塩野七生のレビュー一覧

  • 海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(上)―塩野七生ルネサンス著作集4―

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    塩野七生 「海の都の物語」ヴェネツィア共和国の通史

    ヴェネツィア の千年の歴史を振り返り、戦争の英雄がいないのに、なぜ千年の長い間を生きのびたのかを紐解いている。


    著者は、ヴェネツィアの私企業のような国家経営観に目付けしている。カリスマ的英雄で彩られるローマ史と比較すると、ヴェネツィア史は 地味であるが、その地味さが生きのびた理由であるとする論調


    ヴェネツィア の国家経営の特性
    *宗教やイデオロギーの違いに重きを置かず「はじめに商売ありき」の商業至上主義
    *初めから自給自足を諦め、不足の経営資源は交換する〜自給自足を目的とすると 植民地主義に進む
    *国家の意思決定において、マクシミン

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    2022年08月12日
  • サロメの乳母の話

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    イエスやユダ、アッシジのフランチェスコ、サロメ、ネロ帝など、有名な歴史上の人物の伝聞を「ほんとうはこうだったんじゃないか?」といろんな視点で語る物語です。
    真面目な話もあり、思わず笑っちゃうような展開もあり…
    ユダの母親の話が一番面白かったです。

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    2020年08月22日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    イスタンブール 旅行の前に、歴史を知ろうと思い手に取った小説。結果、一夏をどっぷり塩野七生小説に充てるほど、どハマりした。
    時代背景をかなり緻密に調べた上のフィクション。
    コンスタンティノープルがオスマン帝国に滅ぼされるまでの緊張した時代を描いたもの。
    イスタンブール 旅行中、あぁ、この遺跡はあの時のか、、等感慨深い想いをした。

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    2020年08月14日
  • ルネサンスの女たち―塩野七生ルネサンス著作集2―

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    塩野七生29歳ののデビュー作であり、この後の数々の著作の原点である。小国をその器量で守り抜いたイザベッラ・デステから始まるルネッサンスの女たちの物語は、「歴史家にも許された想像がある」と師に言われたことを数々の考証を重ねて展開していく手法に彩られている。見事なデビュー作であり、その後の活躍を予感させるに十分だ。

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    2022年12月19日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    面白かった!
    ルネサンスとは何であったのか?をフィレンツェ、ローマ、ヴェネツィアから見て考える。

    「異教徒の遺物であろうと学ぶ価値があれば学ぶべきと考えるようになったルネサンス時代」

    ルネサンスとは、遠い国のキリスト教徒の問題で、現代のましてやキリスト教徒でもない私には関係のないこと、ではない!!!ということ。

    やっぱり塩野七生さんの本は分かりやすくて読みやすい。もっともっと知りたい。読みたい本がありすぎる。

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    2020年08月01日
  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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    11世紀末から約200年間にわたって、聖地エルサレムを奪還すべく8回もの十字軍遠征が行われ、最後は惨憺たる結末。
    第7回の神聖ローマ帝国フリードリッヒ二世が交渉だけで一番上手にやってくれたと思うのだが、戦わなかったから駄目だったなんて、これが宗教なんでしょうかねぇ。一神教同士の戦いは壮烈でした。

    キリスト教は、その後宗教改革もあって、まぁお付き合いも出来る宗教になってきたけど、イスラム教はどうなんだろ?

    それにしても、50年前の高校で習った世界史に欲しかった書であった。

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    2020年07月05日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    やっと上巻読み終わったー!自粛中にたくさんの本を買って乱読しておりました。そのうちの一冊です。

    私がフリードリッヒ2世に興味を持ったのは、デル・モンテ城がきっかけでした。イタリア南部にあるデル・モンテ城は、八角形尽くしで築かれたミステリアスな建物です。この不思議な城を建てたのがフリードリッヒ2世。調べてみると「早く生まれすぎた」人らしい…

    ここから本の感想です。
    フリードリッヒさんかっこいいよ!一国のリーダーたるやこういう人でないと。フリードリッヒは一国どころか、シチリア王であり神聖ローマ皇帝でありエルサレム王であります。「席の暖まる暇もないくらいに移動を繰り返す人であった」ほど各国を飛び

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    2020年07月04日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    ネタバレ

    チェーザレ・ボルジア。目的のためには手段を択ばない。非常で残酷なことも厭わない。
    武将であるが、実際の戦闘は少ないように思う。戦闘の前に戦いを決している。
    自前の軍隊を持たないところから始まり、わずかの期間でイタリアの中央部を支配した。あと何年かあればイタリアの多くを手にしたに違いない。あるいは、さらに領土を広げたかもしれない。
    父の死とともに一気に凋落する。あっけないほどの逆転。最期が謀略によるものではなく、戦死であったところが救いのように感じる。

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    2020年06月15日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    以前何かの番組で、小泉進次郎が塩野七生さん(の小説)が好きで・・・ということをおっしゃってて、その時初めて存在を知ったのだけど、読まれていた題材が中世の歴史関係でなんだか難しそうと思った印象しかなかった。
    世界史は好きだけど、詳しくはない。十字軍って名前はよく知っているけど、どこに何しに行ったんだっけ?という感じ。(単純にヨーロッパの雰囲気が好きなだけ・・・)
    それが、たまたま書店の平積みで本書を見かけて、あ。この人かと手に取ったのがきっかけ。
    フリードリッヒ、、、聞いたことあるようなないような。(おそらく知らないのだろう)。帯を見ると「武力行使なしに聖地を奪還」や「独、伊、仏、ラテン、ギリシ

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    2020年05月31日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    これも十数年ぶりの再読。巻頭のイタリア地図と付き合わせながら読み進めました。塩野ファンとしては、初期作品としての読みにくさは多少感じたものの、素朴さ、荒々しさが逆に主人公に合ってた気がします。駆け足なので、もっと一つずつのエピソードを楽しみたい気がします。巻末の沢木さんの解説も秀逸。塩野さんが主人公に惚れていることが良く分かります。

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    2020年05月22日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    塩野さんの著書は何度読んでも飽きない。塩野さんのイタリアの歴史に対する愛情を感じる。チェーザレ・ボルジアはかなりの冷酷、暴君として通常は描かれているが、塩野さんの人間愛によるチェーザレは、彼も所詮は命に限りある生身の人間であったことに気づかされる。
    彼と同時期に日本では織田信長がいて、妹のお市の方がやはり兄の暴政で自分の運命を翻弄されていた事実は非常に面白い。

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    2020年05月02日
  • レパントの海戦

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    ヴェネツィアをはじめとしたキリスト教国が勝利を収めつつも、地中海世界の時代の終わり、十字軍の終焉、ヴェネツィアの落日を止めることにはならなかった、オスマン帝国とのレパントの海戦を描く。
    海洋国家の栄光と落日というテーマは、やはり面白い。
    人々の個性にもおおきくよって織り成されるダイナミックな文明と歴史のなかにおける国家を描きつつ、そこに生きる人間のことも忘れない、壮大でありつつも暖かく細やかな目配りが感じられる素晴らしい作品。
    読みながら、翻って我が国は、私は、と考えたときに、歴史のなかの今、歴史のなかのわれわれということを意識させられる、歴史観の涵養にまさにふさわしい作品を書かれる作家である

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    2020年04月25日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    変質したローマ帝国

    一部ご紹介します。
    ・アウグストゥス帝の時代は、「先に納税者あり。国家は税収が許す範囲のことしか手掛けない」という小さな政府であった。
    ・だが、ディオクレティアヌス帝の時代になると、「先に国家あり。国家に必要な経費が、税として納税者に課せられる」という大きな政府になった。そして、元首政から絶対君主政へ移行した。
    ・軍事力の増強、官僚機構の肥大化は、必要経費の増大(国庫から給料を払う人間の数が増える)と組織や人材の硬直化(縄張り意識の肥大化による流動性の断絶)を招かないでは済まない。
    ・ローマ帝国をまとめていたのは、「ローマ法」「ローマ皇帝」「ローマの宗教」であった。コンスタンティヌス帝

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    2022年09月30日
  • 迷走する帝国──ローマ人の物語[電子版]XII

    mac

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    アイデンティティクライシス

    一部ご紹介します。
    ・歴史は現象としては繰り返さない。だが、この現象に際して露になる人間心理ならば繰り返す。それ故、人間の心理への深く鋭い洞察と、自分の体験していないことでも理解するのに欠かせない想像力と感受性、このうちの一つでも欠ければ、かつては成功した例も、失敗例となり得る。
    ・三世紀のローマの特質の一つは、政略面での継続性を失ったことにある。最早、ローマ帝国は、持てる力の無駄遣いに神経を払わないようになってしまった。ローマ人が、大帝国を築き上げ、しかも長期にわたって、その維持に成功できた最大の理由は、持てる力の合理的で徹底した活用への執着にあったのだ。「継続は力なり」は、やはり真理な

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    2022年09月30日
  • 終わりの始まり──ローマ人の物語[電子版]XI

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    新ローマ帝国衰亡史

    一部ご紹介します。
    ・内戦は悲劇である。これさえ起こらなければ国家という「共同体」に貢献できた多くの有能な人材が、ただ単に敗者になったというだけで消されてしまうのだから。内戦とは、自分で自分の肉体を傷つけ、自らの血を流すことなのだ。出血多量は、死に至らなかったとしても、体力の減退は避けられない。
    ・一般の人より強大な権力を与えられている指導者の存在意義は、いつかは訪れる雨の日のために、人々の使える傘を用意しておくことにある。
    ・思考も筋肉と同じように絶えざる鍛練を必要とする。思考も使わないとカンが鈍ってくる。
    ・戦略が確立していないと、戦争の長期化に繋がりやすい。戦争は、攻められる側だ

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    2022年09月30日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    コンスタンティノープル陥落というと、マホメッド2世の勝利物語というイメージでしたが、これを読んでから、コンスタンティヌス11世と当時のヴェネツィア共和国により興味を持ちました。陥落後の主人公たちの人生に、ある程度のページが割かれていて、より悲哀が増し、作品を美しく魅せています。
    イスタンブール行きたくなりました。
    金角湾に鎖をかけるシーン…もっと詳しく書いて欲しかった。よくトルコ軍入って来なかったよなぁ。(笑)

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    2020年04月13日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

    mac

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    インフラの重要性

    一部ご紹介します。
    ・アリスティディス「かつて、ホメロスは語った。大地は全ての人の物であると。ローマは、詩人のこの夢を現実にしたのである。あなた方ローマ人は、傘下に収めた土地の全てを測量し記録した。そしてその後で、河川には橋を架け、平地はもちろんのこと山地にさえも街道を敷設し、帝国のどの地方に住まおうと、往き来が容易になるように整備したのである。しかもそのうえ、帝国全域の安全のための防衛体制を確立し、人種が違おうと、民族が異なろうと、共に生きていくに必要な法律を整備した。これらのこと全てによって、あなた方ローマ人は、ローマ市民でない人々にも秩序ある安定した社会に生きることの重要さを教えたので

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    2022年09月30日
  • 危機と克服──ローマ人の物語[電子版]VIII

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    危機管理

    一部ご紹介します。
    ・人間には、自らが生きた時代の危機を、他のどの時代よりも厳しいと感じてしまう傾向がある。ただし、興隆途上の危機とその克服は、さらなる繁栄に繋がるが、衰退期に入ると、危機は克服できても、それは最早さらなる繁栄に繋がらなくなってしまう。
    ・平時にも活躍できるタイプの人材でなければ、真の意味で戦時にも有益になり得ない。なぜなら、リーダーの第一条件が、彼に従う人々に対しての統率力であるからだ。
    ・「見たいと思う現実しか見ない」傾向は、人を不幸にする。異なる宗教、異なる生活様式、異なる人種であっても、共に生きていかなければならないのが人間社会の現実だ。玉砕は後世を感動させること

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    2022年09月30日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    塩野さんの作品が「ルネサンス」を軸に繋がってきます。良い解説書とも言えるかも。逆に読み返そうと思う人には良い入門書。今度はもっと深く味わえる気がします。

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    2020年04月06日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

    mac

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    経験と理性

    一部ご紹介します。
    ・偽善とは、演技をすること。フリをすること。
    ・全てを所有する人にとっての最大の恐怖は、現に所有しているものを失うことである。
    ・最も有効な外交は、軍事力を使って脅したあとで握手をすることだ。なぜなら、人間とは、理(ことわり)によって眼を覚ます場合は少ないのに、武力を突きつけられれば眼を覚ますものだからだ。
    ・システムとは、現状に適応するように修理修復さるべきものである。それを怠ればシステム自体に疲労をもたらし、終には崩壊する。それは、長期的に見て大変に非経済的なことである。機能性の不断の追求は、持てる力の効率的な活用の巧みさによって、はじめて可能となる。
    ・組織

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    2022年09月30日