大森望のレビュー一覧
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近未来のハリウッド。デジタル合成によるキャラクターの貼り付けによってリメイクされた作品ばかりが作られ、まともな実写作品は作られなくなって久しい。そんなデジタル切り貼りのバイトで学費を稼ぐトムは、とっくに廃れたミュージカル映画のダンサーを志望するアリスに出会う。叶うはずのない夢を馬鹿にするトムだったが、彼女の純粋さがやがて思いもよらない奇跡を生み出す...
作者らしく饒舌で狂騒的なテンションの高いSFロマンティックコメディ。ひょっとしたら映画化を意識しているのか、いつものような大長編にしていないのが功を奏していて、映画マニアでなくても楽しめる映像的で音楽的な洒落た作品。
が、いろんな映画のミュージカル場面やセリフの引用のオンパレードで、実際には権利が複雑過ぎて映像化困難だろう。 -
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村上春樹ファンも困る
どちらかといへば、ふたりはSF的な文脈なのだが、やはり小説の整合性にツッコミ。これはそんなツッコミを笑ひ飛ばす本なので表面的といへば表面的だが、まあ構ひません。
メッタ斬りシリーズはむかし愛読したので、これもそれなりに面白かった。『騎士団長殺し』は『ねじまき鳥』に比肩すると最初は云ひつつ、あとで『1Q84』のほうが(エンタメ的に)面白いとかいってて、どっちやねんと思ふものの、まあええか。
村上春樹が長篇作家ではなく短篇作家だと豊崎はいふ。その通りかもしれない。私は『世界の終り〜』と『ねじまき鳥』は読んだものの、そこまでピンときたわけではない。
YouTubeに、最新作『街とその不確かな壁』についてふたりが語ってゐる動画があった。見たら『世界の終り〜』でいいのになんで書いたんだらう、これでノーベル賞は遠のいたと豊﨑がいってゐて笑ってしまった。まるで晩節が汚されたかのやうに。
大森望は初めて『風の歌を聴け』を読んだとき、カート・ヴォネガットが想起されたらしい。日本にもかういふ作家がゐたのか!と昂奮したといふ。 -
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長い話かと思ってたら短編集。
SFを基本読まないので新鮮に感じて面白かった!
何話がつながりがあったりしておお…となりつつ悲しいような何とも言えない気持ちになった。
個人的には扶養人類が好き。けど1人の人間の残酷さにびっくりする。
白亜紀故事も面白かった!
壮大な童話のような感じがして正直一番読みやすかったかも。
彼女の眼を連れて、はめちゃくちゃ地中の息苦しさを感じて、前らへんの広々とした美しい風景の対比で読んでるだけで苦しかった。
最後の地球大砲もうわ…となったけど沈淵はそんなに悪いことしてるのかわかんなかった。投資した方が普通に悪いのでは…としか思えなかったな。
最初お父さん可哀想だと思ったけど意外と猟奇的な部分があって悲しい…
難しい話なのに結構スルスル読めてびっくり。
科学わからんすぎてさっくり読み流してるだけかも…
他の短編集も気になるな〜
三体いつか観たい -
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ディック読もう!となって、初めはやはり「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」かと思ったところだが念のためネットで見ていたところ、どうやら短編集があるらしいと。そしてそっちのがディックを読み始めるには良いかもとの意見もあったのでこちらを。
トータル・リコール、マイノリティ・リポート…聞いたことあるなーと思ったら映画化した作品だったんですね!映画も観ます!(シュワちゃんだし、トムクルーズだし)
もともとSF 読みてーってところから手に取ろうと思ったのでSF欲の満足度は十分でした。どれも表現は難解だけどスルスル読める。
どれも設定や描写が丁寧であるわけでないが読み進めるうちに自分の中で世界観が構築されてくのが気持ち良い。話の結末の手放し具合がめちゃ良い。
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謎の発光体、球電によって両親を奪われた主人公は取り憑かれた様に球電を追い求めるようになる。やがて球電の兵器利用を目論む軍部との接触をきっかけとして、その驚くべき正体が明らかになっていく...
「三体」の前日譚とは誇大広告もいいところだが、このタイトルでなければ読んでいないのも確かなので、まんまと命名者である大森望の術中にはまっていると言える。
主人公の感傷的すぎる一人称や終盤の悲劇的な展開はあまり好みではないが、大暴走の果てにとんでもないことになった「三体」3部作に比べて、一冊できちんと完結しているのは高評価。とはいえ球電の正体、捕獲、兵器化、そして量子状態など、今作も十分とんでもないことになっている。
個人的には世界が一変するような結末だったら最高だった。 -
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ネタバレ「オックスフォード史学部・シリーズ」1作目(下)。
タイムトラベル物だけど、SFチックな部分にはあまり焦点が当たってない。
ジェラシックパーク(映画)を見た時、現代に蘇った恐竜が生きて動いてるってどんな風だろうとワクワクしてたら、始まってすぐに恐竜から逃げ惑うばっかりになって、思ってたのと違ったのを思い出した。
ダンワージー先生が迎えに来て、ドラマチックな感動と涙の再会とならないのがリアルだな。
素晴らしい終わり方だったけれど、そこまでが随分長く苦しかったので、帰ってからの話も読んで、ゆっくり安心したい気持ちにもなった。
コリンがMVP。
ベイジンゲームどうしたー!!
てっきり、「旅行に出た先で発症&意識不明、身元不明で連絡取れず」みたいなことだったんだよーとか言って、終わったころに出てくるかと思ったのに。 -
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ネタバレ『犬は勘定に入れません』を先に知ったが、シリーズの2作目だったので、まずは1作目を読むことにした。
「オックスフォード史学部・シリーズ」の1作目。
2054年のイギリスが舞台で、過去へのタイムトラベルが可能になった世界だ。
意味が解らない単語も出てくるが、特に説明はされない。
だれもかれもが話したい時にいないし、いても質問に答え(られ)ないから、物語が遅々として進まない。
おかげで、ダンワージーのイライラや不安がよく分かった。
「あらゆる予防措置をとったことはわたしが保証する」なんていえる人間は、必要な予防措置を思いつくことすらできてない。
キヴリンは無事に中世から戻ってこられるかな。
不穏のまま、下巻へ。
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オックスフォード大学のクライスト・チャーチは、「ハリーポッター(映画)」に出てくるホグワーツ魔法学校の食堂のモデルでもあるそうだ。 -
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ネタバレ過去に何冊か読んだがあまり響かなかったようで、それっきりになっていた。映画『トータル・リコール』を再視聴しようとして序盤も序盤で気力が尽きたので、原作を読んでみることにした。
この選集に掲載された作品はほぼすべて全面核戦争中ないし後を舞台にしている。全面核戦争をテーマにした作品は1950年代にはすでに存在したことになる。
ゾーニングなどない喫煙がシーンに自然にまざっている。
そんな時代の空気を感じながら。
『トータル・リコール』△
邦題『追憶売ります』で発表されたが映画の原作となったことで改題された。寺沢武一の『コブラ』第一話のモチーフとなっているらしいことは聞いていた。その通りかもしれない。しかし、映画にせよコブラにせよ、引用した側が真摯であるように見えるのに比べて、原作はどこかおちょくってる感じがする。その由縁たる物語のマトリョーシカ構造も、ほうぼうで模倣されているように思う。
『地球防衛軍』◎
これは、以後のさまざまな創作の種本になったのではないか。
歴史のゴール。「われわれ」を示すものがひとつになること。アークナイツで繰り返し語られていること。
『訪問者』△
冒頭の防護服と酸素ボンベのイメージは、ボトムズを想起させるものがある。
ひょっとしたらナウシカにインスピレーションを与えたかもしれない。
『ミスタ・スペースシップ』✕
『歌う船』以前の頭脳船、R-TYPEの元ネタだろうか。
このオチはなんだ。反戦という主題が頭でっかちになりすぎたか。
『非0』✕
C爆、コバルト爆弾。1950年にレオ・シラードが想定した核戦争の最悪のシナリオの中に登場する。
共感能力を全くもたないとされる人々の集団が、なにかをなしとげるために協力しあえるのだろうか。
『フード・メーカー』△
『超人ロック』は超能力者への迫害が通底している。初期はおもにテレパシー能力由来だったように記憶している。特に重要なキャラでもないのに意味ありげに少女を連絡員や工作員として登場させたりとか。
ここに語られているティープすなわちテレパスは、現実の現在における利権にくいこむ人々を彷彿とさせる。当時からそのような人々は存在したのであろう。
"「だれか特定の人間が人類を導くべきじゃない。人類を導くべきは人類自身です」" p.323
超人ロックが信条とする「人類を導くのは英雄やシステムではない」に、一番似た言葉かもしれない。
『マイノリティ・レポート』◯
p.391 “閉じた時間の輪の中”
MAGIシステムの祖型が。タカシ、キヨコ、マサルの3人組は、ひょっとすると3人のプレコグ(予知能力者)から来てたりするのかな。男女比は一致する。
時間線という表現。
対中戦争。1950年代半ばにそういう想定があったのだろうか。
タイムループものではないが、それ系の用語が登場する。未来予知の話であるから。