塩野七生のレビュー一覧

  • 日本人へ リーダー篇

    Posted by ブクログ

    「ローマ人の物語」は死ぬまでに読みたい本です。この作家さんのエッセイもちょいちょい読むのですが、日本人としての矜持を持ちなさい、という想いが伝わります。新書なのでさくっと読めてなおいいですね。

    0
    2012年07月08日
  • サロメの乳母の話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    西洋史とキリスト教に関する基礎レベルの知識は前提として必要になる短編集。一つの短編が20ページ足らずのものばかりなので、さくさく読めます。

    いわゆる歴史上・宗教上の有名人たちの「周辺にいる人」の視点から、「実はこの人はこんなことを考えていた」「実はこの史実・宗教的逸話の陰には、こんな話があった」という切り口で、刺激的なエピソードが語られていきます。小説ではあるけど、ウソ臭さをあまり感じさせないので、もしかしたら本当にそうだったんじゃないの?と思わせるような作品もあったりします。

    個人的には、イスカリオテのユダの母親が息子の死をテーマに本を出版、引く手あまたの人気者になってテレビ出演まで果た

    0
    2012年07月02日
  • すべての道はローマに通ず──ローマ人の物語[電子版]X

    Posted by ブクログ

    本巻はガリア戦記に着想を得たのかなと思う(読み落としていなければよいけれど)。

    巻末カラーの写真が思った以上に充実していてよかった。2千年の昔が偲ばれる。アッピア街道やフォロ・ロマーノの「兵どもの夢のあと」の感じが好き。

    一方で、ネロの記念柱やポンペイウスの柱、ブリンディシの円柱など、力学的に不安定なものが綺麗に残っていることに驚く。建設時の技術力とメンテナンス力は素晴らしい。

    一番驚いたのは水道橋。カエサリアのものは海岸沿いにもかかわらず、よく現代まで残ったものだ。ニームの水道橋も3層の大きさだし、セゴビアのものは街中にそびえている。

    欲を言えば、多くの街道の説明や写真があるとよかっ

    0
    2017年10月18日
  • マキアヴェッリ語録

    Posted by ブクログ

    (2019/01/22)
    7年前にも読んだんだ、ということを忘れていました、、。
    今は会社での役割も重くなり、組織を運営する身として、マキャベリの現実主義的な組織論、人間論が、今回のほうがよりヒシヒシと伝わってきたと感じます。

    (2012/06/17)
    マキャベリって、権謀術数の親玉で、上昇志向の強い人向けの何だかネガティブな響きのする人だと捉えられがちだと思うし、実際に自分もそう思っていた一人だけど、本書で彼の思想の一端に触れると、その取り上げ方の浅さに気がつく。
    耳に優しい言葉を排し、徹底的に冷徹に人間の心理の本質を見つめ、そんな自分勝手で優柔不断な大衆をまとめていく指導者とは、政治とは

    0
    2012年06月17日
  • イタリアからの手紙

    Posted by ブクログ

    著者の教養の高さをうかがわせるエッセイ。
    30歳代の頃の作品と思われるのに観察眼が鋭いし、その事に自信を持って描いているのがスゴイ。

    0
    2012年06月17日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V

    Posted by ブクログ

    ローマ帝国の礎を築いたユリウス・カエサルの偉業。彼の遺志を受け継いだオクタヴィアヌス。日和見な文筆家キケロ。まだ日本に卑弥呼もいない古代なのにこのスケールの大きさ、人物のダイナミックさ、進んだ文明。いやあ、読み応えがあった。ときどき独特の塩野節が気になるかな。

    0
    2012年06月04日
  • サロメの乳母の話

    Posted by ブクログ

    歴史上の有名人について、その人をごく身近で見ていた人の視線、という設定でお話が進められる。
    今まで持っていた歴史観や、歴史上の人物へのイメージがこんなにも簡単に塗り替えられるとは、自分の想像力のなさに驚きます。
    楽しく読める一冊です。

    0
    2012年05月17日
  • 生き方の演習 : 若者たちへ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     若者に特に読んで欲しいと思う。
     これからの混沌とした情報であふれる世界で生きて行く為に、何を見て、何を聞き、どう考え、どう学ぶベば良いかの作者からのアドバイスだと思う。

     特に、「国や年齢を超えて理解し合う最良の方法とは?」の問いに、
    「自分にひきこもってしまう人生は、つまらない。自分を他に伝えることができるのは重要なこと。
     それには、きちんとした話し方、「起承転結」のような論理的な話し方をすることが、他者に自分をちゃんと伝えることを可能にするのだ。」という答えに、とても共感しました。

    0
    2012年04月15日
  • わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡―塩野七生ルネサンス著作集7―

    Posted by ブクログ

    マキャヴェッリ  これまでは「君主論」の著者ということくらいしか知らなかった(もっとも、君主論だっていまだ読んじゃいないのだが。。)。
    ふーん、もともとはフィレンツェの敏腕官僚&外交官なんだね。それも相当な労働中毒だ。
    42才の時クーデターが起き、それまで活躍しすぎていたこともあって、あえなくクビ。収入の道を絶たれ、生きがいも無くし、失意の中で「君主論」など後世に残る著作を次々とものにする。人生、何が不幸なのか、何が幸いするのかわからないもんで、このクビがなければ後世これほどマキャヴェッリの名前が残っていないはず。
    マキャベリズム  辞書によれば「目的のために手段を選ばないやり方」とある。いさ

    0
    2012年04月15日
  • 男の肖像

    Posted by ブクログ

    塩野さんが大胆な想像も加えてペリクレス、アレクサンダー、カエサル、時宗、信長、西郷どん、ナポレオン、フランツヨゼフ一世、毛沢東、チャーチルなどについて論じている。史上の大人物を女の視点からみるのもなかなか面白い。

    0
    2012年04月11日
  • 賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX

    Posted by ブクログ

    比較的平和な時代が続き、落ち着いて読めた。
    公共事業や施策の記述が多くて面白かったが、読者の好き嫌いは分かれるかもしれない。

    大きな出来事のひとつは、ユダヤが火を噴いたこと。
    それについて、ユダヤ人の考え方、他民族とのその違いについて詳細に書かれており、納得感があった。歴代皇帝の扱いの変遷についてもまとめられており、理解の助けとなった。

    個人的には、一神教はよいことがほとんどないと思う。弱者に生きる希望を与えるだけならよいのだけれど。排他的、選民思想、教則を理由に権利だけ主張して義務を拒否する、ということであれば、それなりの扱いをされても仕方がないと感じた。
    現代でも状況は変わらないし、ど

    0
    2012年04月07日
  • 危機と克服──ローマ人の物語[電子版]VIII

    Posted by ブクログ

    文学的な歴史書、というところが面白いのだろうと思う。事実の積み上げではなく、筆者の推測、考えがところどころに色濃く出ていて、読んでいる方も楽しめる。
    本書の対象の時代はわかりやすい英雄もいないし、血みどろの内戦もあり、史実の部分は少々読むのがつらい部分もあった。それでも、前世の皇帝のどういう政策を引き継いだかとか、後世の皇帝がどの政策を引き継いだか、あるいは引き継がなかったか、という点から対象者を評価しているところなどはとても面白かった。

    0
    2012年03月15日
  • イタリアからの手紙

    Posted by ブクログ

    塾で使用している国語の教材に本書の一部が引用されていたので読んでみた。

    イタリア行きたいなー・・・

    0
    2012年03月03日
  • 絵で見る十字軍物語

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    十字軍か~。
    正義のための軍だと思ってた・・orz
    宗教に狂って、勝手に正義だとか、自分の罪を消すために他国に進軍した人たち。
    イスラム教徒を殺せば罪が洗われ、何故か天国にいけると本気で信じた変な人たち。
    わたしは好きなれない。ただの野蛮人としか思えない。
    なんか失望したよー。
    ともあれ十字軍とイェルサレムにまつわる歴史が知れたのは満足。

    0
    2012年03月02日
  • 日本人へ 国家と歴史篇

    Posted by ブクログ

    「ローマから日本が見える」よりは良かった。
    エッセイ集で,要約ではないので新たに得るものが多かった。
    それなりに高評価にしているのは,基本的に塩野七生が好きだから。

    0
    2012年02月26日
  • 生き方の演習 : 若者たちへ

    Posted by ブクログ

    例えば考えることが大切とか、語学は道具とか、自分の分野以外のことにも興味を示すとか、人を選ばないとか、同意するところが多々あった。

    0
    2012年02月08日
  • 絵で見る十字軍物語

    Posted by ブクログ

    緻密なドレの版画とわかりやすい地図、簡潔な文章で、なんとなく十字軍とはどういったものかわかる本。
    十字軍や獅子心王、サラディンって名前だけは知っているけど、その実何も知らんって人や、ギュスターヴ・ドレが好きな人にオススメ。
    欲を言えば、年代も書いてほしかった。

    0
    2012年02月08日
  • 絵で見る十字軍物語

    Posted by ブクログ

    十字軍の始まりから終わりまでのダイジェストが、絵と地図と簡潔な説明でわかりやすく描写されています。
    これから読む予定の十字軍物語1~3を読む際の、ウォーミングアップなったような気がします。

    0
    2012年02月05日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

    Posted by ブクログ

    悪名も高名も、ちょっとした勘違い、ちょっとした自己認識や時代認識の違いによってどちらにころぶか分からないものだとつくづく思う。殺されたり、自死せざるを得なかった皇帝たちも、どこかほほえましい部分もある。

    0
    2012年02月01日
  • 最後の努力──ローマ人の物語[電子版]XIII

    Posted by ブクログ

    崩壊しかけたローマ帝国に、2人の皇帝が最後の歯止めをかける。しかし、東西ローマの分裂への一歩を踏み出し、キリスト教を公認し擁護することで中世ヨーロッパ時代の教会の横暴・悪乗りのタネを植えるなど、失ったものも多い。
    巻の最後の言葉「これほどまでして、ローマ帝国は生き延びねばならなかったのか」が印象的。

    0
    2012年01月28日