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志なかばに倒れたカエサルの跡を継いだオクタヴィアヌスは、共和政への復帰を宣言。元老院は感謝の印として「アウグストゥス」の尊称を贈ったが、彼の構造改革の真の意図は別のところにあった……。半世紀をかけて静かに帝政を完成させ、広大な版図に平和をもたらした初代皇帝の栄光と苦悩を、あますところなく描いたシリーズ最高傑作。 ※当電子版は単行本第VI巻(新潮文庫第14、15、16巻)と同じ内容です。
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Posted by ブクログ
ジョン・ウィリアムズ『アウグストゥス』から、史実はどうなのか興味が湧いてこちらを読む。天才の後を継いだ、天才じゃないアウグストゥスが、いかにしてローマの平和を築き、持続させたのか。いやー、面白かった。苦悩も含めて。ますます興味が沸く。 (こうしてみるとウィリアムズはほぼ史実に忠実で、そこから人物と...続きを読む物語を深めたこと、特にユリアを膨らませたことで物語の厚みと影が出来たことがよくわかる。これを読んだ後で、ウィリアムズを再読するとまた更に面白そう。) しかしこれを書いた時点では、塩野さんはウィリアムズ未チェックだった模様。 いやー、ローマ面白いわー。
天才カエサルの後を継いだ天才でない人物が、いかにして天才が到達できなかった目標に達したか―人々が見たいと欲する現実を見せるために、見たくない現実を直視しながら、静かに共和政を帝政へ移行させた初代皇帝アウグストゥス。ローマを安定拡大の軌道にのせるため、構造改革を実行し、「ローマによる平和」を実現したア...続きを読むウグストゥスの運命と意志の物語。
18歳でカエサルに後継者として認められた初代皇帝アウグストゥスの生涯を描く。 まずは、ローマ国内のライバル、アントニウスとその妻であるエジプト女王クレオパトラを葬る。続いてはローマ国周辺を制圧。そして、皇帝へ。 と、ローマの帝国化に成功したアウグストゥスだが、次期皇帝を自身の血縁者にするという最...続きを読む大の目標には失敗。心残りだったのだろう。
カエサル亡き後に役者はいるのかと思ったけれど、塩野さんの筆ならばきちんと役者は登場する。アウグストゥスは悩みに悩んで帝国を育てた人だった。そして自分の身内を結果的には贔屓することもなく、フェアプレイをした人だった。フェアプレイをする気はなかったのに、結果フェアプレイ。この人もまたすごい人だった。
第6巻は紀元前30年、オクタヴィアヌス(アウグスツウス)の皇帝即位から、紀元後14年アウグスツウスの死まで。 「マキャヴェリ 新しい政策を断行しなければならない場合は、人々に考え批判する時間を与えないように次々と行うべきである」 「情報公開 秘密とは、それを所有する者の権力を増す上で、最も有効な...続きを読む手段である」 「アウグスツウスの卓越した手腕 一つ一つは完全に合法でありながら、それらをつなぎ合わせていくと、共和政化では非合法とするしかない、帝政につながっていくからである」 「ローマ街道 ひとつの目的のために完璧につくられたことは、他の目的のためにも役立つという真理」 「価値観さえ共有していれば、妥協は常に可能である」 「平衡感覚とは、中間点に腰をすえることではない、問題の解決により適した一点を探し求めるという、永遠の移動行為」 「ローマ人の家庭には必ず、その家の守護神と先祖たちの「霊」を祭る一画がある。神的なまでの天分に恵まれた生者は死後には星・守り神になる 日本の神々との類似性」 「平和を目指すからこそ常備軍が必要という、方針が確立」 「マキャヴェリ いかなる事業も、それに参加する全員が、内容はそれぞれ違ったとしても、いずれも自分にとって利益になると納得しないかぎり成功できないし、その成功を永続させることもできない」 「税制改革 いかなる事業であろうと、財源の確保なしには存続は望めない」 「一見逆説のようだが、逆説ではなく真実である。文明のどが高ければ高いほど、その民族の制覇は容易になり、低ければ低いほど、その民族の制覇は困難になる」 「長生きすることは、親しい人の死に出会う回数が増えることである。同年代の人が多くなると、人間は老いを、そして自分の死も、深く感ずるようになる」 「人間とは、責任感と自負心を持ったときにもっともよく働く、使う側から言えば駆使できる、生き物である」 「女は愛されていなくても愛するフリをしてくれるだけでも耐えられないこともない」 「ローマの共和制とは、貴族性・寡頭制であり、現代の我々が考える民主政体ではない」 「人間は、自分では忘れたいと思っていることを指摘されると、腹を立てるものなのである」
オクタヴィアヌスがカエサルの後を継ぎ アントニウスとの闘いなどを経て初代皇帝アウグストゥスとなったところです。 晩年のエピソードが好きです。
初代皇帝アウグストゥスの生涯が書かれています。 カエサルの後継者でありながら、慎重で、戦いに弱く、才能よりも血にこだわるなど、カエサルとは異なるところが多かったようですが、カエサル以後のローマを平和に導いた功績は大きいと思われます。 カエサル以後の割と平和な時代には、アウグストゥスのような人物がロー...続きを読むマを率いたことはローマにとって良かったのではないでしょうか。 アウグストゥスはカエサル程、才能には恵まれてはいませんでしたが、統治能力、慎重さ、平和裏に帝政へ移行する忍耐力等は優れており、自分に才能がないところは、アグリッパ、マエケナス2人の友に支えられながら、ローマを平和にしていきました。 カエサルとはまた違った魅力を感じる人で、苦労した人生を見ると親近感が湧く人物でもあります。
カエサルのカリスマ性を持った天才ではなかったが、偽善という性質は持っていたアウグストゥスが帝政を築き上げていく物語。自分が見たい現実しか見ない人間が多くいる中、アウグストゥスは見たくない現実も直視した。それ故、見たい現実しか見ない阿呆の相手をするには苦痛を伴ったが自己制御能力が抜群であったため、長時...続きを読む間かけて段階的に帝政を完成させていく。合法に見えるやり方でも、つなぎ合わせれば非合法の帝政を達成させた。しかしこれらの成功の影には常にカエサルが現れた。 1.統治前期 自らが持っていた特権を廃止し、共和政復活を宣言するも、内実は手放した方が利益になる特権を廃止したにすぎず、浅はかな元老院は上っ面しか受け取れなかったため帝政を進めることになる。彼は、周りからの熱があってようやく取り組む姿勢であって、カエサルのように一挙に進めることはしなかった。それ故、周りを欺き、訂正を進めることができた。14年の内乱がありながらも他国や属州から反乱がなかったのはカエサルがそのような統治体制を整えたおかげである。死してなおその姿を残し、大きな貢献をもたらすカエサルの偉大さたるや。 西方に次ぎ東方の再編成を終え、権威と権力を着実なものにする。有力貴族ではないため、先に名声を高め、その後明らかな帝政制度を進める基盤作りをしたのは自然な流れに感じる。カエサルと違い30代から動けたアウグストゥスにはのんびりと着実に進めることができたが、これもまたカエサルのおかげである。かといって全てを段階的に進めるではなく、時には考える隙を与えず次々と法を整えていたから、巧妙さが伺える。 2.統治中期 帝政の核とすべきローマ市民の質と量の確保に努める。属州民の更なる同化。信頼たる部下、アグリッパらを失う。 3.統治後期 固執した血の繋がりを重視した計画をことごとく失敗したため、次期皇帝ティベリウスに近づいていく。遺言でも細かな現状情報と指示を与えており、高効率な国家の運営と平和の確立を目指したアウグストゥスの働きぶりが現れている。一度も元老院達の大きな反発なく死を迎えられた点は、アウグストゥスの偽善が効いた証である。属州で反乱が起こったのは、アウグストゥスが現地で考えることを怠ったため、正確に把握できずに判断を鈍った故だと思う。今まで反乱が起こらなかったのはカエサルの統治能力に依るものである。 if.アウグストゥスが帝政を全面に出した政策を打ち出していたら?
古代ローマの指導者たちの死後の執着が薄かった。霊廟が質素 常設の軍事力 ⇒防衛に必要となる。攻め込まれるたびに徴兵していたら後手に回るため 攻撃ならその都度 目的に応じて召集すればよい ただし可能な限り効率的に、少ない経費で最大の効果をあげる組織を作らなければ 国の経済力がそれに耐えきれなくなる。...続きを読む防御側の不利。 ⇒税の値上げ⇒住民の不満⇒国内の不安 未開部族相手では勝利しても戦利品が期待できない。 戦争において勝てば戦利品が期待できるのは兵士の士気に大きく関わる ⇒未開部族相手の防衛は地味で苦労ばかりおおい汚れ仕事 古代ローマの安全に対する考え 他人に金を払ってもらって安全を保証してもらうのは人間を堕落させる 征服された人々が反乱するのは、民衆が自主的に蜂起するためでなく、 民衆の指導者層が民衆を扇動するから。支配者層が不満をもつのは 他国民に支配された結果、自分たちのうまみ(権威、権力)がなくなるから ⇒支配した部族の指導者層、拠点の温存が長期支配につながる 民衆の不満は指導者を得ない限りは爆発しない。 若い指導者は老害になめられる 古代ローマの少子化対策 軍隊の種類 ①他国からかき集めた傭兵 士気ひくい。 ②自国民 士気たかい。自国防衛という理念 ③ キケロ 「人間にはことの重大さを理解する頭脳はある だがそれが、対処する活力に結びつくかは、どれほど読みきく人に とって心地よい形で提示されたかによってきまる」 文明の度が高いほど、征服は容易になる。 ①文明化の利点を理解できるから。 ②文明化していれば都市を作って住んでいるから、 蛮族相手だとゲリラ戦になる ローマ人は死を忌み嫌ったりしなかった 女は愛してくれるふりをしてくれるだけでも耐えられることもある ローマの共和政:貴族政、寡頭制 軍勢が5万を超えると指令が行き届かなくなる 古代の考えでは、運命を自分の思い通りにしようという考え方は謙虚さを忘れさせ 神々から復習される。 ローマ軍の強さはロジスティック(兵站 昼でも暗く深い森 正攻法になれた兵士ではきつい 法とは、上に立つ人間が守ってこそ、下の者にも強いることができる
アメリカによるイラク攻撃の話題と時期的に重なったためにパクス・アメリカーナの意図が見え隠れする。ひとつの超大国とその他の国の集合体だけが平和をもたらすという考え方(塩野七生の解釈か?)は2000年後でも通用するのか。国連(≒元老院)の無力ぶりからもうなずくしかないか。
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