塩野七生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ西洋史とキリスト教に関する基礎レベルの知識は前提として必要になる短編集。一つの短編が20ページ足らずのものばかりなので、さくさく読めます。
いわゆる歴史上・宗教上の有名人たちの「周辺にいる人」の視点から、「実はこの人はこんなことを考えていた」「実はこの史実・宗教的逸話の陰には、こんな話があった」という切り口で、刺激的なエピソードが語られていきます。小説ではあるけど、ウソ臭さをあまり感じさせないので、もしかしたら本当にそうだったんじゃないの?と思わせるような作品もあったりします。
個人的には、イスカリオテのユダの母親が息子の死をテーマに本を出版、引く手あまたの人気者になってテレビ出演まで果た -
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本巻はガリア戦記に着想を得たのかなと思う(読み落としていなければよいけれど)。
巻末カラーの写真が思った以上に充実していてよかった。2千年の昔が偲ばれる。アッピア街道やフォロ・ロマーノの「兵どもの夢のあと」の感じが好き。
一方で、ネロの記念柱やポンペイウスの柱、ブリンディシの円柱など、力学的に不安定なものが綺麗に残っていることに驚く。建設時の技術力とメンテナンス力は素晴らしい。
一番驚いたのは水道橋。カエサリアのものは海岸沿いにもかかわらず、よく現代まで残ったものだ。ニームの水道橋も3層の大きさだし、セゴビアのものは街中にそびえている。
欲を言えば、多くの街道の説明や写真があるとよかっ -
Posted by ブクログ
(2019/01/22)
7年前にも読んだんだ、ということを忘れていました、、。
今は会社での役割も重くなり、組織を運営する身として、マキャベリの現実主義的な組織論、人間論が、今回のほうがよりヒシヒシと伝わってきたと感じます。
(2012/06/17)
マキャベリって、権謀術数の親玉で、上昇志向の強い人向けの何だかネガティブな響きのする人だと捉えられがちだと思うし、実際に自分もそう思っていた一人だけど、本書で彼の思想の一端に触れると、その取り上げ方の浅さに気がつく。
耳に優しい言葉を排し、徹底的に冷徹に人間の心理の本質を見つめ、そんな自分勝手で優柔不断な大衆をまとめていく指導者とは、政治とは -
Posted by ブクログ
マキャヴェッリ これまでは「君主論」の著者ということくらいしか知らなかった(もっとも、君主論だっていまだ読んじゃいないのだが。。)。
ふーん、もともとはフィレンツェの敏腕官僚&外交官なんだね。それも相当な労働中毒だ。
42才の時クーデターが起き、それまで活躍しすぎていたこともあって、あえなくクビ。収入の道を絶たれ、生きがいも無くし、失意の中で「君主論」など後世に残る著作を次々とものにする。人生、何が不幸なのか、何が幸いするのかわからないもんで、このクビがなければ後世これほどマキャヴェッリの名前が残っていないはず。
マキャベリズム 辞書によれば「目的のために手段を選ばないやり方」とある。いさ -
Posted by ブクログ
比較的平和な時代が続き、落ち着いて読めた。
公共事業や施策の記述が多くて面白かったが、読者の好き嫌いは分かれるかもしれない。
大きな出来事のひとつは、ユダヤが火を噴いたこと。
それについて、ユダヤ人の考え方、他民族とのその違いについて詳細に書かれており、納得感があった。歴代皇帝の扱いの変遷についてもまとめられており、理解の助けとなった。
個人的には、一神教はよいことがほとんどないと思う。弱者に生きる希望を与えるだけならよいのだけれど。排他的、選民思想、教則を理由に権利だけ主張して義務を拒否する、ということであれば、それなりの扱いをされても仕方がないと感じた。
現代でも状況は変わらないし、ど