【感想・ネタバレ】ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XVのレビュー

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Posted by ブクログ 2021年01月20日

パクス・ロマーナまでは一気に、夢中で読める。賢帝の世紀、ダキア戦記(トライアヌス円柱)で、自分はダレる。放置して、内容を忘れて、また一巻から。それが二回。三回目は、思い切って、トライアヌス円柱を斜めに読み飛ばした。あとは順調に最終頁へ。塩野さんには、ただただ脱帽して、感謝するばかり。

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ネタバレ購入済み

最後のローマ人スティリコ

mac
2022年09月30日

一部ご紹介します。
・「国家」が瓦解していく過程で人々の心をより強く支配するのは、「理」よりも「情」だ。
・三世紀に実施されたローマ市民権の既得権化と、四世紀に実施されたシビリアンとミリタリーの完全分離が、ローマの軍事力を衰えさせた二大要因だ。
・皇帝ホノリウス「コンスタンティノープルへ行って...続きを読む、幼い甥の統治を助けたい(皇帝は幼少だ。これを機に東ローマ帝国の帝位も自分のものにしたい)。」
スティリコ「この難しいローマ帝国の現状で要になる皇帝の不在は許されません(私の立場を公認できるのは、私に対する反対派が多い以上、皇帝であるあなたしかいません)。」
・互いに本音を出さずに建前だけで相対する人間関係は、問題は収拾できても、しこりを残さずには済まない。「最後のローマ人」スティリコの破滅は、皇帝ホノリウスを、本音を出さずに建前だけで諌めたことにある。人間とは、しばしば見たくないと思っている現実を突き付けてくる人を突き付けたというだけで憎むものだ。
・人間には、絶対に譲れない 一線というものがある。最後の瞬間でさえも見苦しさを避けるのは、自らの品格を保とうとする者には忘れてはならないことなのである。
・ある歴史家「28年という長きにわたったホノリウスの治世で、この皇帝が自分で決めた唯一のことが、スティリコの処刑であった。」
・スティリコの死と共に、彼が編成し、彼と共に闘った非正規軍は消滅した。彼らは、ある朝突然、渡り鳥が群れを成して発つかのように一人残らず去っていった。どこへ?自分たちを迎え入れてくれる人のところへ。それが西ゴート族のアラリックのところであった。彼らにとっての譲れない一線が、心酔していたスティリコを殺した側では自分たちは闘えない、であったのかもしれない。
・死刑に処されたスティリコの退場は、410年の西ゴート族によるローマ劫掠(ごうりゃく)を招いた。
・紀元454年の皇帝ヴァレンティニアヌスの手になったアエティウス(フン族のアッティラに勝った将軍)の死は、ヴァンダル族によるローマ劫掠を招いた。
・ローマという都市無しでのローマ帝国はあり得ない。その意味で、ローマ帝国は、紀元476年に滅亡した。
・歴史の理は、盛者必衰、諸行無常だ。

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Posted by ブクログ 2014年09月18日

去年の秋から読み始め、やっと終わった。
ローマ人はこんなだったんだ!と再認識。
学校で教わった世界史では想像もできなかった。

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Posted by ブクログ 2014年02月08日

ローマの最後
学生時代にピレンヌテーゼの講義を聞いていただのローマの最後はどうなのかずっと興味がありました
長い15冊でした
「また『ローマ人』読んでる」と言っていた子供たちも大きくなってしまいました。

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Posted by ブクログ 2012年03月09日

やっと最終巻にたどりつきました。「盛者必衰」の通りの結末となりました。紀元476年西ローマ帝国滅亡であったが、その滅亡の月日がわからず、だれからも気に留められず、ひっそりと帝国がなくなったのは、もの悲しさを感じました。無能の皇帝達が、有能な戦士達を次々と死に至らしめる経過を読んで、滅びるべくした滅ん...続きを読むだ帝国だったという気がします。これは、現代社会の組織にもあてはまっていて、上にたつ人の、困難に立ち向かうときの統率力、リーダーシップ力、人材活用力の大切さをしみじみ感じた。

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Posted by ブクログ 2011年12月25日

ローマ人の物語15巻を読み終えた。

紀元395年、テオドシウス帝の死、東ローマ帝国と西ローマ帝国への分割から、紀元476年西ローマ帝国の滅亡、帝国滅亡後のイタリア、紀元613年、預言者モハメット布教を始める…

長いながいローマとローマ人の物語、

なぜ、どのようにしてローマは興隆し、繁栄し、衰退...続きを読むし、滅亡していったのか・・・人間が、社会が、宗教が、自然が、広大な空間と時間の中で折り重なっていく物語だった。

機会があればもう一度読み直してみたい物語だ…

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ローマ人の物語のなかでは、『ハンニバル戦記』の次に、夢中になって読んだ。パクスロマーナ以降は、巻を経るごとに読み応えがなくなってきたが、さすがにこの最終巻は密度が濃い。
 意外だったのが、オドアケルとデオドリックの治世に関する記述。思っていた以上に有能な人たちであることに関心。逆にユスティアヌス帝は...続きを読む、イメージとまったく違い、少なくとも軍事面では無能。
 アカデミア、水道 などギリシア・ローマ文明の終焉を味わえる。

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Posted by ブクログ 2011年07月25日

「ローマ人の物語」も、とうとうこの15巻で完結。第一巻の発行が92年(だったと思う)ので、だいたい15年かけて完結に至ったということになる。私自身が読み始めたのは、文庫化されてからのことなので、それほど前のことではないが、ここ何年かは、決まって年末に発行されるこの本を買い、年末年始に読むということを...続きを読む続けてきた。とにかく面白くて、読みごたえがあり、自分自身の生涯ベスト10に必ずはいる本だ。ローマ帝国の誕生から滅亡までを、物語風に記録し、著者自身の考えをあらわした本。歴史本というと、事実(のみ)を記述した無味乾燥なものか、あるいは、歴史上の特定の人物や出来事に焦点をあてたフィクション等が多いが、この本は歴史を、興味を持てる形の物語にし、とても面白く読めるようにしたところに、人気の理由があったのだと思う。とにかくお勧めです。

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Posted by ブクログ 2023年01月05日

とうとう最後まで読みました。年内に読み終えることができて良かったです。ローマの滅びる直前と今の日本に共通点があるかも!?減税して子どもを安心して育てられる世の中になってほしいです。

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Posted by ブクログ 2021年01月14日

塩野七生 「ローマ人の物語」最終巻 テオドシウスからのローマ帝国滅亡まで。

ローマ帝国が 何を失って滅亡したのかを伝えている

著者の最後の言葉〜地中海の役割の変化〜が印象的
「多民族、多宗教のローマ帝国にとって、地中海は内海(つなぐ海)であったが、地中海が、つなぐ海でなく、異なる宗教や文明をへだ...続きを読むてる境界に変わったとき ローマ世界は終わった」

カエサルやアウグストゥスと比較すると ローマ帝国末期は皇帝の資質が低い。キリスト教の王権神授説により、人意でなく 神意で 皇帝を決めたことが 資質の低さとなり、市民の参政意識や国家防衛の士気は薄れた原因とする論調

ローマ帝国隆盛時にローマ市民が持っていた寛容の精神には未来を感じる。寛容=降伏した敵に対する寛容。異なる宗教、文化の許容

名言「人間社会は活力を失うと閉鎖的になる」

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Posted by ブクログ 2018年10月23日

ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。ついに「ローマ人の物語」が完結。西ローマが滅びついに永遠の都ローマが、ローマ人以外のものの手に落ち、ここにローマ帝国の滅亡をみる。キリスト教から発生したイデオロギーに最後の活力をそぎとられたローマの終焉はあまりにもあっさりしすぎ...続きを読むて、なんの感慨も起こらない。実にあっけないものであった。第一巻の出版は、私がまだ大学生だったことを考えると、一時代が終わったような寂しさを覚える。当時、これを手にしながら、これが完結するころ、世の中はどう変わっているんだろうかと考えたものであるが、大して変わらないなー、自分の肉体以外は。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年08月18日

ついに1000年を超えるローマ興亡史の終了です。476年の西ローマ帝国の滅亡が学校で学んだ歴史ですが、実は何時滅んだのか劇的な最期ではなかった!それをその622年前のカルタゴの滅亡の際にスキピオ・エミリアヌスが瓦礫の山と化した都市を前に「われわれは今、かつては栄華を誇った帝国の滅亡という偉大な瞬間に...続きを読む立ち会っている。だが、この今私の胸を占めているのは勝者の喜びではない。いつかはわがローマもこれと同じ時を迎えるであろうという哀感なのだ」と語った言葉を著者は引用している。しかし、ローマは劇的ではなく、徐々に傷だらけになっていったという別の哀しみを感じるのでした。西ローマの初期の将軍スティリコを始め、後期の将軍アエティウス、東ローマ・ユスティニアヌス大帝の将軍ベリサリウスなどこの時代の将軍たちの運命は寂しさを覚えます。西ローマ滅亡後、東ローマがイタリアを回復しますが、むしろそれがイタリアの荒廃を進め、ローマ元老院が546年に消滅するに至るということは知りませんでした。そして著者はそこで筆を置きます。ローマ共和制の始まりとともに生れた元老院の滅亡こそローマの最期に相応しいのでしょう。

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Posted by ブクログ 2011年09月11日

表紙が好きなので、単行本で登録させてもらっているが、実は文庫本で読んでいる。文庫本だと薄くて冊数が多くなりすぎるし。しかし、まさか文庫本まで年1回の発行だとは思わなかった。こんなことなら単行本で全部集めておけば良かったと思いながら、初心貫徹でじっくりと文庫本を買い集め、めでたく完結である。

最初か...続きを読むら呼んでいた人なら誰でもそうであるように、僕もすっかりローマ人のファンになっているから、さすがに滅びていくところを読むのはつらかった。でも、ローマ帝国は退場するけど、その後にうごめく「蛮族」たちは生気に満ちていて(その分残酷だけど)、もう少し前の徐々に衰退していく頃の物語よりも、正直言ってずっとすがすがしい気持ちで読んでいた。

特に、「最後のローマ人」スティリコと、皮肉な形ではあるが新たな平和を創ったテオドリックは印象的で、長い物語を締めくくるにふさわしい星だったと思う。

最後のページを閉じて、改めて長かったなと感慨を持つ。そして、僕自身のものの考え方に、実はずいぶん影響を与えてくれた本であり、影響され続けた10年だったような気が改めてしてくる。

人間について考える、すばらしい材料を与えてくれた作者に感謝したい。

2011/09/11

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Posted by ブクログ 2011年09月11日

読み終わりました!読み始めたときは1冊ずつでしたが、居住地移動で購入が難しくなり、10年後に一気読みになってしまいました。

ポイントは「キリスト教信者」「キリスト教界で生まれ育った者」でないという視点。中盤までの興隆期から安定期までの中ですら、ものの見方に違いが見られる。資料を見るときの観点がちが...続きを読むうのだろう。それに衰退期にかかって、キリスト教がローマ帝国の滅亡の原因であるとはっきり言い切ることができるのは強味だ。
ユリウス・カエサルがローマ帝国の長命の基盤を作ったのは確かで、彼女がカエサルの大ファンだということは周知である。しかしもう少し他の人たちと同じくらい冷静に見つめて欲しかった。カエサルは為政者としてほとんど完全無傷である。しかし、「できる」人間にありがちな陥穽として、「できない」者の必死を侮ってはいなかったか。事半ばにして若造に暗殺されている場合ではなかったと思うのだが。

「海の都の物語」を何度も読み返すように、この作品もまた読み返すことだろう。

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Posted by ブクログ 2010年08月07日

2010/08/06 「最後のローマ人」スティリコが退場してから、ローマなぞ滅びてもなんとも思わなくなった。あまり悲しくならなくてよい読後感。こんな大作を読みとおしたのは初めてである。

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Posted by ブクログ 2011年09月11日

文庫本を読破。

もっと矢継ぎ早に販売してしてほしっかたなー。
歴史=かみに書き残す文化がないけど「蛮族」
からみたローマ帝国をしりたかったな。

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Posted by ブクログ 2010年12月30日

直接的原因を見つけることの出来ない、ローマ帝国の滅亡。
形在るものいつかは滅ぶと形容するしかないのであろうか。
打ち続く国内外での危機に、十分対応出来た時期とそうでない時期との差とは何であろうか。
ローマは敗者を自国に取り込む名人であり、行政機構と法制度とを的確に機能させていた、
ローマの”失敗”を...続きを読むあげつらうのは困難な気がする。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

歴史の教科書によれば、東ローマ帝国は1453年まで続いたそうですが、塩野氏によれば、これはビザンチン帝国であるらしく、西ローマ帝国が滅びる(476年)前後の記述をもってして「ローマ世界の終焉」となりました。
全15巻を通して、それぞれの時代の「皇帝」を中心にした読み物で、リーダーシップを考えさせられ...続きを読むる、素晴らしい著作だったなぁ、と思う反面、やっと終わった!というのも正直な感想です。
巻末に年表が掲載されており、日本の歴史も対比して眺めることができるようになっておりました。日本の歴史で最後の項目が、「大化の改新(645)」だったのが印象的でした。日本の正史はようやくこのあたりから。日本はまだ神話時代のお話だったんですねぇ。。。2007/2/21

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

完結おめでとう。なのだが,この巻だけを平積みにしている書店は愚かであるとしか言いようがない。13巻や14巻の売り上げがどうだったかを確認してから注文したまえ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

15年…第一巻がでたときは遠い先のようにおもってました。カエサルの巻が一番面白かったのは作者が惚れていたからだろうなと今おもいます。変質と失敗と不運と何をやってもうまくいかない例満載の衰退の部は読むのがつらかった。でもローマ帝国という臨終間際の患者を穏やかに死なせようという作者の優しさを感じました。...続きを読む読み終えると急にあの七つの丘に住み着いた人たちを描く第一巻を読みたくなりました。終巻を機に第一巻からまとめて読み直して歴史時間の怒涛感を味わおうとおもいます。

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