大森望のレビュー一覧

  • 息吹

    Posted by ブクログ

    表題作が素晴らしい。
    人類とは全く異なる宇宙、異なる世界観を持つ異質な生命体の生き様を、平易な筆致で淡々と、かつリリカルに描き出した短編。SFという文学ジャンルにしか描けない爽やかな感動を覚える、正に「瑞々しい」という表現がピッタリくる傑作です。

    ただ、鴨的には他の作品群がちょっと物足りないところも、正直ありまして・・・
    これが現代の「世界標準」のSF、なんだと思います。物語としてリーダビリティが高いし、ロジックもしっかりしてるし、登場人物の内面描写も豊かに描き出されていて、本当によくまとまっています。・・・でも、なんだか綺麗すぎて、あっさりと感じてしまうんですよねー。
    贅沢な意見だとは思い

    0
    2024年05月04日
  • 流浪地球

    Posted by ブクログ

    ・劉慈欣「流浪地球」(角川文庫)を読んだ。その解説の加藤徹 「SFと『科幻』ー劉慈欣文学の魅力」に次のやうな文章があつた。中国は科幻系の国である。「『科幻』系の国々で は、たとえ虚構でも、そんな空想を発表した作家は、たたではすまない。」(301頁)そんなとは、例へばゴジラの東京襲撃である。これだけで恐ろしくなるのだが、中国の作家はそれでも書いてきた。どのやうに書いたか。「劉氏の出世作『三体』の物語は『文化大革命』から始まる。(中略)米ソをさしおいて、社会を恨む中国人が最初に宇宙人と交信する、というあの物語の冒頭は、科学的には不自然だが、科幻としては正しい。『文革』は、中国共産党があやまちであっ

    0
    2024年04月21日
  • 超新星紀元

    Posted by ブクログ

    超新星爆発により、14歳以上の大人が死滅してしまう世界のお話。
    『gone』とか、『百年法』の最後らへんのようで、好きな設定でした。

    大人たちに残された時間は10ヶ月。その間に自分たちの知識と技術を子どもたちに継承して、今まで通り生活できるようにしなければ。という大学習時代。そして、大人たちとの別れ、最初の混乱までは理解できる。でも、そこから後の展開がまったく分からん感じでした。ひたすらなぜそうなるの繰り返し。私が大人だからなのか。
    とりあえず、大人は子どもに純真さを見るけど、子どもたちはそれよりももっとずっと残酷な生き物であるということはなんとなく共感できました。

    0
    2024年03月31日
  • 老神介護

    Posted by ブクログ

    初めて中国人作家が手掛ける作品を読んだが、普段映画や漫画などでもSFは全く観ないため想像することが難しかった。
    だがSFだけでなく、中国の内情についても交えて描かれているためか、興味が薄れることはなく読み終えることができた。

    今生きているこの時代のことを考えるだけでも頭を抱えてしまうのに、近未来の可能性を想像して作品を作れるのは見事だと思えた。

    0
    2024年03月12日
  • キヴォーキアン先生、あなたに神のお恵みを

    Posted by ブクログ

    死者にインタビューするってのが発明ですね。
    乳癌の早期発見に貢献するマンモグラフィの有効性を説いたフィリップストラックスの詩がとても良かった。
    道具を錆びつかせるより
    愛と肉欲に惑わされるがまし

    後半のリーストリンガーとの対談も良かった。

    0
    2024年03月09日
  • 人間以前 ディック短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    フィリップ・K・ディックという名前とハヤカワ文庫の表紙の絵を見て買ってから半年くらい積んでいた本。
    中でも「地図にない町」「この卑しい地上に」「人間以前」の話が理解しやすく特に印象に残っている。
    「地図にない町」は架空の世界を知覚してしまったことによって自分のいる現実の世界にまで影響をあたえ変わってしまう恐怖を感じた。
    「この卑しい地上に」は結婚相手をだけをもとに戻したいという思ったために、世界全体に影響を与え、一個人の問題で収まらなくなった事への焦りを感じた。
    「人間以前」は何もできない子どもと勝手な大人の対比が表されていて面白かった、また、中絶が魂があるかどうかで12歳まで中絶として処理さ

    0
    2024年02月29日
  • 超新星紀元

    Posted by ブクログ

    前半はとても引き込まれて面白いのですが、後半は結構お話が迷走します。
    コンセプト止まりといった感じで、他作品に比べると少し勢いが足りない感じです。

    0
    2024年02月29日
  • 流浪地球

    Posted by ブクログ

    他の短編集よりも作者のバリエーションの豊かさを感じられる作品たちだと思う。あとがきにあるように表題作の映画版はちょっとガッカリだったので、原作の面白さが際立った。

    0
    2024年02月20日
  • トータル・リコール

    Posted by ブクログ

    フィリップ・K・ディックの短編傑作集。
    どの作品も短いので読みやすいとは言え、それでも、SF初級者の私には難しかった。いつか、すらすら理解できるようになりたいものだ。
    「ミスター・スペースシップ」と「マイノリティ・リポート」が良かった。
    未来の物語の中に人間の本質、社会の歪みを突いて来るので、気づきが多い。SF小説の深さなんだろうな。

    0
    2024年02月17日
  • 流浪地球

    Posted by ブクログ

    それぞれの話の発想にまず感心しつつ読み始め、そんなことを忘れて熱中していると巧みな結末に改めて感心させられてしまう。

    難しい科学的背景を感じるが、それが読むのを邪魔することなく、むしろ楽しみを増すスパイスになっているのもいい。

    0
    2024年02月10日
  • 老神介護

    Posted by ブクログ

    〝扶養人類〟のハードボイルド感がたまらず、ブレードランナーみたいな世界を妄想してしまった。

    宇宙度は「流浪地球」の短編集のが濃いめ。
    著者はこういうコミカル?シュール?なのも書けるのがニヤリとしてしまう。

    0
    2024年02月06日
  • 老神介護

    Posted by ブクログ

    期待を裏切らず、劉さん独特の発想と設定で面白く読めた。話はSFでも、なぜか読みながら現実世界に起きていることになぞらえてしまう。
    同じ短編集でも「円」を読んだ時の衝撃に比べると、少し物足りないかもしれない。「円」は北欧ミステリーに出会った時のような、ダークさがあった。今回はよりSFらしい?タッチに感じた。

    0
    2024年01月28日
  • 白亜紀往事

    Posted by ブクログ

    恐竜と蟻がタッグを組んで文明を発展させた話。短編より恐竜文明と蟻文明の細かい描写が多くて楽しかった。蟻と恐竜は人間の駄目な部分を分担しているので、映画ドラえもん鉄人兵団(旧)で静香ちゃんがリルルに言った「まるっきり人間の歴史と同じじゃない」を思い出した

    0
    2024年01月15日
  • 白亜紀往事

    Posted by ブクログ

    時は6500万年前の白亜紀末期。恐竜は柔軟な思考力、蟻は精確な技術力を活用し、それぞれの欠点を補完し合い、新たな文明を築くに至った。
    しかし、永遠に続くと思われた恐竜と蟻の二大文明は、深刻な対立に陥り…。

    もし蟻と恐竜が人間と変わらぬ文明社会を白亜紀に築いていたら?なお話。この発想はなかった。設定だけで面白い。
    恐竜と蟻が戦ったら、どっちが強い? …なんて簡単な問題かと思いきや、意外な結末に脱帽です。
    もしかしたらあったかもしれない遠い過去の話。興味深く読みました。

    0
    2024年01月06日
  • 超新星紀元

    Posted by ブクログ

    とても興味深い設定のSF

    後半は、一辺倒になってしまって自分的には面白さには欠けました
    ラストもあっけない感じ
    子どもたちが成長成熟して後世紀を創ってゆくのが描かれたりしてたら良かったな

    0
    2024年01月03日
  • トータル・リコール

    Posted by ブクログ

    表題となるトータル・リコールを含む短編集。

    一番面白かったのはやはりトータル・リコール。
    映画で観たなぁと思って読んだら全然違う話でびっくり!でも面白い。
    なんというか落語にもなりそうだし「世にも奇妙な物語」にも出てきそうな、ありそうでありえない、子どもが夢想しそうなことを一流作家が書いたらこうなる、といった感じの短編小説。

    他の映像化作品もぼちぼち面白いのでファンの方が読む分には良いと思う。

    0
    2024年04月08日
  • ミステリースクール

    Posted by ブクログ

    読んだことあるのも結構あったけど、
    読みたい本もたくさん見つかって嬉しい!
    文字数の制限で説明が物足りない感もあったが
    この量なら満足。

    0
    2023年12月07日
  • 人間以前 ディック短篇傑作選

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    人間と認められるのは12歳以上、12歳未満の子供は人間と認められず、狩り立てられてしまう……衝撃のディストピアを描いた表題作を、新訳で収録。長篇『ユービック』と同一設定の中篇「宇宙の死者」、ディック短篇の代表作として知られる現実崩壊SF「地図にない町」(新訳)、侵略SF「父さんもどき」、書籍初収録作「不法侵入者」、晩年の異色作「シビュラの目」ほか、幻想系/子供テーマSF全12篇を収録する傑作選。

    [収録作品]
    地図にない街
    妖精の王
    この卑しい地上に
    欠陥ビーバー
    不法侵入者
    宇宙の死者
    父さんもどき
    新世代
    ナニー
    フォスター、お前はもう死んでるぞ
    人間

    0
    2023年11月12日
  • 超新星紀元

    Posted by ブクログ

    超新星爆発によって発生した大量の放射線により14歳以上の人類は死に絶えるという設定に惹かれて読んでみましたが、想像以上にぶっ飛んだストーリーが繰り広げられていました。大人たちが滅亡するまでには多少なり時間があり、残される子供たちに、社会を引き継ぐためにできる限りの準備をして旅立つのですが、子供たちの考えは大人たちの想像の範疇を超えていて。。。子供たちの生きる目的と、大人たちそれについての違いについては本書に記載されていますが、現実世界でもこういう子供から大人になる過程で価値観の変化って得てしてあるんじゃないかなぁと思います。(本書に書かれていることがすべてとは思わないけれど。)途中かなり盛り上

    0
    2023年11月04日
  • 村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!

    Posted by ブクログ

    村上春樹ファンである、大森望さん、豊﨑由美さんが村上作品をについて言いたい放題書いている。いやタイトル通り「メッタ斬り」でおもしろかった。ストーリーを思い出しながら、自分も疑問に思っていたことや前の作品と似ているような…と思ってたところを共有できたのでよかった。ハルキストは結構いるからこういうのを読んで「やっぱり」と思う人は多いような気がする。
    豊﨑さんの春樹作品ベスト3は
    世界の終わりとハードボイルド·ワンダーランド
    ねじまき鳥クロニクル
    神の子どもたちはみな踊る
    だったけど、私はどれも読んでなかった。
    今度読んでみようと思った。

    0
    2023年10月14日