大森望のレビュー一覧

  • 人間以前 ディック短篇傑作選

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    表題作と『地図にない町』を読んだ。
    ・表題作:12歳未満の子供は人間とみなされず両親の希望があれば中絶トラックによって回収、処分されてしまう。かつての中絶の概念が拡張され、人間とみなされるかどうかは、産まれてくる前かどうかではなく、代数(高等数学)を扱える年齢以降の世界となっていた。
    表題作は後ろの解説を読むと中絶批判の作品として取られることが多いらしいが、全然そんな風には受け取らなかった。人間として人権を与えられる根拠、基準は何かといった普遍的な問いが題材だったと思う。私の考えは本書で扱われた内容とは違うがそれはまた別の機会に。
    ・地図にない町:ある日駅員に定期を買いに来た男が降車駅として指

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    2018年09月02日
  • 航路(上)

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    トヨザキ社長オススメ、翻訳・大森ってことで入手。ただ、”航路”って言葉を、自分で勝手に”宇宙航路”と拡大解釈してて、それはSFのイメージに基づくものでもあるんだけど、で、『だとすると、こんな長編を読みきるのはしんどいかも…』って思ってた。でも蓋を開けてみると、舞台は親和性の高い病院で、内容も臨死体験に関したものと、思ってたのと大違い。安心して読み勧めることが出来た次第。SFの中では寧ろ読みやすい部類。上巻だけでかなりのボリューム感だけど、それをあまり感じさせられないくらい、リーダビリティも高い。キャラの魅力とか、秀逸な訳文とか、色んなおかげの賜物だけど。続きも楽しみ。

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    2018年08月09日
  • 村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!

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    マメでない村上読者にはわかりやすい解説になっていて、助かる。「色彩のない」「1Q84」の議論もあり、作品相互の関係も色々と明らかにしてくれる。
    熱狂的村上信者には、薦められない。

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    2018年07月02日
  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    多くの登場人物のキャラクターや関係性を理解しようとするのをやめて、どんどん読み進めると後半はストーリーが加速してくる。
    なんと設定した時代からずれたところにタイムトラベルしていたとは。
    最後にギヴリンやダンワージーは助かったのだろうか?

    ところで「鳴鐘者」って鐘を鳴らす人だと思われるが、教会の鐘を鳴らす人なのだろうか?どうもハンドベル奏者のイメージがつきまとい、物語がうまく想像できないのだが。

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    2018年05月31日
  • SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録

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    単なる文章術やアイデアメーカー本ではなく、実践的に「作家になるにはどうすればいいか?」を多方面から解説し、積み上げていく一冊。講義録なので、理論書としてのまとまりは薄めだが、その分幅広い話に言及しているお得感あり。

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    2018年05月25日
  • 航路(上)

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    いつも通り最高に楽しめるんだけど、展開のエンジンがかかるまでの日常の積み重ねがけっこう辛かったりする。あと何回ミスター・マンドレイクに会えばいいのか、とか。毎回行っちゃだめと引き留めるメイジーとか。その分、それまでの経験が、マジかそうなるのかっていう具合にスパークして、楽しいです。

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    2018年03月04日
  • NOVA1【完全版】

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     果してここに収録されている短編はSFなのだろうか。
     SFというにはS(科学)の占める割合が極端に少ない(あるいはまったくない)ようにも思える。
     ファンタジーというか、超現実的というか。
     筒井康隆氏のスラップスティック的作品と同傾向の作品が目立つ気もする。
     まぁ、そんな筒井康隆氏も日本SFの元祖の一人として認知されているので、ここに収められた作品群もSFというカテゴリーに含まれてもいいのかも知れない。
     SFということに拘らなければ結構面白い作品が多く収録されていた。
     特にメタフィクション的な作品が面白く、その中でも飛浩隆氏の「自生の夢」が心に残った。
     一番ダメだった

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    2018年01月04日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    時間旅行ユーモア小説!
    本来は過去から何かを持ち帰ることは不可能なはず…
    しかしある学生が川に溺れた猫を助けて連れ帰ってしまった。
    この猫が原因で歴史に齟齬が生じたら?
    齟齬を生じさせないから連れ帰れたのか?
    とにかく猫を元のところに戻すために過去に送られたネッドだがそこでもまた歴史と異なる出来事が起こってしまう。
    どうなる歴史!? いやぁ〜後半に進むにつれてどんどん面白くなっていって一気読みしました

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    2017年12月31日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    2057年イギリスのオックスフォード大学が舞台。
    過去へのタイムトラベルが可能になり、歴史を学ぶ学生は過去に潜入して研究していた。

    最初は読みにくかったけど後半になるに連れてどんどん引き込まれる展開に。
    過去の時代の風習に戸惑ったり、強烈な個性の人に振り回されたり読みながら笑える場面が多いです。

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    2017年12月31日
  • 銀河の壺なおし〔新訳版〕

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    質問や命令に対して「ウィリス○○しろ」
    というルールを頑なに守ろうとしながら
    人間(状況)に合わせて、苛立ちながら妥協したり、
    実は□□になる夢を持っていたり、脇役ながら光る。
    まさにいま「OKグーグル」で反応する世界を予言。
    葛藤があるあたり、当時は違ったかもしれないが
    現在からすると風刺・パロディーの様でクスリとする。

    で、物語自体は、色とりどりだが
    ぶっ飛んだところも少なく、薄味な印象。
    何もすることはなく、体制に生かされているだけの
    どん底の人間が、何かに必要とされ、そのなかで
    他人が敷いたレール:予言に抗い、
    自分を見つめなおした先にある再生が
    結局のところラスト一文の今回の日本語

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    2017年12月27日
  • 銀河の壺なおし〔新訳版〕

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    楽しい!ある意味ナンセンス。
    Wikipediaを見ようとして通信制限にかかるとか、機械翻訳の再翻訳誤謬ゲームもそうだし、OK, Googleって言わないと反応しないAIみたいなのとかなんで’60年代に思いつくのか。しかもそのチョイスが微妙すぎる。

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    2017年12月27日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    ドゥームズデイ・ブックと比べると感動がない
    表紙   6点松尾 たいこ   大森 望訳
    展開   6点1998年著作
    文章   7点
    内容 700点
    合計 719点

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    2017年11月29日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    ドゥームズデイ・ブックと比べると感動がない
    表紙   6点松尾 たいこ   大森 望訳
    展開   6点1998年著作
    文章   7点
    内容 700点
    合計 719点

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    2017年11月29日
  • ゴッド・ガン

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    秀逸の一言に尽きる。

    ドラマが展開して心揺さぶられるSF、ヴェールに包まれた全体が明かされるまで、波乱に満ちた仰々しい物語が徐々に進んでいくSFなどもあるが、これは特大のアイディア1発で真っ向からガツンと殴られるような、そんなSF。表題作『ゴッド・ガン』なんぞ出オチもいいトコの超短編なのだが、それ故に「ベイリーが合うか合わないか」の判定としては非常に優れている。これが1作目に配置されてるのは面白い。

    特に惹かれたのは『地底潜艦〈インタースティス〉』の見事なオチ、『邪悪の種子』の完成度の高さ。

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    2017年11月27日
  • 銀河の壺なおし〔新訳版〕

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    おー、確かにセリフが違うぞ。
    旧訳より読みやすく感じたのは、既にストーリーが頭に入っていたからか、自分が年取ったせいなのか、訳者の優劣かは謎。

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    2017年10月27日
  • 航路(上)

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    臨死体験がテーマのSF。認知心理学者のジョアンナは、神経内科医のリチャードに誘われて臨死体験の研究プロジェクトに着手する。人工的に臨死体験をひきおこし、その謎を科学的に証明しようとするが、被験者不足でジョアンナは自らプロジェクトの被験者となり、ほかの人の臨死体験や自らの体験から、すこしずつ臨死体験の謎を解明していく。

    上下巻でそれぞれ650ページずつくらいの大長編。上巻の前半くらいまでは、なかなか話もすすまず医学研究の小難しい話が多かったり、話をやめない登場人物ばかりでほんとうにこの物語自体が「引き延ばしの天才」。でも、ジョアンナが「潜り」はじめてからは、一歩一歩着実に真相に近づいていき、ど

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    2017年08月18日
  • 航路(下)

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    臨死体験がテーマのSF。認知心理学者ジョアンナは自ら臨死体験の研究プロジェクトの被験者となり、すこしずつ臨死体験の謎を解明していく。

    上下巻でそれぞれ650ページずつくらいの大長編だけど、ジョアンナが「潜り」はじめてからは、一歩一歩着実に真相に近づいていき、どんどん先が気になってくる。臨死体験の謎が、予想もしてないようなことにつながっていき、展開がよめない。真相にたどりつきそうでなかなかたどりつかない様子が、舞台の病院が改装工事や通行止めばかりだったり、登場人物たちが留守電やポケベルの行き違いなどでなかなか連絡がとれなかったりする描写と重なり、いろんな意味でこちらももどかしい。

    第2部の終

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    2017年08月18日
  • 人間以前 ディック短篇傑作選

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    これまで読んだフィリップ・K・ディック作品とは少し毛色が違うものが多かったような印象を受けます。
    「妖精の王」はファンタジー要素が強く、珍しくしっかりとハッピーエンド!
    「欠陥ビーバー」はビーバーが主人公の作品だし、「父さんもどき」は子供たちが主人公(私の頭の中ではスタンドバイミー的な雰囲気でした。いや、内容は全く違いますが)です。
    ほかはいつものPKD作品ぽい、不思議な終わり方やディストピア的作品です。
    個人的には「宇宙の死者」が面白かった。
    「フォスター、お前はもう死んでいるぞ」は命を金で買う的な時代。主人公はいささか過敏というか過激な気もするが、周りの状況と自分の置かれた環境を考えるとあ

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    2017年07月04日
  • 村上春樹「騎士団長殺し」メッタ斬り!

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    小説なんて、自分が読んで感じるままでよいのだろうが、他人の見解も気にならないわけではない。こういう本を買うのは、いかにも興味本位っぽくて、自分に自信がなさそうで、ちょっと恥ずかしかったが、好奇心が勝った。
    村上春樹を読み込んでいる人は、なるほど、こういう風に読むのかといった参考になる部分もあったし、自分の思ったことは他人も同じように思っているのかと納得できるところもあった。まあ、読んでよかった。
    本書は、騎士団長殺しだけでなく、過去に行われた批評として、「田崎つくる」や「1Q84」も取り上げられている。本書の後半を読むために、未読だった「1Q84 BOOK3」を読むという本末転倒的なこともやっ

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    2017年05月13日
  • カエアンの聖衣〔新訳版〕

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    相当変、だけど好き、な世界観。いいのか「服」で、まさか「服」が、と戸惑う私を力ずくで持っていく剛腕。この無茶苦茶で風呂敷広げすぎな世界を大いに真剣に不真面目に書く、この世界観、何かに似てると思ったら、かつて大ファンだった劇団★新感線の作家中島かずき氏が解説してた。やっぱり(笑)。何でか宇宙で全裸の集団率いるヤクーサ・ポンズ、ジャドパーとマストの交渉の場面、ふざけすぎて逆に意味があるのかと思ってしまったし、ザイオードの秘密結社の秘儀の場面の描写とか、もう新感線でした。アマラとエストルーとウィルス船長のトリオも味があるな…。後半やや失速した(というか、カストールと蠅の惑星の場面がさすがにきつくてそ

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    2017年04月02日