塩野七生のレビュー一覧
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ネタバレ
現実の厳しさ
一部ご紹介します。
・人間にとって、いかに生きるべきかということと、実際はどう生きているかということは、大変にかけ離れているのである。
だからこそ人間いかに生きるべきか、ばかりを論じて現実の人間の生きざまを直視しようとしない者は、現に所有するものを保持するどころか、全てを失い破滅に向かうしかなくなるのだ。
なぜなら、なにごとにつけて善を行おうとしか考えない者は、悪しき者の間にあって破滅せざるを得ない場合が多いからである。
・天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。
・人間というものは、自分を守ってくれない、誤りを正す力も無いものに忠誠であることはできない。
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フリードリヒ二世キター!(本来は、こっちを咲に読むべきだったんだなと)
それにしても、ローマ法王からハモンされ、十字軍と公認されなかった第六次十字軍におけるフリードリヒ二世が交渉で求める者を全て手に入れたにもかかわらず、余計な十字軍をして、何一つ手に入れられなかったどころか、全てを失うきっかけを作ったルイ九世が「聖王」とはね・・・・・・
そして、マムルーク朝がでてくる。ナポレオンがエジプトに攻め込むまで続くマムルーク朝が。
それにしても、そこまでして異教徒を全て海に追い落としたはずなのに、異教徒同士の商売どころかキリスト教とのエルサレム巡礼まで復活しているのを見ると、何のためにおびただし -
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2021/01/19塩野七生イタリア・ルネサンス
①ヴェネツィア②フィレンツェ③ローマ④ヴェネツィア
1571年10月07日レパントの海戦に至る16世紀ヴェネツィア興隆史
サイズは小さいヴェネツィアもローマ法王、スペインに次ぐ地位を確保していた
東にトルコと争いつつ、長く「地中海の覇権」を保持した「国家経営の秘訣」が
塩野七生氏の造詣を踏まえつつ、司馬遼太郎的歴史小説として書き下ろされた
「国家リーダー」候補を見いだし、育成する
ヴェネツィアはそこに国家の命運の鍵を見出し、莫大なエネルギーを投入した
そのかいがあって、ヴェネツィアは長期の命を保持することが出来た
作者塩野七生氏はその歴史の -
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2021/01/19塩野七生イタリア・ルネサンス
①ヴェネツィア②フィレンツェ③ローマ④ヴェネツィア
1571年10月07日レパントの海戦に至る16世紀ヴェネツィア興隆史
サイズは小さいヴェネツィアもローマ法王、スペインに次ぐ地位を確保していた
東にトルコと争いつつ、長く「地中海の覇権」を保持した「国家経営の秘訣」が
塩野七生氏の造詣を踏まえつつ、司馬遼太郎的歴史小説として書き下ろされた
「国家リーダー」候補を見いだし、育成する
ヴェネツィアはそこに国家の命運の鍵を見出し、莫大なエネルギーを投入した
そのかいがあって、ヴェネツィアは長期の命を保持することが出来た
作者塩野七生氏はその歴史の -
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2021/01/19塩野七生イタリア・ルネサンス
①ヴェネツィア②フィレンツェ③ローマ④ヴェネツィア
1571年10月07日レパントの海戦に至る16世紀ヴェネツィア興隆史
サイズは小さいヴェネツィアもローマ法王、スペインに次ぐ地位を確保していた
東にトルコと争いつつ、長く「地中海の覇権」を保持した「国家経営の秘訣」が
塩野七生氏の造詣を踏まえつつ、司馬遼太郎的歴史小説として書き下ろされた
「国家リーダー」候補を見いだし、育成する
ヴェネツィアはそこに国家の命運の鍵を見出し、莫大なエネルギーを投入した
そのかいがあって、ヴェネツィアは長期の命を保持することが出来た
作者塩野七生氏はその歴史の -
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2021/01/13塩野七生 イタリア・ルネサンス1「ヴェネチア」
塩野七生氏の中世イタリアの歴史小説
20年2月一度イタリア旅行しただけでもヴェネチアの物語を身近に感じ楽しめる
旅行の意義を再認識 イタリア旅行は本当に良かった!
本書はヴェネチアという都市国家の歴史を物語にした
塩野先生は歴史を紡ぐ天才だが、小説で人間を描くのはチョット
男のロマンが歴史を作っていくが、その男を自在に操る女が彩り
本編の主人公は「アルヴィーゼ」 元首の庶子と愛人
庶子ゆえにハンガリー国王の座を目指し最後は挫折する
嫡子と庶子 どちらが幸せなのか それが小説のテーマにもなる
そして個人個人の思惑が国家の運命 -
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ネタバレどのような政体を採用する政府であろうと、民主政体であろうと少数指導制である貴族制であろうと君主制であろうと、その政府が長期の生命を得るには、国民一人一人の物質的欲求を満足させてやる必要がある。
だから、個人の物質的欲望を満足させることのできる政治ならば、それが民主制であろうが貴族制であろうが君主制であろうが、主義には関係なく善政と賞賛されるということだ。そして、結局は善政が長期の生命を保つ。
しかし、現実はこうはいかない。なぜなら、国民一人一人の物質的欲求を完全に満足させてやることからして、神でさえ不可能なことだからだ。
P322 -
Posted by ブクログ
ジョン・ウィリアムズ『アウグストゥス』から、史実はどうなのか興味が湧いてこちらを読む。天才の後を継いだ、天才じゃないアウグストゥスが、いかにしてローマの平和を築き、持続させたのか。いやー、面白かった。苦悩も含めて。ますます興味が沸く。
(こうしてみるとウィリアムズはほぼ史実に忠実で、そこから人物と物語を深めたこと、特にユリアを膨らませたことで物語の厚みと影が出来たことがよくわかる。これを読んだ後で、ウィリアムズを再読するとまた更に面白そう。)
しかしこれを書いた時点では、塩野さんはウィリアムズ未チェックだった模様。
いやー、ローマ面白いわー。 -
Posted by ブクログ
ローマ人の物語、第2巻はハンニバルの物語から。
“プロセスとしての歴史は、何よりもまず愉しむものである”
塩野さんの、歴史に対する一つのスタンスが見て取れます。
そして、大学で歴史を学んだ一人としても、肚落ちするものです。
私の学生当時、物語として歴史を紡いでいくことは、
司馬史学なんて揶揄も込められの扱いが主流でした。
最近の動向はわかりませんが、広く社会に還元していくのであれば、
人が生きていくための道標となるのであれば、一つの在り様としては、とも思います。
“現代の研究者でも、古代=奴隷制社会=搾取、ゆえに悪、と断定して疑わない幸福な人”
ここ最近ではあれば、行き過ぎたポ