塩野七生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
塩野さんの「ローマ人の物語」を3分の2ほど読み終えたのですが、いつも思うのは歴史から学ぶことは多い、と言うことです。この本は彼女が10年ほど前に書いた著書で、まだ「ローマ人の物語」が完結していない時に書かれたようです。執筆中の心境なども綴られていて興味深いのですが、なんと言っても国の在り方や政治についてなど、国際情勢を交えながら日本のリーダーたちへ物申している内容が、ローマ人の物語で再三取り上げていることに通じているので、やっぱり黙って見ているわけにはいかないのだろうと思ってしまいます。
私自身もローマ人の物語を読んでいて文章を抜き出していますが、政治家やビジネスマンには必携の書ではと常々思っていたので、この本の苦言は塩野さんなら、さもありなんと思ったのでした。
この時代のブッシュはいなくなり、アメリカはトランプへ。イギリスはEU離脱を巡り国が割れ、安倍首相は長期政権下で外交に精を出しても、日本の立ち位置はパッとせず、北朝鮮の動きに手も足も出せず、韓国とは犬猿の仲状態の現在。これを彼女はどう思っているのか気になります。この頃の首相は小泉さんでしたが、案外塩野さんが彼を評価しています。この本の筋とは離れますが、最近では息子の進次郎氏に注目している記事が雑誌にあったようなので、政治オンチの日本人にあって彼が本物のリーダーになるのか…ホント誰かいないのか…と思うのです。
それにしても、世界における日本の非力は目に見えるし、国際連合の力の低下も今じゃ歴然。国際政治におけるプレーヤーの持つ切れ味の良い剣は、5つということです。1.拒否権をもっている 2.常任理事国である 3.海外派遣も可能な軍事力 4.核をもっている 5.他国に援助も可能な経済力 。日本はこの中で一つしか持っていないのですから、力がある筈はありません。そこでどういう国を目指すのか考えるのは私たちなのですが… -
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全8回、200年に及ぶ十字軍と迎え撃つイスラム勢の物語。
(全4巻を通しての感想です)
全体的に戦闘ばかりで悲惨なはずだけど、あまり陰鬱な感じはせずに楽しく読めた。
著者は主に西洋側の文献を参考にしているので、十字軍びいきの感があるが、イスラム側の資料も少し参考にしたらしく、数人のイスラム側の指導者は良く描かれている。
イスラム勢力が拡大しているのに、キリスト教国家同士が争っているので、時のローマ法王ウルバン2世が争いをやめさせるためにイェルサレム奪還に向けるために「神がそれを望んでおられる」と言って始まった十字軍。
主なプレーヤーは、ローマ法王、キリスト教国家の王、諸侯、宗教騎士団、イスラムのスルタン(王みたいもの)。
感じたことは
・キリスト教とイスラムの対立は根深い
・イスラムにも紳士的な人はいてしばらくの和平が成り立つ
・原理主義的な人たちは平和的な解決ができない
・宗教騎士団は人数は少ないものの強くて存在感がある
・赤十字は聖堂騎士団(キリスト教側)が胸につけているものなので、現代には馴染まない気がする
塩野七生ファンにオススメです。 -
Posted by ブクログ
教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。
過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。
教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。
芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身のレオーネ十世…。
権力の中枢を生きたローマ法王の実像を描き出す
個人的には、アレッサンドロ六世とレオーネ十世が面白かった。
神の代理人とはいえど、キレイゴトでは何も収まらない。
そのあたりの徹底した現実主義っぷりが際立ったお二方。
「ローマ法王」といえど一人の人間。
その人が生きた時代や国、各々の性格等によって教会の統率の仕方はまるで違う。
信仰とは何か。正義とは何か。 -
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かくも激しく美しく恋に身をこがし、生きて愛して死んだ女たち――歴史資料の片隅に、わずかに残されたその華麗な生の証しをもとに、欲望・権謀の渦巻くイタリアの中世末期からルネサンスにかけて、《恋の歓び、哀しみ、憤り》など、さまざまな愛のかたちを抽出する。『大公妃ビアンカ・カペッロの回想録』『ドン・ジュリオの悲劇』など、胸ときめく恋の物語9編を収録。
「ルネサンスの女たち」よりも少し前の時期が舞台かな。
当時、女性が愛に生きることはほぼ不可能であり、愛を貫くことによる代償がとてつもなく大きかった時代の、愛の短編集。
この作品の中で、「大公妃ビアンカ・カペッロの回想録」と「女法王ジョヴァンナ」が特に印象深い。
対極のような生き方でありながら、ともに死後はほぼ歴史から葬り去られているような感じである。
いつの世も"愛"は難しいものなのかもしれない。 -
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第三次〜第五次十字軍に。この巻の見せ場はなんといっても獅子心王リチャード!これはまた塩野さんのお気に入りパターンだな、とこちらも楽しく読み進められた。
ヴェネツィアの有能な実務派リーダーであるダンドロは法王庁の人間と違い現実感があり安心できる。一般的にリーダーって決して思い通りにできるわけではない。どちらかというとみんなのバランスを取りながら、ここというポイントでいい判断ができるか?がその優劣を決めるという風に思うが、その判断が第四次十字軍への参戦だったんだろう。
それにひきかえ先に権威がありそれを盲信するととんでもないリーダーが出来上がる。法王庁にはそのタイプが多そうだがその中でもペラーニはもう…救いようのない小役人タイプか。こういう人が組織の中枢に存在してしまうことは避けられないのか。 -
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イベリンとサラディンが印象的。やはりイデオロギー第一となると変な方向に向かい、本部にいるとどうしても判断がイデオロギー第一となるのはいつの時代も同じか。あと多様性って重要だとも感じた。能力を判定できないから出自や教義を「わかりやすい正解」として重視するのかも?とも。
またこの巻には女性がよく出てくるが傑出してるのがエレオノール。この人は結果的にヨーロッパ中をかき回すのですね。何とも凄い!この人もとても魅力的、多分勝ち気な上にとても美人だったんでしょうね。
もう一つはテンプル騎士団と聖ヨハネ騎士団。騎士団って言葉としてはよく聞くけどこの辺りが起源なのかな?ここでもインテリの聖ヨハネ騎士団の方がバランス感がある。塩野さんもいう「教養はバランス感覚を養う」かとは思うけど、その教養の頂点にいそうな法王などは何だかバランス悪いのはこれいかに…
しかし第一次と比べ動きが少ないのでおそらく資料も少なそうなのにここまで話を繋げるのは流石ですね。 -
Posted by ブクログ
古代ローマの指導者たちの死後の執着が薄かった。霊廟が質素
常設の軍事力
⇒防衛に必要となる。攻め込まれるたびに徴兵していたら後手に回るため
攻撃ならその都度 目的に応じて召集すればよい
ただし可能な限り効率的に、少ない経費で最大の効果をあげる組織を作らなければ
国の経済力がそれに耐えきれなくなる。防御側の不利。
⇒税の値上げ⇒住民の不満⇒国内の不安
未開部族相手では勝利しても戦利品が期待できない。
戦争において勝てば戦利品が期待できるのは兵士の士気に大きく関わる
⇒未開部族相手の防衛は地味で苦労ばかりおおい汚れ仕事
古代ローマの安全に対する考え
他人に金を払ってもらって安全を保証してもらうのは人間を堕落させる
征服された人々が反乱するのは、民衆が自主的に蜂起するためでなく、
民衆の指導者層が民衆を扇動するから。支配者層が不満をもつのは
他国民に支配された結果、自分たちのうまみ(権威、権力)がなくなるから
⇒支配した部族の指導者層、拠点の温存が長期支配につながる
民衆の不満は指導者を得ない限りは爆発しない。
若い指導者は老害になめられる
古代ローマの少子化対策
軍隊の種類
①他国からかき集めた傭兵
士気ひくい。
②自国民
士気たかい。自国防衛という理念
③
キケロ
「人間にはことの重大さを理解する頭脳はある
だがそれが、対処する活力に結びつくかは、どれほど読みきく人に
とって心地よい形で提示されたかによってきまる」
文明の度が高いほど、征服は容易になる。
①文明化の利点を理解できるから。
②文明化していれば都市を作って住んでいるから、
蛮族相手だとゲリラ戦になる
ローマ人は死を忌み嫌ったりしなかった
女は愛してくれるふりをしてくれるだけでも耐えられることもある
ローマの共和政:貴族政、寡頭制
軍勢が5万を超えると指令が行き届かなくなる
古代の考えでは、運命を自分の思い通りにしようという考え方は謙虚さを忘れさせ
神々から復習される。
ローマ軍の強さはロジスティック(兵站
昼でも暗く深い森
正攻法になれた兵士ではきつい
法とは、上に立つ人間が守ってこそ、下の者にも強いることができる