大森望のレビュー一覧
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結論からいうとおもしろかったんだけど、SFを読みなれてないせいと、映画にそれほど詳しくないのとで、全体として、たぶん、話の七十パーセント、いや六十か?、くらいしか理解できてない気がした。読み終わってすぐ、もう一度読み返そうかと思った。実際、最初の一章は読み返した。わからなかったんだけど、でもでも、おもしろかった。感動した。アリスが懸命に踊るたくさんのシーンで。ラストで。やっぱりこの作品でも、登場人物はたちは「あきらめない」。アリスは不可能を可能にするし。トムもシニカルだけど、不可能なことなんてないんだ、って言うし。 コニー・ウィリスの、この冷静に現実はわかってるんだけど希望は捨てないって感じが
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近未来のハリウッド。デジタル合成によるキャラクターの貼り付けによってリメイクされた作品ばかりが作られ、まともな実写作品は作られなくなって久しい。そんなデジタル切り貼りのバイトで学費を稼ぐトムは、とっくに廃れたミュージカル映画のダンサーを志望するアリスに出会う。叶うはずのない夢を馬鹿にするトムだったが、彼女の純粋さがやがて思いもよらない奇跡を生み出す...
作者らしく饒舌で狂騒的なテンションの高いSFロマンティックコメディ。ひょっとしたら映画化を意識しているのか、いつものような大長編にしていないのが功を奏していて、映画マニアでなくても楽しめる映像的で音楽的な洒落た作品。
が、いろんな映画のミュ -
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周囲の勧めで読み始めた。
最初の一巻は、全体の序章だと思うが全体の話がつかみずらい印象を持った。スケールが大きい(大きすぎる)からが全体に無理があるストーリーのような気もする。
それとゲームの位置づけも意味不明。そもそもゲームなのかもよくわからない。
「三体」という言葉はよくでてくるが、そもそも「あの世界」が三体であるというそもそもの説明がどこにもない気がするのは自分だけであろうか。
1巻までは我慢を強いられている気がするが、途中で脱落しなければ、この先は非常に面白くなるようなので、楽しみではある。(SFなのであまり細かいことは気にしてもしょうがないのだろうとも思っている。) -
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村上春樹ファンも困るツッコミどころ
どちらかといへばふたりはSF的な文脈のひとなのですが、やはり小説の整合性にツッコミ。これはそんなツッコミを笑ひ飛ばす本なので、表面的といへば表面的だが、まあ構はない。
メッタ斬りシリーズはむかし愛読してゐたので、これもそれなりに面白かった。『騎士団長殺し』は『ねじまき鳥』に比肩すると最初は云ひつつ、あとで『1Q84』のほうが(エンタメ的に)面白いとかいってて、どっちやねんと思ふが、まあいいか。
村上春樹が長篇作家ではなく短篇作家といふのはその通りかもしれない。私は『世界の終り〜』と『ねじまき鳥』は読んだものの、そこまでピンときたわけではない。
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ネタバレ・とても壮大な話になって読んだあとが少し怖いという感情が残った。
・あの二人は最後まで再会できず、とても悲しかった。もう少しハッピーエンドを求めてしまった。救いがなさ過ぎるように感じた。
・地球がなくなってしまうのは悲しい。
・太陽系を滅ぼすのが紙一枚という斬新な武器。その発想がすごい。
・結局、反人類罪の二人が正しかった。自分を貫くことのすごさ、後からしかわからない正しさを考えさせられた。
・作中を通してルオジーが一番好きだったので、最後まで登場してくれてうれしかった。
・ルオジーのモナリザを見つけた時のそこにいたんだね、それならもっとここにきたのに。という言葉が感動的だった。200年 -
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長い話かと思ってたら短編集。
SFを基本読まないので新鮮に感じて面白かった!
何話がつながりがあったりしておお…となりつつ悲しいような何とも言えない気持ちになった。
個人的には扶養人類が好き。けど1人の人間の残酷さにびっくりする。
白亜紀故事も面白かった!
壮大な童話のような感じがして正直一番読みやすかったかも。
彼女の眼を連れて、はめちゃくちゃ地中の息苦しさを感じて、前らへんの広々とした美しい風景の対比で読んでるだけで苦しかった。
最後の地球大砲もうわ…となったけど沈淵はそんなに悪いことしてるのかわかんなかった。投資した方が普通に悪いのでは…としか思えなかったな。
最初お父さん可哀想だと思っ -
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ネタバレ重厚なsfとページ数の多さに読むのを尻込みしていたが、最初の「商人と錬金術師の門」が面白くてその後一気に読み進めた。
けど面白かったのはそれだけで、あとはハマらなかった。科学の知識が豊富なだけあって意外な知識も得られたけど、後半の短編になるにつれて、小説より解説書とかで出した方がいいんじゃないの?となった。
あと文化圏の違いだからか、理解も共感もできなかった価値観や表現が多々あった。主よ、とか。自分は主に選ばれた人間、とか。それは度し難かった。
あとカウンセラーの質問とかあったけどいやカウンセラーそんな質問しないし、なんでカウンセラーがクライエントが出してない言葉を出して決めつけてるんや……と -
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ディック読もう!となって、初めはやはり「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」かと思ったところだが念のためネットで見ていたところ、どうやら短編集があるらしいと。そしてそっちのがディックを読み始めるには良いかもとの意見もあったのでこちらを。
トータル・リコール、マイノリティ・リポート…聞いたことあるなーと思ったら映画化した作品だったんですね!映画も観ます!(シュワちゃんだし、トムクルーズだし)
もともとSF 読みてーってところから手に取ろうと思ったのでSF欲の満足度は十分でした。どれも表現は難解だけどスルスル読める。
どれも設定や描写が丁寧であるわけでないが読み進めるうちに自分の中で世界観が構築さ -
Posted by ブクログ
謎の発光体、球電によって両親を奪われた主人公は取り憑かれた様に球電を追い求めるようになる。やがて球電の兵器利用を目論む軍部との接触をきっかけとして、その驚くべき正体が明らかになっていく...
「三体」の前日譚とは誇大広告もいいところだが、このタイトルでなければ読んでいないのも確かなので、まんまと命名者である大森望の術中にはまっていると言える。
主人公の感傷的すぎる一人称や終盤の悲劇的な展開はあまり好みではないが、大暴走の果てにとんでもないことになった「三体」3部作に比べて、一冊できちんと完結しているのは高評価。とはいえ球電の正体、捕獲、兵器化、そして量子状態など、今作も十分とんでもないこと