパクトに畳み込まれている感じがして良い。
    そして、短編集のなかでは、トータル・リコールとマイノリティ・リポートのできが頭ひとつ飛び抜けているが、フード・メーカーも良かった。

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    2023年01月25日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    全体的に見てやや分かりにくい作品が多い印象。『折りたたみ北京』の方が分かりやすく面白い。だからマストバイとは言いにくいのだけど、糖匪(タンフェイ)「壊れた星」の一編だけは怪奇SFとして至極の出来なのでぜひ読んで欲しい。お気に入りは「壊れた星」「金色昔日」「開光」。

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    2022年12月20日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    時間をテーマにした作品が目立つのが興味深かった。時の進み方は相対的なんだよ、と諭されてるようで。また、多次元宇宙というのは昨今の流行りなのかな。

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    2022年12月11日
  • ブラック・フォン

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    映画『ブラックフォン』が面白かったので原作も読んでみた。
    こちらは短編なので映画よりあっさり。後日談が収録されていたけれど、映画のラストのほうが好き。
    ホラーだけでなく、純文学系のストーリーもいくつか収録されていて、なかなか読み応えがあった。

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    2022年10月15日
  • クロストーク 下

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    ネタバレ

    自己中心的・独善的おしゃべりで押しの強い登場人物たちが
    倍増させるテレパシーをからめたドタバタ劇
    新型携帯電話(スマートフォン)開発競争をめぐる産業スパイモノ
    そしてほのかに漂い続けるロマンスの香りとそれを打ち消さんとする疑惑
    SF,ミステリー,ラブコメ が最終盤に向けて一気にクロストーク
    ポルシェ男は終始ガッカリくんで何で女性主人公が彼と繋がろうと思ったのか
    当初からさっぱりわからなかったが最後までわからなかった
    CBが終始好漢、ヒーロー過ぎて それを疑う女性主人公の思考を疑ったくらい
    カラッと明るく最終的にハッピーなSFチックコメディーエンターテインメント

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    2022年09月19日
  • 変種第二号

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    本を読んだ時の印象はその時の自分の置かれている状況や精神状態で変わるから面白い。
    組織に所属していて人間関係に悩んでいれば、信じられる人は誰なのか?といったことが常に気に掛かっているかと思えば、自然の中で働いていたり遊んだリしているときはその迫力に圧倒されて人間関係の悩みなんかは小さなものに思えてしまう。
    今は自然の中で働いているから、自然の迫力に圧倒されていてフィクションが作りもの染みて見えて魅力半減となるタイミングだ。そんな時にディックを読んでしまったから、かなり偏った感想にもなる。さすがのディックの問題提起も心に響きにくかったけれど、これは本の感想というより自己診断テストの結果だな。これ

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    2022年09月02日