塩野七生のレビュー一覧
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三巻目。第三次から第五次まで。
花の十字軍といわれる第三次十字軍には、神聖ローマ帝国王バルバロッサ・フリードリッヒ一世、フランス王オーギュスト・フィリップ二世、そして本命はイギリス王獅子心王・リチャード一世の三人がイェルサレム奪還を目指して出発する。
そのうち、バルバロッサはあっけなく死に、オーギュストは地領拡大のために十字軍を放棄してフランスへ帰る。
残る獅子心王リチャード一世がイスラム下にあったパレスティーナ沿岸の町を解放しつつ南下する。
対するイスラム側はサラディンを中心にまとまっていた。
ダマスカスとカイロを手中にしたスルタン・サラディンは十字軍と相対する。
そして戦 -
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エデッサの陥落の報によりヨーロッパ社会は震撼した。
エデッサ陥落の報を受け、神聖ローマ帝国皇帝とフランス王直々に攻めた第二次十字軍は完全な失敗に終わる。
第一次十字軍のち、イェルサレム王国を中心とする十字軍国家は停滞していた。
慢性的な兵力不足が原因だった。
それでも王国が保たれていたのは、対するイスラム側にまとまりがなかったからだ。
シーア派とスンニ派に分かれ、部族、領主は領土拡大で敵対しあい、まとまってキリスト側に反撃することがなかったのである。
しかし、ついにイスラム側にも英雄が現れる。
ゼンギ、ヌラディンに続き、イスラム社会をまとめ上げたのは少数部族クルド出身のサラ -
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神がそれを望んでおられる。
後世で悪名高き十字軍、キリスト教によるイスラム教への宗教戦争とは何だったのか。
11世紀ヨーロッパは東ローマ帝国、西ローマ帝国に分かれ、それぞれギリシア正教、カトリックと内紛を起こしていた。
西ローマ帝国皇帝ハインリヒ4世のカノッサの屈辱から、ローマを追われたローマ法王グレゴリウス7世の後任、法王ウルバン2世は自らの権威を示すため、キリスト教の共通的を作り出す。
聖地イェルサレムを解放せよ。
この言葉に共鳴したキリスト教徒は十字軍編成を待たずしてオリエントへと旅立ち、そして斃れていった。
その後構成された第一次十字軍はわずか5年弱で地中海沿岸にイ -
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塩野さんの「ローマ人の物語」を3分の2ほど読み終えたのですが、いつも思うのは歴史から学ぶことは多い、と言うことです。この本は彼女が10年ほど前に書いた著書で、まだ「ローマ人の物語」が完結していない時に書かれたようです。執筆中の心境なども綴られていて興味深いのですが、なんと言っても国の在り方や政治についてなど、国際情勢を交えながら日本のリーダーたちへ物申している内容が、ローマ人の物語で再三取り上げていることに通じているので、やっぱり黙って見ているわけにはいかないのだろうと思ってしまいます。
私自身もローマ人の物語を読んでいて文章を抜き出していますが、政治家やビジネスマンには必携の書ではと常々思っ -
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全8回、200年に及ぶ十字軍と迎え撃つイスラム勢の物語。
(全4巻を通しての感想です)
全体的に戦闘ばかりで悲惨なはずだけど、あまり陰鬱な感じはせずに楽しく読めた。
著者は主に西洋側の文献を参考にしているので、十字軍びいきの感があるが、イスラム側の資料も少し参考にしたらしく、数人のイスラム側の指導者は良く描かれている。
イスラム勢力が拡大しているのに、キリスト教国家同士が争っているので、時のローマ法王ウルバン2世が争いをやめさせるためにイェルサレム奪還に向けるために「神がそれを望んでおられる」と言って始まった十字軍。
主なプレーヤーは、ローマ法王、キリスト教国家の王、諸侯、宗教騎士団、イス -
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教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。
過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。
教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。
芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身のレオーネ十世…。
権力の中枢を生きたローマ法王の実像を描き出す
個人的には、アレッサンドロ六世とレオーネ十世が面白かった。
神の代理人とはいえど、キレイゴトでは何も収まらない。
そのあたりの徹底した現実主義っぷりが際立ったお二方。
「ローマ法王」といえど一人の人間。
その人が生きた時代や国、各々の性格等によって教会