塩野七生のレビュー一覧

  • 海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(上)―塩野七生ルネサンス著作集4―

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    史上最も長い政体を保ったヴェネツィア共和国の1000年の歴史を語る塩野七生女史の長編。

    地中海史において、強国として君臨し続けたにもかかわらず、日本でその歴史を記載した書籍があまり多くないだけに、通史を読みやすく構成してくれた女史の力量に感謝。

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    2010年02月17日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    ペリクレスの言葉が秀逸。学生時代に読もうとして挫折したと記憶していたが、今、読んでみるとはまった。なぜ??

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    2011年10月23日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

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    神君アウグストゥスの後に続いた、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの4皇帝時代の物語。ネロを最後にカエサルから続くユリウス・クラウディス朝は終焉する。
    後の歴史家タキトゥスによって悪評ばかりが目立つこれらの皇帝を暖かい目で再評価した作品、と感じた。文中ではタキトゥスの悲観的な記載に対する苦言が散見される。
    ティベリウスは立派で非常に共感できる部分が多いが、各皇帝とも個性的で、本人の意思とは裏腹に、それぞれの理由で元老院や人民の支持を失っており反面教師として学ぶに良い教材。

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    2009年12月30日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    ついにキリスト教が王の存在意義を権威付けるところにきた。これでローマ帝国は変質した。そしてこれがヨーロッパとキリスト教の関係を決めた。そういうことだったのかと腑に落ちる。しかし思えば遠くへ来たものだ、と振り返って思う。

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    2009年12月28日
  • 迷走する帝国──ローマ人の物語[電子版]XII

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    まさに迷走。なぜ皇帝を殺害するかすらあやふや。立ち直れるんだろうか、と思うが、すでに歴史なので、結末は知っている。それなのになお読ませる塩野さんに拍手。

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    2009年12月12日
  • 終わりの始まり──ローマ人の物語[電子版]XI

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    帝国の終りに向かう様なんてどう考えても面白いはずがない。しかし、塩野さんは視点が違う。なぜ終わってしまったのかを冷徹に物語っていく。面白い。
    間違った選択、その上塗りの間違った選択。そうして衰退に向かう理由が生まれ、それが重なって…という時代の流れを実に冷徹に描いていく。やはりこの人の文章はすごい力があると、物語として盛り上がらないところだけに強く感じた。

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    2009年11月10日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

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    「賢帝の世紀」でなんとなく気分も一段落してしまうのだけれど、塩野さんはここで一気に歴史を遡り、再び下りと行き来してローマ帝国を帝国たらしめたインフラを改めてまとめてくれる。他の巻と違って主人公は登場しないのだけれど、道、防壁、水道などまさに帝国を運営するのに必要だったものがどのようにして築き上げられたのかの物語。今の時代にもなおそのままで残っていると思ったら、それはその後メンテナンスの行き届かなくなった廃墟に過ぎないことがわかる。これ読んでからヨーロッパを旅するのはきっと有益なんだろうなと思う。

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    2009年10月28日
  • 海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(下)―塩野七生ルネサンス著作集5―

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    千年以上にわたり、確固たる意志の元で繁栄し続け、ワケあってアッという間に抜け殻となったヴェネツィア共和国。その小さな国の興亡を息をのむ思いで読み続けた。政に関わる者たちが逸脱した行為に及ばないよう周到に組織された政府、万が一足を踏み外した者への厳罰、用意された敗者復活の構図、経済の理論など、独創的な政治体系に驚く。恥も外聞もなくお金や名誉に執着する今の日本とは、その成熟度は比較にならない。久々大きな思いを残してくれた感動の書。未読の方には、是非!とお勧めしたい。こんな本が教科書だったら、歴史も地理もすんなり頭に入るのに……。

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    2009年10月16日
  • 賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX

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    ここでやめた、という人がけっこういるけれど、読み終えてそれも納得。ローマ帝国が完成した姿がここにある。過去に作り上げてきたものを補強し、修正し、自分なりの方法で次に伝えることを仕事とした皇帝たちがいい順番で現れたのがわかる。
    単純な世襲制ではなく、次の適任者を自分の養子に迎えるというシステムがきちんと私利ではない形で動くなんてことが起きてた。その組織に驚く。
    今の政治でここまで見事なことができる国がどこにあるだろう。もちろん時代は違うから簡単に並べるわけにはいかないけれど。

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    2009年10月13日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

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    長い歴史の中のどうでもよさそうなエピソードすらきっちり深い読み物に仕上げてしまう塩野七生に脱帽。ヨーロッパが形成されていく様を自分で見ているような驚きがある。

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    2009年10月04日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    カエサル亡き後に役者はいるのかと思ったけれど、塩野さんの筆ならばきちんと役者は登場する。アウグストゥスは悩みに悩んで帝国を育てた人だった。そして自分の身内を結果的には贔屓することもなく、フェアプレイをした人だった。フェアプレイをする気はなかったのに、結果フェアプレイ。この人もまたすごい人だった。

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    2009年10月04日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V

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    なんでカエサルを殺してしまったのか、というのを同時代から見たら意味があったんでしょうけど、後から見たら無意味もいいとこという感じ。
    それにしてもカエサルという人は実に素晴らしい人だったのではないかと思います。塩野さん自身がそう解釈されているんでしょうけど、ともかく自分ではなくローマのために生きた人だったんだと思います。
    そのカエサルを無意味に殺したローマ人たち。そしてその報い。それはさておき、続きはパクス・ロマーナ。ちょっとここで休憩しよう。

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    2009年10月04日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以前──ローマ人の物語[電子版]IV

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    これはもうユリウス・カエサルに惚れるしかない本です。しかし、これはできないです。金も権力もない男が知力でそれを手にして行くんですが、途中までは借金まみれ。それをガリアを手にすることで消して、プラスに転じて…なんて個人的なことはスタッフに任せて、自分の目的を明確に持ち。祖国を立て直すことばかりを考えている。こんな指導者いますか?
    そして重大な決意、ルビコン川を渡るところまでの物語。多分、シリーズで一番面白いのがここ。

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    2009年10月04日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    まさに混迷。地中海の覇者となったのはいいけれど、方々に火種があり、イタリア内部にも火種がある。盛り上がりに欠けると言えば欠けるけれど、この後のユリウス・カエサルの長大物語の背景情報だと思って読む。確かにそうでもなければ、もう勝手にしたら、といいたくなるどうしようもない時代の物語。

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    2009年10月04日
  • レパントの海戦

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    塩野さんの本ではじめに読みきったのはこれです。
    さきにチェーザレも手をつけてたんですが厚くて挫折しました。

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    2009年10月04日
  • キリストの勝利──ローマ人の物語[電子版]XIV

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    紀元337年、皇帝コンスタンティウスから、紀元395年皇帝テオドシウスの死まで。
    「権力者に対する陰謀の成否の鍵は、排除した権力者の代わりに誰をその地位に就けるかにかかっている」
    「アリウス派とアタナシウス派(カトリック)の対立、異教徒よりもキリスト教徒内の異端への憎悪、一神教の本質そのものが排他性にある」
    「本音は脱税にある聖職者コースへの転出、キリスト教会に属する聖職者は免税にと決まった。地方自治体の有力者層が、雪崩を打ってキリスト教化した真因は、これにあった」
    「ユリアヌス副帝就任、人間は社会的な動物である、他者に必要とされていると言う自覚は、非常な喜びを感じさせる。責任感と高揚感のカク

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    2011年12月25日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    紀元284年、ディオクレティアヌス帝の即位から、紀元337年、コンスタンティヌス帝の死まで。

    いよいよキリスト教が迫害から公認へ、「ミラノ勅令」から「ニケーア公会議」へ。

    「利益の社会還元・・・富裕層には公共心に訴えるだけでなく、虚栄心にも訴える、人間は形に遺るとなれば、より一層やる気を起こすものなのである」
    「一神教・・・権力でも権威でも、それが多くの人や神に分与される状態では絶対的な存在ではなくなる」
    「マクセンティウス、コンスタンティヌスに敗北。敗北とは何であるかを考えさせる、昨日までの皇帝が暴君に一変する」
    「紀元313年ミラノ勅令、キリスト教がローマ皇帝によって公認された」
    「小

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    2009年10月07日
  • 迷走する帝国──ローマ人の物語[電子版]XII

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    紀元211年、皇帝カラカラから紀元284年、皇帝カリヌスまで。

    ローマ帝国「3世紀の危機」次から次へと皇帝が謀殺される危機の時代、筆者の調査力・筆力に感嘆するばかり、「塩野ローマ」に引き込まれている。

    「属州民へのローマ市民権・・・人間はタダで得た権利だと大切に思わなくなる」
    「人間は所詮、全員平等でいることには耐えられず、何かで差別しなければ生きていけないのかもしれない」
    「ローマ市民権・・・誰でも持っているということは、誰も持っていないことと同じ、ブランドは死んだ」
    「「人間とは、事実だから信ずるのではなく、事実であって欲しいと思う気持ちさえあれば信じてしまうもの」
    「人々を一つの運動

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    2009年10月07日
  • 終わりの始まり──ローマ人の物語[電子版]XI

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    紀元161年、第16代皇帝マルクス・アウレリウスから、紀元211年、第20代皇帝セヴェルスまで。

    「パンテオン・・・すべての神々に捧げられた神殿、優れた建造物は必ず、それを建てた人間の哲学を体現している。パンテオンでは、守ってくれる神々に囲まれて立つ、人間が主人公になる、多神教古代の精神を具象化したローマ帝国の哲学でもある」
    「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶという格言があるが、両方ともが不可欠である」
    「思考も筋肉と同じで、絶えざる鍛錬を必要とする、思考怠慢が続くとカンも鈍ってくる」
    「一神教の神は人間に生きる道を指し示す神だが、ギリシャ人やローマ人の神々の役割はその人間の努力を援護する

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    2009年10月07日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

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    第10巻はハードなインフラ(街道・橋・水道)とソフトなインフラ(医療・教育)、各地の遺跡の写真と地図など。
    「賢者は歴史に学び愚者は経験に学ぶ、歴史は知識だがそれに血を通わせるのは経験」
    「パレスチナ・コソボ・マケドニア・・・民族間の紛争の解決は、民族自決を唱えてしまった現代、ますます遠くなりつつあるのかもしれない」
    「神頼み、人間誰でも身体の具合が悪くなると不安になるもので、頼れるものがあれば何にでも頼りたいという心境になる」
    「神頼みだからといって非科学的と断定できない。休暇・体力面でのふるい・粗食による清浄化・温泉・同病相憐れむの環境」
    「人間とは無意識にしても、意外と利己的な存在である

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    2009年10月07日