大森望のレビュー一覧

  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    ヴィクトリア朝時代のイギリスにタイムトラベルする話。
    面白い!久しぶりに本で声出して笑いそうになりました。作中で引用されてる本も読みたくなります。そして読み終わった後、登場人物と別れるのが寂しく感じる本。また読みたいです。
    訳文に違和感がつきまとうのはしょうがないのかな。

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    2013年01月24日
  • ブラックアウト

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    歴史の知識が血肉になっているっぽい濃密な描写、会話、思考が読んでいてとても充実感を覚える。
    『犬は勘定に入れません』同様、登場人物も読者も引きずりまわすストーリーテリングがすごくて、楽しめた。『オールクリア』に期待。
    読む前は、第二次世界大戦が舞台とのことでコメディ要素はないのかと思っていたけれどもそんなことはなかった。これが平常運転なのか。
    悲惨さと相まって、ヴォネガットみたいな感じも。
    あと、クリスティーほんと好きなんだなあ。

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    2013年01月18日
  • ブラックアウト

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    作者が張り切って2巻本にしちゃったらしい。
    というわけで、長大な、壮大なエピローグ。
    この複雑な設定を後編「オールクリア」が出るまで
    覚えていられる自信はない。
    もしかしたら「犬」もエピローグなのかも。
    とはいえ、このシリーズは大好きなので、
    たくさん読めて実はうれしい。

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    2013年01月11日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    現代で過去の資料が発見・解析されていくのとともに、一八八八年ではネッドたちがどう行動すればいいのかを手探りで考えていく。本来の歴史から外れそうになり、それを修正しようとするも正しい行動の指針はほとんどない。先の読めない混迷したドタバタ物語を、こうもすらすらと読ませるとは。
    プロットの妙か?

    ミスターCの謎。主教の鳥株の謎。時間齟齬の謎。

    もつれた糸がするするとほどけて行くように、すっきりしていく後半。
    Cの謎は、伏線のセンスが素敵だったし、時間齟齬の謎は驚いたとともに納得。

    下巻序盤のタイムラグにかかったヴェリティがかわいい。
    あたたかな陽光をさえぎる、水面まで垂れた柳の枝の木陰。そして

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    2012年12月26日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    上質なラブコメSF歴史小説。

    最初はタイムラグ(タイムトラベルを頻繁に繰り返すと起きる症状)の主人公ともども、めまぐるしい状況を把握するのにとまどった。しかし一八八八年に移り、軽妙でどこかコミカルな調子の会話・展開の物語が、読んでいて素直に楽しくなってくる。
    当時の習慣や風景描写、妙に詩を引用する人々など、コミカルながらも上品さを感じるこの書き方は日本の小説にはない独特さ。

    いつまで経ってもなかなか眠れない主人公が可哀相になるのが上巻。

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    2012年12月26日
  • NOVA1【完全版】

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    「自生の夢」を目当てに読みました。期待を少しも裏切らず、間違いなく★5
    アンソロジーって、思いもよらなかった話に出会えてうれしい。しかもSFなので安心して楽しめる。

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    2012年12月20日
  • NOVA1【完全版】

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    書き下ろしSF短編アンソロジー。

    飛浩隆は気になってて未読だったけど、「自生の夢」にはやられた。面白い。
    円城塔「Beaver Weaver」、小林泰三「忘却の侵略」、斉藤直子「ゴルコンダ」あたりも面白い。
    全体に「言語による現実改変」ってハナシが多かったなあ。

    伊藤計劃の絶筆「屍者の帝国」は、すごいな。円城塔による続きがどうなってるか、気になりすぎる。

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    2012年12月02日
  • 新編 SF翻訳講座

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    「翻訳の世界」は読んでた。「矢野徹 SFの翻訳」は今も本棚にある。未読のペーパーバックも数冊・・・それでも翻訳家になりたいとは夢にも思わなかった。いや、夢にはみたかもしれん・・・今やすっかりロートルSFファンにはなっちまったけどw 浅倉、伊藤両先生はいうまでもなく、黒丸尚直撃世代のボンクラなおっさんにはしみじみ懐かしい本だ。というか、なんだかすっかり自分が歳くった気になる今日この頃・・・だいたい2010年が過去になっちまったってのはちょっと呆然だよなーーー ・・・・・・・・ふぅ

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    2012年11月06日
  • 新編 SF翻訳講座

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    単行本でも読んでいたのだけれど、また読んで、やっぱりおもしろかった。90年代に書かれたものが多くて、多少なつかしい感じはするけれども。
    内容は、翻訳指南書としてもうすべてが網羅されている。翻訳学校へ通ったわたしがそこで習ったことはすべて入っているし、いろんな翻訳家の人がつねづね言っていることばかり。でも、それを大森さんの軽妙な語り口で読むと本当におもしろくて、わかりやすくて、すばらしい。大森さんの文章が大好きだ! エッセイ、業界裏話としておもしろいので、翻訳やSFに興味がなくてもおもしろく読める。
    それにしても、またしても深く思ったのは、SFのヒトたちってなんでこんなに楽しそうなんだろう~~と

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    2012年11月01日
  • NOVA1【完全版】

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     ざわめくな。
     オチの予測できないSFアンソロジーである。

     なんというか、ものすごい情熱である。

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    2012年10月22日
  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    ペストの蔓延する中世にタイムスリップ。未来のこちらもパンデミック。パラドックスのややこしい話もない。なのにこの話の厚みはどうだ。かといってひたすら暗いわけでなく、秘書のフィンチやら悪ガキのコリンが素晴らしく、ハリソン・フォードで断固映画化すべきだ。ヒューゴー、ネビュラ、ローカスのトリプルだけれど読みやすい。ハードではない。コリンが出てくる続編を切に希望。コニー・ウィリスは二冊目だがファンになってしまった。

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    2012年10月14日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    上/下巻 気になってはいたけれど、タイトルと表紙を見る限りどうも踏み切れずに本屋さんに行く度に手に取っては戻し、手に取っては戻しを繰り返し結局買ってみた作品。あまり期待してなかったけど結構面白かった。タイムトラベルもののSFだがそれだけではなくミステリーの要素もあり歴史も絡んでてんやわんやな感じ。
    今どこに誰がいて、何をしなきゃいけなくて、など時間軸と場所と行動の絡みが面白い。もう猫一匹で大騒ぎです。

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    2012年09月23日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    上/下巻 気になってはいたけれど、タイトルと表紙を見る限りどうも踏み切れずに本屋さんに行く度に手に取っては戻し、手に取っては戻しを繰り返し結局買ってみた作品。あまり期待してなかったけど結構面白かった。タイムトラベルもののSFだがそれだけではなくミステリーの要素もあり歴史も絡んでてんやわんやな感じ。
    今どこに誰がいて、何をしなきゃいけなくて、など時間軸と場所と行動の絡みが面白い。もう猫一匹で大騒ぎです。

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    2012年09月23日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    タイトルに惹かれて手に取りました。

    序盤=参った。読むのしんどい・・・。→長らく積読
    中盤=ちょっと面白くなってきたかも
    後半=一気読み

    という感じでした。

    SFなのかミステリなのか。
    タイムパラドクスの解釈が面白かったです。

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    2012年08月27日
  • NOVA1【完全版】

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    SFの書き下ろし短編集。
    田中哲弥目当てで読んだけど、他にも面白いのがあった。
    ちなみに田中哲弥は「隣人」って短編を書き下ろしてた。最高。はた迷惑な一家が隣に引っ越して来るという不条理系で、現実の認識が交錯していく筒井的な表現方法。

    他では、山本弘の「七歩跳んだ男」、斉藤直子「ゴルコンダ」、飛浩隆「自生の夢」、小林泰三「忘却の侵略」が面白かった。
    「七歩跳んだ男」は、月面での殺人事件を取り扱ったミステリー。トンデモ系かと思ったら、本格派SFでビックリした。ミステリーとしても良く出来てる。
    「ゴルコンダ」は、妻が11人に増えるというドタバタコメディ。主人公の軽さが、軽快さを演出していて面白い。

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    2012年06月20日
  • NOVA1【完全版】

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     書き下ろしのSF短編集であり、現在日本のSFの第一線にいる方々の作品を収録。なんと言っても目玉は、故伊藤計劃さんの「屍者の帝国」の遺稿。未完ではあるが、スチームパンク風のイギリスを舞台に、ワトスンが語り手となる本作は、ホームズシリーズの読者ならにやりと来る事請け合い。
     あと印象に残ったのは、悪い意味では田中啓文さんの「ガラスの地球を救え!」。良い意味では円城塔さんの「Beaver Weaver」と飛浩隆さんの「自生の夢」
     ガラスの地球はとにかく汚い(ゲロ的な意味で)。あと、これでもかというほどパロディで埋め尽くされている。訴えられないかと心配になるほどに。
     「Beaver Weaver

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    2012年05月19日
  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    それ以前がのほほんと見える程、後半1/2が盛り上がって面白い。が、やはりそれまでが長い。
    それでも上巻に比べると現代パートが短めですっきりしていて読みやすい。もっとも、現代パートはキャラでもたせてるとしか思えないが(そして、何者なんだウィリアム)。

    固まった吐瀉物とかが平気で出てくるあたり、キレイなだけではない、作者の意思を感じる。

    救いはコリンにある。そして、コリンのちょろまかさを表現している大森望がいい仕事をしている。

    ダンワージーは確実に自分を責めすぎである。

    最後、キヴリンが口数が少なく、ちょっと怖い感じで終わるが、もっとゆったり語って終わって欲しかった。最後だけいきなり早送り

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    2012年04月10日
  • 文学賞メッタ斬り!

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    80点。国内小説賞がこんなにあったのに驚き。ほとんどの小説を読んでいない自分でも最後まで読めたのは作品の話題だけではなく作品「賞」の話題がむしろ多かったからというのと、文学作品をあまり読まない人でも置いてけぼりにならないように註釈がとても丁寧でためになったからだと思う。
    芥川賞の選評に対する突っ込みには心から共感したし、何かと宮本輝がネタとして引き合いに出されるのが笑えた。

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    2011年12月04日
  • ドゥームズデイ・ブック(上)

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    ネタバレ

    出だしが読みづらくて、一度挫折。
    でも今回は途中から一気読み。近未来と中世、どちらも臨場感あってハラハラする。
    中世に流行したのあの病気は、こんなのだったのねって初めて知った。

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    2011年12月02日
  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    SFでいっぱい賞を取った名作。中世史を研究する女性がタイムマシンで、1320年にいくはずが、手違いでペストの流行する年へ。現代の方も疫病が流行し、助けにいけないという話。
    SFというより、文芸作品という感じ。死を前にした時の、神の沈黙と人間の尊厳は、遠藤周作の「沈黙」につながるものを感じた。
    また、主人公の女性が思う、「イエスキリストもタイムマシンでやってきたが、送り出した側が座標を特定できなくなり、迎えにいけなくなった。それでキリストが見捨てたのか、と叫んだ」という想像は、なんか真実味がありました。

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    2011年11月28日