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3巻の舞台はローマ。オリンピアの故郷ローマにたどり着いたマルコはシスティーナ礼拝堂の天井画を完成させたミケランジェロの知遇を得たり、古代の遺跡をめぐる日々を楽しむ。オリンピアの悲しい過去を知るが、ついに立場を越えた結婚を決意するものの、ヴェネツィアとトルコの関係が風雲急を告げ、二人の運命はふたたび歴史の波に翻弄されていくのだった。
オリンピアのパトロンの正体や教皇、枢機卿といった面々の関わり方が面白かった。また、史実の登場人物や歴史的な出来事が随所に描かれており、本当に小説なのかわならなくなるような面白さがあった。
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2021/01/19塩野七生イタリア・ルネサンス
①ヴェネツィア②フィレンツェ③ローマ④ヴェネツィア
1571年10月07日レパントの海戦に至る16世紀ヴェネツィア興隆史
サイズは小さいヴェネツィアもローマ法王、スペインに次ぐ地位を確保していた
東にトルコと争いつつ、長く「地中海の覇権」を保持した「国家経営の秘訣」が
塩野七生氏の造詣を踏まえつつ、司馬遼太郎的歴史小説として書き下ろされた
「国家リーダー」候補を見いだし、育成する
ヴェネツィアはそこに国家の命運の鍵を見出し、莫大なエネルギーを投入した
そのかいがあって、ヴェネツィアは長期の命を保持することが出来た
作者塩野七生氏はその歴史の教えを、現代の日本に伝えたいとの使命感を感じる本書
国家・国民に殉じる覚悟のエリート・リーダーなき組織は滅ぶしかない
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シリーズの中で最も悲劇的ではある。舞台が宗教都市ローマということで季節の変わり目を気候ではなく宗教行事で感じているローマの描写が面白い。マルクス・アウレリウスについての描写が今作品と上手くリンクさせていて感動する。
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ローマ漫遊編。
時代考証が凄すぎてどこまでが史実かわからなくなる様は、まさにイタリア版司馬遼太郎。
登場人物たちが皆どこかさばさばして、話にエグいところが無いのは、作者の性格故か。
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塩野さんの唯一の連作小説。
ヴェネツィアとフィレンツェは朝日文庫で読んでいたが、
『黄金のローマ』は品切となり読めていなかった。今回、新潮文庫で関連するローマの写真と絵画を加えて復活。
ローマを訪れた際に見たマルクスアウレリウス(『自省録』も読書中)の騎馬像の運搬の話は面白かった。
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運命とはなんと残酷なことだろう。
ローマを見るためには2つの目が必要になる。
人は物事を見る目である。
もう一つは、過去の歴史をみるための心の目である。
主人公はこの2つの目でローマを見る。今のローマと過去のローマを。
盛者必衰の理はローマだけではなく、祖国ヴェネツィアもなのだろうか。
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ローマはやはり法皇を中心としたキリスト教の中心地。そこに地を移したマルコだったが、すぐにその法皇の孫に当るファルネーゼ枢機卿と仲良くなる。そこで本来の地に戻ったオリンピアとも仲が戻るが、ただそこにはオリンピアの過去が。
ファルネーゼ枢機卿は実はオリンピアの息子で合ったことが最後にわかる。 特にこの地で余生を過ごすには若すぎたところにベネティア出身のコンターニ枢機卿からベネティア海軍がトルコに負けたことを聞いたマルコがまた故郷を思い再度政治の世界に立ち向かうことを決意する。 そこにオリンピアを連れて行こうとしたが、ファルネーゼ父がオリンピアを愛するあまり殺してしまった。 失意のマルコはベネティアへ帰国することでこの間は終わり。ベネティアの激動を予感させるローマ編。またローマのこの時代がしっかり描かれていて、以前読んだローマ人物語を思い出す。やはりローマ人ほどイタリア人は公共の設備については保守をしない事がここからも読める。まあ、物語としては普通だがこの時代の情勢がわかる事が良い。ミケランジェロもシスティーナの礼拝堂の大事業をしている姿が見えてよいな。
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ローマ編は文化的な描写が多く歴史書のよう。投げ出しそうになった矢先に訪れた転機。副題から全て察することができてしまったのが甚だ残念なのだけど衝撃の展開でラストスパートを一気に盛り上げた。加速が半端なかった勢いで次巻も読破したい。