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Posted by ブクログ
オックスフォード大学史学部シリーズの長編第2作。まるでシェイクスピア悲劇のようだった前作からうって変わって、今度はヴィクトリア朝を舞台としたてんやわんやのラブコメディが描かれている。
「彼と彼女がくっつかないと未来が大変なことに!」という某名作映画を彷彿とさせるストーリーはもちろん、主人公とヒロインの距離加減もまた読んでいて楽しい。ウィムジー卿に憧れる女の子なんて素敵。
そしてある意味主役の犬と猫! たかがペットと侮るなかれ、驚くほどキャラが立っている彼(&彼女)は始終物語を引っ掻き回すがどうにも憎めない。人間だけじゃなく動物も魅力的な本作は、一見の価値ありです。
Posted by ブクログ
これならばわたしにもわかる。なるほどSFですね。主題はタイムパラドクスであり、メイントリックもタイムパラドクスなんだもの。そして真犯人は執事でも無害な老婦人でもなく…だと!うわー拍手喝采。そして巻頭の引用が思い起こされるわけさ。いわく「神は細部に宿る」…お見事でした!
まあしかしこの小説の楽しいところはこまごまと散りばめられたイギリスミステリとヴィクトリア朝(追記してオクスフォードw)に関する小ネタやお遊びでもあるわけですが。これは確かにニヤニヤしたくなる。そしてそれらが結構伏線めいた働きもしているところがまた楽しい。ニヤニヤ。
ジャンルなど気にせず「面白そうだな」だけで手に取ってほしい、そんな小説。いやはや面白かった。
Posted by ブクログ
大好き!映画化してほしい。
ヴィクトリア朝もドロシー・セイヤーズも大好きな私にとってドンピシャなお話でした。
上巻は説明なしの冒頭とのんびりした川下りで、ヴィクトリア朝に興味の無い人は退屈だったでしょう。予想外のフィンチ登場で上巻は終わりましたが、下巻までくればスルスル読めるはずです(上巻の引きが最高)。あの日コヴェントリーで何があったのか?消えた鳥株の行方は?あっという驚きはないかもしれませんが、犬も猫も誰も死なない、誰も不幸にならない大団円です。中世から現代まで時を駆け抜けてヴェリティを探すネッドにしびれます。ロマンチック。そしてユーモラス。完璧な執事フィンチにやられて、ウッドハウスのジーヴズシリーズも読みました。本当に好きなお話です。
Posted by ブクログ
上巻に引き続きタイムトラベルしまくりの下巻である。主人公達の思惑通りにはことが進まずにあわや歴史は変わってしまうのか?と思いきやそんなことは無くきっちり丸く収まり“主教の鳥株”は見つかる。結局時間の流れは変化を嫌い、自ら修正しようともするわけである。作中で述べられている通りの職業の人物が犯人か?と思いきや実は意外な人物が犯人でしたというパターンでミステリとしても秀逸。タイムトラベルSFであり、歴史小説であり、ミステリであり、恋愛小説であり、コメディであり、あらゆる要素を含んだエンタメ大作である。登場人物(犬1匹と猫1匹含む)も皆愛着の持てるコミカルな造形で魅力的である。上巻前半の読みにくい部分(主人公がタイムトラベルのしすぎで意識が朦朧としているのが原因)を突破すればその先はただただ楽しんで読むだけである。ぜひともあらゆる人々に薦めたい作品だ。
本作にみられるようなタイムトラベルものは世の中に数多く存在し、どれも工夫に富んだものである。同じ時間軸でタイムトラベルするものもあれば多世界を移動するものもある。純粋にSFとしての作品もあれば、ミステリやその他のジャンルと融合したものもある。人間は今のところ時間の流れに逆らうことはできず現実を見つめ現在を生き未来に進むしかない。自分の過去にたいして全く後悔していない人間などおそらく皆無だろうし、誰しも「あの時こうすればよかった」と思うことがあるはずだ。ゆえにタイムトラベルものは書かれ続けるだろう。少なくとも皆、時空間移動に対して興味をもっているはずだ。国民的アニメであるドラえもんでもタイムマシンは人気の秘密道具であり続けている。
ところで実際にはタイムトラベルは実現可能かというと科学者達(キップソンら)は少なくとも我々が生きている時代には実現不可能だと述べている。結局夢物語でしかないのかと思いきやつい先日ニュートリノが光速を超えたとの報告があった。もしこれが事実ならばアインシュタインの予測をくつがえし、極端な話、タイムトラベルが可能になるかもしれない。もちろんそんなことはやっぱり難しいのだろうがしかしそんなエキサイティングな時代に我々は生きていることに感謝したい。SF作家はタイムトラベルものを書き続けてほしいし、物理学者には時空学を研究し続けてほしい。そして願わくば時間旅行が可能になる日を拝みたいものである。
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