大森望のレビュー一覧

  • 三体0【ゼロ】 球状閃電

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    ネタバレ

    これは三体シリーズに位置付けていいのか?
    本国では三体とは銘打っていないらしい。
    それを抜きにしてなかなか面白かった。

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    2025年09月05日
  • 三体0【ゼロ】 球状閃電

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    本作のメインテーマである球電と三体本編との繋がりを探しながら読み進めていたが、ラストで三体本編の内容に入り込みすぎないような形で繋がりを示されて上手いなぁと感じた。
    ディン・イーのバックグラウンド、球電の有する神秘性や可能性も三体本編と通ずるところがあり、まさに前日譚として完成度の高い作品だった。

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    2025年08月13日
  • 三体0【ゼロ】 球状閃電

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    流石に三体の本編よりもスケールダウンにはなったが、それでも斬新な発想で「物理おもしろいな」と思わせるSFだった。
    量子効果についてはちょっと飛躍がすぎて、写真がいつのまにか変化するとか一部納得感に欠けるのと、戦争フェーズがさらっと始まりさらっと終わったり、あと美女いらない笑 みたいな細かいところが残念感があった。が、十分に楽しめたエンタメ小説だった。

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    2025年08月11日
  • 別冊NHK100分de名著 フィクションの超越者 筒井康隆

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    NHK100分シリーズで、対象が筒井道隆、評者も個人的に気になる面々となると、これは読まない手はないわな。で、改めて本サイトで既読の筒井作品を確かめてみると、なんとまあ少ないこと。本書で取り上げられているものも、殆ど未読のものばかり。これはいけません。まずは積読状態にあるものから。

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    2025年08月07日
  • 三体0【ゼロ】 球状閃電

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    三体の前日譚。登場人物の心情の機微や会話のやり取りが、ややAIの様で感じで違和感を感じたものの、球電というテーマ自体は奥深く壮大であり面白かったのと、三体を読んだ時によく分からなかった所がクリアになったりという箇所もあり、三体をもう一度読みたくなった。

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    2025年08月06日
  • 三体X 観想之宙

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    読書備忘録934号。
    ★★★★。

    劉慈欣さん公認の三体スピンオフ作品。
    とにかく難解で読み難い・・・。

    三体本編(特に三体Ⅲ)では詳細が語られなかった部分をファンが補完した!という作品。
    ①雲天明が三体文明に囚われていた時の話。
    ②二次元化攻撃を仕掛けた文明の話。
    ③マスター(しもべとして天明)と潜伏者の戦い。
    ④リセットされた新しい宇宙の話。

    そして、もうちょっと細かく砕くと。
    ①壮大な宇宙の構造の話。
    ②宇宙マスターと潜伏者という反逆者の話。
    ③十次元からゼロ次元に宇宙を壊していく潜伏者の話。
    ④高次元に戻す次元逆転を仕掛けるマスターと探索者の話。
    ⑤それを百億年の周期で繰り返すことが宇宙であるという話。
    ⑥だけど5kg質量回収出来なかった宇宙は異ってしまったという話。

    あとなんや分からんけどロマンスがいっぱいの件。
    ①天明とAAの恋の話。
    ②程心と関くんの恋の話。
    ③だけど、やっぱり天明は程心が好きな話。
    ④そこに智子が割って入る話。
    ⑤智子は日本のAV女優武藤蘭がモデルだという話(はぁ?)。

    そして作者、宝樹。
    ①大の日本SF好きだという話。
    ②石原藤夫の「銀河ヒッチハイク・ガイド」に出てくる宇宙の果てのレストランを舞台に組み込んだという話。
    ③銀英伝最終巻のフレーズ「伝説が終わり、歴史が始まる。」を使って宇宙リセットを表現する話。
    ④庵野好きであると私は想像する話。
    ⑤この作品は前日譚でも後日譚でもなく、並行譚であると言ってる話。
    ⑥すなわちジークアクスであると!結論づけた話。

    しかしめちゃくちゃ疲れる読書でございました。

    もし、どなたか読まれるならアドバイスをひとつ。
    目次にもありますが、巻末に三体Ⅲ「死神永生」のあらすじが載っている。
    これは訳者の粋な計らい。
    それを先に読んだ方が良いです。
    私は気が付かなかったので先に読みませんでしたが、このあらすじを読んだ結果、自分が三体Ⅲのストーリーを正しく理解していたことにホッとした。

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    2025年08月03日
  • 三体X 観想之宙

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    『三体』の別譚。これがファンによるネット上での創作というからまあ熱心な…と感心する。『少年は荒野を目指す』の単行本で、狩野の小説の続きを書きあげて送ってくれるんだよね、と紹介されてたのを思い出した。そういう風に、没頭できる推しがあるって羨ましいなって思うかな。

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    2025年07月15日
  • 三体X 観想之宙

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    話のスケールの大きさは三体に劣らず、勢いは同じようにドキドキしながら読めた。本格SFというより、もうファンタジーだなとは思った。サイエンスやテクノロジーと呼べる進歩をすっ飛ばして、全知の存在が出てくるので色合いは違うかなと、、
    主人公に美女がなびいてくるラノベのようなノリがどうしてもキモいのと、智子のモデルがあの女優というのはちょいと悪ノリが過ぎるというか、、所詮はファンの二次創作なので当然自由なのだが、このあたりはハッキリ合わなかった。

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    2025年07月02日
  • カエアンの聖衣〔新訳版〕

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     なるほど、これが噂のベイリーか。ブルース・スターリングなんかと比べるとどうしても古いという感じはぬぐえないけど、これだけアイディアをてんこ盛りにされるとSFファンとしては抵抗できない。超音波が飛び交う惑星や、蝿の惑星など魅力的な設定が矢継ぎ早に出てきて、それが途中でちゃんともう一度いかされているところがなかなかいい。サイボーグ対装甲スーツの対決みたいに、これだけでもっと引っ張って欲しいというところもたくさんあるが、逆に言えば服飾文化のルーツの設定だけのためにこのアイディアを考えちゃうところがすごいのかも。
     しかし、最初の展開からは、ラストの植物が宇宙を征服しようとしている、という展開はよめないよな。バカバカしいといっちゃあそうなんだけど。

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    2025年06月24日
  • 三体0【ゼロ】 球状閃電

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    マクロ世界もワクワクするな

    三体シリーズの流れで、途中までは「丁儀が出てくるキャラもの」として読んでいた部分もあったけれど、最初から独立のSF小説の気持ちで読めば良かったと少し後悔。
    それにしても、観察者効果で地球外文明の存在を匂わせる流れは期待したとおりでニヤニヤしてしまった。

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    2025年06月13日
  • ミステリースクール

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    1つ1つの紹介は短い。薄いパンフレットのようだが、それが集積されて分厚い辞書のような1冊に。
     切り口を楽しむ本。

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    2025年06月10日
  • 白亜紀往事

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    ★3.7
    遥か白亜紀に、未来の孤独が滲んでいた。
    恐竜とアリによる、文明発展の寓話的パロディ。
    未来でも過去でもない、「今」の私たちがどう映るのか。


    本書は、発明や哲学を司る”恐竜”と技術と組織を担う”アリ”が、小さな協力を経て巨大な文明共存を描く。そしてやがて「宗教」や「政治的・資源的対立」に突入し、文明は戦争へと向かっていく。

    まさに人類史の縮図とも言える構図で、「蒸気・情報・核」といった技術史にも言及しつつ、最後は核のような大量破壊兵器まで登場する。
    終盤は“Dr. Strangelove”を思わせる冷戦風の仕掛けをユーモアと風刺の色彩で魅せる。

    蒸気→情報→核というように、古典的SFの流れは地球の記憶を覗き込んでいるような気になる。
    あるいは、この物語が科学の仮面をかぶりながら、我々人類を見つめてるのだろうか。
    「多極化する文明が、技術共有から対立へと転換する構造」は、人類史の悲劇を再演する。

    本書の設定は、まるで星新一のように感じた人も多いのではないか。
    劉慈欣は鋭く、そしてちょっと意地悪に描いてみせる。
    けれどその先にあるのは、決してオチや皮肉ではない。

    科学とロマンが溶け合いながら、
    人間のちっぽけさと、いとおしさが、ただそこに積もっていた。

    協力と破壊の両義性や、文明の脆弱さと愚行。
    何万年という時間をひとまたぎにして、
    ようやくたどり着くのは「今」だ。
    私たちは何を選び、何を残していくのか。
    その問いが、恐竜の足跡のように、読後にぽつんと残る。
    そして歴史は繰り返すーー。

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    2025年06月10日
  • 三体X 観想之宙

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    三体の熱が冷めないうちに。
    三体の1ファンが非公式ながら、書き上げ出版まで至った、スピンオフ?を。

    原作で明らかにされなかった・私が理解しきれなかった部分を、実に綺麗に描いてくれて、本編の説明書なのではと、「私は」思った。

    ひとつの作品として、読みやすくおもろでした。
    三代三部作しっかり読んでくれたみなさんは通らないなんて考えられない作品。

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    2025年06月07日
  • 老神介護

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    劉慈欣が紡ぐ物語には、想像を超えるスケールと、壮大な設定を物語の終わりまで力強く貫き通す筆力があり、その圧倒的な構想力にはただ驚嘆するばかりだ。

    中国SFがこれほどまでにスケールの大きな作品を生み出す背景については、単に中国人が壮大な妄想を好むからという説明だけでは不十分だという興味深い指摘がある。政府や国家体制への直接的な批判が許されにくい中国の環境下では、現実世界の崩壊やそれに対応できない政治の姿をリアルに描くことは難しい。結果として、作家たちは現実から一歩引いた視点を取り、自然と物語の舞台を地球規模、さらには宇宙規模へと広げるようになるという。この見方には深く頷かされるものがあった。

    なかでも劉慈欣のスケール感は、代表作『三体』で顕著に示されている。今回読んだ短編集『老神介護』も、2つの連作と1つの独立短編から成り、いずれも圧倒的なスケールと独創的な視点で読者を魅了する。とりわけ、人間が一切登場せず、恐竜と蟻だけで構成された物語『白亜紀往時』は、まさに劉慈欣ならではの発想と構成力が光る作品だった。

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    2025年05月27日
  • 三体0【ゼロ】 球状閃電

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    ネタバレ

    やはり面白かった。『三体』三部作のスピンアウト作品、と位置付けされているが、先にこちらを読んでから、三部作を読む順番の方が良い気がする。
    というのは、本作品では、球電の謎が解き明かされていくに従って、量子状態やマクロ電子など取っ付きにくい言葉で説明される超(?)自然現象が、あたかも我々のいる世界で起きているかのようにすっとイメージを抱けるのではないかと思ったから。
    ある程度の現代物理学の基礎知識があった方が楽しめるシリーズだと思うので、三部作の壮大×100倍位のスケールで、いきなり馴染のない言葉を追っかけるよりも、まず我々の世界と地続きにある本作品の世界で馴化しておくと、より楽しめるのではないと思った。といいつつ、読みこなすひと手間もSFの醍醐味ではある。

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    2025年05月16日
  • 流浪地球

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    「三体」で知られる劉慈欣の短編集。どの作品も壮大でスケール感あふれるアイデアが詰まっていて非常に読み応えがあった。

    宇宙人の襲来や太陽の爆発といった多様なシナリオで地球が滅亡の危機に瀕し、登場人物たちが極限状況の中で揺れ動く心理がリアルに描かれている。

    全体を通して外れのない充実した内容だが、中でも作者自身が登場する異色のコメディSF「呪い5.0」は、独特のユーモアが際立っており、印象深かった。

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    2025年05月14日
  • ザップ・ガン

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    話しの設定は面白いのですが、構成に難ありといった感じ。そのあたりのことは、あとがきに著者の言葉が掲載されていますが、個人的には充分楽しめました。

    あらすじ:
    2004年、世界は東西両陣営に分かれた冷戦下にありました。その両陣営共に、武器開発は超次元空間に意識を浮遊させ、トランス状態になって独創的な殺戮兵器をスケッチすることにより、アイデアを得る方法が取られていた。その職種は、兵器ファッション・デザイナーと言われ、西側はラーズ・パウダードライ、東側はリロ・トプチェフが担っていた。しかし、これらのアイデアを反映した兵器は、新兵器のデモンストレーションと称して、実際のことのようにドラマ仕立ての映像を作り上げて大衆に公開した嘘の情報でした。そんなある日、エイリアンの衛生群が現れますが、撃退しようにも発射された兵器では虚空を相手にしているも同じ。なす術がない人類は、東西の兵器ファッション・デザイナーが協力して、本物の究極兵器”ザップ・ガン”のスケッチを入手するよう要求されますが……。

    そもそも、東西は表面上は対立していても、その実馴れ合っているという設定がいい。しかも殺傷能力のない武器開発を、兵器ファッション・デザイナーなんて人が担って、偽物のプロトタイプ作成に寄与しているとかね(トランス状態にあるときのアイデアの入手元には驚きました)。そんな武器開発で、どうやってエイリアンと対峙するのかが読みどころですが、ある意味エイリアンには残酷な仕打ちでしょうね。よくこんなこと思いつくなと思いました。

    あと、ラーズの前任者の死因や、会社のミス・ベドウィンの最新のファッションという格好など、ディック流のギャグも健在で面白かったし、未来のアレクサを予見しているような〈オーヴィルくん〉やその他ガジェットの名称なんかを楽しめました。そういえば、直前に読んだシミュラクラの名前やAG製薬の名前が出てきたり、本作にもドイツ語がでてきてニヤニヤしてしまいましたね。

    ただ、あとがきを読むと著者は気に入らないようですね。特に前半。用語の説明不足は、他の作品も同様なので、伏線として書いていた人物のことを回収し忘れて、最終章を付け足していることや、前半で語っていた主人公ラーズの愛人の性格の描写が、後半は真逆の行動をとっていたりと、話しが矛盾していることを、著者が怒りに任せて誤魔化しているだけのような気がするのですが……?後半の怒涛の展開が良かっただけに、回収し忘れた伏線のために追加されたであろう最終章が、なんだか取ってつけた感じがして残念でした。

    正誤(初版)
    P88の8行目:
    ミター・ラーズ
    ↓
    ミスター・ラーズ

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    2025年05月04日
  • 人間以前 ディック短篇傑作選

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    ディックの短編種って、正直長篇より好き。短い物語の中にいっぱいのアイデアとたくさんの驚きが含まれているから。

    そんな本書はファンタジー多め、ホラー多め。「ナニー」や「フォスター、おまえはもう死んでるぞ」からは大量消費社会への皮肉が強く表れていたりと、当時の時代背景を感じさせられる作品もちらほら。
    なかでも中篇に該当する「宇宙の死者」は読みごたえもあっておもしろい。

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    2025年04月29日
  • 三体0【ゼロ】 球状閃電

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    ネタバレ

    やっぱしスケール、規模感よな

    扱う内容がどれも自身の生活の範疇を超えすぎていて、ニヤけてしまう。
    最強の武器とは?球電とは?

    そんなスケールを扱いつつ、叙情的でいちこましい描写が並び、そちら側でない人間の心にも寄り添ってくれたりしてにっこり。

    男と女の関係性に関しては今作もほぼノータッチ、一方通行な恋慕があるだけ。まあこの作品はそれでいいんですよ。男女の関係はここに求めていないから。

    シュレディンガーの猫やシェイクスピアを引用した人間存在が描かれているのは興味深いし、様々な武器を紹介するところは驚きとともに恐怖でもある。液体地雷とかね。

    SFが強みだけどサイエンスフィクションの先端に行くに哲学的問が開かれその結果、見事にミクスチャーされ、面白みが増大する

    また時間ができたら三体読もかな

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    2025年04月12日
  • 銀河の壺なおし〔新訳版〕

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    “父親は壺なおし(ポット・ヒーラー)だった。そして彼も、壺なおしを仕事にしている。”と、印象的な書き出しではじまる原題もそのままズバリ『Galactic Pot-Healer』。
    映画スターウォーズ顔負けの多種多様な宇宙人がでてくる、彼独特の虚構世界を描いたSF小説でしたが、タイトル同様にディック特有の笑える箇所も多くて読みやすい作品。ディック好きなら読んで損はないと思います。

    あらすじ:
    腕利きの陶器修復職人であるジョー・ファーンライトは、荒廃した管理社会と化した地球で7か月も仕事の依頼がない失業状態にありました。陶器はプラスチック製に取って代わられ、父から受け継いだ職人技を振うこともできず、妻には離婚され自ら命をたつことを考える毎日。救いは仲間とする、東京や神戸のコンピュータに接続して興じる言葉遊びのゲームでしたが、それすら虚しく感じ、将来に何の目的も希望も持てなくなってしまいました。
    そんなある日、”壺なおし求む。謝礼保証”という仕事のオファーが届きます。メッセージの発信主は、シリウス星系のグリマングという謎の人物。依頼内容は、海底に水没した大聖堂の引き揚げに伴う遺物の修復でした。ジョーは半信半疑ながらも地球を離れ、シリウス星系に旅立ちます。そこでは、さまざまな種族や異なる技能を持つ宇宙人たちが招かれており、恋仲になったマリ・ヨヘスらと共に大聖堂の引き揚げに取り組みます……。

    感想としては、笑える箇所が多々ありますが、9章がいいですね。失敗を恐れる集められた仲間たちを、グリマングが教え諭す場面や、他の恒星系の宇宙人が、ゲーテ『ファウスト』を論じている場面、江戸っ子言葉を喋る自律ロボットのウィリスの登場などがあり、これ以降で物語が本格的に動き出します。物語の終盤では、大聖堂引き揚げの成否より、ジョーが自分が自分であることの意味を知り、自らの再生への第一歩を踏み出していく様子がいいなと思いました。そのラストですが、恋仲になった女性の行動を含めて、仲間達の選択には「えっ?」となりましたが、さらに最後の一行には驚きましたね。宇宙一の壺なおしの鑑定眼から見ると当然の結末だと思いましたが、解説の旧訳サンリオ版との訳の違いに感心しました。新訳の方が正解でしょうね。

    その解説では、アーシュラ・K・ル・グィンが気に入ってくれたとか、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアが、冒頭の書き出しから数ページ読んだところで、このままでは自分の原稿の締め切りに間に合わなくなると、自分宛に郵便物として出して手元から遠ざけた話しや、ロジャー・ゼラズニイがディック長篇ベスト3に数えていることなど書かれていて興味深かったです。

    正誤(初版)
    P15の3行目およびP286の8行目
    『陽はまた昇る』→『日はまた昇る』
    ※ヘミングウェイの小説タイトル。”新潮も岩波も集英社も”日”ですし、何より同じ出版社のハヤカワepi文庫が”日”なので。

    P106の1行目
    まずまず現代的な都市の輪郭が
    ↓
    まず現代的な都市の輪郭が

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    2025年04月06日