塩野七生のレビュー一覧
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紀元98年13代皇帝トライアヌスから、161年15代皇帝アントニニヌスの死まで。
「女とは、同姓の美貌や富には羨望や嫉妬を感じても、教養や頭のよさには、羨望もしなければ嫉妬も感じないものなのだ」
「隣り合って住む民族同士は、仲が悪いのが常である。仲が良かったとすればそのほうが異常」
「人間は飢える心配がなければ穏健化する、過激化は絶望の産物である」
「財政が破綻状態にあって利益を得るのは少数でしかなく、その他多数は被害者になる、そうなると社会は不安定化する」
「分離が固定しない限りの格差ならば、あったほうが社会の安定に寄与する場合も少なくない」
「ニュースとは珍しくて目だったからニュースになる -
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第8巻は紀元68年、第6代皇帝ガルバから、紀元96年第12代皇帝ネルヴァの死まで。29年間に7人の皇帝が続く、内乱と混乱の日々、ヴェスヴィィオ火山の噴火によるポンペイの埋没もこの時期。
「まず持って人間には、自らが生きた時代の危機を、他のどの時代の危機よりも厳しいと感じてまう性向がある」
「政体が何であるかには関係なく統治者と被統治者の二分離は存続せざるを得ないのが現実」
「平凡な資質の持ち主は、本能的に、自分より優れた資質の持ち主を避ける」
「独裁体制の国家では、その国の持つ軍事力の真の存在理由は、国内の反対派を押さえることにあって、国外の敵から国民を守ることにはない」
「人間が人間を裏切る -
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第7巻は紀元14年、第2代皇帝ティベリウスの即位から、紀元68年第5代皇帝ネロの自死まで。
「追従かそれを言われた人を不快にするのは、そのようなばかげたことを言われてイイ気になる程度の人と値踏みされた事が不快なのである」
「人事権を手中にしているのは権力を手中にしているのと同じだが、その施行となると簡単ではない。当事者に加えて周辺も納得させねばならない」
「外交は平和裡の解決ではない、軍事力を使って脅した後こそがもっとも有力な外交であると歴史が証明している。人間とは、理で目を覚ます場合は少ないのに、武力を突きつけられれば目を覚ますものだからだ」
「多神教の神は、一神教の神がそれを信ずる人々の生 -
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第6巻は紀元前30年、オクタヴィアヌス(アウグスツウス)の皇帝即位から、紀元後14年アウグスツウスの死まで。
「マキャヴェリ 新しい政策を断行しなければならない場合は、人々に考え批判する時間を与えないように次々と行うべきである」
「情報公開 秘密とは、それを所有する者の権力を増す上で、最も有効な手段である」
「アウグスツウスの卓越した手腕 一つ一つは完全に合法でありながら、それらをつなぎ合わせていくと、共和政化では非合法とするしかない、帝政につながっていくからである」
「ローマ街道 ひとつの目的のために完璧につくられたことは、他の目的のためにも役立つという真理」
「価値観さえ共有してい -
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第5巻は紀元前49年「ルビコン」からカエサルの勝利、カエサル暗殺、アントニュウスとクレオパトラ、オクタヴィアヌスの勝利、紀元前30年帝政ローマのスタートまで。
たった19年間だがめまぐるしい展開でローマ世界が動く、歴史が動くときは、一気に世の中が変わるのだろう。
西洋の歴史は、帝政から共和制へ進んだとばっかり思っていたら、ローマは王政から共和制、帝政へと進んでいる、共和制が正義ではない。
多神教のローマがなぜキリスト教を国教とするのか、興味は尽きない。
「カエサル・・・何ものにもまして私が自分自身に課しているのは、自らの考えに忠実に生きることである。だから他の人も、そうあって当然と思ってい -
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第4巻はいよいよカエサルの登場。
紀元前100年の誕生から、紀元前49年ルビコン川を渡る「賽は投げられた!」まで。
「生涯を通じて彼を特徴づけたことの一つは、絶望的な状態になっても機嫌の良さを失わなかった点であった。幼児に母の愛情に恵まれて育てば、人は自然に、自信に裏打ちされたバランス感覚も会得する。」
「スッラ・・・人は仕事ができるだけでは、できる、と認めはしても心酔まではしない。言動が常に明快であることが、信頼心をよび起すのである。世間の評判を気にしない男であった」
「アテネと並んで、当時の最高学府の名が高かった、ロードス島(バラの花咲く島という意味で名づけられた)に進学」
「ローマ人は -
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第3巻は、紀元前146年カルタゴ滅亡から、紀元前60年ポンペイウスによるオリエント制圧完成、地中海をめぐる全地域がローマの覇権下に入るまで。
シリア・エルサレムがこの時期ローマの属州となり、ユダヤ・キリストの世界と結びついていく。
「いかなる超大国といえども、長期にわたって安泰であり続けることはできない。国外には敵をもたなくなっても、国内に敵をもつようになる」
「多くの普通人は、自らの尊厳を、仕事をすることで維持していく。ゆえに、人間が人間らしく生きていくために必要な自分自身に対しての誇りは、福祉では絶対に回復できない」
「無知な大衆とは、政治上の目的でなされることでも、私利私欲に駆られての