塩野七生のレビュー一覧

  • 人びとのかたち

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    映画評論ではなくそれにかこつけた随筆
    作者は司馬遼太郎と同じような位置にあるので
    (といってもそれをみとめないひともまた多いだろうが)
    嫌うひともたくさん有るのはよくわかるが
    同じ意味できらくに楽しく読める
    司馬遼太郎がそうであったように
    歴史小説家の随筆を国家日本の指標と真剣丹念に読まれても困るという意味で

    そういうふうに思うわけだが
    こういうように思うのも鏡に映して区別の付かないことでもあろう
    そのことにわらえる程度に変わらずあって欲しいが
    そんな風に思えるのは「歴史」にとっては長くもあり短くもある

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    2018年12月09日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

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    文藝春秋に連載されたエッセイをまとめたもの。普段イタリアに住む著者が、海外から見た日本について辛口の批判をしており、納得できる記述が多い。記憶に残る部分を記す。
    「戦争とは、良い悪いの区分がないだけではなく、防衛のための戦争か侵略のための戦争かの区分さえもむずかしい。いや、戦争は、ほとんどとしてよいくらいに侵略戦争である。なぜなら、防衛のつもりで行った戦争に勝ったとたんに、その防衛戦を確実なものにしたくなってさらに敵地深く侵略することになるからで、歴史に残る戦争のほとんどすべては、侵略戦争であったのが実相だ。」
    「戦争そのものが姿を消したわけではない。それはおそらく、頭をガツンとやられない

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    2018年11月27日
  • 日本人へ リーダー篇

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    文藝春秋連載のエッセイ集。イタリアに住む著者の視点から、日本への鋭い批判、提言が面白い。印象に残った記述を記す。
    「ユリウス・カエサルは、言っている。「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと思う現実しか見ていない」
    「なぜか、危機の時代は、指導者が頻繁に変わる。首をすげ代えれば、危機も打開できるかと、人々は夢見るのであろうか。だがこれは、夢であって現実ではない」
    「情報に接する時間を少し節約して、その分を考えることにあててはいかが」

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    2018年11月15日
  • 日本人へ 危機からの脱出篇

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    塩野さんはほんと読ませてくれます。読んで面白いだけでなく、必ず考えさせられる。そこが良いですね。衆愚政治は一人一人の声が大きくなったからだという意見は、特に考え込んでしまいました。

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    2018年11月12日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    以前から読みたいと思っていたシリーズである。
    タイトルの「物語」から、ある主人公を中心としたストーリーかと想像して読み始めたが、思ったより淡々と、しかし臨場感もありながらローマ初期の歴史が書かれていた。ローマが最盛期のギリシアを視察しながらも民主政を採用しなかったことは非常に大きな分岐点になっただろう。
    ローマが征服した他民族を寛容に内包していくシステムは、移民政策など現代の政治システムを考える上でも参考になるのではないか。

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    2018年11月05日
  • コンスタンティノープルの陥落

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    現在に続く、イスラム教とキリスト教の争いの源流の一端を見た。オスマントルコによる祖国侵犯の過去は、今も欧州の国家バランスに少なからぬ影を落としているはず。

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    2018年11月04日
  • マキアヴェッリ語録

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    マキアヴェリや君主論を信奉しているような人とは、仕事を一緒にしたくないものである
    ・人間というものは、自分を守ってくれなかったり、誤りを質す力もない者に対して、忠誠であることはできない
    ・人は、心中に巣食う嫉妬心によって、褒めるよりもけなすほうを好むものである
    ・国家の指導者たる者は、必要に迫られてやむをえず行ったこでも、自ら進んで行った結果であると思わせることが重要である
    ・君主は、自らの権威を傷つける恐れのある妥協は、絶対にすべきではない
    ・一軍の指揮官は一人であるべきである
    ・祖国の存亡がかかっているような場合は、いかなる手段もその目的にっとて有効ならば正当化される
    ・慎重であるよりは果

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    2018年11月04日
  • 迷走する帝国──ローマ人の物語[電子版]XII

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    著者の文章からなる歴史物語が楽しいのはもちろん、そこに書いていないことにも思いを馳せたくなる。知的刺激を受けるとは、こういうことなんだろうな。読む幸せを感じさせてくれる本だ。

    あれこれマーカーをつけたり、抜き書きしたくなる部分があった。

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    2018年10月27日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    アメリカによるイラク攻撃の話題と時期的に重なったためにパクス・アメリカーナの意図が見え隠れする。ひとつの超大国とその他の国の集合体だけが平和をもたらすという考え方(塩野七生の解釈か?)は2000年後でも通用するのか。国連(≒元老院)の無力ぶりからもうなずくしかないか。

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    2018年10月24日
  • キリストの勝利──ローマ人の物語[電子版]XIV

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    久しぶりにローマ皇帝らしい人物が登場したが、哀れな最後となる。教会がローマ皇帝の取捨/選択が可能な力を持つにいたり文明の停滞の始まりが訪れる。 皇帝ユリアヌスが長い政権を維持していたらもしかしたら人類の歴史は大きく変わっていたかもしれない。まったく偶然のことではあるが、このあたりのキリスト教(会?)の秘密を題材としたダビンチ・コードを直前に読んでいたので、ローマ帝国がどのようにキリスト教に侵食されていくのか興味深かった。

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    2018年10月24日
  • ローマ亡き後の地中海世界(下)

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    ローマ人の物語が完成し、早2年(だと思う)。10年以上の歳月を費やし、あれだけの大作を仕上げたのだから、もう七生さんの、新刊を読むこともあるまいと思っていただが、そうは問屋がおろさないとばかりに、「ローマ亡き後の地中海世界(上下巻あわせて800ページ)」の大作をこの短時間で仕上げてくるとは、まだまだエネルギーに満ちて溢れております。 内容は、西ローマが滅んだ直後から、近代が始まる直前までの地中海の勢力争いについて。イスラムの興隆、キリスト国同士の反目、両陣営のイデオロギーのぶつかりあい、イデオロギーなど感知しないベネチア、イスラム後ろ盾を得た海賊などが織り成す地中海世界の混乱は、パックス・ロマ

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    2018年10月23日
  • ローマ世界の終焉──ローマ人の物語[電子版]XV

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    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。ついに「ローマ人の物語」が完結。西ローマが滅びついに永遠の都ローマが、ローマ人以外のものの手に落ち、ここにローマ帝国の滅亡をみる。キリスト教から発生したイデオロギーに最後の活力をそぎとられたローマの終焉はあまりにもあっさりしすぎて、なんの感慨も起こらない。実にあっけないものであった。第一巻の出版は、私がまだ大学生だったことを考えると、一時代が終わったような寂しさを覚える。当時、これを手にしながら、これが完結するころ、世の中はどう変わっているんだろうかと考えたものであるが、大して変わらないなー、自分の肉体以外は。

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    2018年10月23日
  • キリストの勝利──ローマ人の物語[電子版]XIV

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    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。この巻では、キリスト教がローマに正式に承認される。キリスト教徒には申し訳ないが、この一神教を信じることでローマは滅亡へと一気に転げ落ちてゆく。

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    2018年10月23日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

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    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。滅亡への下り坂を一気に転げ落ちてゆくローマ。これを何とかして食い止めようとするヒーロー。だが、この時期のローマは、カエサルをもってしても時期すでに遅し。

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    2018年10月23日
  • 終わりの始まり──ローマ人の物語[電子版]XI

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    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。このころのローマはまだ元気です。

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    2018年10月23日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。この巻では、カエサル後のローマの繁栄。

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    2018年10月23日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

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    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。この巻では、悪名高い皇帝たち。ここまで、こんなダメ皇帝が続いてもびくともしないローマって?

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    2018年10月23日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。なぜ、人間はうまく行き過ぎると調子に乗って奢り高ぶってしまうのでしょうか。世の理なのでしょうか。

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    2018年10月23日
  • 迷走する帝国──ローマ人の物語[電子版]XII

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    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。ローマの迷走振りは、現在の日本とかぶる?

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    2018年10月23日
  • 賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX

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    ローマ人の物語は、塩野ファンのみならず、どなたにもお勧めしたいシリーズ。五賢帝時代といえば、ローマの最高潮時代として、世界史の授業で習った人も多いと思います。そのときの皇帝が生き生きと描かれて、塩野世界が展開されいます。

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    2018年10月23日