塩野七生のレビュー一覧

  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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    11世紀末から約200年間にわたって、聖地エルサレムを奪還すべく8回もの十字軍遠征が行われ、最後は惨憺たる結末。
    第7回の神聖ローマ帝国フリードリッヒ二世が交渉だけで一番上手にやってくれたと思うのだが、戦わなかったから駄目だったなんて、これが宗教なんでしょうかねぇ。一神教同士の戦いは壮烈でした。

    キリスト教は、その後宗教改革もあって、まぁお付き合いも出来る宗教になってきたけど、イスラム教はどうなんだろ?

    それにしても、50年前の高校で習った世界史に欲しかった書であった。

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    2020年07月05日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    やっと上巻読み終わったー!自粛中にたくさんの本を買って乱読しておりました。そのうちの一冊です。

    私がフリードリッヒ2世に興味を持ったのは、デル・モンテ城がきっかけでした。イタリア南部にあるデル・モンテ城は、八角形尽くしで築かれたミステリアスな建物です。この不思議な城を建てたのがフリードリッヒ2世。調べてみると「早く生まれすぎた」人らしい…

    ここから本の感想です。
    フリードリッヒさんかっこいいよ!一国のリーダーたるやこういう人でないと。フリードリッヒは一国どころか、シチリア王であり神聖ローマ皇帝でありエルサレム王であります。「席の暖まる暇もないくらいに移動を繰り返す人であった」ほど各国を飛び回っていたらしい。
    それはそれは多くの偉業を成し遂げた人物。ある程度の美化はされているとしても、すごいなーとしか言いようがありません。こんな人が現世にあらわれませんかねぇ?

    「◯◯の誰それ」とか「皇帝の側近である誰それ」とか、何度も繰り返し説明をしてくれるので登場人物の名前が多くて「あれ?この人誰だっけ?」というのがありません。難解な言葉もほとんどないので読みやすくてわかりやすいです。一気に下巻も読んでいこうと思います。

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    2020年07月04日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    ネタバレ

    チェーザレ・ボルジア。目的のためには手段を択ばない。非常で残酷なことも厭わない。
    武将であるが、実際の戦闘は少ないように思う。戦闘の前に戦いを決している。
    自前の軍隊を持たないところから始まり、わずかの期間でイタリアの中央部を支配した。あと何年かあればイタリアの多くを手にしたに違いない。あるいは、さらに領土を広げたかもしれない。
    父の死とともに一気に凋落する。あっけないほどの逆転。最期が謀略によるものではなく、戦死であったところが救いのように感じる。

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    2020年06月15日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    以前何かの番組で、小泉進次郎が塩野七生さん(の小説)が好きで・・・ということをおっしゃってて、その時初めて存在を知ったのだけど、読まれていた題材が中世の歴史関係でなんだか難しそうと思った印象しかなかった。
    世界史は好きだけど、詳しくはない。十字軍って名前はよく知っているけど、どこに何しに行ったんだっけ?という感じ。(単純にヨーロッパの雰囲気が好きなだけ・・・)
    それが、たまたま書店の平積みで本書を見かけて、あ。この人かと手に取ったのがきっかけ。
    フリードリッヒ、、、聞いたことあるようなないような。(おそらく知らないのだろう)。帯を見ると「武力行使なしに聖地を奪還」や「独、伊、仏、ラテン、ギリシア、アラビア語を自在に使った」「ヨーロッパ初の国立大学を建学」と、なんだかすごいことを成し遂げた人物のよう。でも、法王に破門され、生涯を反逆者として過ごしたらしく、そのギャップが魅力的に見えて上下巻の長さにもかかわらず、購入してしまった。
    ただ、この手の作品は手を付けるまで結構時間がかかる。ちょっと難しそうなので読み切れるか、読書モードを万全に望まねば、と思うからだ。

    ただね、読み始めたら面白い。引き込まれる。世界史のこの時代は、この本を読めば一発じゃない?という感じ。宗教の強さが、すごいんだね。世界史は宗教を理解できたらほぼ理解したも同然なのかも。
    そして、フリードリッヒが、すごすぎる。世界史の教科書に出てたかなぁ、出るべきだけど、私が覚えてないだけかも。神聖ローマ帝国の皇帝としてなるべくしてなった人物でもあるし、ふさわしい人物でもあった。革命児でもあり改革者でもある。
    これから下巻だけど、どんな苦難が待ち受けていて乗り越えるのか、どんな生き様を見せてくれるのか、楽しみ。

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    2020年05月31日
  • チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷―塩野七生ルネサンス著作集3―

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    これも十数年ぶりの再読。巻頭のイタリア地図と付き合わせながら読み進めました。塩野ファンとしては、初期作品としての読みにくさは多少感じたものの、素朴さ、荒々しさが逆に主人公に合ってた気がします。駆け足なので、もっと一つずつのエピソードを楽しみたい気がします。巻末の沢木さんの解説も秀逸。塩野さんが主人公に惚れていることが良く分かります。

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    2020年05月22日
  • レパントの海戦

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    ヴェネツィアをはじめとしたキリスト教国が勝利を収めつつも、地中海世界の時代の終わり、十字軍の終焉、ヴェネツィアの落日を止めることにはならなかった、オスマン帝国とのレパントの海戦を描く。
    海洋国家の栄光と落日というテーマは、やはり面白い。
    人々の個性にもおおきくよって織り成されるダイナミックな文明と歴史のなかにおける国家を描きつつ、そこに生きる人間のことも忘れない、壮大でありつつも暖かく細やかな目配りが感じられる素晴らしい作品。
    読みながら、翻って我が国は、私は、と考えたときに、歴史のなかの今、歴史のなかのわれわれということを意識させられる、歴史観の涵養にまさにふさわしい作品を書かれる作家であると思う。

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    2020年04月25日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

    mac

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    変質したローマ帝国

    一部ご紹介します。
    ・アウグストゥス帝の時代は、「先に納税者あり。国家は税収が許す範囲のことしか手掛けない」という小さな政府であった。
    ・だが、ディオクレティアヌス帝の時代になると、「先に国家あり。国家に必要な経費が、税として納税者に課せられる」という大きな政府になった。そして、元首政から絶対君主政へ移行した。
    ・軍事力の増強、官僚機構の肥大化は、必要経費の増大(国庫から給料を払う人間の数が増える)と組織や人材の硬直化(縄張り意識の肥大化による流動性の断絶)を招かないでは済まない。
    ・ローマ帝国をまとめていたのは、「ローマ法」「ローマ皇帝」「ローマの宗教」であった。コンスタンティヌス帝による「キリスト教の公認」は、このまとまりを外してしまった。
    ・キリスト教会への土地の寄付、キリスト教会の聖職者に対する兵役免除が施行されたことで、教会と聖職者たちのローマ帝国からの独立が起こった。
    ・現実世界での統治・支配権を君主に与えるのが人間(可知)ならば、委託・リコールもできる。だが、神(不可知)が統治・支配権を与えるとしたら、委託・リコールは不可能ということになる。つまり司教たちを懐柔すれば絶対権力者になれるということだ。
    ・コンスタンティヌス帝がキリスト教の公認及び多大な優遇措置を行った理由は、キリスト教が支配の道具として有用であることを理解していたからである。これが、事実上、中世が始まるきっかけであった。
    ・後世の歴史家「これほどまでして、ローマ帝国は生き延びねばならなかったのだろうか。」

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    2022年09月30日
  • 迷走する帝国──ローマ人の物語[電子版]XII

    mac

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    アイデンティティクライシス

    一部ご紹介します。
    ・歴史は現象としては繰り返さない。だが、この現象に際して露になる人間心理ならば繰り返す。それ故、人間の心理への深く鋭い洞察と、自分の体験していないことでも理解するのに欠かせない想像力と感受性、このうちの一つでも欠ければ、かつては成功した例も、失敗例となり得る。
    ・三世紀のローマの特質の一つは、政略面での継続性を失ったことにある。最早、ローマ帝国は、持てる力の無駄遣いに神経を払わないようになってしまった。ローマ人が、大帝国を築き上げ、しかも長期にわたって、その維持に成功できた最大の理由は、持てる力の合理的で徹底した活用への執着にあったのだ。「継続は力なり」は、やはり真理なのである。持てる力の有効な活用に利する、という一点においても。
    ・かつてのローマ人には、アイデンティティクライシスは存在しなかった。自分たちローマ人は、世のため人のために役に立つものを作っている、という自負があったからだ。
    ・それが、三世紀になると、ローマ人は自分たちの存在意義に自信が持てなくなってしまった。度重なる蛮族の来襲による、殺戮と略奪と焼き討ち。その結果としての農耕地帯の荒廃と過疎化。生産力が落ちているにもかかわらず、防衛費の増大を理由にした度重なる増税。それらを避けようとして、住み慣れた土地を捨て、都市に流れてきたものの、過密化した都市では仕事も見つからず、家族を抱えて途方にくれる毎日。これらに加えて、社会福祉政策の弱体化。結果としての希望の喪失。
    ・「神々はローマを見放した」
    ・ローマ帝国の弱体化と疲弊化が、キリスト教のローマ乗っ取りに成功した要因であった。ローマ帝国は、自分自身への信頼という、活力を維持するには最も重要な要素である気概までも失ってしまったのである。

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    2022年09月30日
  • 終わりの始まり──ローマ人の物語[電子版]XI

    mac

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    新ローマ帝国衰亡史

    一部ご紹介します。
    ・内戦は悲劇である。これさえ起こらなければ国家という「共同体」に貢献できた多くの有能な人材が、ただ単に敗者になったというだけで消されてしまうのだから。内戦とは、自分で自分の肉体を傷つけ、自らの血を流すことなのだ。出血多量は、死に至らなかったとしても、体力の減退は避けられない。
    ・一般の人より強大な権力を与えられている指導者の存在意義は、いつかは訪れる雨の日のために、人々の使える傘を用意しておくことにある。
    ・思考も筋肉と同じように絶えざる鍛練を必要とする。思考も使わないとカンが鈍ってくる。
    ・戦略が確立していないと、戦争の長期化に繋がりやすい。戦争は、攻められる側だけでなく、攻める側にとっても悪である。従って、早く終わらせることが何よりもの「善」となる。
    ・哲学は、正しい生き方は教えても、人間社会の現実までは教えてくれない。それを教えてくれるのは歴史。
    ・書物と違って映画では背後関係の詳細な解説は許されない。映像は、文章では表現困難な事柄まで一瞬のうちに伝達する力を持っているが、伝え得る情報の質と量になると、映像よりも文章の方が断じて優れている。
    ・善意は必ずしも良い結果に繋がらない。
    ・セプティミウス・セヴェルス「わたしは全てをやった。元老院議員でもあった。弁護士もやった。執政官も務めた。大隊長もやった。将軍でもあった。そして、皇帝もやったのだ。つまりは、国家の要職は全て経験し、しかも充分に勤めあげたという自信ならばある。だが、今になってみると、その全てが無駄であったようだ。」

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    2022年09月30日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    コンスタンティノープル陥落というと、マホメッド2世の勝利物語というイメージでしたが、これを読んでから、コンスタンティヌス11世と当時のヴェネツィア共和国により興味を持ちました。陥落後の主人公たちの人生に、ある程度のページが割かれていて、より悲哀が増し、作品を美しく魅せています。
    イスタンブール行きたくなりました。
    金角湾に鎖をかけるシーン…もっと詳しく書いて欲しかった。よくトルコ軍入って来なかったよなぁ。(笑)

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    2020年04月13日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

    mac

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    インフラの重要性

    一部ご紹介します。
    ・アリスティディス「かつて、ホメロスは語った。大地は全ての人の物であると。ローマは、詩人のこの夢を現実にしたのである。あなた方ローマ人は、傘下に収めた土地の全てを測量し記録した。そしてその後で、河川には橋を架け、平地はもちろんのこと山地にさえも街道を敷設し、帝国のどの地方に住まおうと、往き来が容易になるように整備したのである。しかもそのうえ、帝国全域の安全のための防衛体制を確立し、人種が違おうと、民族が異なろうと、共に生きていくに必要な法律を整備した。これらのこと全てによって、あなた方ローマ人は、ローマ市民でない人々にも秩序ある安定した社会に生きることの重要さを教えたのであった。」
    ・歴史は知識。それに血を通わせるのは経験。
    ・道路とは、国家にとっての動脈である。血管の中を通って身体の隅々まで血液が送られてこそ、人間は生きていける。国家が健康に生きていくにも、血管網は不可欠だ。それ故、常にメンテナンスを忘れないようにしてのネットワーク化が必要なのだ。
    ・建造物はハードなインフラ。システムはソフトなインフラ。
    ・インフラ無くして、人間が人間らしく生きていくことは不可能だ。だからこそ、壮大なインフラ保持が重要となる。そして、インフラは、それを維持するという強固な意志と力を持つ国家が機能していない限り、いかに良いものを作っても滅ぶしかない。
    ・キリスト教の台頭により、医療は「公」が中心になって担当する分野であるべきという考え方が主流になった。やがて、医療は莫大な経費を要する事業となった。これがローマ帝国の経済を破産状態にした原因の一つ。
    ・公衆浴場は、「貧乏人のための宮殿」だった。誰でも公衆浴場に行けば、ギリシャ・ローマの彫像を観ることが出来たのだ。だが、キリスト教の台頭によって、これらの彫像は破壊され、終には、公衆浴場そのものも壊され、教会の建築材料に使われてしまった。
    ・ローマ帝国滅亡の原因の一つは、キリスト教の台頭である。アテネの「アカデミア」も、アレクサンドリアの「ムセイオン」も廃校となった。疑いを抱くことが研究の基本だが、世の中は「信ずるものは幸いなれ」の一色になったからである。

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    2022年09月30日
  • 危機と克服──ローマ人の物語[電子版]VIII

    mac

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    危機管理

    一部ご紹介します。
    ・人間には、自らが生きた時代の危機を、他のどの時代よりも厳しいと感じてしまう傾向がある。ただし、興隆途上の危機とその克服は、さらなる繁栄に繋がるが、衰退期に入ると、危機は克服できても、それは最早さらなる繁栄に繋がらなくなってしまう。
    ・平時にも活躍できるタイプの人材でなければ、真の意味で戦時にも有益になり得ない。なぜなら、リーダーの第一条件が、彼に従う人々に対しての統率力であるからだ。
    ・「見たいと思う現実しか見ない」傾向は、人を不幸にする。異なる宗教、異なる生活様式、異なる人種であっても、共に生きていかなければならないのが人間社会の現実だ。玉砕は後世を感動させることはあっても、所詮は自己満足に過ぎない。
    ・純粋を至上の生き方と信ずる人々にとって、不純ほど許せないものはない。純粋であればあるほど、少しの不純も許せなくなり、より急進化してしまう。
    ・労働よりも略奪で生活の糧を得ようと考える者がいる限り、防衛の必要が消えることはない。
    ・防衛の結果が、話し合いよりも腕力で決する機会が多いのは、双方の持つ「考え方」「価値観」の違いによる。
    ・「考え方」を共有しない人々との関係では、心配は尽きることがない。
    ・民族間の衝突が「考え方」の違いによるとしてもよいのが現実である以上、敗者になりたくなければ防衛を忘れるわけにはいかない。
    ・施政者の二大責務は、安全と食を保証することだ。そして「食」の保証とは、「安全」を保証できてはじめて成就可能な目標でもあるのだ。
    ・国家の運営が任務の国政と、体力を競うのが目的のリレー競争。ローマの歴史が、リレー競争に似ているのは、現に権力を持っている者が、自分に代わり得る者を積極的に登用し育成したことにある。

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    2022年09月30日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    塩野さんの作品が「ルネサンス」を軸に繋がってきます。良い解説書とも言えるかも。逆に読み返そうと思う人には良い入門書。今度はもっと深く味わえる気がします。

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    2020年04月06日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

    mac

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    経験と理性

    一部ご紹介します。
    ・偽善とは、演技をすること。フリをすること。
    ・全てを所有する人にとっての最大の恐怖は、現に所有しているものを失うことである。
    ・最も有効な外交は、軍事力を使って脅したあとで握手をすることだ。なぜなら、人間とは、理(ことわり)によって眼を覚ます場合は少ないのに、武力を突きつけられれば眼を覚ますものだからだ。
    ・システムとは、現状に適応するように修理修復さるべきものである。それを怠ればシステム自体に疲労をもたらし、終には崩壊する。それは、長期的に見て大変に非経済的なことである。機能性の不断の追求は、持てる力の効率的な活用の巧みさによって、はじめて可能となる。
    ・組織とは、いかに良く作られていても、それを機能させるのはやはり人間なのである。
    ・不確かなことは運命の支配する領域。確かなことは、法という人間の技の管轄。
    ・「改革」よりも「手直し」とする方が妥当と思われるようなことであろうと、定めただけでは充分ではなく、定めたことがどう実施されているかを監視し、その成り行き次第ではさらなる「手直し」を加える必要がある。そこまでやってはじめて成果を期待できる。
    ・歴史に関心を持つことは「人間性」に関心を持つということに他ならない。更に、自分を含めた個々の人間の独創力に全面的な信用を置かないことでもある。換言すれば、「歴史は人間たちが創る」と思う立場でもある。だからこそ、先人たちの示してくれた例を参考にするのにも抵抗を感じないのである。
    ・書物から得た知識は、現実とのつき合わせを経て、つまり経験を通してはじめて認識になり得る。何が重要かを理解できるようになる。
    ・旅とは、情報を得るよりも、現地を自分の眼で見て、空気を吸い、それによって土地鑑を養うのに役立つ。
    ・旅は未知との遭遇である。必ず予定外の事に遭遇する。
    ・反体制は、ただ反対するだけでは自己消耗してしまう。それを防ぐには、現体制にとって代わりうる新体制を提案しなければならない。これをやってこそ、反体制として積極的な意味を持つことができる。

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    2022年09月30日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    「ルネサンスとは何であったか」とは難しい質問であろう.学校で習った知識によれば「1000年近く続いた教会支配からの脱却,人間性の回復」だろうが,ではなぜ,どんな背景で1500年頃にイタリアで起こったのか?きっかけは何で推進力は何だったのか?がよくわかる.
    「哲学」に対する作者の評価は目から鱗.ギリシア哲学を勉強してみようかしら.

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    2020年03月26日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

    mac

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    ローマ興隆の要因

    一部ご紹介します。
    ・ペリクレス「貧しいことは恥ではない。だが、貧しさから脱出しようと努めないことは恥である。」
    ・プルタルコス「敗者さえも同化する、ローマ人の開放的な性向こそローマ興隆の要因。」
    ・多神教では、人間の行いや倫理道徳を正す役割を神に求めない。多神教の神は、努力を惜しまない人間を側面から援助する守護者。
    ・多神教では、他者の神を認める。それは、他者の存在を認める寛容の精神を育む。
    ・国民の義務は、税金を払うことである。もうひとつの義務は、国を守ることである。
    ・宗教は、それを共有しない人との間では効力を発揮しない。だが、法は、価値観を共有しない人との間でも、効力を発揮できる。
    ・戦争は、それがどう遂行され、戦後の処理がどのようになされたかを追うことによって、当事者である民族の性格が実によくわかるようにできている。歴史叙述に戦争の描写が多いのは、戦争が歴史叙述の、言ってみれば人間叙述の格好な素材であるからだ。

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    2022年09月30日
  • 皇帝フリードリッヒ二世の生涯(上)(新潮文庫)

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    塩野七生先生がずっと書きたかった人物を書いた本が文庫になったということを知り、購入しました。

    高校時代に世界史を学んでいましたがあまり記憶に残っていない人物だったので、新鮮な気持ちで読め面白かったです。

    ローマ法王の権力が絶大だった中世時代に、法王とどう折り合いをつけて改革を起こしていったのか。ルネサンスに繋がる一大人物の生き方は魅力的でした。

    下巻の内容がたのしみです。

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    2020年03月14日
  • イタリア遺聞

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    何度目かわからないけど再読(?)。

    ローマ人の物語だとか、優雅なる冷酷チェーザレ・ボルジアとか、わが友マキャベリとかを書いた塩野七生のイタリアエッセイ。

    この人の文体は好き。

    この中に入っている話のなかでは、「ハレムのフランス女」が秀逸。
    あと、ロッサーナの話も。
    司馬遼太郎と同じく、結構バイアスを気にして読むべき作家だけど、やっぱり最初の興味をひくまでに持ってくことが大事だからね。
    この人がいなければ、チェーザレもこれほど注目されることはなかっただろうし。

    モノエッセイも上手い。

    私の持ってる版は平成8年版なのでもう20年以上も前に最初に読んだんだなー。

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    2020年03月01日
  • 十字軍物語 第二巻―イスラムの反撃―(新潮文庫)

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    「ハッシシを吸う者たち」という意味の暗殺者集団が後の「アサシン」という言葉になったという事実が印象的。

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    2020年02月07日
  • 十字軍物語 第一巻―神がそれを望んでおられる―(新潮文庫)

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    タンクレディという姓がこの時代からあったことが、個人的トリビア。
    絶対的権力を持つ皇帝のような存在が立ち上がったわけではなく、地方貴族の財力によるところが大きかったということと、よっこらせという雰囲気でバラバラにイスラエルに向かったことが意外

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    2020年02月07日