塩野七生のレビュー一覧
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【君主篇】
34:側近に誰を選ぶかは、君主にとって軽々しく考えてよいことではまったくない。君主が思慮深いかそうでないかによって、優れた人材が登用されることになったり、無能な側近に囲まれることになったりするからである。したがって、側近にどのような人を選ぶかは、君主としての能力を測る格好な材料になる。
【人間篇】
51:誰だって、誤りを犯したいと望んで、誤りを犯すわけではない。ただ、晴天の日に、翌日は雨が降るとは考えないだけである。
57: 天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。
19の時に、大好きな陸将が教えてくれた本。食事をしながらいろんな話をしてくれてた時が -
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塩野さんの3冊目。 今も文芸春秋で連載中。 この人の言うことは海外から見た日本なので、非常に客観的で日本の中の日本人ではわからない事をばんばん言っていることが非常に良い。自分にも当てはまることも多々有り、非常に考えさせられる。 母国語とはではやはり考えは日本人は日本語でしか考えがまとまらない、英語で会社の中はあり得ないなど結構痛快で有る。
震災後の日本についての対応が非常に歯がゆいだろうな。
権力の考え方も確かにおっしゃるとおり。 それを言うと今の安倍さんは権力者だけどリーダーなんか??今回の法案もなぜ今?と言うことでちょっと悪っぽいが。読んでみると非常に良いです。お勧め。 -
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ネタバレ【後編3 歴史的同時性の時代】
同時性における復帰摂理延長時代の「ローマ帝国迫害時代」。メシヤ降臨準備時代部分にも関わる。キリスト教史をローマ帝国抜きで語ることは出来ない。はじめはキリスト教徒に対する迫害者として、のちは保護者として。コルプスクリスティアヌムという言葉は覚えておくべき。ヨーロッパ共同体の根っこにある3つの精神のことである。ギリシャの哲学、ユダヤの宗教、ローマの法。この三つの現実的精神的要素が共同体の中に根付き、世界史の中心ヨーロッパが築き上げられていく。
ローマ帝国の歴史を学ぶにはいろいろとあるが、ここでは現代的に著名な「ローマ人の物語」を取り上げたい。塩野七生の著である。 -
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ローマ帝国の崩壊後の混沌とした地中海沿岸世界(ここでは主にイタリア)と、北アフリカに勢力を伸ばしたイスラム教との関係を軸に中世前半のキリスト教とイスラム教の関係を明らかにしてゆく。
上巻は西ローマ帝国崩壊後に未だに東ローマ帝国支配下にあった南イタリアとシチリアに、北アフリカのサラセン人がイスラム教の聖戦という名目で海賊行為を拡大して言った様子が描かれる。海賊といっても、金品略奪だけでなく、殺戮と住民の拉致を行い、拉致したキリスト教徒を北アフリカの海賊立国都市で奴隷として使っていたことや、それを首長(アミール)が容認していて国家としての事業であったこと、それに対して、領地を守るべきビザンチン帝国 -
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ネタバレヴェネツィアを旅してみて、なぜこのような住むのに不便な地を選び、そこに都市を築いたのかということが不思議でした。ヴェネツィアの過去の栄光を見ただけに特にそれを感じたものです。その謎から本は始まります。1500年前のヴェネツィア建設。その立地故にむしろ、海の都(水の都ではなく!)として発展せざるを得なかった歴史は日本、英国などが貿易立国を目指さざるを得なかった背景と同じであり、面白いですね。後半はライバル・ジェノヴァとの死闘120年。ジェノヴァとの国民性の違いを通しても、ヴェネツィアがいかに独裁制を廃し、民主主義を貫こうとしていたか、またローマ法王からも自主独立を実現し、ビザンチン、イスラム文化
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これは原則の話
小泉首相の時代のエッセイを10年後に読むことになります 自民党が下野し民主党が崩壊しまた自民党が勢いを取り戻す時代にもヒントになることが多く書かれています 国際関係がきな臭い今だからこそ歴史という人類の知恵に触れるのは有意義ではないでしょうか?
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ネタバレ塩野七生の十字軍シリーズの序章。
19世紀の歴史作家フランソワ・ミショーの文章に、版画家ギュスターヴ・ドレが描いた十字軍の挿絵を集めた版画集。
ただし本書の解説文はミショーではなく、塩野七生。
塩野七生が『ローマ人の物語』シリーズ、次いで『ローマ亡き後の地中海世界』に次いで描く『十字軍物語』シリーズの序章。
そのため序文には、作者による『十字軍物語』全体の構成が説明されています。
これまでにも『神曲』や『失楽園』の挿絵を描いてきたドレの版画により、十字軍の戦いが視覚的にも楽しめるうえ、物語全体のあらすじが判ります。
十字軍の歴史を学ぶうえで、最良の入門書でしょう。
ニン、トン♪ -
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ネタバレ【ピオ2世】知識が多くあるせいで、教会の権威復活を思い、過去の栄光であった十字軍を提唱してしまう。そこに、教皇になってしまったことへの悲しさが表れていた。また、十字軍も最初の方しか成功していなかったから、この年数がたってからの十字軍の提唱は受け入れがたいものだったのだろうと思った。
【アレッサンドロ6世】サヴォナローラとの手紙での対決は面白く読めた。私としては、アレッサンドロ6世の方に正義があるように読めた。というのも、サヴォナローラは、最初の方は民衆のためにやっていたのであろうが、その民衆の熱狂的な支援を得続けるために、過激で、熱狂的な改革を提唱せざるを得なかったのであろう。その点では、ア -
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ネタバレ塩野七生先生のエッセイ集がところどころに入っている短編集。前の作品についての言及や、今日の日本についてや主義・主張について、一言述べているような章もあり、読み応えがあった。とくに面白かったのは、以下の3つ。
昔から争いの絶えないイェルサレムの問題だが、解決を図ろうとしていたトップが妥協した、という事実やその協定がしごく普通かつまともなものがなされていたものというのが面白い事実だった。ただ、その協定も、教皇や他の君主によって破棄されてしまったのは、とっても残念な結果である。
また、歴史を研究するのと、歴史を描くというものの違いを書いている節も、すごくためになり、面白かった。歴史が、それ -
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いよいよカエサルの登場である。
名前を知らない人はいないくらい有名であるが、実際、どんな性格でどのような戦略を立て、どのような政治を行ったのか、私はまったくしらなかった。
この第四巻は、カエサルの幼年期からガリア戦役までが詳細に描かれている。
なんといっても驚かされるのがガリア戦記である。
カエサルの戦術が見事に描かれている。これが紀元前1世紀の者の著作とは・・・
そしてガリア戦役での彼の戦術も、ただ突進するだけのものとは全く異なり、相手の心理、行動をよく見極めての戦術であり、読み進めていてもドキドキしてしまう。
ライン河に橋を架けたという史実も、私の想像を超えていた。
現代でもそ