大森望のレビュー一覧
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タイトルから受ける印象通りの、へんてこりんな世界観。序盤こそディストピア的な管理社会を描いているが、仕事を受けて地球を飛び出し、未知の星へ降り立った後から始まる冒険はSFというよりファンタジー。これは好みが分かれそう。自分はストーリーについては今一つ楽しめなかったものの、部分部分で興味をひかれる要素がちらばっており、全体としては面白かったと思う。
特に面白いのは、英語の小説や映画のタイトルを外国のコンピュータに音声入力して外国語に翻訳させ、それをもう一度コンピュータ英訳したフレーズから、もとのタイトルを当てるゲームが登場すること。少し前までネットの自動翻訳で面白い訳を目にしていた我々の世代には -
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ネタバレ『ブレードランナー』として映画化された『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が有名なフィリップ・K・ディックの短篇傑作選の第5集。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の元(創作のきっかけ)となった作品が表題の「小さな黒い箱」です。全11作品。
今回はじめて読んだフィリップ・K・ディックなのですが、彼の作品には映画『ブレードランナー』しか触れたことがなく、ゆえにディックはもっとハードボイルドなSF作家かとイメージしていました。どっこい、その作風にはユーモアとウイットがふんだんに感じられました。
SF作家をプレコグ(予知能力者)とみなす短編があって、舞台となる未来世界から時間旅行をした未来人 -
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話としては少し古さは感じるものの、のびのびしたSFって感じがして楽しめた。
ただ、ディックの原文が問題なのか大森さんの訳なのか、今ひとつのめり込めない話だった。勿論、あくまで僕には合わなかった、という話だけど。
説の引きは凄く上手いのに、数日に分けてちびちび読めるくらい(本当に気に入った本は、勿体ないからと脇に置いても、気になってすぐに続きを読み始めてしまう)にしか惹かれなかった。ただ半ば過ぎた辺りからは、一息に読んだので、面白く感じたんだろうと思う。
展開的には凄く盛り上がってるはずだし、ビジュアルも結構浮かぶんだけど、なんだかこう身に迫ってこない感じ。ただ、話が本格的に動き出すまで -
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翻訳ミステリ札幌読書会に初めて参加させて頂く機会を得たのだが、最初の課題本が何とこれ。ミステリでもなければ、ディックの代表作品でもなく、どちらかと言えばゲテモノ扱いされる異色作。
初めて会う方ばかりだったが、ぼくのテーブルにはロバート・クレイスの翻訳者である高橋恭美子さんや、ヒギンズの大ファン氏でありながら何故かディックにも詳しい方がおひとりいて、この作品の位置づけを教えて頂けた。
どちらかと言えば、傑作を二つ三つものにした後の疲労回復のために肩の力を抜いて書いた作者のお遊び的作品なのではないか、という辺りで、多くの読者の感覚は落ち着いたのだが、まさに自由気ままに浮かび上がるイマジネ -
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カート・ヴォネガットの初期の短編集。着想はどれも面白いものの、大きな物語が始まる前に終わったという印象が強く、インパクトはやや薄めである。一番よかったのは冒頭の「耳の中の親友」で、補聴器が人間の内面を暴き、語りかけてくるという、siriやSNS時代を予見させるかのような一遍でアイディアは面白かったのだが、そこから何かが起こるわけでなく、日常の異分子で片付けられたのが個人的には乗り切れなかった。あとがきでスケールよりも寓意性を取った短編であると書かれていて、それには納得したものの、その機械が蔓延る未来への恐怖感とそれを見たい願望のほうが勝ってしまったので肩透かしというのが正直な感想である。基本的
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本屋で「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」と並んで平積みに。表紙のデザインが同じ感じだ。中身も、どうしてこんな社会になってしまっているんだ? という暗黒感は同じだ。
未来社会、道徳再生運動が行われ、住民は自治会集団の集会で不道徳な行いについて訴追されることになっている。主人公アレンは広告会社を経営していたが、何かの衝動にかられ、この道徳再生運動の創始者の石像を壊してしまう。ここからアレンは安定した暮らしを失っていく。
「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」が一体救いはあるのか?といったどろどろの世界なのに対し、こちらの主人公アレンは理解ある妻がいて、最後は希望が持てそうな終わり。
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オックスフォード大学の歴史学科が舞台の話。
熱血的歴女のキヴリンは周囲の反対をものともせず、魔女狩りとペストが猛威をふるう中世イギリスに行きたがっていた。
そして、彼女の指導教官である中性史学科の教授(無知で無能で傲慢)はロクな予備調査もせずにキヴリンを中世へ送り出してしまう。
キヴリンを送り出した直後、現代に謎の伝染病が広まる。
そして中世に降り立ったキヴリンも体調を崩して現代に戻るための降下点が分からなくなり…的な。
はい。
コニー・ウィリスのタイムトラベルシリーズです。
今書いたあらすじだけで上巻をまるまる使い切りました。
下巻になって話は進むのか!?
乞うご期待。