塩野七生のレビュー一覧

  • 愛の年代記

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    イタリア中世~ルネサンス期の愛の物語。"恋は、より多く愛した者が敗者になる"という言葉もあったが、愛とは本当に人を残酷なまでに狂わせる。美しく情熱的で、熱い思いが込み上げる作品。

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    2012年11月30日
  • 悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII

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    この第七巻の副題が「悪名高き皇帝たち」となっている。 よく聞かれるのは暴君ネロなどであるが、実際にどのようなものであったのだろうか。

    まずはティベリウスであるが、最終的にはローマ市民には不評であった皇帝であるが、市民に人気はないが、政治の中身はアウグストゥスの意思をひたすら受け継いでいくというものであった。

    カプリに隠遁して文書のみでの支持というのが不評の原因であるが、現代でもマスメディアに顔を出しているほうが人気があり、票が集まるもの同様である。

    つづいてのカリグラはアウグストゥスの血のつながりだけで皇位についたようなもので、金銭感覚がなく、外交に関しても経験不足であった。

    今でいう

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    2012年11月20日
  • パクス・ロマーナ──ローマ人の物語[電子版]VI

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    カエサルの後継者として選ばれたオクタヴィアヌス。

    著者の宣言通り、華々しい戦闘シーンや痛快な戦術を駆使した勝利、という話はまったくなかったが、彼の政治センスはなかなかおもしろいものであった。

    カエサルが見込んだのことはあるセンスにより、元老院議員の心を誘導しつつ、帝政ローマ建国へ向かう様子は、カエサルとはまた違った魅力を感じるところである。

    あまりにも厳格な法の制定、特に「ユリウス姦通罪・婚外交渉罪法ユリウス正式婚姻法」には、疑問であったが・・・

    現在の少子化対策において、このような法を制定したら、今の日本はどうなるであろうか? と考えてみたが、おそらく犯罪者だらけになってしまうであろ

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    2012年11月20日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以後──ローマ人の物語[電子版]V

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    カエサルが暗殺された。

    第四巻からここまで読んできて、カエサルに魅了されてしまった私には2000年以上も前のことながらなにか、悲しいものがあった。

    元老院による寡頭制に疑問を呈し、人生をかけてローマ帝国を築き上げようとしたカエサル。

    戦略的頭脳にも、政治的頭脳にも優れ、それでいて女好き。 魅力満点の男である。

    また元老院に担がれた感じの「三頭政治」の一人、ポンペイウスも戦いに敗れ、戦術家としてはおもしろい人物である。

    この二人の「ファルサルスの戦い」は、読んでいるだけで興奮してしまう。

    才能ある二人だからこその歴史上に残る戦い方。
    当時のローマ人の知性には頭が下がる。 今でいうイン

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    2012年11月20日
  • 勝者の混迷──ローマ人の物語[電子版]III

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    カルタゴが滅亡し、新たな人物が次々と登場する第三巻。

    ここで最初に登場するグラックス兄弟は、印象的である。

    紀元前のこの時代に、果敢に改革を試みる若者たち。

    いつの時代にも、勇敢で正義感あふれる者はいるであろうが、この時代に、というのが驚かされる。

    すでに元老院を中心とする共和制が成り立っているローマであるが、市民の格差問題があらわになり農地改革を実行しようとするわけであるが、大きな権力を相手にするとき、なかなかうまくいかなものであることは、いつの時代も同じ。

    結果的に二人とも志半ばでの死を迎えるわけであるが、これが呼び水になり、ローマが大きく動き出すことになるということは、歴史上大

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    2012年11月20日
  • ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II

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    この第二巻は、ハンニバルのカルタゴとローマの戦いのポエニ戦役が舞台。

    ハンニバルはもちろん聞いたことはあるが、実際にどんな戦術でローマと闘い、どんな人物だったのかは、世界史を知らない私にはまさに未知の世界。

    実際、読み進めていくにつれ、ハンニバルへの思いが強くなり、フィクションの戦争小説を読んでいるような気持になった。

    歴史名を残す武将・ハンニバル。 彼の戦術は、2000年以上前のものとは思えないほどに緻密なものであった。

    私の完璧な偏見ではあったが、紀元前の世界では絶対王政、戦いは単純な歩兵同士の激突、と考えていたが、ハンニバルは違った。

    情報戦、今でいうインテリジェンスに長けた戦

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    2012年11月20日
  • ローマは一日にして成らず──ローマ人の物語[電子版]I

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    昨年完結した「ローマ人の物語」。 読んでみたいと思いつつも、なかなかの長編、さらに世界史はほんど勉強してこなかった私に読めるのか? という思いがあり、なかなか手をつけられなかった書籍。

    たまには歴史ものもいいかな? と思い、とりあえず第1巻にチャレンジしてみた。

    当初、地中海周辺の地図もイマイチわからず、出てくる人名もなかなかとっつきづらく苦労した。

    なんとなく読みすすめていくうちに、紀元前とは思えないほどの発達したローマ人の考え方に驚かされつつ、徐々にではあるが、引き込まれていった。

    ローマに限らず、その周辺の都市(たとえば、ギリシアのポリス国家)の発達した生活ぶり、すでに政治が成り

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    2012年11月20日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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     ローマ教会が何かおかしい、から始まって400年もかけてローマ教会の支配を解放。
    解放したというより、芸術科学の進歩により、ローマ教会の矛盾点が炙り出され、自滅した時代。

    「神がそれを望んでおられる」が、通った、今から見たら偽りの世界。
    今の世も、数百年後の人類が見たら、偽りの世界と言われる点があるのだろうか。

    なお、異教徒の遺産といって、古代ローマの遺産を破壊しつくしたのが惜しい。

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    2015年04月05日
  • 神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

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    いま「カンブレー同盟」の成立過程を読んでるところです。
    いいですね。当時の法王や君主さらに民衆の置かれた状況や考えていることが見えるようです。 
    もう、メモを取りながら1ページ1ページ、超ゆっくり読んでいます。 
    でも、気付いたら、ああもう300ページまで来てしまったか、って感じです。

    読み終わった。
    「アレッサンドロ六世とサヴォナローラ」が読み応えがあった。
    サヴォナローラに麻原彰晃が重なった。

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    2015年04月05日
  • 日本人へ リーダー篇

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    相変わらず手厳しく面白い。
    憲法改正について、律法と法律という分け方が面白かったが、多くの日本人にとって憲法は律法により近いのではないかと思った。何たって万世一系の元現人神から降されるものであったのだから。日本の政府は一度として国民が勝ち取ったものであった試しがないことも大きな要因だと思う。徳川が崩壊した時でさえ、農民層をはじめとした一般庶民が、自分たちの作った政府だなどと自覚したであろうか。
    自分も外から見る立場の今、日本人は外交下手世界1、2を争うのは本当で、特に声がでかくて腕力があるもの勝ち(まさにメリケンそのもの)な今、どこぞの優秀な属国になってた方がいいとすら思えるほどだ。
    民を考え

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    2012年09月19日
  • 絵で見る十字軍物語

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    購入書店:BookLive; 読書環境:Android App; コンテンツ形式:.book; 感想:iPadで読めばまた違うかもしれないが、nexus7の画面では小さくて…この本は紙のほうが良い

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    2012年09月15日
  • 終わりの始まり──ローマ人の物語[電子版]XI

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    また内戦をやっている。距離が離れるほど情報が伝わるのが遅いということを学習しないのだろうか。シリアに情報が伝わるころには、近くの将は動き始めているし、抑えなくてはいけないローマにも遠い。

    今回は内戦の描写が穏やかなので、まだ読むのに心理的に楽だった。

    後継ぎに関しては、ある程度賢い皇帝なのだから、生前に整理しておいてほしかった。それであれば国力の衰えも少なかっただろうに。

    それにしても、親が奴隷でも自身は能力と努力次第で皇帝にまでなれる社会というのは素晴らしい。身分の固定されていた国に比べれば、繁栄するのは当然と思われる。

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    2012年09月06日
  • ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―

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    ・見たい、知りたいという欲求の爆発
    ・キリスト教=神を信じること ⇔ ルネサンス=疑うこと
    ・フィレンツェ → ローマ → ヴェネチア

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    2012年09月02日
  • ルネサンスの女たち―塩野七生ルネサンス著作集2―

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    塩野七生の処女作。
    今の彼女のスタイルである、"説明をしつくしながらもくどくない"ところはなく、先へ先へと走っていくような作風が駆け出しの頃の彼女の情熱を感じて楽しい。
    ルネサンスを生きた四人の女性にスポットを当て、ルネサンスとは何か考えさせてくれた。

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    2012年08月28日
  • ルネサンスの女たち―塩野七生ルネサンス著作集2―

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    塩野七生さんの本はよく読むが、原点とも言える作品だ。前書で、若書きと自らの作品を揶揄されているが、なかなか素晴らしい作品だ。四人の女性を通じてルネサンス期のイタリアを描く。それぞれの人物がよく描かれており、歴史に翻弄される哀しい運命が切々と書かれている。これらの物語は、さらに進化して、後の作品に結実すると考えると感慨深い。

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    2012年08月25日
  • ユリウス・カエサル ルビコン以前──ローマ人の物語[電子版]IV

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    おもしろかった!

    私も時代の子で、民主主義至上主義に漬かってきた弊害が明るみに。

    カエサルに対して悪いイメージしかなかったのが、払拭された。
    また、キケロに対し良いイメージしかなかったのも、一変した。

    もちろん、これまでの巻を読んだり、現在の日本の状況を見るに、カエサルのやろうとしてることは、むしろ羨ましくすら思っていたのだけれども、それでもなお、カエサルについて事前に知っていたことが「ガリア戦記書いた」「賽は投げられた」「アウグストゥスを養子にした」「三頭政治」「独裁しいた」「ブルータス、お前もか」という、レベル(笑)

    こんなにかっこいい人だったのね。
    また、莫大な額の債務者が、債権

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    2012年08月24日
  • ルネサンスの女たち―塩野七生ルネサンス著作集2―

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    空港で買ったけど、飛行機乗ってるときに小説を読んでると、搭乗券やらもろもろの紙をなくさないことを知った。

    4人の女性―マントヴァ侯爵夫人イザベッラ・デステ、教皇アレクサンデル6世の娘ルクレツィア・ボルジア、イーモラ及びフォルリの女領主カテリーナ・スフォルツァ、キプロス女王カテリーナ・コルネール―を通してイタリア・ルネサンスの政治の芸術(アルテ)を描く。
    その中で抗った女・流された女・戦った女・利用された女。

    塩野七生の書き方は、歴史書とも小説ともエッセイともつかないものだけれど、今回読んでみて思ったのは、研究者が自分のおもしろいと思ってることを親しい人に楽しさのあまりしゃべってるのに近いか

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    2013年01月16日
  • キリストの勝利──ローマ人の物語[電子版]XIV

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    キリスト教を公認したコンスタンティヌス大帝の息子、コンタンティウスから始まる歴史。疑心暗鬼に囚われ宦官にその挙を委ねるのは、滅亡への王道と言えば皮肉か。その後に現れたユリアヌス帝の必死の戦いや政治は、その対照となるがゆえに悲しく、はかない。と同時にキリスト教の勃興期における、「いい加減さ」を推し量ることができる。ローマの終焉を文章から感じるのは辛いものです。

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    2012年08月12日
  • マキアヴェッリ語録

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    大きな病いを経験したことをきっかけに、私自身、自分の人生や生きる意味を問い直しているところです。色んな本を読み、たくさんの人から話を聞いて、今自分にピッタリくるのは儒教の考えだと思いはじめています。
    ただ一方で、対極にある考えも知りたいと思い、韓非子やマキャベリの本も読むことにしました。

    そして、とても驚いています。
    なぜなら私が勝手に「対極だ」と思い込んでいた思想が、とても近い間柄であるように感じたからです。確かに双方手段は異なります。しかし人間という生きものの捉え方は、とても似ています。
    一人の人間として、またその集団の中に生きる者として、どんな手段を選ぶのか。後は選択の問題だと思ってい

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    2012年07月22日
  • 日本人へ リーダー篇

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    塩野七生。
    存じ上げなかった。恥ずかしい限り。

    「戦争は血の流れない政治であり、外交は血の流れない戦争である」
    言いえて妙。

    ローマの話がちょくちょく出るので、興味のない人にはつらいかも。
    『ローマ人の物語』
    ぜひ読破したい。

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    2012年07月20日