大森望のレビュー一覧
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・ケン・リュウ編「金色昔日 現代中国SFアンソロジー」(ハヤカワ文庫SF)は「折りたたみ北京」に続く中国SFの第2弾である。登場人物等、さすが中国である。カタカナでではなく、漢字の名前が多い。ま づこのことに感心してしまつた。それほど私が中国とは無縁の読書生活を送つてゐるといふことである。さういふ内容の作品もあればさうではない作品もある。実に様々である。「本アンソロジーには、全部で十四名の作家による十六篇の作品が収録されて」(「序文」12頁)をり、「作品渉猟の場を拡大する方向に目を向けて」(同前)編まれたといふ。ただし、「本プロジェクトは、中国現代SFの代表的な作品を集めるという意図は」(同1
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ネタバレ“彼はめざめた——そして火星を恋い、その峡谷を想った。一歩一歩、足を踏みしめてその谷間を歩くのは、どんな気分のものだろう。意識がはっきりしてくるにつれ、しだいしだいに大きくその夢はふくれあがっていった。その夢、その憧憬。自分をとりかこんでいるその世界の存在さえ、実感できるような心地がした。(『トータル・リコール』より、p.9)”
ハマっていると言うほどでもないが、ここ数ヶ月ディックをよく読んでいる気がする。短編集初収録の3篇を含む、全10篇を収録。
表題作『トータル・リコール』が良かった。火星に行くことに憧れる会社員クウェールは、ある日リコール社を訪れる。夢が到底叶いそうにないことを悟り -
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近年スマッシュ・ヒットを飛ばし続けている現代中国SFのアンソロジー、2019年に発売された「折りたたみ北京」に続く第二弾が満を侍して発売。SF者の期待感を表すかのような分厚さ。「折りたたみ北京」の1.5倍ぐらいになっている・・・(^_^; 早川書房さん、紙の文庫本は上下巻に分かれても構いませんので一冊あたりの厚みを抑えていただけないものでしょうかね〜。紙の文庫本にとって、「携帯性」ってとても重要なポイントだと思うんですけどね〜〜。
閑話休題。
一通り読んでみて、「折りたたみ北京」を読んだ時ほどの衝撃は、正直感じませんでした。読むこちら側の期待値の違いかもしれません。「よーし、面白いSF読むぞ -
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ネタバレフィリップ・K・ディックを読むのはこの本がはじめて。ディックと言えば『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の思弁系SFのイメージがあったけれど、この短編集には、軽いユーモアSFや超能力を題材とした正統派のSFが主に収められている。『パーキー・パットの日々』と表題作『変数人間』が印象に残った。
『パーキー・パットの日々』
“父親がつぶやいた。「あのオークランドの連中。あのゲーム、あの特別な人形、それがあの連中になにかを教えたんだよ。コニーは成長しなくちゃならない。それで、あの連中も彼女と一緒に成長するしかなくなったんだ。ピノールのまぐれものは、そのことをまなばなかった。パーキー・パットから -
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アメリカの作家「コニー・ウィリス」の長篇SF作品『ドゥームズデイ・ブック(原題:Doomsday Book)』を読みました。
「ヒュー・ハウイー」の『ダスト』に続きSF作品です。
-----story-------------
〈上〉
歴史研究者の長年の夢がついに実現した。
過去への時間旅行が可能となり、研究者は専門とする時代を直接観察することができるようになったのだ。
オックスフォード大学史学部の女子学生「キヴリン」は、実習の一環として前人未踏の14世紀に送られた。
だが、彼女は中世に到着すると同時に病に倒れてしまった…はたして彼女は未来に無事に帰還できるのか?
ヒューゴー賞・ネビュラ賞 -
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アメリカの作家「コニー・ウィリス」の長篇SF作品『ドゥームズデイ・ブック(原題:Doomsday Book)』を読みました。
「ヒュー・ハウイー」の『ダスト』に続きSF作品です。
-----story-------------
〈上〉
歴史研究者の長年の夢がついに実現した。
過去への時間旅行が可能となり、研究者は専門とする時代を直接観察することができるようになったのだ。
オックスフォード大学史学部の女子学生「キヴリン」は、実習の一環として前人未踏の14世紀に送られた。
だが、彼女は中世に到着すると同時に病に倒れてしまった…はたして彼女は未来に無事に帰還できるのか?
ヒューゴー賞・ネビュラ賞 -
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ネタバレハリウッドのドラッグと嘘と虚栄に満ち満ちた近未来SF。
コニーウィリスの章初めに引用する手法がこれでもかと使われて、冒頭ドタバタするもハッピーエンドまで落とし込むところもさすが。
ただ、男の子主役の荒っぽさややさぐれ感はちょっといただけないとこもあり、最後アリスとうまく行ったのは奇跡やと思う。
今回特に感銘を受けたのは、訳者の登場した映画をほぼ観て巻末に注釈を入れてくれてるところ。
単に翻訳するだけではなく、膨大な作品を見まくって、少しでも映画不慣れな読者の補完をしようと努力されてるのはすごすぎる。この仕事こそまさにプロでしょ。 -
Posted by ブクログ
臨死体験をめぐる医学SF。読み終えた直後の率直な感想は、「あ〜長かった」のひとことにつきるかな。医学、文学、映画、そして遭難事故などに関する情報量とディティールはすごいが、それが面白さにつながっているのかは微妙。とにかくすべてが冗長に感じられる長ったらしい文体、これを楽しめるかどうか。第二部のラストで仰天させられ、ようやく面白くなってきた時点で残り4分の1。医学的にどこまでが実在の話なのかはわからないが、ミステリの謎解きのようになるほどと納得のできる着地はする。その過程を楽しめるかどうか。正直自分にはいまひとつ、合わなかったようだ。
キャラクターは魅力的だが、臨死というテーマの深刻さをユーモア -