塩野七生のレビュー一覧
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カエサルは、歴史上の人物の中でも最も好きな人物である。
以下は、この巻と前巻に記述された「カエサルの思考、行動」について。
・生涯を通じて彼を特徴づけたことの一つは、絶望的な状態になっても、機嫌の良さを失わなかった点である。
→ 楽天的でいられたのも、ゆるぎない自信があったからだ。
・カエサルは、自分の考えに忠実に生きることを自らに課した。
それは、ローマの国体の改造であり、ローマ世界の新秩序の樹立であった。
・失敗の挽回には、二つの方法があるが、カエサルは後者の代表格であった。
1)失敗に帰した事態の改善に努めることで、不利を挽回する人。
2)それはそのままで、ひとま -
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カエサルは、歴史上の人物の中でも最も好きな人物である。
以下は、この巻に記述された「カエサルと女性」について。
・カエサルは女にモテただけでなく、女たちに誰一人からも恨まれなかった。
→ 醜聞は女が怒ったときに生じる。
では、なぜ女を怒るか? 怒るのは傷つけたからであう。
・カエサルは、愛人の存在を誰にも隠さなかった。
→ 公然ならば、女は愛人であっても不満に思わないから。
・カエサルは、次々とモノにした女たちの誰一人とも、決定的には関係を清算しなかった。
→ 愛人関係が切れた後でもカエサルは、彼女らの願いならばかなうように努めた。
・女が何よりも傷つくのは、 -
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塩野七生の「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」三部作の最後の一つ。
強大なトルコがキプロスを攻略して我が物とし、その後クレタ島を攻略してクレタ島は陥落寸前であった。トルコは東地中海の覇権を確保しつつあり、ベネチアは支配地域だったキプロスを失い、その上クレタまで失い、海洋通商国家としてトルコと通商関係を破棄ししてでも対決せざるを得ない状況にあった。
しかし、東の超大国トルコに対してヨーロッパの結束は心許ない状況であり、ローマ法王の権威は低くヨーロッパ各国が領土争いをしていたため、ローマ法王が対トルコの十字軍をなかなか結成できない状態だった。そういった中で、ベネチ -
ネタバレ 購入済み
ネロに双子の兄がいたとは⁉
歴史上の史実を一人の人物の目線から、告白されていて、後半から特に引き込まれて読みました。特に暴君と呼ばれている皇帝ネロに双子の兄がいて、凄まじい精神の崩壊ぶりを見せる治世も凡人にも理解できるように描かれてますね。
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歴史に興味があるわけではなく、聞いたこともない島での戦いを綴ったこの小説は、家に読むものがなくて渋々読み始めた。
やっぱり読み始めは、外国の慣れない単語、宗教、歴史、地理などと興味が湧かず頭に入っていかないのだが、途中からだんだんとパズルが繋がっていき、面白くなってどんどん読み進めた。
1500〜1530年のどこの国というわけではない、ロードス島という特殊な背景にある島で起こったひとコマの物語。あらすじを読んだだけでは絶対に読みたいと思えない小説が、ドラマチックに描かれ、エンターテイメントであるのと同時に観光、地理、歴史書の類いでもあると言っていい。
何より、著者の状況説明や背景の描写が素晴ら -
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ネタバレ『海の都の物語』シリーズの続きであり、ヴェネツィア共和国の衰退の一歩を描く海戦シリーズの最終巻。どのシリーズでもそうであったがヴェネツィア共和国の人たちの祖国愛の深さに感嘆されるばかりであった。イタリア本国や島々で活躍する人、コンスタンティノープルに残りトルコ相手に交渉する人、教皇を説得する人と様々な人々の模様を描きながら海戦本番に載せていく構成は流石であり、とても面白かった。
一度は失敗していても、次には成功させる。そのような粘り強い外交がヴェネツィア共和国繁栄の一因であったのであろう。そんな共和国がこの戦の後に衰退の一途をたどっていったというのは信じられないが、歴史であり国家というの -
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ネタバレ中世末期からルネサンスの時代に愛に生きていったイタリアの女性たちを描いた短編集。
最初の『大公妃ビアンカ・カペッロの回顧録』から、『ジュリア・デリ・アルビツィの話』へのつながりが面白かった。主人公だったカペッロが次の話では悪役のように描かれていて、視点が変わるとここまで変わるのか、とこの時代のイタリアの恐ろしさを感じられた。
他にも『エメラルド色の海』では海賊に惹かれる女性を描いたり、恋に踊らされる女性のみならず男性も描かれており多彩な物語を読めて面白かった。
最後の『女法王ジョヴァンナ』も史実か伝説かわからないところが非常に興味をそそられた。塩野先生も書いていたが、現代の中でずっと男性社会 -
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塩野七生氏が言うように彼女の作品の殆どは樹であったのだが、今回は森を書いている。
中世5世紀から15世紀にかけての千年を地中海を、即ち広がりのある森を中心に描いている。
その森の中には、レパントの戦い、ロードス島の戦い、コンスタンチノープルの戦いなどこれまで氏が書いた物語が含まれている。
そして、ヴェネツィアと十字軍もこの森の中に含まれるが、それらはちょっと広がった林といえるだろう。
歴史は地上を中心に形成されるのは確かであろうが、海である地中海に着目したのはなかなかの慧眼であろう。
それまで地中海を「我が海」としていたローマ帝国が滅びたあと、なんと千年以上にもわたってそこは海賊が暴 -
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塩野七生女子にしてはマイナーなテーマを選んでいる。
地中海でイスラムの海賊が長年にわたって荒らしまわって、その勢いはイタリア占領の一歩手前まで行ったことを知らなかった。
知っているのは、トゥール・ポワティエの戦いでキリスト教側がイスラム勢力をくい止め、ヨーロッパが救われたということだけ。
十字軍のずっと前から始まり、18世紀まで続いていたことはマイナーなテーマどころか、キリスト教世界にボディーブローのようにダメージを与えてきたことは中世を知る上で欠かすことの出来ない歴史だろう。
塩野女史の大好きなオトコマエの英雄は登場しないが、サラセン海賊に光を当ててくれたお陰で、中世が俄然面白くなっ