大森望のレビュー一覧
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邪道は承知で、「騎士団長殺し」を読まずして「メッタ斬り!」を読む。だって面白いんだもんね。メッタ斬りシリーズを愛読してきたが、このごろとんと紙媒体でお目にかかれない。「仕事を選ばず即参上」がモットーなのに、「なぜかめったにお座敷がかからない」と大森氏が書いている。出版社も「忖度」するんでしょうねえ。いや、ストレートに怒っている方もおありでしょう。私は豊崎由美さんの、天下御免の言いたい放題芸が好きなので、もっと読みたいのだけど。
最後に読んだ村上春樹の長編小説はなんだっただろう。うーん、思い出せない。エッセイのたぐいはほぼ全て読んでるし、短篇も大体読んでると思う。「風の歌を聴け」でのデビューか -
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SF翻訳やアンソロジスト、「文学賞めった斬り!」シリーズや書評でお馴染みの大森望さんが…という意外性とタイトルのインパクトで読んでみた。
ライブ評は、ロッキングオンジャパンのそれによく言われる「毎月日本のロックに革命が起こる訳ないだろ」の対極みたいなクールさがいい。現場主義の極地。聴いたことない曲の連呼に戸惑う。ライブの同行者にこれまた斯界では有名なミステリ評論家の香山二三郎さんが頻出して笑った。
ハロヲタぶりは微笑ましい。本業もこなしつつ妻子もおありになるのに良く時間あるなあと思ったけど、洋楽殆ど聴かないのかも。日本の音楽市場はつくづく特異だなあ、とも思わざるを得ない。 -
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ネタバレ人類が宇宙の星々へ飛び出し、新たな文明を切り開いた時代の話。カアエン人という服飾文化を奉る人々がいた。彼らの存在を異端および脅威とみなしたザイオード星団の人間は、カエアン人を仮想敵とみなし、弱点を探るべく調査団を送る。そのいっぽうで、高価格で闇取引されるカエアン製の衣装を密輸するザイオード人の悪党。彼らの陰謀に巻き込まれ、さらにカエアン製の衣装の秘密にせまることになるひとりの「服飾家」。
衣装が人を操るという発想だけでも面白いのに、さらに踏み込んで衣装の材料となるとある植物に知性があって、彼らが人類の制覇を狙っているという設定がぶっ飛びすぎている。
アイデアの面白さはそれだけではない。カエ -
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「ブラックアウト」の続き。続篇の「オールクリア2」まででひとつの物語になる。本書は物語の途中なので、中弛みを感じてしまうが、第二次世界大戦中の英国で3人が元の時代に戻れなくて奮闘するのに興奮してしまう。3人が予定通りのタイムトラベルができなかった理由は徐々に明らかにされていく。もしかしたらどんでん返しがあるのかもしれないが、ラストに向けて怒濤の展開を期待せざるをえない。そもそも時空で迷子になった3人は元に戻れるのだろうか。戦時中の一般市民の情景をリアルに表現したこの物語は、長いけれどそれほど無駄はないストーリーだ。これからどのようにまとめられるのか楽しみである。
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映画の公開に合わせて出版されたアンソロジー。伊藤計劃さんが書いたエピローグに円城氏が長編作品として仕上げた「屍者の帝国」。この作品をもとにしたシェアード・ワールドものである。屍者が登場するのはすべての作品で共通しているが、役割や生者との関わりが異なる。この作品集を読んで、改めて「屍者の帝国」を読みたくなった。円城氏のインタビューも屍者の帝国を読む上で役に立つだろう。面白かったのは、「小ねずみと童貞と復活した女」「屍者狩り大佐」「海神の裔」。
以下、個別作品の感想。
◎従卒トム(藤井 太洋)
江戸城無血開城とアンクル・トムと屍者を絡めた物語。奴隷だったトムであるが、屍者になってしまっても元主 -
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相沢沙呼「フレンドシップ・シェイパー」あるあるネタですね!まあ登場人物も少ないしすぐ予想はついたけども、正直百合百合筆ペンプレイが気になってそれどころではなかった。
七尾与史「学園諜報部SIA」これは…ミステリではないですね、情報が後出しすぎるし。チューヤさんはなかなかいいキャラだと思った。
深緑野分「血塗られていない赤文字」多分これが初深緑さん。キャラクターがいいなあ。シリーズ化してるのか、ちょっと読みたい。
田丸雅智「E高生の奇妙な日常」
「自転車に乗って」「E高テニス部の序列」「友人Iの勉強法」の三本。おお、これは…なんだか懐かしい。清く正しいショートショートの香りがする。特に、めちゃく -