塩野七生のレビュー一覧
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全8回、200年に及ぶ十字軍と迎え撃つイスラム勢の物語。
(全4巻を通しての感想です)
全体的に戦闘ばかりで悲惨なはずだけど、あまり陰鬱な感じはせずに楽しく読めた。
著者は主に西洋側の文献を参考にしているので、十字軍びいきの感があるが、イスラム側の資料も少し参考にしたらしく、数人のイスラム側の指導者は良く描かれている。
イスラム勢力が拡大しているのに、キリスト教国家同士が争っているので、時のローマ法王ウルバン2世が争いをやめさせるためにイェルサレム奪還に向けるために「神がそれを望んでおられる」と言って始まった十字軍。
主なプレーヤーは、ローマ法王、キリスト教国家の王、諸侯、宗教騎士団、イス -
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教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。
過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。
教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。
芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身のレオーネ十世…。
権力の中枢を生きたローマ法王の実像を描き出す
個人的には、アレッサンドロ六世とレオーネ十世が面白かった。
神の代理人とはいえど、キレイゴトでは何も収まらない。
そのあたりの徹底した現実主義っぷりが際立ったお二方。
「ローマ法王」といえど一人の人間。
その人が生きた時代や国、各々の性格等によって教会 -
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かくも激しく美しく恋に身をこがし、生きて愛して死んだ女たち――歴史資料の片隅に、わずかに残されたその華麗な生の証しをもとに、欲望・権謀の渦巻くイタリアの中世末期からルネサンスにかけて、《恋の歓び、哀しみ、憤り》など、さまざまな愛のかたちを抽出する。『大公妃ビアンカ・カペッロの回想録』『ドン・ジュリオの悲劇』など、胸ときめく恋の物語9編を収録。
「ルネサンスの女たち」よりも少し前の時期が舞台かな。
当時、女性が愛に生きることはほぼ不可能であり、愛を貫くことによる代償がとてつもなく大きかった時代の、愛の短編集。
この作品の中で、「大公妃ビアンカ・カペッロの回想録」と「女法王ジョヴァンナ」が特に -
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第三次〜第五次十字軍に。この巻の見せ場はなんといっても獅子心王リチャード!これはまた塩野さんのお気に入りパターンだな、とこちらも楽しく読み進められた。
ヴェネツィアの有能な実務派リーダーであるダンドロは法王庁の人間と違い現実感があり安心できる。一般的にリーダーって決して思い通りにできるわけではない。どちらかというとみんなのバランスを取りながら、ここというポイントでいい判断ができるか?がその優劣を決めるという風に思うが、その判断が第四次十字軍への参戦だったんだろう。
それにひきかえ先に権威がありそれを盲信するととんでもないリーダーが出来上がる。法王庁にはそのタイプが多そうだがその中でもペラー -
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イベリンとサラディンが印象的。やはりイデオロギー第一となると変な方向に向かい、本部にいるとどうしても判断がイデオロギー第一となるのはいつの時代も同じか。あと多様性って重要だとも感じた。能力を判定できないから出自や教義を「わかりやすい正解」として重視するのかも?とも。
またこの巻には女性がよく出てくるが傑出してるのがエレオノール。この人は結果的にヨーロッパ中をかき回すのですね。何とも凄い!この人もとても魅力的、多分勝ち気な上にとても美人だったんでしょうね。
もう一つはテンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団。騎士団って言葉としてはよく聞くけどこの辺りが起源なのかな?ここでもインテリの聖ヨハネ騎士団の方 -
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古代ローマの指導者たちの死後の執着が薄かった。霊廟が質素
常設の軍事力
⇒防衛に必要となる。攻め込まれるたびに徴兵していたら後手に回るため
攻撃ならその都度 目的に応じて召集すればよい
ただし可能な限り効率的に、少ない経費で最大の効果をあげる組織を作らなければ
国の経済力がそれに耐えきれなくなる。防御側の不利。
⇒税の値上げ⇒住民の不満⇒国内の不安
未開部族相手では勝利しても戦利品が期待できない。
戦争において勝てば戦利品が期待できるのは兵士の士気に大きく関わる
⇒未開部族相手の防衛は地味で苦労ばかりおおい汚れ仕事
古代ローマの安全に対する考え
他人に金を払ってもらって安全を保証してもら -
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文藝春秋に連載されたエッセイをまとめたもの。普段イタリアに住む著者が、海外から見た日本について辛口の批判をしており、納得できる記述が多い。記憶に残る部分を記す。
「戦争とは、良い悪いの区分がないだけではなく、防衛のための戦争か侵略のための戦争かの区分さえもむずかしい。いや、戦争は、ほとんどとしてよいくらいに侵略戦争である。なぜなら、防衛のつもりで行った戦争に勝ったとたんに、その防衛戦を確実なものにしたくなってさらに敵地深く侵略することになるからで、歴史に残る戦争のほとんどすべては、侵略戦争であったのが実相だ。」
「戦争そのものが姿を消したわけではない。それはおそらく、頭をガツンとやられない