塩野七生のレビュー一覧

  • 日本人へ リーダー篇

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    塩野さんの「ローマ人の物語」を3分の2ほど読み終えたのですが、いつも思うのは歴史から学ぶことは多い、と言うことです。この本は彼女が10年ほど前に書いた著書で、まだ「ローマ人の物語」が完結していない時に書かれたようです。執筆中の心境なども綴られていて興味深いのですが、なんと言っても国の在り方や政治についてなど、国際情勢を交えながら日本のリーダーたちへ物申している内容が、ローマ人の物語で再三取り上げていることに通じているので、やっぱり黙って見ているわけにはいかないのだろうと思ってしまいます。
    私自身もローマ人の物語を読んでいて文章を抜き出していますが、政治家やビジネスマンには必携の書ではと常々思っ

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    2019年08月14日
  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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    全8回、200年に及ぶ十字軍と迎え撃つイスラム勢の物語。
    (全4巻を通しての感想です)
    全体的に戦闘ばかりで悲惨なはずだけど、あまり陰鬱な感じはせずに楽しく読めた。
    著者は主に西洋側の文献を参考にしているので、十字軍びいきの感があるが、イスラム側の資料も少し参考にしたらしく、数人のイスラム側の指導者は良く描かれている。

    イスラム勢力が拡大しているのに、キリスト教国家同士が争っているので、時のローマ法王ウルバン2世が争いをやめさせるためにイェルサレム奪還に向けるために「神がそれを望んでおられる」と言って始まった十字軍。
    主なプレーヤーは、ローマ法王、キリスト教国家の王、諸侯、宗教騎士団、イス

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    2019年07月12日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    ネタバレ

    元々持っていた本を何年かぶりに再読。少々オスマン帝国の知識を仕入れた後に読んだ。
    千年以上続いたものの、徐々に衰微してきたビザンチン帝国の最後の抵抗の物語。最後には、数に任せた強引なまでのオスマン帝国の攻略に屈する。
    陥落後も生き延びた人物たちの文献を元にして、臨場感のある当時の攻防の様子が生々しく伝わってくる。

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    2019年06月16日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。

    栄華をほこったビザンチン帝国も衰退の一途をたどり、
    残すはコンスタンティノープル周辺のみとなり、
    コンスタンティヌス11世を試練が見舞う。
    飛躍著しいトルコではマホメッド2世が勇躍し、
    トルコ帝国の版図を一気に広げていく。
    世界史の大事件であるン

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    2019年05月16日
  • 神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

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    教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。
    過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。
    教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。
    芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身のレオーネ十世…。
    権力の中枢を生きたローマ法王の実像を描き出す


    個人的には、アレッサンドロ六世とレオーネ十世が面白かった。
    神の代理人とはいえど、キレイゴトでは何も収まらない。
    そのあたりの徹底した現実主義っぷりが際立ったお二方。
    「ローマ法王」といえど一人の人間。
    その人が生きた時代や国、各々の性格等によって教会

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    2019年05月03日
  • 十字軍物語 第一巻―神がそれを望んでおられる―(新潮文庫)

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    十字軍の始まり
    そして第一回十字軍
    イスラムと欧米との争いの始まりである
    十字軍
    世界史では習ったけど
    十字軍の遠征は失敗の歴史だとばかり
    思ってました
    しかし血なまぐさいですな
    最初は中々進まなかったけど
    中盤から面白く止まらなくなった
    さすが、塩野先生❤️

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    2019年05月02日
  • 十字軍物語 第二巻―イスラムの反撃―(新潮文庫)

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    中世の十字軍の歴史を物語として語られる第2巻。前巻で聖地を獲得したヨーロッパ勢ですが、今回はそれを奪い返されるところまでです。第一回の英雄たちの後を継ぐ者たち。そこまでの輝きはないながらも、イスラムという敵の只中に居ることで苦労しながらの人生を避けることができません。平時ならば優秀だろう指導者ですが、今回はイスラム側に英雄が現れてしまい、それによって中東を追われてしまうことになります。
    歴史とは、ダイナミックなものに見えますが、一人一人の物語の中で出来上がっていくものなのだということを感じながら、一気に読み上げることができました。

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    2019年04月27日
  • 十字軍物語 第一巻―神がそれを望んでおられる―(新潮文庫)

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    キリスト教の西欧が、イスラムの地になっている聖地イェルサレムを奪還する第一回十字軍の過程が書かれています。これから始まる十字軍の物語の第一回。そのヨーロッパ側の主要人物を中心に物語は書かれています。戦争の連続の中で、それぞれの思惑を、魅力的な人物像と相待って、非常に面白く読ませていただきました。
    宗教を掲げてはいるものの、欲や名誉といった一筋縄ではいかない人間の性があるも、共通の目的の元、着実にイェルサレムを目指し、最後にはたどり着く。そしてそのあとどうなったのか。どうなっていくのか。これからの物語が楽しみです。

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    2019年04月20日
  • 愛の年代記

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    かくも激しく美しく恋に身をこがし、生きて愛して死んだ女たち――歴史資料の片隅に、わずかに残されたその華麗な生の証しをもとに、欲望・権謀の渦巻くイタリアの中世末期からルネサンスにかけて、《恋の歓び、哀しみ、憤り》など、さまざまな愛のかたちを抽出する。『大公妃ビアンカ・カペッロの回想録』『ドン・ジュリオの悲劇』など、胸ときめく恋の物語9編を収録。


    「ルネサンスの女たち」よりも少し前の時期が舞台かな。
    当時、女性が愛に生きることはほぼ不可能であり、愛を貫くことによる代償がとてつもなく大きかった時代の、愛の短編集。
    この作品の中で、「大公妃ビアンカ・カペッロの回想録」と「女法王ジョヴァンナ」が特に

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    2019年03月31日
  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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    ルイもフィリップも、フランス王はゲスだ…
    聖王も美男王も、これはひどい。
    第6次のフリードリヒ、個人的にはすごくいいと思うけど、評価低いのね。所詮無神論者では捉えが違うのでしょうね。

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    2019年03月20日
  • 十字軍物語 第三巻―獅子心王リチャード―(新潮文庫)

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    サラディンの弟のアラディールが素敵。
    リチャードが案外いいかげん(笑)
    ヴェネツィア共和国の深謀遠慮がなかなか。

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    2019年03月20日
  • 十字軍物語 第二巻―イスラムの反撃―(新潮文庫)

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    時代は映画・キングダムオブヘブンのあたり。
    ボードワン4世が素敵。あとイベリンとサラディン。
    ヴェネツィア共和国もちょいちょいおいしい。
    有名な聖堂騎士団、聖ヨハネ騎士団が出てくる!
    あと山の老人も出てくる!ゲーム・アサシンクリードの部隊。
    一神教ってどうにも融通が利かないねえ。絶対正しいものなど存在しない。

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    2019年03月07日
  • 十字軍物語 第一巻―神がそれを望んでおられる―(新潮文庫)

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    歴史の教科書ではちゃちゃっと終わる十字軍にこんな背景やこんな戦いがあったなんて!
    戦争は権力争いやら領土争いやらなにやらで起こるのが常。
    宗教はなんだか利用されて気の毒。

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    2019年02月25日
  • 十字軍物語 第三巻―獅子心王リチャード―(新潮文庫)

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    第三次〜第五次十字軍に。この巻の見せ場はなんといっても獅子心王リチャード!これはまた塩野さんのお気に入りパターンだな、とこちらも楽しく読み進められた。

    ヴェネツィアの有能な実務派リーダーであるダンドロは法王庁の人間と違い現実感があり安心できる。一般的にリーダーって決して思い通りにできるわけではない。どちらかというとみんなのバランスを取りながら、ここというポイントでいい判断ができるか?がその優劣を決めるという風に思うが、その判断が第四次十字軍への参戦だったんだろう。

    それにひきかえ先に権威がありそれを盲信するととんでもないリーダーが出来上がる。法王庁にはそのタイプが多そうだがその中でもペラー

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    2019年02月12日
  • 十字軍物語 第四巻―十字軍の黄昏―(新潮文庫)

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    フリードリッヒ二世の奔放ぶりが楽しい。フリードリッヒ二世はリチャードと気が合いそう。塩野さん的に親分肌の真のリーダーなんだろう。カエサルやアレクサンドロスを語っている時のテンポを感じる。

    てもそれ以上にこの巻で印象に残ったのはテンプル騎士団。何のために闘ったのか?その存在意義を否定されることほど辛いことはないのでは?本人はおそらくいい人なんだろうけど周りにとっては迷惑千万なルイ9世が聖王で、十字軍国家に尽くしてきたテンプル騎士団が異端裁判とは何ともやるせない…

    これで今度はロードス島とかの話にも興味が出てきた。塩野さんの思う壺だなww

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    2019年02月11日
  • 十字軍物語 第二巻―イスラムの反撃―(新潮文庫)

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    イベリンとサラディンが印象的。やはりイデオロギー第一となると変な方向に向かい、本部にいるとどうしても判断がイデオロギー第一となるのはいつの時代も同じか。あと多様性って重要だとも感じた。能力を判定できないから出自や教義を「わかりやすい正解」として重視するのかも?とも。

    またこの巻には女性がよく出てくるが傑出してるのがエレオノール。この人は結果的にヨーロッパ中をかき回すのですね。何とも凄い!この人もとても魅力的、多分勝ち気な上にとても美人だったんでしょうね。

    もう一つはテンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団。騎士団って言葉としてはよく聞くけどこの辺りが起源なのかな?ここでもインテリの聖ヨハネ騎士団の方

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    2019年02月11日
  • 十字軍物語 第一巻―神がそれを望んでおられる―(新潮文庫)

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    名前は知ってるがこれまでほとんど内容を知らなかった十字軍。自分の中でまた新たな知識が追加される喜びを感じる。第一巻は最初の十字軍について。ボエモンドやタンクレディが魅力的!しかし宗教が第一義になると逆に寛容でなくなり、実利的な人間ほど結果的に寛容な対処を行なっている事が多いのが興味深い…

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    2019年02月02日
  • ロードス島攻防記

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    高校で世界史を選択しなかった自分としてはキリスト教世界のヨーロッパ史もさっぱりだし、ましてやイスラム圏をや。

    この2つが交錯する時代の話はだから新鮮。

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    2019年01月20日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    古代ローマの指導者たちの死後の執着が薄かった。霊廟が質素
    常設の軍事力
    ⇒防衛に必要となる。攻め込まれるたびに徴兵していたら後手に回るため
    攻撃ならその都度 目的に応じて召集すればよい
    ただし可能な限り効率的に、少ない経費で最大の効果をあげる組織を作らなければ
    国の経済力がそれに耐えきれなくなる。防御側の不利。
    ⇒税の値上げ⇒住民の不満⇒国内の不安

    未開部族相手では勝利しても戦利品が期待できない。
    戦争において勝てば戦利品が期待できるのは兵士の士気に大きく関わる
    ⇒未開部族相手の防衛は地味で苦労ばかりおおい汚れ仕事
    古代ローマの安全に対する考え
    他人に金を払ってもらって安全を保証してもら

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    2019年01月19日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    当時のコンスタンティノープルを取り巻く環境、人々の雰囲気などがよく伝わる本でした。単純な時系列をたどった話や作者(又は歴史学者の)狭い認識のもとに構成された話とは違い、当時の多様な人々、文化、環境要素を読み取れる作りになっているので、その内容の生々しだを持って本を読み進めるに連れ当時の人々の感情をも味わった気持ちになりました。

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    2019年01月16日